家の前で紫金山・アトラス彗星が見えました!ノーベル賞が物議をかもしているようです。

PubMedは検索できるようになったようでよかったです。
今日は福岡はとても暑くて30度をこしたそうで、今年の夏から秋は記録ずくめの猛暑とのことです。日中は暑いのでちょっと涼しくなった夕方、芝生のエッジ切りをしていたので散歩をさぼったのが悔やまれます。奥さん一人で散歩にでかけて、なんと家の前で紫金山・アトラス彗星が見えたのです!はじめは飛行機雲かなと思ってしばらく歩いても金星の斜め上にずーっとあるので、これは彗星やとわかってすぐ電話してくれました。もうすぐ雲がかかるから早く!とのこと。さっそく家の前に出たのですがもう うす雲がかかってきていて、肉眼では見えず、iPhoneで撮影した写真にはまあ念写したみたいな ぼーっとしたすじが(拡大したらあるかなぁという程度に)写っていました。幸い奥さんがちゃんと写真をとってくれていて、肉眼でも見えてかつ写真もとれたというので大喜びです。帰宅してきてStellarium で、確かに彗星だと確認しました。私も肉眼でみたいので明日以降にチャレンジしてみます。散歩に行けばよかった‥‥。

さて、今日の話題はノーベル賞です。
今年のノーベル物理学賞は物議をかもしていますが、化学賞と物理学賞についての解説を今井翔太さんが公開して下さっているので紹介します。

こちらの記事も参考になります。
本来なら日本の甘利俊一・福島邦彦両氏が受賞すべき今年のノーベル物理学賞
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/83733

甘利先生の著書でネットで読めるものはこちらです。
甘利俊一 著『バイオコンピュータ』,岩波書店,1986.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12628929 (参照 2024-10-18)

甘利俊一 著『神経回路網の数理 : 脳の情報処理様式』,産業図書,1978.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12680449 (参照 2024-10-18) こちらは最近文庫化された本の単行本です。文庫本が出たあとも、まだ読めるのでありがたいです。(追記:もう読めなくなっています。残念ですね。)

Pubmedで検索できませんね!とりあえず米国かヨーロッパのPubMed Centralを使いましょう!

午後、PubMedで検索しようとしたら、エラーがでて検索できませんでした。今夜になってもまだ検索できないので、Europe PMCを使っています。https://europepmc.org/
検索できないで困っている方はPubMed Central https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/
も使えるようなので、どちらかで検索するとよいでしょう。

最近はInternet ArchiveがDDOS攻撃で使えなくなっていて不便です。Wayback Machineは復活したようですが、ライブラリはオフラインになっています。ろくでもないことをする奴がいるものです。お金とかを要求しているのかもしれませんね。

岡潔関係の本の追加です

今日は忙しいので国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料で読める岡潔関係の本や記事を追加しておきます。

『私の履歴書』第30集 (井上五郎,岡潔,桐竹紋十郎,土屋喬雄),日本経済新聞社,1967. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2972813 (参照 2024-10-16)

石原慎太郎 著『酒盃と真剣 : 石原慎太郎対話集』,参玄社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12244280 (参照 2024-10-16) 岡潔との対談が収録されています。

高瀬 正仁先生の雑誌にかかれた記事もありました。

天才数学者・岡潔の肖像(上)福良の海と数学の誕生 / 高瀬正仁/p99~107
https://dl.ndl.go.jp/pid/3368402/1/52

天才数学者・岡潔の肖像<中>「心情の美」と数学の変容 / 高瀬 正仁/p111~122
https://dl.ndl.go.jp/pid/3368403/1/58

天才数学者・岡潔の肖像<下>トノンの秋と由布院の春–考古学者・中谷治宇二郎との友情と断絶の果てに到達した「真情」と学問の創造 / 高瀬正仁/p107~119
https://dl.ndl.go.jp/pid/3368404/1/56

Open Shelfという色々な本がオンラインで読めるサービスがあります

Open Shelfというサイトには様々なオンラインで無料で読める本が公開されています。
https://open-shelf.appspot.com/

例えば:
小泉八雲の『怪談』
https://open-shelf.appspot.com/Kwaidan-StoriesAndStudiesOfStrangeThings/index.html

中谷宇吉郎の『科学の方法』
https://open-shelf.appspot.com/Kagaku-no-houhou/index.html

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』や、『鏡の国のアリス』。
https://open-shelf.appspot.com/AlicesAdventuresInWonderland/index.html
https://open-shelf.appspot.com/ThroughTheLookingGlassAndWhatAliceFoundThere/index.html

デカルトの『方法叙説』https://open-shelf.appspot.com/DiscourseOnTheMethod/index.html
なども読めます。リンクはしませんが、オーウェルの本はいっぱい翻訳されておいてあります。
『1984』や『動物農場』も読めます。他に、シャーロックホームズの小説や、H.G.ウエルズのSF、ベルヌの『80日間世界一周』、『ロウソクの科学』なども読めます。探してみてください。

紫金山・アトラス彗星のライブ中継をみてもりあがっていました。

今日は午後、息子から連絡があり、すばる望遠鏡のライブ中継をやっていてもうすぐ紫金山・アトラス彗星が現れるところがYouTubeでみられると教えてもらいました。さっそくFireTVでYouTubeを奥さんと二人でみました。日が沈んで彗星がみえるようになるところがとても素敵でした。ライブ中継を見逃した方はこちらの動画(ライブ中継の録画動画)で楽しむことができます。(追記:10・24日確認したところ見られなくなっていました!残念。
C/2023 A3 (Tsuchinshan–ATLAS) special LIVE from Subaru telescope, Maunakea, Hawaii 紫金山・アトラス彗星
https://www.youtube.com/live/AsntOiEmh3U?si=B-IbuS8Nmb__ZeCu

短いですがこちらはまだみられるようです。https://youtu.be/XhUC-CVWi4c?si=A-YdARoaaH7EqnxM

この彗星、福岡でも夕暮れにみることができるようになったそうで、きれいな写真がネットにでていました。私達もみようと、今日の夕方 近くの丘の上に登って暗くなるまでまっていたのですが、西の方向に雲が多くて、金星もちらっと見えただけで観測できなくて残念でした。このブログでも紹介したStellariumという無料ソフトを起動してみると下の図のように彗星の位置が表示されます。金星はすぐに見つかるので金星をみつけて、夜空で三番目に明るい星であるアークトゥルスと金星の間を探せば簡単に彗星がみつかるはずです。

これからまだまだ肉眼でもみえるようですので、晴れた日に観測にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。私達もチャレンジします。
下の写真はライブ中継のスクショです。きれいですね。

Mathematicaを使って、高校生でも学界発表ができたという動画がありました。

Mathematicaを使って高校生が学会発表しているという話を聞いたことがあります。Mathematicaを販売しているWolfram Japanの動画をみてその概要がわかりましたので動画を紹介しておきます。今日は、依頼原稿を書いていたので簡単な動画ですみません。

文房具としてのMathematica〜難しいことは任せ科学の探究を〜 植田毅氏(東京慈恵会医科大学)
https://youtu.be/Z4qFHZ4A5_E?si=kaxc9Ig5Zw16pgBQ

国際学会にいくと、プログラミングの能力はあまりない若い人がソフトウエアを使って様々なシミュレーションをして意味のある結果をみつけて発表しているそうです。Mathematicaもそうした目的によく使われる有料ソフトウエアです。この具体的な使い方とそれで論文を書いたり、学会発表したりという体験を詳しく紹介している動画です。大変役立つ動画だと思いました。今のAI時代、こうしたソフトやAIを使ってプログラミングや数学の基礎知識がなくても『問題の立て方さえうまくやれば』意味のある成果が得られるという実例の動画です。

折り紙と宇宙と幾何学

孫が折り紙にこっていて、いろんな本を読んで作っています。ときどきZoomでも折り方の指導をしてくれるので私も折り紙に興味をもちました。
孫が熟読しているのは前川淳さんの折り紙の本だと思います。前川さんは、国立天文台野辺山で天体関係のソフトウエアを開発しておられる科学者で、世界的に有名な折り紙作家です(前川先生のブログはこちらです。https://origamilo.jp/blog/
前川さんのことを私は全く知らなかったのですが、雑誌『数学セミナー』の今年の10月号に「月見団子の積み方」という面白い巻頭エッセイを書かれているのを読みました。折り紙の本の他に、みすず書房からこんな本も出しておられて、
『空想の補助線  幾何学、折り紙、ときどき宇宙』 https://www.msz.co.jp/book/detail/09661/
同じ『数学セミナー10月号』のBook Guideに別の方の紹介が載っていて興味をひかれました。

前川さんの折り紙は、天体観測機器の設計で放物線や楕円などを折ることにも応用されており、最新の科学研究に折り紙が応用できるというのは凄いことだと思います。前川さんの折り紙の動画(宇宙関係のものの一部)をいくつか紹介します。

国立天文台野辺山の前川淳先生による「折り紙でわかるパラボラアンテナ」
https://youtu.be/sokXXlNMzWw?si=pUcBZZYCMs6OcWQe

参考資料のリンク:
パラボラの仕組み(印刷用紙)https://www.nro.nao.ac.jp/gallery/origami/hyperbola-and-ellipse.pdf
「折り紙でわかるパラボラアンテナ」解説
https://www.nro.nao.ac.jp/gallery/origami/Parabola2021.pdf

折り紙で「棒渦巻銀河」を折ろう!
https://youtu.be/NDweTQT-Md8?si=zX3-VTFCaqwj708X

折り紙で「銀河ジェット」を折ろう!
https://youtu.be/4DQ_se7RTHI?si=aWC2V_j7Gr2Rx56g

折り紙で「ながれ星」をおろう!
https://youtu.be/6qVPzLvxmWQ?si=B5_RCc27qUTmvwHW

他にもYouTubeには多数の前川さんの折り紙が紹介されているのでご覧ください。

上に紹介した前川さんの本に書いてある、『折り紙の幾何学 増補版』という本があります。これは有名な物理学者の伏見康治先生と奥様の伏見満枝さんとの共著で、国立国会図書館のデジタルコレクションで読めるのでご覧ください。数学セミナーに出た記事を集めた本でとても良い本です。
伏見康治, 伏見満枝 著『折り紙の幾何学』,日本評論社,1984.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12740784 (参照 2024-10-12)

ノーベル平和賞!!!おめでとうございます。

ノーベル平和賞が日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会に授与されました。「高校生平和大使」や被爆者の方々が発表を見守っていたそうで、皆さんの努力が正当に評価されたのが本当によかったですね。おめでとうございます。
https://www.youtube.com/live/5UNqMEquEPk?si=NFyB60jGn-0CPoOQ

クリエイティブ・コモンズ ライセンスって何?

よくみかけるCC BY 4.0などの表記の意味をWikipediaなどで調べても素人には何が書いてあるのかわからないと思います。やさしい解説が日本物理学会誌のバックナンバー(無料で読めます)にあるので読んでみてください。。2014年の記事で少し古いですが基本がわかりやすく書いてあってよい記事だと思います。

林 和弘, 桑原 真人, クリエイティブ・コモンズとは何か : オープンアクセス時代の著作権と科学者(話題), 日本物理学会誌, 2014, 69 巻, 2 号, p. 102-105, 公開日 2019/08/22, Online ISSN 2423-8872, Print ISSN 0029-0181, https://doi.org/10.11316/butsuri.69.2_102, https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/69/2/69_KJ00009285754/_article/-char/ja

リンクはこちらで、pdfをダウンロードできます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/69/2/69_KJ00009285754/_article/-char/ja/

今年のノーベル化学賞と物理学賞について

私のノーベル賞受賞者の予測は半分外れました。AlphaFoldの二人はあたりましたが、もう一人は相分離生物学の人ではなくてRosettaの開発者でそれを使って任意の立体構造をとる蛋白質を新規に設計する研究をしている人でした。相分離生物学のノーベル賞はおあずけですが、相分離生物学についていろいろ本をかいておられる 白木賢太郎 先生がAlphaFoldとBaker先生の仕事について解説しておられる「現代化学」掲載の記事が早速無料公開されているのでご覧ください。


JumperとBakerの講演などはこのブログの過去記事にもリンクがあるのでご覧ください。

MRC LMBで開催されたシンポジュウムの動画にAlphaFoldやDe Novo Protein Design開発者による講演があります!

今年のノーベル賞は、まさにAIずくしですね。
あと、昨日のノーベル物理学賞の受賞者、Hopfield先生ですが、どこかで聞いた名前だと思っていましたが今朝 思い出しました。量子生物学の研究で有名なHopfieldという人と同一人物だったんですね。こちらの量子力学の歴史についての解説論文
McFadden J, Al-Khalili J. The origins of quantum biology. Proc Math Phys Eng Sci. 2018 Dec;474(2220):20180674. doi: 10.1098/rspa.2018.0674. Epub 2018 Dec 12. PMID: 30602940; PMCID: PMC6304024.

の図にHopfieldの名前がのっているので以下のリンクからご覧ください。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6304024/

Hopfieldの論文はこちらです。
Hopfield JJ. 1974. Electron transfer between biological molecules by thermally activated tunneling. Proc. Natl Acad. Sci. USA 71, 3640–3644. ( 10.1073/pnas.71.9.3640)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC433831/

Hopfieldさんは、現代のダビンチという感じですね。すごい物理学者、生物物理学者、コンピュータ科学者‥‥です。