物理や数学、哲学などについての読書案内のサイトをいくつか紹介します。

いつも紹介しているDr. Jorge S. Diazの動画の最新版は、量子力学を学ぶための読書案内です。
Quantum Mechanics: book recommendations

https://youtu.be/3VmPfpkKgM0?si=5YhjurI8J2YyzwfA

英語の本ばかりなので役に立たないかもしれませんが、いくつかは邦訳があるので探してみるとよいでしょう。特にアインシュタインの科学的伝記である
Subtle Is the Lord: The Science and the Life of Albert Einstein, by Abraham Pais は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで邦訳が読めるのでおすすめです。Paisはプリンストンの高等研究所の教授でアインシュタインとも親交のあった著名な物理学者です。これは以前紹介した本ですが再掲しておきます。

140)アブラハム・パイス 著 ほか『神は老獪にして… : アインシュタインの人と学問』,産業図書,1987.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621970 (参照 2024-06-10) 分厚いアインシュタインの伝記。物理学者によって書かれた標準的な伝記で学問的内容も詳しい。

日本語の本を中心とした読書案内としては、こちらをおすすめします。
文学部生のための数学・物理学のブックリスト
https://sites.google.com/site/koheimoritahand4/%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%83%A8%E7%94%9F%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%95%B0%E5%AD%A6%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88book-list
このリストには、最初の動画で紹介されている本の他にも、数学や物理の色々な教科書があげてあるので参考になります。
私が特におすすめしたいのは最後のセクションにある「
その他参考になりそうなリスト」です。論理学や哲学のブックリストのサイト紹介もありますが、特にこちらのブログ記事が秀逸だと思います。http://asonosakan.blogspot.com/2020/07/blog-post.html
これは『
物理を学びたい人文学徒のための読書案内』で最初にあげたYouTube動画で紹介されている本ものっていますが、他のブログ記事も科学哲学について深い考察が満載でとても刺激をうける内容です。たとえばアインシュタインンが晩年に年老いていたせいで、量子力学のラジカルな考え方が把握できないで批判していたという俗説がありますが、アインシュタインはもっと深い考察をして量子力学を一般相対性理論の定式化をもとにみちびこうとしていたのだそうです。こちらの記事から引用しておきます。
http://asonosakan.blogspot.com/2012/09/blog-post.html
アインシュタインは、量子力学を本質的に統計的なもの、つまり物理学のすべての基礎を提供する根本理論にはなりえないものとして見ていたが、それは、量子論の代わりに、一般相対論の枠組み(時空多様体とそれに沿った解析的方法)によって、量子論を統計的な近似として生じさせるような、全く新しい概念と理論的基礎を求めていたからである。