ChatGPTで専門家レベルの回答をひきだすコツと留意点に関する記事を紹介します。

昨日はChatGPTに英語科学論文の英文校閲を依頼するプロンプトをつくってもらう話をしました。ChatGPTはコーパスを学習しているので英文作成や校閲にはとても役立つと思います。試しに手元の英語の冠詞の使い方に関するテキストの誤用例をいろいろ入力して訂正を依頼すると、完璧に誤用法を訂正してくれました。このように英文校閲には強力な助っ人ですが、知識に関して無知も目立ちます。私の専門の線虫の糖鎖生物学についての知識はおぼつかないものです。前に書いたように、コンドロイチンの初期発生での機能をたずねてみると、哺乳類などでコンドロイチン硫酸についてわかっていることを、あたかも線虫でも同じだと類推して、断定的に答えてきます。ChatGPTは硫酸化コンドロイチンのテキストは学習しているようで、その知識を線虫にあてはめてウソの回答をしてくるわけです。日本の糖鎖生物学者の研究で、線虫のコンドロイチンはほとんど硫酸化されていないことや、初期胚の細胞分裂にコンドロイチン合成が必須であることなどが明らかになっているのですが、ChatGPTはそれらの知識はもっていません。どちらも2019年以前に論文発表しているのですがそれらについては完全に無知です。というわけで、専門分野の知識を得るためにChatGPTを使うのは、結構危険で、十分注意する必要があります。この点について、今日、twitterでChatGPTの使い方について面白いnote記事があるのを知りました。

「 ChatGPTでstep by stepもロールプレイもやめたらプロダクト開発で使える精度になったよ」という記事です。
https://note.com/mryy/n/nd0aff5c9fc4f

私が上に書いたChatGPTがそもそも自分の専門分野の知識をちゃんともっているかをチェックしてから使わなくてはいけないという指摘も、わかりやすく解説されています。その他ChatGPTを使って、各自の専門分野で、本当に使いものになる回答を得るためのヒントと留意点が満載されている記事ですので、是非読まれることをお勧めします。

下の動画は今日、私のYouTubeのおすすめ動画にでてきた英国のRoyal Institutionの動画です。How geometry created modern physics – with Yang-Hui Heというタイトルの、Yang-Hui He教授の講演です。ユークリッド幾何学、非ユークリッド幾何学、ガウス、リーマンの業績と現代の物理学の関係をわかりやすく解説してくれています。
https://youtu.be/z8jdndd-x7w