糖鎖生物学の教科書Essentials of Glycobiologyの最新版(第4版)がオンラインで公開されました。

糖鎖生物学の教科書Essentials of Glycobiologyの最新版(第4版)がオンラインで公開されました。
Essentials of Glycobiology [Internet]. 4th edition.
Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors.
Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2022.
これは糖鎖生物学の標準的な教科書ですので是非オンラインで読んでみてください。Cold Spring Harbor Laboratory Pressから書籍としても販売中です。ブラウザでよむので、Life Science Dictionaryを使って辞書を引きながら読むことができます。オンライン版のリンクです。また
こちらは印刷に適したオンライン版の一例です。上の行にあるリンクで好きなページを表示して、ページの右上にあるViewsのところにあるPrint Viewをクリックすると表示されます。

今回の最新版では、表紙が新型コロナウイルスSARS-CoV-2のスパイクタンパク質がウイルスの膜に埋め込まれた状態を示す絵になっています。
左の図はスパイクタンパク質のアミノ酸鎖をシアンで示しており、それに糖鎖がついている様子を様々な形と色の単糖の表記で表しています。右はその糖鎖が空間的に揺れ動いている様子を1マイクロ秒にわたって重ねた結果を示しており、分子動力学によるsimulationの結果のフレームを重ね合わせたものです。濃い青色が糖鎖が動き回っている空間的範囲を示しています。糖鎖がグリカンシールドというシールドを作っている様子がわかります。そしてそのシールドから、にょきっと上に抜け出ている (スパイク蛋白のてっぺんの部分の)シアン色で示しtのタンパク質骨格部分が、ACE2に結合する部分でいわゆる、レセプター結合ドメイン(RBD)です。ウイルスの抗体やリンパ球からの攻撃回避手段としてのグリカンシールドを目で見えるようにした表紙ですね。