電子の素電荷の存在と大きさを決定した、ミリカンの油滴実験の解説動画を紹介します。

ミリカンはアメリカの有名な物理学者でノーベル賞受賞者です。有名なミリカンの油滴実験で、都合のいいデータのみを選んで論文を書いたと非難されることもありますが、これはよく調べもしないで本を書いたジャーナリストなどによって広められたデマです。それについては私の以前の記事を末尾に再録していますのでご覧ください。今日はこのミリカンの有名な実験をやさしく数式をまじえて解説している動画を紹介します。油滴実験をともに行った学生についての話は科学倫理の観点からはチェリーピッキング疑惑とはまた違った意味で考えさせられる話です。この学生、Harvey Fletcherは自身の死後に発表した回顧録で、ミリカンとの油滴実験の詳細を語り、最初の論文で彼が共著者になれなかったのはショックだったが、ミリカンは大変良く公私にわたって面倒をみてくれた先生で、友人たちが噂するようなひどい先生ではなかった、ミリカンとの共同研究は楽しかったなどと書いています。彼は博士号を取得した後、ベル研究所で研究し、音響学に多大の貢献をしています。補聴器とか、ステレオ音声の初めての録音などの業績が有名で、2016年のグラミー賞も死後に受賞しています。
動画はこちらです。
Unveiling the electron with oil drops

https://youtu.be/B-uWaEvXqbA?si=3EiwKQqS8Nl-UB7W

以前の記事もご覧ください。

2016.07.11(月)実験ノートの重要性1