AIの危険性についてのGeoffrey Hintonの講演がYouTubeで視聴できます!Hinton は深層学習、AI研究の今日の隆盛をもたらした開拓者です。

Geoffrey Hintonは深層学習分野の巨人であり、2000年代前半までのニューラルネットワーク研究の停滞期を終わらせ、今日の隆盛の基盤を築いたことで知られています。彼は、彼が開発したディープビリーフネットワークを用い、事前学習(pretraining)という手法で多層ニューラルネットワークの学習に成功を収めました。彼はコンピュータ科学のノーベル賞とも称されるTuring賞を受賞しており、AI や深層学習のGodfatherとよばれています。彼は、Google Brainとトロント大学の教授を兼担しながら、この分野のトップリーダーとして、活発に研究を展開してきました。しかし、今年の5月、AIの危険性について自由に意見を述べるために、Google Brainを退職したことは世界中で大きく報道されました。
https://www.technologyreview.com/2023/05/01/1072478/deep-learning-pioneer-geoffrey-hinton-quits-google/

今回紹介する講演動画は、核戦争やAGI(汎用人工知能)など、人類の存続に関わる危機を研究しているケンブリッジのThe Centre for the Study of Existential Riskでの一般向け講演です。これはGoogle退職後の約1ヵ月後に行われたものです。ユーモアを交えたわかりやすい内容と、最後の質疑応答セッションも含めて非常に参考になります。

Geoffrey Hinton – Two Paths to Intelligence
(25 May 2023, Public Lecture, University of Cambridge)
https://youtu.be/rGgGOccMEiY

アナログの生物コンピュータとしての人類の場合、一人一人の教育は大変で、その人が死ぬとその教育の成果は失われてしまいます。しかし、デジタルコンピュータを使えば、ハードウェアの複製を通じて汎用人工知能を簡単に増やすことができます。このことから、一旦 汎用人工知能(AGI)がデジタルコンピュータ上で完成すれば、それは人類を容易に凌駕してしまう可能性があると懸念されているわけです。この講演を通して、AIと深層学習の先駆者の考えに触れることができますので、是非ご覧ください。