新撰組の女剣士―中沢琴について調べてみましょう。

昨日は、アメリカに剣術を広めた森寅雄の話をしました。紹介した本、『上毛剣術史 下巻』に森寅雄の話が書いてありました。上毛剣術史には上巻、中巻もあります。

諸田政治 著『上毛剣術史』上,煥乎堂,1979.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12145526 (参照 2024-07-31)
上毛というのは群馬県のことで、上巻は法神流という群馬県赤城村で生まれた剣術の流派についてまとめられています。法神流の剣士といえば新撰組にはいっていた中沢良之助が有名ですが、その妹の中沢琴もやはり新撰組に男と偽って入っていた剣士として有名です。NHKの時代劇でとりあげられていましたが、最近のゲームにも登場するとか聞いたことがあります。次の本に琴のことも書いてあるので興味のあるかたはご覧ください。

小西敬次郎 著『上毛剣豪史』上,みやま文庫,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12142133 (参照 2024-07-31)

こちらにもっと詳しい文献調査の結果がのっています。
『新徴組に参加していた中沢琴についての資料があるか』 レファレンス協同データベース(レファ協)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000206468

これは、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、レファレンス(調べものの相談)のデータベースです。
https://crd.ndl.go.jp/reference/

調べ物のやり方も学べるのでこの機会にいちどいろんな調査事例をながめてみるとよいでしょう。調査の仕方も学べるようになっています。

上毛剣術史 中巻は上泉信綱の伝記になっています。
諸田政治 著『上毛剣術史』中 (剣聖上泉信綱詳伝),煥乎堂,1984.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12149827 (参照 2024-07-31)
新陰流の創始者の詳しい伝記です。海道龍一郎の『真剣』(新潮文庫)はこの上毛剣術史をもとに書かれたそうです(著者あとがきによる)。昔は古書店を巡って探さなくてはならなかったこうした本がオンラインで読めるのはすごいことですね。