ものすごい本がでています。
関孝和全集 岩波書店 です。江戸時代の数学者である関孝和の書いた本をあつめた全集です。関孝和の自筆の原稿は一切残っていないのも驚きですが、さまざまな写本が存在しており、今回は編者らがその写本を厳密にテキスト校正してつくられた画期的な全集だそうです。今まで関孝和の書いた本とされていたものも、関の書いたものではないのではという可能性がこの作業で浮かび上がってきたそうです。この全集がどうしてできたのか、どのような内容なのか、この本をよむための予備知識としてどんな本をよめばいいのかなどを次の鼎談で編者たちが述べていますので是非ご覧ください。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/7438
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/7439
日本数学史のみならず、中国の数学ではなんと2000年前に線形代数の行列の計算にあたることを連立一次方程式を解くために行っていたのだという話(『九章算術』という本にのっているそうです)には驚きました。ただ中国や朝鮮の数学では、解法を一般化して理論にしたり、命題を証明したりするという伝統はついに成立しなかったそうです。
この本は値段の面からいってもものすごい本です。
https://www.iwanami.co.jp/book/b632037.html
和算については上の鼎談に参考書を含めて詳しく書かれてるので読んでみてください。また科学図書館
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/science/scilib.html
にも和算についての本や論文がまとまって掲載されているので参考になります。
上のリンクの中にある「数学の部屋」をご覧ください。