無料で読めてダウンロードできる生命科学の教科書を集めたサイトがあります。

今日はインターネットで無料で提供されている生命科学の教科書をあつめたサイトを紹介します。

https://bio.libretexts.org/

これは以前紹介したLibreTextsというサイトの生物学サイトです。このLibreTextやその他の無料で読める教科書を集めたサイトについては、末尾に以前の記事へのリンクを貼り付けておきますのでご覧ください。
この生物学の教科書サイトに、どんな本があるかはこちらのリンクでみてください。
https://bio.libretexts.org/Bookshelves
たとえばHuman Biologyというヒトの生物学の教科書は無料でよめて一冊まるごとダウンロードできます。
https://bio.libretexts.org/Bookshelves/Human_Biology

他にもいろんな本が読めますので探してみてください。

生命科学志向の有機化学の教科書が無料で読めます!量子化学の教科書とかもあります

動物進化学入門の講義動画(日本語)が公開されています!

大学の講義をYouTubeなどで公開するのを妨げている原因の一つは著作権処理です。生物学の講義では、最新の論文の図や写真、欧米の教科書の付属スライドなどもまじえて話すことが多いです。しかしこれをインターネットで「不特定多数」に送信すると著作権法に反することになります。それで自分で作った図や著作権フリーの素材だけしかスライドに使えないので、実際に大学でやっている生命科学系の講義をそのまま公開するのは困難なことが多いのです。物理や化学、数学の講義の場合は生物ほど著作権のある素材を使う必要がないので、大学の講義をそのままネット送信している日本の大学も多いので、羨ましい限りです。

さて今日、YouTubeのおすすめにでてきた次の講義は、鹿児島大学の冨山清升教授による進化生物学の大学初年級むけの講義です。この動画は著作権処理をうまい方法ですませた講義動画です。著作権処理のやりかたがYouTubeの動画のページに説明してありました。要するに大学がまとめて著作権処理をしてくれた素材を使った授業を公開するという方法です。この方法なら公衆送信しても著作権処理済みなので問題ないわけです。

動物進化学入門の講義全15回やその他の講義動画が公開されています。中には間違った内容の講義もあるそうでそれは逐一動画のページに記載されているのもすばらしいです。私は進化生物学については素人ですのでこうした講義を公開してくださっているのはありがたいです。

第一回の動画のページに全15回の内容と、誤りについての注意がかかれているのでご覧ください。

遺伝学やDNAの初歩から解説してある講義で、生物と進化に興味のある物理の人にもよさそうな講義です。

AIの発展をふまえた決断の科学の参考書や動画の紹介です。

今日の午後は、筑波大学で行われた研究会「2024年ノーベル物理学賞、ノーベル化学賞、AIで自然科学はどう変わったのか、どう変わるのか」にオンライン参加していました。樺島祥介さん、森脇由隆さん、今井翔太さん、橋本幸士さんという豪華メンバーによる学術講演でとても面白かったです。理解できないことも多かったのですが、今のAI for Scienceの現況と未来の展望について学ぶことが多い講演でした。

YouTubeのおすすめ動画でこんな動画をみつけました。AIが急激に発展している現代人にとって重要な決断の科学に興味をかきたててくれる動画ではないでしょうか。
Stanford AA228/CS238 Decision Making Under Uncertainty I Policy Gradient Estimation & Optimization
スタンフォード大学の大学院レベルの講義なので、私には全部を理解するのは難しすぎる動画ですがスライドや教科書も公開されていて興味のある方にはよい講義ではないでしょうか。(埋め込み禁止の動画なのでYouTubeへのリンクだけはっておきます)
https://youtu.be/PgPNfPhG4Wc?si=px1LG93Xki1f5nNG

教科書はこちらからダウンロードできます。Juliaのコードもダウンロードできるようです。
https://algorithmsbook.com/
三冊あります。どれもMIT Pressから出ている本で紙の本を買うこともできます。

Algorithms for Optimization
Algorithms for Decision Making (これは以前紹介したことがあります。その記事へのリンクが末尾にあります。)
Algorithms for Validation

Juliaでのnotebookはこちら。
Decision Making Under Uncertainty with POMDPs.jl
https://github.com/JuliaAcademy/Decision-Making-Under-Uncertainty

Algorithms for Decision Makingという教科書が無料公開されています。

NHK地上波の番組「歴史探偵 宮沢賢治と銀河鉄道の夜」は面白い番組です。

歴史探偵 「宮沢賢治と銀河鉄道の夜」」の録画を今夜みました。賢治が天文学についての深い知識をもっていたこと、そして妹トシの死に大きく影響されて「銀河鉄道の夜」を書いたことなどがよくわかりました。永訣の朝の誌のローマ字書きの原稿用紙も放送されていて、はじめてみて感動しました。宮沢賢治について知るにはとてもよい番組ではないでしょうか。

番組紹介はこちらにあります。
https://www.nhk.jp/p/rekishi-tantei/ts/VR22V15XWL/episode/te/6V677ZLWZ4/
再放送はNHK 地上波Gで11月26日(火) 午後11:50〜午前0:35 だそうです。ご覧になることをおすすめします。

NHK plusでも今放送しているので、そちらで見ることもできます。11月27日水曜日午後10時44分までの配信です。

永訣の朝は、たとえばこちらで読めます。

宮澤賢治の詩の世界というサイトです。

このサイトの永訣の朝のページを二つほど紹介します(もっといろいろな版本も読めます)。
https://ihatov.cc/haru_1/047_p.htm ローマ字書きの原稿部分そのままの形で読めるページです。

刊行された形の詩はこちらから読めます。https://ihatov.cc/haru_1/047_d.htm

こちらのサイトも参考になります。
「永訣の朝」(宮沢賢治)の全文と現代語訳・意味を紹介! 詩の背景も解説
https://news.mynavi.jp/article/20230531-2692576/

生命科学におけるAIに関する(ノーベル賞受賞者を含む)対談、座談会の動画が公開されました。

Google DeepMindが英国のRoyal Societyと共同でAI for Science Forumという講演会を11月18日に開催しました。
The AI for Science Forum: A new era of discovery
https://blog.google/technology/ai/ai-science-forum-2024/
主に生命科学や創薬へのAIの応用について扱っている対談を以下のYouTubeの再生リストでみることができます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLqYmG7hTraZBwZQwCxzIlsyFxC3WKH_Ii
生命科学に興味のあるものには、細胞周期の有名な研究者Paul Nurseさんや、CRISPR/Cas9のDoudnaさんなど全員ノーベル賞受賞者による座談会や、対談の動画などに興味をひかれます。時間があるときにみてみたい対談です。

AI for Science with Sir Paul Nurse, Demis Hassabis, Jennifer Doudna, and John Jumper
https://youtu.be/nQKmVhLIGcs?si=jqSgO5zxypCM3IWk 全員ノーベル賞受賞者による座談会です。

Lessons from CRISPR with Jennifer Doudna | AI for Science Forum
https://youtu.be/SqKV1o-Jdso?si=6Djdd8163nsXwLzG

AI にプロンプトを作ってもらう方法

以前、英語の論文の校閲をChatGPTにやってもらうためのプロンプトを、ChatGPTに作ってもらうやりかたについて次の記事を書きました。

ChatGPTに論文の英文校閲をしてもらうための”良い”プロンプト(prompt)の作り方

私の場合はこの記事で紹介したプロンプトで十分役に立つと思っています。今日はAIにどのようにプロンプトをつくってもらうのがよいかを学べる素晴らしいブログ記事を紹介します。

京大の柳瀬陽介先生がさまざまなプロンプトを作っておられますが、そのプロンプト自体とプロンプトの作り方は英語学習だけでなく広く一般に役立つと思います。

こちらの柳瀬先生のブログ
『英語教育の哲学的探究3』
https://yanase-yosuke.blogspot.com/

をご覧ください。
今日公開された次の記事には英語で人生相談もできるプロンプトとその作り方も公開されていて、これも大変役立ちます。皆さんも柳瀬先生の方法を学んで、自分用に すばらしいプロンプトをつくってみませんか。

『2024/11/21
Caring Conversation with an AI Counselor: 英語でお悩み相談をするChatGPTプロンプト 』
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2024/11/caring-conversation-chatgpt.html

ネットワークセキュリィティ―についてのわかりやすい動画が公開されています。おすすめです!

2024年度 市民講座 第1回 「ネットワークのセキュリティ ―悪者はどうやってあなたのパソコンを見つけ出す?」というタイトルで、
国立情報学研究所の2024年度市民講座第1回のライブ配信がありました。
(以下のリンクでみられなくなっていたら、しばらく待てばアーカイブ動画が公開されるとのことです)
https://www.youtube.com/live/mMaF7tE8D3E?si=aC8qGeUNUFmGb-cR

ネットワークセキュリィティのとてもわかりやすい話で勉強になりました。
悪意を持ったユーザーが脆弱性をもったパソコンを探し出す方法(ネットワークスキャン)などの解説がとてもわかりやすかったです。
インターネットプロトコルのIPv4を使っているネットワークの全コンピュータのスキャンは数時間でできるんですね。気を付けなくてはと思いました。悪い人は、こうして見つけたあなたのコンピュータに脆弱性を利用してはいりこみ、たとえばボットをしこんでDDoS攻撃させたりするわけです。IPv6をつかうとこのような数時間のスキャンはできないようで、安全性が増しますがこれを突き崩そうとする悪者も工夫をかさねてくるので、用心することが肝心だというのがわかりました。

この市民講座の今後のスケジュールが以下のサイトにあります。
量子コンピュータなどの話もあるようで楽しみですね。
https://event.nii.ac.jp/event/11652

AlphaFold3 vs Boltz-1

AlphaFold3 のオフラインで使用できるような実装は、いろいろめんどうなことがあるようです。
次の森脇先生の記事に詳しく書かれています。
「AlphaFold3 (ver. 3.0.0) インストール」
https://qiita.com/Ag_smith/items/3bb110fe576292bbf0ea

たとえば、『AlphaFold3のモデルパラメータは、Google DeepMind社に利用申請して認可された人のみが利用可能という規約になっています。この仕様のため、AlphaFold2のときのように何も準備なしに構造予測を利用するということはできないことになっています。』などと書かれていて、全然オープンソースではありません。

先日、MITライセンスで使用できるオープンソースのBoltz-1が公開されました。
Our model and code are released under MIT License, and can be freely used for both academic and commercial purposes.

これは今後のオープンソース科学のお手本になるかもしれません。

 

Boltz-1:
Democratizing Biomolecular Interaction Modeling
https://github.com/jwohlwend/boltz
Boltz-1 is an open-source model which predicts the 3D structure of proteins, rna, dna and small molecules; it handles modified residues, covalent ligands and glycans, as well as condition the generation on pocket residues.
グリカンなども扱えるようで、なかなかよさそうなソフトですね!

 

高校レベルから大学レベルへつながる物理学講義と量子化学・分子動力学が簡単に試せるアプリの紹介です。

【受験生必見!みんなと物理】第5回: 電磁気の分野を攻めろ!【Education Open Style】
https://www.youtube.com/live/HML4RzqtuCw?si=EkxzBPPAjHIoWvT7

大関先生の高校生レベルの物理の講義の最新版が配信されました。電磁気学です。

 山本 典史先生が、量子化学や分子動力学の計算を簡単に試せるアプリを公開されました。分子量に制限がありますが、いろいろな分子で計算して遊ぶと、量子化学や分子動力学に親しみが増して理解が深まると思います。是非ためしてみてください。

 

英語のオープンアクセス本で高校生から読める原子の話(みんなの原子物理学)みたいな本がでています。

このブログでは時々オープンアクセス本を紹介しています。今日はSpringer Natureから最近公開された
Atomic Physics for Everyone (Will Raven著)
An Introduction to Atomic Physics, Quantum Mechanics, and Precision Spectroscopy with No College-Level Prerequisitesという本を見つけたので紹介します。これは大学レベルの知識がない人にも読める原子物理学の入門書です。最初のパートは原子について調べるための手法、分光学的手法を扱っていて、第二部では量子力学を含めた原子の理論を解説しています。図も豊富でとても読みやすそうな本です。

一度以下のリンクから、ダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

https://directory.doabooks.org/handle/20.500.12854/147829
ダウンロードの直リンクはこちらです。

https://library.oapen.org/bitstream/20.500.12657/94650/1/978-3-031-69507-0.pdf

Springer Natureのオープンアクセス本の探し方は次の通りです。
1) こちらのサイトにアクセスします。
https://www.springernature.com/gp/open-science/journals-books/books

2) 開いたページのDownload any of our OA books freetと書いてあるリンクをクリックすると
Springer Natureが公開しているオープンアクセス本(OA books)のリストをみることができます。
時々見てみると面白い本が見つかると思います。