ツチノコを捕まえる時は注意しましょう。毒ヘビかもしれせん!

昨日、庭仕事をしていると外の水道栓のそばにマムシがいるのを奥さんが発見しました。ほおっておけばよいと庭仕事をしていたのですが、また水栓のところにいくとまだいます。スコップで攻撃したのですが、何回かスコップの先があたったはずなのに、どこかに逃げて見失ってしまいました。付近の植木鉢やレンガを起こしたのですがいません。するとなんと玄関においてある菊の植木鉢の中にいて、菊の茎にまきついていると奥さんがみつけてくれました。みていると、するすると移動して雨どいのパイプの周りに巻き付いてしまいました。
さっそく剪定ばさみをとってきて、鎌首をあげているマムシの首を後ろからはさんで地面に押し付けて固定。スコップの先で体を切断して殺しました。庭にマムシがでたのは10年か20年ぶりくらいです。暗いときにかまれたりすると、なにに咬まれたかわからなかったりするので、治療が遅れて死ぬこともあるそうです。年間10人くらいはなくなっていると聞いたことがあります。田舎暮らしの注意点の一つです。

このマムシで思い出したのは、滋賀県のツチノコ騒ぎです。1980年の7月ごろ、農作業で草刈りをしていた人たちが、草むらの中に奇妙なヘビが潜んでいるのを見つけました。見たこともない珍しいヘビで、見るからに毒ヘビ風の鎖模様のヘビだったので、ツチノコかもなどと期待して、みんなでよってたかって捕獲して、役場にもちこみました。ヘビに詳しい京都教育大学の深田教授に問い合わせたところ、深田先生曰く 「それはラッセルクサリヘビという猛毒のヘビです。咬まれたら死にます。近くに血清をもっているところはありません。」
咬まれたら死んでいるところだったんですね。恐ろしい話です。

実はこのラッセルクサリヘビ。暴力団がタイからの短銃密輸に使ったヘビでした。暴力団員達は、現地でコブラ15匹、ラッセイルクサリヘビ30匹、シマヘビ25匹を購入。これら70匹のヘビを7つの袋に詰めて、その袋に短銃を4、5丁づつ入れて税関検査をすりぬけたそうです、毎日新聞の7月13日付の記事によると、犯人はこうして用意した短銃入りのヘビ入りの袋を、ヘビだけの袋と混ぜて金網の貼ってある箱に入れて輸入。スネークセンターでの鑑賞用に輸入しますと申告したそうです。ヘビは検疫対象ではないので、税関検査も金網の隙間から棒をいれて袋をつついて、たしかにヘビが入っていることを確認しただけで通過したそうです。こうしてまんまと短銃を密輸したあと、あらかじめ用意しておいた100キロのドライアイスを箱にいれてヘビを殺し、凍ったヘビを確認した後、袋から短銃を回収しました。凍死したヘビは犯人の実家がある滋賀県の山中に捨てたのだそうです。警察はこの暴力団員を逮捕して短銃の密輸について追及していたところ、ヘビを滋賀県の山中に捨てたと聞いて、急きょ役場に連絡、警官を数十人派遣してヘビが本当に死んでいるか、ヘビの袋がみつかるかなど捜索を開始しました。車に轢かれて死んでいるラッセルクサリヘビが一匹みつかり、袋に入ったまま死んでいるヘビも多数確認したそうです。ただ口の開いた袋も発見されたので、凍死せずに脱走したヘビも多数いる可能性がでてきました。すでに生きているクサリヘビも一匹捕獲されていたので、生きた毒ヘビがもっと多数逃げて生存している可能性が高くなりました。急遽、あちこちに警告の立て看板をたてたり、山に入らないようになどとアナウンスしたりして、地元は大騒ぎになりました。ちょうど夏休みが始まるところでしたが、夏休み中も山中に立ち入ることは禁止となりました。それから一年半あまり、ヘビ狩りと山中への立ち入り禁止がつづいて地元は大迷惑をこうむりました。ちょうど当時私の義弟が、滋賀県の近くの高校に通っていたのでそういう話を詳しく聞きました。

また最初にでてきた、ラッセルクサリヘビに詳しい深田先生ですが、先生の授業をきいたことがあります。「ちょうどヘビの赤ちゃんが生まれたんですよ。かわいいでしょう」、とおっしゃって授業中に小箱にいれたヘビの赤ちゃんを回してみせてくれるとうような授業でした。テレビのインタビューのとき、おもわず「ヘビちゃん」とおっしゃっていたほど、ヘビがお好きな先生でした。先生の部屋にはニシキヘビが飼育されており、ニシキヘビを首にまいた深田先生の写真が飾ってありました。時々、ニシキヘビがいなくなったと、卒論生が探しまわっていたこともあったと聞いています。