iPS細胞の山中先生の講演会と、糖鎖生物学 (2010.1.29)

私の発生生物学の授業で紹介したiPS細胞で有名な山中伸弥先生のNIHでの最新の講演会のビデオ(January 14, 2010)へのリンクをあげておきますのでiPS細胞について興味のあるかたは是非ご覧下さい。ビデオはダウンロード可能ですし、Podcastとしてもダウンロードできるようになっています。字幕もついています(字幕はけっこういいかげんなことが多いですから自分の耳のほうを信用したらよいです)ので英語の勉強にもなるかと思います。

分化能力が高い「幹細胞」(かんさいぼう。ステムセルstem cellといいます)とよばれる細胞には特定の配列の糖鎖が出現しており、こうした糖鎖は幹細胞であることの目印(マーカーといいます)とされています。しかしなぜ幹細胞で特定の糖鎖が発現するかは謎なのです。癌であることの目印(癌細胞のマーカー)として病院でつかわれているものの中には特定の糖鎖配列があります。病院でこうした糖鎖の出現を癌の診断に役立てていることや、幹細胞のマーカーに糖鎖が多いことからも、細胞の状態を糖鎖が反映しているのは確実です。しかしその意味や役割は全く不明です。これが理解されれば、細胞の一番外側にある分子である糖鎖を変化させて細胞の状態を自由に変化させたり、制御したりすることができると私達は考えています。実際、細胞膜表面にでているコンドロイチンを消化すると細胞分裂ができなくなるという私達の発見や、細胞外の糖鎖を抗体で阻害するとクラゲの横紋筋が分化転換して別の細胞に変わるというさきごろ亡くなったスイスのVolker Schmid先生の発見は、この方法がたしかに実行可能であることを証明したものといえるでしょう。糖鎖生物学からiPS細胞研究が格段にすすむことを期待しています。

iPS細胞の具体的な実験方法については下のバックナンバー2009年3月20日分にあるビデオをご覧下さい。外国のビデオですがiPS細胞を研究している実験室を実際に案内してもらうのと同じ体験ができます。

あけましておめでとうございます。(2010/1/13)

あけましておめでとうございます。 
本年も皆様にとってよい年となりますようにお祈り申し上げます。

年末にはひさしぶりに英国を訪問してきました。ロンドンの年末カウントダウンをはじめてテレビでみました。11時45分から0時15分までの間、テレビで中継します。ものすごい人混みだそうで現場にいってみるのは今回は躊躇しました。テムズ川のそばにあるロンドンアイとよばれる大観覧車で花火をうちあげてカウントダウンします。泊まっていたアパートからも花火で空が光っているのだけは見えました。

PubMedの使い方などは今週から解説を再開する予定です。ことしもどうぞよろしくお願いいたします。