Metascapeの使い方の動画をみています。

今日のノーベル物理学賞は機械学習の基礎を築いた二人に授与されましたね。Hopfield先生は91歳とのことですが、生物物理学の受賞歴もある、生物物理学者のようです。アメリカ物理学会の会長も務めたことがある人で、2022年度の Boltzmannメダルとか、2001年のDiracメダルとか有名な賞をすでにいくつも受賞しています。Hinton先生は以前このブログでも紹介したチューリング賞受賞者ですね。コンピュータ科学のノーベル賞といわれるチューリング賞に続いて、ノーベル賞も受賞されました。私は今年のノーベル物理学賞はAlphaFold2の開発者と機械学習の研究者の共同受賞になるのではと思っていましたが外れました。AlphaFoldは相分離生物学の開拓者と組み合わせて、明日の発表がある化学賞にするのがよいかもしれませんね。

さて、本題です。このところ、今書いている論文のデータ解析にMetascapeという遺伝子群の解析サイトを利用しています。
https://metascape.org/gp/index.html#/main/step1
エンリッチメント解析には昔はDAVIDというサイトを使っていたのですが、いろんなエンリッチメント解析ツールがあらわれてそれを片っ端から試してみています。Metascapeは開発が継続しておりCytoscapeとの連携もできて大変よさそうで役立ちます。
TogoTVに詳しい使い方の動画が数週間前にアップロードされているのを、今日知りました。今みていますがなかなかよい動画です。おすすめですので皆さんもサンプルデータなどを使って動画をみながら解析してみると面白いと思います。動画はこちらです。

線虫C. elegansの研究者がマイクロRNAの研究でノーベル賞を受賞しました!

また線虫C. elegansの研究からノーベル賞がでました!今夜の二人(Victor Ambrosと Gary Ruvkunさん)の受賞は、ずいぶん前から確実視されていました。22ヌクレオチドからなる小さなRNA(let-4という遺伝子の産物です)がタンパク質の翻訳制御にはたらいていることを二人が発表したのが1993年、Ruvkunがlet-4と同じような働きをするlet-7 (これは21ヌクレオチド) を発見し、そのオーソログ(共通祖先を持つ異種間の相同遺伝子)がなんとヒトを含む様々な生物に存在していることを発見したのが2000年です(末尾のノーベル賞委員会のスライドをご覧ください)。生物のゲノムの中に潜むマイクロRNAの発見は、生物学の教科書を書き換えてしまいました。現代物理学でいまだ正体がわからないダークマターのように、ゲノム宇宙に潜んでいる暗黒物質の存在とその正体をつきとめた発見といえるでしょう。今夜は授賞者発表の生中継をみていたのですが、最初のスエーデン語のところで二人の受賞がわかりました!
https://www.youtube.com/live/Ln5rCmDqua0?si=VatszLW4vqcandiJ

線虫研究者の受賞はこれで8人になると思います。まだまだノーベル賞受賞の候補者はいっぱいいますので今後も楽しみです。ノーベル賞委員会のThomas Perlmann教授が、二人にノーベル賞の受賞を知らせる電話をかけたそうですがアメリカは夜明けごろなので電話がAmbrosには通じず携帯に伝言を残しただけだったようです。Ruvkunのほうも固定電話のためなかなか電話に出なかったのですが、やっと奥さんが出てRuvkunさんを呼んでから、彼が電話に出るまでにまた結構時間がかかったそうです。彼がやっと出た時には たたき起こされたという感じなのでしょうか、最初は大変疲れているような応答だったそうです。ノーベル賞授与を伝えると彼は大喜びで、奥さんに電話をかわってもいいかということで奥さんとも長い間、ノーベル賞の話をしたそうです。二人ともストックホルムに行くのを楽しみにして、大喜びだったとのことです。本当におめでとうございます。

この電話の直後に行われた、電話インタビューももう配信されています!Ruvkunさんによると、多分過去に何度かうけたことがある、友人からのいたずらの受賞通知電話ではなかろうかと最初は思ったそうです。
First Reactions | Gary Ruvkun, Nobel Prize in Physiology or Medicine 2024 | Telephone Interview
https://youtu.be/yAJRqvOa1UE?si=puuFB5BZdN5itD4f

マイクロRNAはその後の様々なRNAの発見のさきがけとなった研究です。このへんのところについては以前紹介したオープンアクセスの教科書をダウンロードして学んでみてください。
今回のノーベル賞をきっかけにRNAについて学ぶのに最適の本です。

RNA研究の発展の歴史を生き生きとたどり現代の最新の知見まで紹介する本の紹介です。

写真は上に掲載した受賞者発表の動画で使われたスライドの一部です。生中継をiPadでみていたときのスクショです。



MITのOpen CoursewareでMathematics for Computer Scienceという教科書をダウンロードしたり、有名なStrang先生の微積分入門講義が学べます!

MITのオープンコースウエアでMathematics for Computer Science という教科書が読めるのを今年初め(1月17日)に紹介しました(末尾にリンクを埋め込んでおきます)。その記事内の教科書へのリンクは2015年版のものでした。今日、2018年6月改訂版版のリンクを紹介しているツイートをみつけたので紹介します。こちらの直リンクからダウンロードできます。
https://courses.csail.mit.edu/6.042/spring18/mcs.pdf

このMITのオープンコースウエアですが、こちら
https://ocw.mit.edu/
から検索してみると、様々な講義があって多くは動画とテキスト、資料などがダウンロードできるようになっているのがわかります。
今ちょっと調べてみると、Strang先生の学部生向けの微分積分学入門コースのオンラインテキストが公開されているのをみつけました。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/
テキストはこちらから読むのがよいと思います。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/textbook/
動画もあります。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-005-highlights-of-calculus-spring-2010/video_galleries/highlights_of_calculus/

インストラクター用マニュアルもダウンロードできます。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/instructors-manual/
学習の手引きもあります。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/study-guide/
Strang先生の関連講義や本などの紹介ページもあります。
https://ocw.mit.edu/courses/res-18-001-calculus-fall-2023/pages/related-resources/
いたれりつくせりの講義システムですね。こんな講義がオンラインで寝ながらでも学べる(タブレット端末とかを使って)というのは、本当によい時代になったものです。

MITのオープンコースウエアから、コンピュータサイエンスのための数学、科学者のための圏論の2冊と、話し方のビデオを紹介します。

東京大学の立川裕二先生による「研究と研究発表、論文執筆などについてのアドバイス」が読めます!

以前も何度か紹介した東京大学の立川裕二先生のサイトの紹介です。
(以前の記事の一つを末尾にペーストしておきます)

先生のサイトには学生向けに書かれた記事や、講演動画や解説記事その他いろいろな役立つ記事がありますので是非参照してみてください。
中には次のようなタイトルの記事がありました。私は生物系ですが生物系の研究とも共通する役立つ指摘がいっぱいの記事ですので是非読んで参考にしてください。発表の時に気をつけたらよいことの中にある、スライドをちょっとづつ見せていくというのをやめるべきという指摘は私もよく学生にしていた注意です。前にも書きましたが、よくニュースででてくる『あるものが』という導入も絶対さけるべきです。『あるものとかいって人の気をひこうというような姑息なことを考えてないで、さっさと内容をいえ、』という反発を多くの人がいだくので、せっかくの研究内容が理解されなくなります。もちろん偉い先生がきいていて、研究費がもらえなくなるリスクもあります‥‥(実例を知っています)。

先生のサイトの以下の文のあるリンクから読めますので、是非ご覧ください。
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/

『博士論文執筆の際にお願いしたいことおよび(博士/修士/普通の)論文執筆の際にお願いしたいこと、その二 なるものも書きました。発表のときに気をつけたらよいことも書きました。勉強から研究へというのも書きました。』

記事への直リンクも張っておきます。dronというのはD論(博士論文)という意味です。
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/misc/dron.html
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/misc/dron2.html
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/misc/presentation.html
https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/misc/from-benkyo-to-kenkyu.html

先生の 「数学セミナー」誌の 2024 年度の連載記事は前にも紹介しましたがわかりやすくて、毎月楽しみにしています。

4月号: 場の量子論とは何か
5月号: 場の量子論とその数学の歴史と現状
6月号: 場の量子論の物理屋むけ記述について
7月号: 場の量子論のユークリッド化について
8月号: 場の量子論の二つの基本定理
9月号: 代数的場の量子論について
これらの記事の内容を理解するのに役立つ講演も先生のサイトにのっています。スライドもダウンロードできます。
20180925秋季 総合講演 立川裕二氏講演
『場の量子論の 場の量子論による 場の量子論のための数学』
この動画をみて、量子電磁力学の予言の正確性の例としてよくでてくる、電子の異常磁気モーメントの値が、どのように計算されるのかがはじめてわかりました。
https://youtu.be/5FS-V8XAXyA?si=LIC145pZx1ZtzeK_

東京大学の立川裕二先生(カブリ数物連携宇宙研究機構教授)のサイトや動画を紹介します。

【第81回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(10/3 オンライン開催)の動画がアップロードされています。

このブログでたびたび紹介している国立情報学研究所のオンラインシンポジュウム

【第81回】 大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(10/3 オンライン開催)の動画が公開されました。
https://www.youtube.com/live/tS8VydEQUm0?si=b4hmLP1mF2itiIWx

タイムシフト視聴が10月7日朝9時まで可能だそうですので急いでご覧ください。
内容紹介と資料はこちらのページにあります。
https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/
このページから、主な講演タイトルをペーストしておきますので興味のある方はご覧ください。九州大学の方の講演もあります!

3.「AIの言語生成と人間の言語使用の違いを重視するAI活用:大学英語ライティング授業の教育学的考察」
柳瀬 陽介 京都大学国際高等教育院 教授

4.「大学職員の内省を促すAI「何でも相談おじいさん」開発の経緯と実装」
森木 銀河 九州大学インスティテューショナル・リサーチ室・学術推進専門員

5.「Generative AI and Education: Opportunities and Issues」※(YouTube自動翻訳)
Mike Sharples(マイク シャープルズ)Emeritus Professor of Educational Technology, The Open University, UK

6.「対話型AIのソフトウェア開発への応用 ~実践例の紹介~」
伊藤 篤 中央大学経済学部 教授 / 大塚 あみ (株)ゼンリンデータコム

柳瀬先生の講演はAIの英語教育での利用についてです。英語教育におけるAIの活用法の具体例の他に、AIをアシスタントとして使って今までできなかったほど高度な英語教育を行うかについての深い考察が聴きどころだと思います。

Sharples先生の講演は、AIの利用を禁止するのではなく以下に活用してより高度な教育をするかについての具体例を含む広範囲の考察が聴きどころです。スライドもダウンロードできるのでゆっくり復習することもできます。

伊藤先生と大塚さんの講演はAIをつかってどのようにプログラミングをするかについて具体的なデモを含めて解説してくださっています。私なども毎日ChatGPTにプログラミングをしてもらっているのでとても参考になる講演です。

大学は新学期が始まりましたね!紫金山・アトラス彗星もきれいに見えるそうです!

東北では今話題の彗星『紫金山・アトラス彗星』がきれいに見えるそうです。きれいな写真をみせてもらいました。双眼鏡でもみえるそうです。詳しくはこちらの動画をご覧ください。
https://youtu.be/EKRjkickOQU?si=P7Mal45CPamm5xL5

新学期がはじまったので、東北大学の大関先生の授業もはじまったようでYouTubeで公開が始まりました。大変わかりやすい授業なので、物理や工学の勉強をはじめようという方には絶対おすすめの授業です。前期や昨年度、それ以前の講義もすべてYouTubeで視聴できるので好きな授業を学ぶこともできます。

前期は応用数学Aの講義がありましたが、後期は応用数学Bがはじまるそうです。これもおすすめの講義です。


大学院の講義もはじまるそうで、

The Royal InstitutionのYouTubeチャンネルに場の量子論についての一般向け講演が公開されました。

一般向けの講演ですが、結構詳しい一般向け解説でなかなか面白そうです。

無料の教科書リンク集、動画・オンラインコースのリンク集など宝の山のサイトがありました!

英語の教科書のリンク集をみつけたので紹介します。
200 Free Textbooks: A Meta Collection
https://www.openculture.com/free_textbooks

哲学や音楽、歴史、美術、経済学、ビジネス、コンピュータサイエンス、数学、物理、化学、生物学などあらゆる分野の無料教科書を集めてあるサイトです。中には以前このブログで紹介した、無料の「生命科学むけの有機化学」の教科書も掲載されていました。

生命科学志向の有機化学の教科書が無料で読めます!量子化学の教科書とかもあります

残念ながらこのサイトに掲載されているリンクは切れているようなので、私の記事で紹介したリンクを再掲しておきます。この教科書の問題解答集も二冊同時公開されているので役立ちます。全部オンラインでダウンロード可能です。

Soderberg, Timothy, “Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume I” (2019). Chemistry Publications. 1.
https://digitalcommons.morris.umn.edu/chem_facpubs/1

Soderberg, Timothy, “Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume II” (2019). Chemistry Publications. 2.
https://digitalcommons.morris.umn.edu/chem_facpubs/2

今紹介したのは教科書を集めたページですが、無料本を集めたページや、オーディオブック、オンラインの無料コース、無料動画、無料ポドキャストなどを集めたページなどいろんな無料リンクが、こちらから閲覧できます。
https://www.openculture.com/

無料動画のページには4000 本以上の動画がリストされています。ダーウインの伝記もありました。
https://www.openculture.com/2011/07/darwin_a_1993_film_by_peter_greenaway.html

このサイトはおすすめです!

RDKit入門の記事があります。

化合物情報をコンピュータで扱うケモインフォマティクスの分野でよく用いられるライブラリにRDKitというのがあります。このRDKitはPythonで使うライブラリで、その導入方法、使い方についてのよい記事があったので紹介します。
『RDKitでケモインフォマティクスに入門』
https://future-chem.com/rdkit-intro/

これは『化学の新しいカタチ』という有機化学者のための計算科学入門(量子化学をPythonで学ぶなど)の記事が中心のブログにある記事です。
https://future-chem.com/
このブログから次の本が生まれて、出版されています。
「Pythonで動かして始める量子化学計算」
https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339066685/
このブログには、コンピュータで分子の構造や結合をどのようにあらわすかなど、基本的で重要な事項も解説されているので役立ちます。
『ケモインフォマティクスで使われるファイル形式と化合物の描画方法』
https://future-chem.com/cheminformatics-file-format/
PDBとか、SMILESとかが何かを知りたい人は是非上のリンクを参照してください。たいへんわかりやすい記事です。
このように、素晴らしい記事満載のブログですので、是非のぞいてみてください。

これから出る本がわかるインターネットサイト―Books

昔よく手に取っていた「これから出る本」(日本書籍出版協会)という書籍の近刊案内がありました。去年12月で休刊になってしまい、よくみていたのに残念と思っていました。しかし日本書籍出版協会その他の団体が共同で設立した一般社団法人日本出版インフラセンターというのがあって、そこがオンラインで公開している『出版書誌情報データベース(Books)』というのがあるのを今日知りました。これは「これから出る本」より格段に便利で役立つサービスになっています!
https://www.books.or.jp/
今月とか前月、来月などを選ぶとカレンダーでて、その月にでる本が日にち別に表示できます。ジャンルを選んで表示させることもできるので、医学・理工・コンピュータ、文庫・新書、電子書籍など一通りのジャンルに絞った表示もできて便利です。表示された本はリンクをクリックすると、内容紹介や著者の情報などが表示され、出版者のサイトにも飛べるようになっています。電子版へのリンクもありますし、試し読みができるものもありました。

書店へでかけないで新刊について詳しくわかるので、これは便利なサイトです。ブックマークしておいて、これからちょいちょい参照しようと思います。