動物愛護と動物実験、線虫シーエレガンスのわかりやすい入門用論文

今日は線虫C. elegans(シーエレガンス)の紹介です。最近、動物愛護の声がたかまってきて実験動物としてマウスでさえ使用が抑えられる傾向がでてきています。製薬会社などでも動物を使った実験が難しくなってきているので、培養細胞を利用するのと、線虫C. elegansなどを利用して薬剤開発に役立てようという流れがでてきているようです。昔は動物愛護の人は、計算機のなかで薬剤開発ができるはずだといったりしていましたが、なかなかそう簡単にはいかないものです。また動物愛護の人の中には、研究室に忍び込んで実験に使われているマウスを逃がしたり、ひどい場合は手紙爆弾を作って送り付けて人を殺そうとする輩もいました。私がCambridge大学の動物学教室にいたときは、建物に爆弾を仕掛けたという犯行声明がでて、実験サンプルやノートをもって避難したこともあります。建物の中に爆発物検知犬が警官(ポリース)に綱をもたれて歩き回っていました。(結局爆弾はなかったです)。なんで動物は愛護するのに、人を殺したりするのか、その辺の精神が私には理解不能です。話がそれましたが、現在は動物愛護の精神が普及しているので、マウスやイヌ、サルなど意識のある動物の使用を別の意識のないもの(線虫とかハエとか)に置き換えて実験したり、意識のある動物の使用数を減らしたり、動物の使用方法を改善してよりより苦痛がなく、より無駄な実験がないようにするという機運が高まっています。これをThe 3Rs alternatives(Replacement, Reduction and Refinement)というそうです。この解説を読んでみてください。Hubrecht, R. C., and E. Carter. 2019. The 3Rs and Humane Experimental Technique: Implementing Change. Anim. Open Access J. MDPI. 9: 754.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6826930/
線虫はこの流れにピッタリのモデル生物なので今後の活用が期待されるというわけです。英語ですが、こちらには線虫のわかりやすい解説がのっています。
A Transparent Window into Biology: A Primer on Caenorhabditis elegans 
著者はAnn K. Corsi,Bruce Wightman,and Martin ChalfieでChalfieさんはノーベル賞を下村先生と同時受賞した線虫C. elegansの研究者です。無料でダウンロード可能ですのでpdfと書かれている部分をクリックしてダウンロードしてみてください。https://academic.oup.com/genetics/article/200/2/387/5936175
訂正のpdfのリンクもあります。

https://academic.oup.com/genetics/article/201/1/339/5930076
これからおいおい線虫の活用についてもこのブログで触れていく予定です。

糖鎖生物学の教科書Essentials of Glycobiologyの最新版(第4版)がオンラインで公開されました。

糖鎖生物学の教科書Essentials of Glycobiologyの最新版(第4版)がオンラインで公開されました。
Essentials of Glycobiology [Internet]. 4th edition.
Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors.
Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2022.
これは糖鎖生物学の標準的な教科書ですので是非オンラインで読んでみてください。Cold Spring Harbor Laboratory Pressから書籍としても販売中です。ブラウザでよむので、Life Science Dictionaryを使って辞書を引きながら読むことができます。オンライン版のリンクです。また
こちらは印刷に適したオンライン版の一例です。上の行にあるリンクで好きなページを表示して、ページの右上にあるViewsのところにあるPrint Viewをクリックすると表示されます。

今回の最新版では、表紙が新型コロナウイルスSARS-CoV-2のスパイクタンパク質がウイルスの膜に埋め込まれた状態を示す絵になっています。
左の図はスパイクタンパク質のアミノ酸鎖をシアンで示しており、それに糖鎖がついている様子を様々な形と色の単糖の表記で表しています。右はその糖鎖が空間的に揺れ動いている様子を1マイクロ秒にわたって重ねた結果を示しており、分子動力学によるsimulationの結果のフレームを重ね合わせたものです。濃い青色が糖鎖が動き回っている空間的範囲を示しています。糖鎖がグリカンシールドというシールドを作っている様子がわかります。そしてそのシールドから、にょきっと上に抜け出ている (スパイク蛋白のてっぺんの部分の)シアン色で示しtのタンパク質骨格部分が、ACE2に結合する部分でいわゆる、レセプター結合ドメイン(RBD)です。ウイルスの抗体やリンパ球からの攻撃回避手段としてのグリカンシールドを目で見えるようにした表紙ですね。

相分離生物学の解説ビデオを紹介します

昨年秋に開催された日本生化学会の年会(オンライン開催でした)に参加しました。大会シンポジュウムの特別講演にはノーベル賞を授賞したPhillip A. Sharp先生の Biochemistry and cell biology of multivalent condensates in regulation of gene expressionと題する講演
https://vimeo.com/channels/jbsoc/648376880と、

水島昇先生の「細胞内分解:特に小器官の分解について」の二つの講演が行われました。https://vimeo.com/648376788

今回は最初のSharp先生の講演で出てきた細胞内の液滴(lipid droplet, biomolecular condensate, coacervate)について紹介します。この液滴という概念は線虫シーエレガンスのP-granule(P顆粒)の研究から生まれたものです。P顆粒は膜に覆われていない細胞内小器官で、発生の初期(1細胞期)に多数のP顆粒が細胞の後側へと移動し、分裂につれてP細胞(将来の生殖細胞を生み出す細胞)だけに集まっていきます。P-granuleはタンパク質やRNAを含む顆粒で、この顆粒の局在している細胞が将来生殖細胞へと分化することが知られていました。タンパク質やmRNA などを含む顆粒で含まれるmRNAが生殖細胞の形成に働くとされています。このP顆粒を蛍光タンパク質タグをつけて光るようにして観察したところ、P顆粒は相互に融合したり分裂したりする液滴であることがわかったのでした。P顆粒は液体―液体間の相分離で液体中に形成されるあらたな液相(液滴)であることがわかったのです。この顆粒がliquid droplet(液滴)であり、液体中に相分離して現れる膜をもたない顆粒であることが報告されたのが2009年でした。このように液体中に別の成分が濃縮された液滴ができるのですが、核小体(仁)も同様に相分離した液滴であることがこの発見に続いて明らかにされました。さらにカハール小体とかG顆粒とか従来知られていた多くの細胞内の顆粒が、相分離してできたliquid dropletであることがわかって、世界中を興奮の渦で包んだのでした。さらにSharp先生の講演で紹介されているように、スーパーエンハンサーも転写因子やmediator, RNA ポリメラーゼなどが集まったlipid dropletである証拠が沢山あります。タンパク質の立体構造を研究していた多くの人が、特定の構造をとらない天然変性領域とよんでいた謎のタンパク質内のアミノ酸配列の部分が、実はこの液滴形成に働いていることもわかったのです。詳しいliquid dropletの総説はここにあります。大学などで読める方は読んでみるといいと思います。日本語の解説書として一番のおすすめは「相分離生物学」白木 賢太郎  著(東京化学同人)です。入門書としては最高の出来の本だと思います。講演としては英語ですが相分離生物学の創設者による解説ビデオがiBiologyから公開されています。NIH videocastの講演も紹介しておきます。

この続き

もう一つ続き

NIH videocastにも講演がありますのでご覧ください。

Twitterの記事をブラウザでみる方法について

Twitterによる情報収集についてのtipsです:私はiPhoneのスマホにBraveというブラウザを入れて毎日、いくつかの公開アカウントをみています。しばらくはなにごともなくtweetをみられるのですが、やがてアクセスするたびにTwitterのアカウントをつくろうとか、「今起きていることを見つけよう」というメッセージがでて自由に閲覧できなくなります。その時は、Braveでは履歴を完全にクリアするとうるさいメッセージが消えてまた自由に閲覧できるようになるのでおすすめです(Braveの画面の上部にあるライオンの顔のようなマークをクリックすると下のギャラリーの写真①の画面がでます。詳細設定のところから②の画面をだして、一番下にある「Shieldのグローバル設定を変更」をタップします。すると画面が替わるので下の方の画面(プライベートデータを削除するの部分)を表示して➂のように閲覧履歴やキャッシュなどの設定をしたあと、「今すぐ削除する」をタップして、「データを削除する、本当によろしいですか」の画面で、「はい、削除します」を選んで完了です。うるさい表示がでなくなってまたしばらくは自由に閲覧ができます。(追記:私のiPhoneのOSはversion 14より古いものです。この記事を書いた後、上のとおりにしていてもtwitterのアプリを促す画面が閲覧途中ででてきて消したらずっとみられるようになるという現象がでるようになりました。これは最新版のBraveをいれたiPadやWindowsではおこらずストレスなく閲覧できます。私のiPhoneではブラウザをFirefoxにすると、いまのところなんのメッセージも出ずにスムーズに閲覧できるようです。そのうちBraveも対策するでしょう。2022/5/15追記)

Rによる統計解析の最新情報が得られるブログを紹介します。

今日はRを用いた統計学などについての大変役立つサイトを紹介します。神戸大学の中澤港先生のサイトです。公衆衛生学/国際保健学 | 人類生態学 | 人口学 の先生でブログでは、人口学や新型コロナウイルスの統計解析などのほか、Rでの統計解析についての役立つ情報も随時発信してくださっています。Rによる統計解析の教科書もpdfでサイトにおいておられますので探してみてください。いろいろありますが、RとEZRの入門については今年の講義資料などが大変参考になります。https://minato.sip21c.org/ebhc/ebhc-text.pdf
余談になりますが、先生が以前の記事で触れておられた
主成分分析の理屈の理解に役立つKindle本 「多変量解析の基礎 II 主成分分析(改訂版): 理論とRによる演習 Kindle版」古橋武 (著) は250円のKindle本です。
AmazonのKindle unlimitedを契約すると無料で読むことができます。今までKindle unlimitedを契約したことがない人は、二か月間無料のお試しが5/9日までなら契約できるそうです。該当する方は試してみると、この本にかぎらず、いろんな分野の本やコミック、雑誌などを無料で読むことができます。私は去年お試しをして有料契約しなかったので、99円で二か月無料というオファーがきています。

母から聞いた不思議な体験談を紹介します

今日は科学とは関係のない話の紹介です。私の母から聞いた話です。母は幼いときに実母を病気でなくし、すぐ継母がきて奉公にだされたそうです。母が7歳の時、母のお母さん(当時29歳)が病気で亡くなる日のことでした。親戚が集まっており、私の母は病気のお母さんの隣の部屋で親戚の人に寝かしつけられていたそうです。眠っていた母がふと目をあけると、ふすまのところにお母さんが立っているので、「おかあちゃん元気にならはったんや!」、「おかあちゃんがそこに立ったはるやん!」と喜びの声をあげたそうです。しかし大人には何も見えていないようで、大人たちが、ものすごく怖がっていたと、母が話してくれました。私の母のお母さんはその日に亡くなったのでした。私の京都の家には、私の母のお母さんの位牌がありました。母が毎日その位牌に御線香をあげて手を合わせていたのを覚えています。私の母が亡くなった後、母の位牌も作って仏壇に並べたのですが、片付けているときに二つの位牌の裏を見て驚きました。私の母の命日と、母のお母さんの命日は同じだったのです。年末も近い、寒い京都の冬の日でした。

今日のリンクは以下です。明治大学金子研究室ホームページです。
https://datachemeng.com/
昨日、講談社のKindle ポイント50%セールで明治大学の金子先生の教科書を買いました。「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析」金子弘昌著。これはとても面白い本ですのでおすすめします。また先生の研究室のホームページの上にあるタブにある「データ解析・研究者に関する情報」というプルダウンメニューをご覧ください。いろんな研究に関する知識をおしげもなく公開されているのでおすすめです。たとえば「データ解析・機械学習」のメニューhttps://datachemeng.com/summarydataanalysis/などをみてください。「学生・研究者へ」というメニューもお勧めします。https://datachemeng.com/forstudentsresearchers/
英語論文の書き方、発表の仕方などなど、様々なtipsも学べます。

生体分子系の分子動力学シミュレーションデータの解析入門―動画の紹介です。

今日は動画を一本紹介します。今年の2月に行われた第4回オンラインサロン「スパコンコロキウム」講演動画
題名:生体分子系の分子動力学シミュレーションデータの解析入門
講演:松永 康佑(埼玉大学大学院理工学研究科)

この動画では松永先生が、分子動力学シミュレーション(Molecular Dynamicsという言葉からMDと呼ばれる解析です)について学部4年レベルで解説してくださっています。MD解析の基本の解析の後、データの解析法、解析例をわかりやすく説明してくださっています。一時間弱の動画ですので是非ご覧ください。」https://youtu.be/xQWCA7vWLLE 
MD解析は以前の記事で紹介したように、新型コロナウイルスが細胞表面のレセプターに結合するとき、糖鎖をスイッチとして結合、侵入を行っていることを明らかにした手法です。現在さまざまな生命科学の解析に使われていますので学んでそんはないテーマです。

機械学習の定番教科書PRML―大学院生や優秀な学部生むけ―の紹介です。

機械学習に関する本を時々紹介しています。PRMLと略される本をご存知ですか?生命科学系のラボでも卒論生や大学院生が輪読しているという話をよくききます。Pattern Recognition and Machine Learningという本で、定評のある機械学習の教科書だそうです。英語版のpdfは無料で公開されています。https://www.microsoft.com/en-us/research/uploads/prod/2006/01/Bishop-Pattern-Recognition-and-Machine-Learning-2006.pdf
日本語訳は上下二冊にわかれて出版されています。本に書かれているアルゴリズムをJupyter Notebook(こちらhttps://github.com/ctgk/PRML)やGoogle Colaboratoryで動かして学ぶこともできるそうです。サンミンさんのこちらのnoteに詳しく紹介されているのでご覧ください。https://note.com/sangmin/n/n8ccacd35b9b1

この本の程度は、機械学習の初心者むけではないと思います。pdfをパラパラながめてみると、これなら読めるかどうかわかると思いますのでまずpdfを眺めてみてください。

写真は先日紹介したキンラン(金蘭)です。前の写真の時より昨日はもっと咲いている株の数が増えていました。毎年かわいい花をつけますが、絶滅危惧種になっているそうです。花を庭でそだてようと持ち帰っても、花と共生している地中の生物がないので育たないということで、花をつんだり持ち帰ったりしないようにしましょう。

講談社のKindle本のセールを5月5日までやっているそうです

連休は皆さんいかがお過ごしですか。福岡はほぼ毎日晴天が続き、花が咲き乱れ新緑が花に映えてとてもきれいです。写真は家のサクランボです。もう少ししたら完熟になると思います。つやつやしてとても綺麗です。鳥対策に今年はネットをかけています。(枝の間に紐を張って鳥の羽が引っ掛かって入りにくいようにするのも、簡単な鳥による食害対策にはおすすめです。)まだまだ連休は続きますが、連休中にKindle本を読むのはいかがでしょうか。ちょうど講談社のKindle本がAmazonで50%ポイント還元セールというのをやっています(5月5日までです)。これはたとえば1万円の定価のKindle本だったら、1万円で買うと5000円分Amazonのポイントがつくというセールです。AmazonのポイントはAmazonでいろんなものの購入に使えますので、実質半額セールということになります。講談社のKindleタイトル全部が対象というわけではないのですが、多くの本が対象になっているのでこのリンクからみていくと、買いたい本が見つかると思います。講談社現代新書、学術文庫、ブルーバックス、理工系の本などいろんなタイトルが実質半額になっているのでご覧ください。有名な教科書「深層学習(岡谷 貴之著)」は旧版のみセール対象になっているので、「深層学習 改訂第2版 (機械学習プロフェッショナルシリーズ) 」と間違えて買わないようにしましょう。Kindle ストアでは 他のセールもやっています。電子書籍のセール情報はこちらにもでているので参考にしてください。

電子メールのセキュリティ対策について

今日は電子メールのセキュリティ対策について紹介します。
毎日、スパムメールがいっぱい届きます。アマゾンだのJCBカード、メルカリ、三井カード、auなどをかたるメールが多いです。たいていは「残念ながら」などという業務メールではありえない日本語で、アカウントの利用停止を解除してほしかったらすぐにリンクをクリックして手続きをしてくださいというような内容になっています。発信元をみると香港や中国とアメリカ合衆国のアドレスからのものが多いです。こうした電子メールが開封されたかどうか、開封日時や開封した場所などをスパム業者が知る方法があるそうです。これに対する対策ですが、まずhtmlメールをhtml形式では絶対開かないこと、メールは必ずテキストモードでのみ開くことです。
代表的な悪徳業者の手口を二つ紹介します。
1)悪徳業者の手口にトラッキングピクセルをメールに埋め込むという方法があります。これはメールに1ピクセルの透明な画像を添付しておき、そのメールをhtml形式で表示した時にその犯人たちのコンピュータに犯人たちが埋め込んだ画像をダウンロードするためのアクセスがあることから、画像がいつ、どこからダウンロードされたかがわかるという手法です。メールを開いた日時やIPアドレス、位置情報などがわかるわけで、スパムメールをありとあらゆるメールアドレスに一斉に送っておいて、開いたメールアドレスの持ち主の情報を持ち主に気付かれないままに取得することができます。これは悪徳業者だけでなく、一般にも使われている場合もあるので注意が必要です。送ったメールが開封されたかどうかを知ることができるので、マーケッティング調査に利用されたり、そんなメールは開けていないと言うウソを見破るために意図的にトラッキングピクセルがしこまれる場合もあります。トラッキングピクセルを埋め込むサービスをしている業者もあります。

ピクセルトラッキングは、AppleのiOS 15で AppleMailを利用する場合は自動的にブロックされて無効になるようです。またGmailでも対策がとられたようで、htmlの画像ファイルはGoogleのサーバーにダウンロードされて、利用者はそちらにアクセスするようになったので、業者が知ることができるのはGoogleのサーバーに画像がダウンロードされた日時とGoogleサーバーの位置だけになったようです。いろんなメールソフトでhtmlファイルを開くときに画像を自動的にダウンロードしない設定がありますので調べてみてください。ちょっと古い記事ですがこちらの記事が参考になりそうです。https://gigazine.net/news/20210807-stop-email-pixel-trackers/

2)トラッキングリンクの利用も良く行われる手法だそうです。
トラッキングピクセルの他に、トラッキングリンクというのを入れてあるメールもあります。これはリンクのurlアドレスの?(クエスチョン)、&(アンパサンド)、;(セミコロン)以降の部分に受信者固有のコードを記述して送りつける手法です。メールのリンクをクリックすると、だれがこのリンクをクリックしたかが、メールに固有のコードによって業者にわかるという仕組みです。アクセスしてきているディバイスとかもわかるそうで、何度も業者が送り付けてくるリンクをクリックしていると、クリックしている人のプロファイリングが始まって、その結果は売り出されることもあるそうです。こうした怪しいリンクは、リンクを選択して右クリックでクリップボードにコピーして、テキストエディタに貼り付け、?(クエスチョン)、&(アンパサンド)、;(セミコロン)以降のパラメータを削除したものをブラウザに貼り付けて利用することが推奨されています。しかしコードが埋め込まれているように見えない普通のアドレスを生成して市場調査に使っている業者もいるので、心配な人は絶対メールのリンクをクリックしないようにするのがベストです。代わりに送信業者の名前をGoogleなどの検索エンジンで検索して、検索結果に表示されるリンクをクリックするようにするのが安全です。今回は私がとっているメールのセキュリティ対策を二つほど紹介しました。メールに記載されているリンクを不用意にクリックするとプライバシーが保たれない理由の一端の紹介でした。