AlphaFoldについてのおすすめ日本語解説記事と、最新のプレプリントについて。

タンパク質の立体構造をAlphaFoldで予測することは今やごく普通の作業になりました。使い方について詳しく書かれた記事が公開されているのでご覧ください。
こちらにある生物工学会誌の記事です。https://www.sbj.or.jp/sbj/sbj_yomoyama_2.html

「AlphaFoldによるタンパク質立体構造予測(実践編)」
https://doi.org/10.34565/seibutsukogaku.101.8_443
大上 雅史〔第101巻 第8号 pp.443–446.2023〕

「AlphaFoldによるタンパク質立体構造予測(基礎編)」
https://doi.org/10.34565/seibutsukogaku.101.7_363
富井 健太郎〔第101巻 第7号 pp.360–362.2023〕

の二つの記事で、極めてわかりやすくAlphaFoldとその使い方について解説してあります。特に実践編はすぐに研究に役立つので是非読んでみてください。

あと、この記事が掲載されている生物工学会誌には、その他の面白い連載や記事があるのでいろいろ眺めてみてください。
https://www.sbj.or.jp/sbj/sbj_archive.html

統計解析の講座とかもあります。「続・間違いから学ぶ実践統計解析」
https://www.sbj.or.jp/sbj/sbj_tokei_kaiseki-2.html

ちなみにAlphaFold2を使ってタンパク質―タンパク質の相互作用を予測することもできるようになってきています。こちらのプレプリントがその威力をアピールしています。新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が有名なレセプターACE2と結合するだけでなく、他のタンパク質(INSRやFLT4)にも結合する可能性を予測しているのは興味深いです。もちろん以前このブログで書いたように、スパイクタンパク質はプロテオグリカンの糖鎖にも結合します。
High-accuracy mapping of human and viral direct physical protein-protein interactions using the novel computational system AlphaFold-pairs
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.08.29.555151v1