岡潔の生涯について書かれている高瀬正仁先生の本を読んでみました。
『評伝 岡潔 ――星の章』 (ちくま学芸文庫) 高瀬正仁 (著)
『評伝 岡潔 ――花の章 』 (ちくま学芸文庫) 高瀬正仁 (著)
Kindleで値引きになっていた(現在はセールは終わっています)のでこの二冊を購入して読み終えました。
最初の星の章と題した本は、岡潔の家系について詳しい記述で始まるのですが、その部分をよんでいると読むのが嫌になりました。それで最初はそこを飛ばして読んでみると、すらすら読み進むことができました。高瀬先生の岡潔研究のフィールドワークの回顧がかなり書き込まれているので大変興味深く読み進むことができました。岡潔について知るには最上の本だと思います。
『星の章』のほうには、岡潔の著作目録と略年譜。花の章のほうには、より詳しい略年譜がついていてどちらもとても役立ちます。この本によると、高瀬先生の推薦される岡潔の最初に手に取るべき随筆のアンソロジー集は「日本の心」だそうで、これは国立国会図書館デジタルコレクションで読むことができます。有名な随筆、春宵十話も含まれているので是非読んでみてください。
岡潔 著『日本のこころ』,講談社,1968. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2934705 (参照 2025-09-11)
また
『岡潔とその時代 I 正法眼蔵 ― 評伝岡潔 虹の章』
『岡潔とそ時代 II 龍神温泉の旅 ― 評伝岡潔 虹の章』
の二冊はこの続編にあたります。この二冊でふれられている本も、デジタルコレクションで読むことが出来るのでリンクを載せておきます。
仏教についての参考書としては、高瀬先生が教えをうけられた玉城康四郎 先生の講談社学術文庫に入った次の本が良いそうです。
玉城康四郎 [著]『仏教の根底にあるもの』,講談社,1986.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12266581 (参照 2025-09-11)
また高瀬先生のお好きな中勘助の全集もデジタルコレクションに入っています。銀の匙や銀の匙補遺がこちらで読めます。
小宮豊隆, 和辻哲郎 編『中勘助全集』第1巻,角川書店,1960. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1665557 (参照 2025-09-11)
これらの本には載っていないのですが、奈良女子大学の岡潔についてのサイト『岡潔文庫』は参考になります。未公刊の著作や写真、色紙などもみることができます。https://www.nara-wu.ac.jp/aic/gdb/nwugdb/oka/