昨日と一昨日は、東京医科歯科大学数理生物学同好会(大学院生の会だそうです)が開催してくださっているTMDU数理生物学セミナー(2022年度数理生物学セミナー)を聴講していました。
2022年度数理生物学セミナー
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/8140/
大変よいセミナーで、参加して良かったと思います。面白い講演ばかりでした。
初日の最初の講演は理化学研究所・京都大学兼任の磯村拓也先生による講義で、「自由エネルギー原理は普遍的な脳理論なのか?」というタイトルでした。講義の録画は公開予定だそうです。
自由エネルギー原理 (The Free-Energy Principle)は、イギリスのエジンバラ大学のカール・フリストン (Karl Frinston) 教授が提唱した脳理論で、生物の知覚や学習、行動は、自由エネルギーと呼ばれるコスト関数を最小化するように決まるというものです。磯村先生はFrinstonの理論を活発に発展させておられる研究者で、Frinstonとの共著論文も沢山書かれています。いくつかのわかりやすい解説もすでに発表されているので以下のリンクを参照してみてください。先生の講義を聞くと、これは単なる解釈理論ではなく、実際の培養神経細胞の回路についても実証されつつある画期的な理論であると思いました。。
1)物理学と統計学で脳を理解する
https://www.riken.jp/pr/closeup/2022/20220322_1/index.html
2)神経回路は潜在的な統計学者
-どんな神経回路も自由エネルギー原理に従っている-
https://www.riken.jp/press/2022/20220114_3/
3)YouTubeの動画もあります。自由エネルギー原理ってなに?
https://youtu.be/LU21q8BFziM