国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第22回)

ちょっと忙しいので国立国会図書館デジタルコレクションで読める本のリストを追加しておきます。(番号は通算何冊目の紹介化を示しています)
今日は数学史や化学史、科学史関係の本で、個人送信サービスで読めるものの一部を紹介します。
このところ、出版社の復刊ブームのようで、デジタルコレクションで読めていたものが読めなくなる例がいくつかあります。過去記事で紹介した甘利先生の本とか、「ガロアの夢」とかが、残念ながら読めなくなってしまいました (過去記事の該当箇所に注記してあります)。

まずは古典で、『現代数学の系譜』シリーズ5冊を挙げます。
228) ラプラス 著 ほか『確率論 : 確率の解析的理論』,共立出版,1986.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622756 (参照 2025-02-13)
1812年の本です。確率論の発展についての解説もついています。

229) コーシー 著 ほか『微分積分学要論』,共立出版,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622342 (参照 2025-02-13)
1823年の本の小堀憲先生による翻訳です。解説もついています。

230) G.カントル 著 ほか『超限集合論』,共立出版,1979.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12608434 (参照 2025-02-13)
集合論のカントルの論文(1895-1897)の翻訳と解説が読めます。

231) ポアンカレ 著 ほか『常微分方程式 : -天体力学の新しい方法-』,共立出版,1970. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12623533 (参照 2025-02-13)
ポアンカレの有名な本の第三巻(1899年)の全訳および第一巻の初めの部分の翻訳がついている本。大変難解と序文に書いてあります。解説付き。

232) ヒルベルト 著 ほか『数学の問題』,共立出版,1969. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12608395 (参照 2025-02-13)
ヒルベルトの「数学の問題」(1900年)という講演の全訳。英語に翻訳された本はこちらから読めます。https://www.gutenberg.org/ebooks/71655

233)   ヒルベルト 著 ほか『幾何学基礎論』,弘文堂書房,昭和18. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1063372 (参照 2025-02-13) 日本語ではこの本が1969年に復刊されてました。手元にありますがこのデジタルコレクションの本とまったく同じ内容です。英語へ翻訳された本はこちらから読めます。https://www.gutenberg.org/ebooks/17384
しかし日本語版のほうには、関連論文と講演および日本語での解説も収録されているので日本語版がおすすめです。

化学の歴史の本で以前紹介した『化学史伝』の著者 山岡望先生の本は読みやすいエピソード満載の本です。

234)  山岡望 著『化学史塵』,内田老鶴圃新社,1978.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12712441 (参照 2025-02-13)

235)  山岡望 著『化学史筆』,内田老鶴圃新社,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12690802 (参照 2025-02-13)

236)  山岡望 著『化学史塵』,内田老鶴圃新社,1978.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12712441 (参照 2025-02-13)

次の本は、光合成の研究や酵素、ホルモン、ビタミンなどの研究史を含め、生化学の歴史全般を概観するのに最適の本です。
生命科学系の人には面白いと思われる生化学の歴史の解説になっています。
237) ジョゼフ・ニーダム 編 ほか『生化学の歴史』,みすず書房,1978.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604685 (参照 2025-02-13) 

また次の二冊は、楽しんで読める科学史の本です。

238)  東京工業大学科学史ゼミナール 編『英文で読む大科学者のことば』1,講談社,1985.4.. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12590347 (参照 2025-02-13)

239)  東京工業大学科学史ゼミナール 編『英文で読む大科学者のことば』2,講談社,1985.4.. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12590348 (参照 2025-02-13)

有名なバナールの書いた1900年までの物理学史の本も面白そうです。
240)  J.D.バナール 著 ほか『人間の拡張 : 物理学史講義』,みすず書房,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621755 (参照 2025-02-13) 1900年以前の物理学史。

以下は本格的な化学史のようです。現代とありますが1964年の本ですからそのつもりで読まないといけません。
241)  アーロン・J.アイド 著 ほか『現代化学史』1 (基礎理論の時代),みすず書房,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12690817 (参照 2025-02-13)

242)  アーロン・J.アイド 著 ほか『現代化学史』2 (専門への分化),みすず書房,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12690816 (参照 2025-02-13)

243)  アーロン・J.アイド 著 ほか『現代化学史』3 (電子の世紀),みすず書房,1977.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12690815 (参照 2025-02-13)