このところAIが科学研究を加速する、あるいは科学者を凌駕する事例が増えています。次の動画もそのような現状を理解し考察するのに役立つかもしれません。
学習物理学・緊急オンライン座談会「OpenAI論文と理論物理」
https://www.youtube.com/live/KRvH7Nf5wFA
またこんなツイートもみつけました。これは歴史に刻まれるかもしれない、とても有意義なAIと科学に関するコメントです。
I rarely post here these days but I wanted to share my reflections: https://t.co/Ws6cvku2qQ
— Virginia V. Williams (@pinkfloydie) October 13, 2026
https://arxiv.org/html/2610.06783v1に公開されている計算科学の予想の反例をClaudeが見つけたという論文についての論文筆者によるコメントです。
まずは上のリンクから読める論文の謝辞の部分を読んで、この論文の画期的なアルゴリズムがClaudeによって著者と無関係に発見されたということを押さえてください。その後、この問題を研究していたMITのWilliamsさんのコメントを読むと何がおきたかがよくわかります。AIをどのようにこれから使っていくべきかを考えるための議論の基礎になる画期的なコメントです。
arxivの論文のタイトルは、
Truly Subquadratic 3SUM and Truly Subcubic APSP via Triangles in Sparse Lopsided Graphsというもので、計算科学で扱われていた次の問題についての予想の反例を与える論文です。Geminiによる解説の初めの部分を引用しておきます。
『計算機科学やアルゴリズム論において、長年「これ以上速くならない(あるいは劇的な高速化は困難だ)」と信じられてきたいくつかの基本問題があります。その代表例が以下のものです。
* 3SUM問題: 与えられた n 個の数値の中から、合計がちょうど0になる3つの組み合わせがあるかを判定する問題(従来の素朴なアルゴリズムでは計算量が O(n^2) かかる)。
*APSP(全ペア最短経路)問題: すべての頂点間の最短経路を求める問題(従来の動的計画法等では O(n^3) かかる)。
物理やシミュレーションにおける多体問題の計算コストやグリッド計算に直結するため、これらをいかに高速化するかは長年の重要課題でした。』
今までの予想では、この二つの計算のさらなる高速化は不可能と予想されていました。今回のプレプリントの論文ではその予想に対する反例が示されています。高速化が可能だと研究をすすめていたWilliamsさんたちでしたが、Claudeが彼女らの先をこして高速化可能なアルゴリズムを見つけてしまったというのが発端の話です。詳しくは明日書くことにします。