生命科学志向の有機化学の教科書が無料で読めます!量子化学の教科書とかもあります

台風や洪水で被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。

さて今回は、生化学や糖鎖生物学、あるいは生命科学を学ぶ人に適当な有機化学の教科書として以下の本をみつけたので紹介しておきます。また無料で科学や歴史、英語などを学べるサイトも紹介します。
Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume I
Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume II
この二冊は、わかりやすい英語で書かれた教科書で、ミネソタ大学モリス校のサイトにおいてあって、無料で利用できるオープンソースのライセンスの教科書です。下の画像をクリックすると、化学以外を含めた様々な分野のオープンライセンスの教科書がみつかります。(画像をクリック後に開いたページの左側にあるBiological/Physical Sciencesをクリックすると生物、物質科学関係の本のリストがみられます。)

Find Open Textbooks

著者のTim Soderbergさんはもとは英語専攻で、日本で英語教師を5年ほどやっておられたそうです。その後、大学に入りなおして科学を専攻し、大学院入学資格を得た後、ユタ大学の大学院に入ってJournal of Organic ChemistryのEditor-in-Chiefを長年つとめたDale Poulter先生の指導のもとで、アーキア(古細菌)の酵素であるprenyltransferaseの研究(それぞれtRNAと膜脂質の修飾に働く2種の酵素の研究)で生化学で博士号を取得。2000年から2016年までミネソタ大学の准教授として有機化学を教えておられた方です。生化学の研究をしていた、有機化学に詳しい先生の書いた本なので生体分子をとりあげて有機化学を学ぶという方針で書かれています。これは生命科学を学ぶ人のための有機化学の教科書としておすすめできると思います。章内問題の解答や章末問題の一部の解答もダウンロードできますので勉強しやすそうです。

あと、Open Educational Resources (OER)というのをご存知ですか。無料の教科書やビデオを駆使して教育していこうという趣旨の運動のようで、無料で数学、物理、化学、生物学その他を学べるという運動です。有機化学については、以下のOERのサイトもご覧ください。
https://oerdegrees.org/courses/chemistry/
https://oerdegrees.org/courses/organic-chemistry/

いろんな無料で利用できる教材へのリンクが集まっているポータルサイトです。その中にはKahn Academyというのがあって、ビデオで有機化学を学べます(トップページ左上のCoursesをクリックすると、数学、物理、化学、生物学、歴史、ミクロ経済学、マクロ経済学、英語の文法、プログラミング(JavaScriptとか)なども学べます。たとえば前に紹介したenantiomer(鏡像異性体、エナンチオマー)について紹介しているビデオとかもあります。字幕がでるビデオですので英語の勉強にもなりますよ。

またサイエンスについては以下を参照してください。
http://oerdegrees.org/programs/science/

こんなのもあります。Libretextsというサイトで、無料で生化学、有機化学、量子化学や量子力学、統計力学、物理化学、政治学などほとんどなんでも学べます。化学へのリンクをあげておきます。
https://chem.libretexts.org/
またこちらにはSolderbergさんの教科書が1冊本のカラー版でおいてあります。章の順序立てがかわっていますが、一冊まるごとダウンロードできますのでご覧ください。

「ロウソクの科学」を読んでみよう!秋の読書のすすめです

  • 昨日は即位礼正殿の儀ということで、お雛様のような美しいいでたちの皇族の方々をテレビで拝見しておりました。さて、この秋、ノーベル化学賞が吉野彰さんに授与されましたが、吉野さんは化学の道へ、マイケル・ファラデーの「ロウソクの科学」を読むことでいざなわれたのだそうです。前にノーベル賞を授賞された大隅先生もそのようにおっしゃっていたと思います。というわけで、今「ロウソクの科学」が飛ぶように売れているそうです。英語でよければここにあります(前に紹介したファラデー著作集のサイトです)ので、pdfやepubなどお好きな形式でダウンロードして、タブレットなどで辞書をひきながら読めば簡単に読めると思います。またこちらの本には、「ロウソクの科学」と「力と物質」が収録されています。また女性が英語で朗読しているので良ければ「ロウソクの科学」のオーディオブックがここにあります。 mp3やM4B形式(M4B形式はAppleのiTuneで再生できる形式です)でダウンロードできます。私が普段使っているメディアプレーヤーのMPC-BEでもM4B形式は再生できます。
    また、この「
    ロウソクの科学」のオーディオブックは、YouTubeにもあります。

ロウソクの科学」は理化学研究所の企画 科学道100冊にも選ばれています。科学道ジュニアというジュニア向けの科学の推薦図書一覧もあって、そちらにも選ばれて入っています。科学道に選ばれている本にはこのブログで紹介したものもあって、どれも面白そうですのでこれからの読書計画の参考に是非ご覧ください。
最後にFaradayの有名な言葉を紹介しておきます。下の写真は英国ロンドンにある
ファラデー博物館(The Faraday Museum)で昔私が撮影した
彼の実験ノートの一部の拡大写真です。
“All this is a dream. Still, examine it by a few experiments.
Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the
laws of nature and in such things as these, experiment is the
best test of such consistency.”と書いてあります。Faraday 博物館の写真の説明文は以下のようでした。
This note was made by Faraday on 19th March 1849, when set out
in search of a connection between gravity and electricity and magnetism
–the final link in the unity of natural forces in which he so firmly believed.

ファラデーは、現代の物理学で使われている場の概念を初めて導入した現代物理学の創始者です(以前紹介した物理学を変えた二人の男―ファラデー,マクスウェル,場の発見(岩波書店)がとても面白い本ですので是非お読みください)。人類の歴史の中で最高の実験家といえるでしょう。彼の直観した場の概念を、数学の言葉で実体化したマックスウエルとともに、現代の場の理論がこの二人のおかげで誕生したのです。彼は前にも書いたのですが、当時知られていた重力、電気力、磁力の三つの力を統一しようと実験を行っていました。統一場の理論の先駆者ですね。

Brenner先生がCurrent Biologyに書かれたコラムの記事や関連本がダウンロードできます。

 

先日亡くなったBrenner先生はCurrent Biology という雑誌に 1994年1月から2000年12月までコラムを執筆されていました。そのコラム( Loose Endsというコラム名が、途中から False Startsにかわりました。これはコラムの掲載場所が雑誌の巻末から巻頭に変わったのに対応して おちゃめにタイトルを変えたようです)がオンラインで読めるようになりましたのでお知らせします。またpdfをダウンロードすることもできます。ダウンロードするには、ページの中央下にあるスピーカーボタンの左隣にある、ダウンロードボタンをおしてください。「パブリケーション全体―8.5MB 出版物をpdfファイルとしてダウンロードします」という表示がでますのでクリックするとpdfが保存されます。

それからEMBO in Perspectiveという本も紹介しておきます。無料ダウンロードはここからできます。

EMBO (ヨーロッパ分子生物学機構)の50周年記念で作られた本だそうで、サイエンスライターでドロシー・ホジキンの伝記を書いたので有名な Georgina Ferryさんが書いた本です。Paul Nurseが序文を書いています。

Based on personal interviews with Sydney Brenner, L. Luca Cavalli-Sforza, Georges Cohen, James Watson and the directors of EMBO, this book tells the story of the journey from the study of molecules and microbes in the nuclear age to the growth and expansion of EMBO and the life sciences. It also provides new perspectives on some of the creation myths of the organization. (上記のEMBOのホームページからの引用)

写真は自宅に実ったサクランボです。毎年、カラスなどに食べられないようネットを張っていたのですが、今年は面倒なので白いビニールの荷づくり紐を、トリの羽が引っ掛かるように張りました(写真右)。これは案外効果がありました。一切鳥がよりつきませんでした。

最近、カラスの代わりにカラスの仲間のカチガラスがご近所のサクランボを食い尽くしていました。カチガラスはかささぎの別称で、佐賀の県鳥ですが福岡にも出没しています。(余談ですが、植松三十里さんの小説「かちがらす-幕末を読みきった男」( 小学館)は、幕末の佐賀藩主の活躍を描いたものでとても面白かったです。) カチガラスは電柱の上に巣を作って停電の原因になったりしている害鳥でもあります。

白いビニール紐を張っておくと、カチガラスはおろか、一切の鳥が寄り付かなくなり、写真のサクランボは今は熟れすぎたまま木に全部残っています。収穫は連休中に終えたので、あとは紐を切って鳥に食べてもらわなくてはと思っています。とにかく、サクランボなどを鳥から守るには、ビニールひもを張り渡すというのがとても効果があることがわかったのは発見でした。

テキストデータをどんどん蓄積していくソフトの紹介その3―詳しいTextclipperのclipfileツールの使い方です

前に紹介したTextClipperのクリップツールの一つclipfileを作者の吉村隆樹さんがバージョンアップしてくださいました(2018/11/28)。前のバージョンを使っている方は新しいバージョンにしてください。ここからバージョンアップ版をダウンロードして解凍してできたclipfile.ctaファイルをtextclip7962フォルダ中に上書き保存するだけです。以前のバージョンでは保存日時の年号が正しく入らなかったのですが、今回のバージョンアップで2018がちゃんと入るようになりました。吉村さんによると典型的な2000年問題だったそうです。バージョンアップをお願いして数時間で新バージョンを作ってアップロードしてくださいました。吉村さん、どうもありがとうございました。

以下では先日紹介したTextClipperのクリップツールclipfileの使い方をもうすこし詳しく紹介しておきます。
1)まずTextClipperをここからダウンロードしてダウンロードしたzipファイルを解凍してください。解凍してできたフォルダがtextclip7962という名前になります。このフォルダはProgram Filesのフォルダには入れないでください。入れると動きません。このプログラムを使用するには7-zip32.dllが必要です(バックアップ時)のでここから取得してください。

2)ここまでの作業でtextclip7962というフォルダができました。バージョン番号がフォルダ名になっていますね。TextClipper本体はこのフォルダの中にあるtextclip.exeです。これをダブルクリックするとTextClipperが起動します。このソフトの使い方については

http://www.hi-ho.ne.jp/makoto_watanabe/tc/index.html などをみてください。

では次にclipfileというクリップツール(TextClipperの機能拡張のようなものです)をインストールしましょう。これはブラウザにかぎらずMS WordやAcrobat Readerで表示しているpdfファイルなど、任意のソフトで表示しているテキストを選択し、それを規定の名前のテキストファイルTc_txt.txtに次々と保存できるツールです。
一つのテキストファイルに、保存日時と出典、および保存時に追加できる任意のキーワードとともに保存してくれます。新しくクリップしたテキストはもとのテキストファイルの末尾に追加されます。これを使うと、ネットサーフィンで見つけたテキストをキーワード付きでテキストファイルで保存できますので、あとで秀丸など適当なテキストエディタでgrep検索して簡単に探し出すことができます。保存するときに将来検索の時に思いつきそうな、選択したテキストには含まれないキーワードを追加しておけるので、後々の検索時に探しもれが少なくなるのもこのツールの便利な点です。

3)では、clipfileを使えるようにしましょう。
以下のurlからクリップツールのclipfileを選んでダウンロードします。
http://takaki.la.coocan.jp/freesoft/textclipper/
ここをクリックしてダウンロードしてもいいと思います。clipfile.zipがダウンロードできますので、前に紹介した7-Zipなどのソフトで解凍します。解凍してできたclipfile.ctaというファイルを上の2)でできたtextclip7962のフォルダにドラッグして移動させます。これでclipfileを使う準備ができました。

4)TextClipperを起動して、clipfileを使ってみましょう。
まずTextClipperを起動します。

上の図のヘルプの左にある、環境設定を選び、

開いてでてくるメニューでクリップツールキーをAlt+cなど好きなキーの組み合わせに設定します。

これでAlt+Cを押したらクリップツールが動くように設定できました。

5)では、実際にテキストを適当に選んでスクラップブックのようにテキストファイルに保存してみましょう。
まずTextClipperを起動しておいてください。そのあと、ブラウザなどで適当なサイトを訪れて、保存したいテキストを選択し、さっき決めておいたクリップツールキー(Altをおして同時にCを押す)を押します。すると下の画像のようにポップアップメニューが開いて一番上に「TextFileに追加」がありますのでこれを選択します。
するとキーワード入力のポップアップ画面が開きますので、あとで検索に便利なキーワードを入れます。複数入れても構いません。自由に入力しましょう。

保存ボタンをおして完了です。Tc_text.textという名前のファイルに上の選択した部分が出典の一部、日時、キーワードとともに保存されているはずです。

ではうまく保存できたかどうかをtextclip7962フォルダ内にできているTc_txt.textというファイルを開いて確認しましょう。出典、日付、キーワード、クリップしたテキストの順に保存されていたら成功です(下図参照)。

上の例では、私の去年の学会でのランチョンセミナーの講演動画がでているYouTubeのページにあるテキストをクリップしたテキストの後に、今しがたクリップした論文のテキストが追加されています。N型糖鎖、先天性グリコシル化異常症などとあるのは、さきほどつけたキーワードです。その下にクリップしたテキストが保存されているのがわかります。

このように、ちょっと気になったテキストを、どんどんクリップして蓄積しておき、あとで秀丸エディタなどのテキストエディタのgrep検索機能で検索します。grep機能についているタグジャンプ機能を使えば該当するクリップしたテキスト全文のある場所に容易にジャンプすることができます。テキストファイルのサイズが大きくなってきたら、Tc_text.textファイルの名称をTc_text1.txtなどすきな名前に変更します。次にclipfileツールでクリップしたら、自動的にまっさらなTc_txt.txtファイルができてそこに保存されますので、またゼロからクリップがはじめられます。

こうしてできた大量のクリップファイルを一斉に grep検索したら何年にもわたって蓄積したデータを一瞬で検索できて便利です。データはテキストファイルですので、加工も活用もきわめて簡単です。英語論文の例文集の作成、アイデアメモの作成などいろいろな用途につかえるすばらしいツールですので是非活用してみてください。

写真は福岡で撮影したイチョウです。とてもきれいに黄葉しています。秋も深まってきました。

 

AntConcの使い方と活用法その2―自分専用の英語論文例文集(コーパス)の作り方pdftotextの使い方

前回紹介した英語論文用の例文集に使えるAntConcはテキストファイルやhtmlファイルを扱いますが、最も身近な英語の例文集の素材はpdfファイルだと思います。そこで今回は英語の例文集の作成のために重宝する、「pdfファイルをテキストファイルに変換する方法」を紹介します。AcrobatやFoxit Readerなどでpdfを開いて、textファイルとして保存する方法は、pdfファイルが数百、数千ある場合は手作業では対応できません。こんな場合は、Acrobatなどで複数のpdfファイルを一つのpdfファイルに結合してからtextファイルに変換するという方法もありますが、そんなめんどうくさいことをしなくてもpdftotextという無料ソフトを使えば一括で複数のpdfファイルをそれぞれ別のテキストファイルに変換でますので、やってみましょう。

まずpopplerというpdfを扱うプログラミングライブラリ(その中にpdftotextが入っています)をお使いのWindows, Mac, linux用のものを選んでダウンロードしてインストールします。linuxではsudoコマンドでpopplerをダウンロードしてインストールできますし、Mac版もアプリストアからダウンロードできるはずです。私が使っているWindows 10やWindows 7のPCの場合については、ここに詳しいインストールの仕方が書いた記事がでているのを見つけました。大変丁寧に書いてありますのでそのよく読んでインストールしてください。私もこの記事のとおりにインストールして利用しています。

私はCドライブ直下にpoppler-0.68.0というフォルダ(ダウンロードしたPopplerの圧縮ファイルを解凍(解凍ソフトは註1をみてください)してできるフォルダ名のままコピーしただけです)を作り、その直下にあるbinフォルダ(binaryフォルダの意味で、実行ファイルが入っているフォルダのことです)に自分の必要なpdfファイルを集めてテキストファイルに変換しています。shareフォルダの下にはpopplerとrenameしたデータファイル(上述のホームページにあるリンク
https://poppler.freedesktop.org/poppler-data-0.4.9.tar.gz からダウンロードしたpoppler-data-0.4.9.tar.gzファイルを解凍したもの。註1参照)をおいてください。あとは以下のコマンドを記述したバッチファイルをテキストファイルエディタで作ることが必要です。

for %%i in (*.pdf) do (pdftotext %%i %%i.txt)

このコマンドをテキストファイルエディタにうちこみ、できたファイルに適当な名前(pdf2txt.batとかすきな名前)をつけて保存します。保存のときデフォルトではテキストファイルで保存されれウため、pdf2txt.txtになりますのでファイル名の変更でpdf2txt.batにするか、保存時に.batで保存してください。保存場所はpdftotextのあるフォルダ(上の例ではbinフォルダ)にします。

あとは、変換したいpdfファイルを上のbinフォルダにコピーして、コマンドプロンプトでpdf2txt.batファイルを実行するだけです。日本語のファイルも英語のファイルもともにテキストファイルに変換されます。(invalid font weightというエラーが出るかもしれませんが無視してよいようです。不都合があったら教えてください。)

以下はコマンドプロンプトが初めての人むけの簡単な説明です(註2参照)。

バッチファイルというのはwindowsのコマンドプロンプト(windows7では「すべてのプログラム」の部分をみていくと、アクセサリフォルダの下にあります。windows10では下の図の左端の写真ようにシステムツールの下にあります。)でファイル名を入力してエンターを押すと、ファイル内に書いてあるコマンドを逐次実行するというものです。

矢印のコマンドプロンプトをクリックして起動するとき右クリックで、管理者として実行を選んで起動しておくと管理者としてログインしていないときにおこるトラブルをさけられますので注意してください。

今回のバッチファイルは以下のような内容で動きました。

for %%i in (*.pdf) do (pdftotext %%i %%i.txt)

意味は、iという変数にpdfのファイル名をいれ、それにpdftotextコマンドを実行してpdfのファイル名(%%i)のついたテキストファイル(%%i,txt)を作るという操作をフォルダ内にあるすべてのpdfファイル(*.pdfというワイルドカード*を使っている部分で、任意のファイル名のpdfファイルを表しています) がなくなるまで一個ずつ繰り返す(for    doの部分)というものです。

コマンドプロンプトを上に説明したように起動すると、黒いバックに白い字の画面が開きます(上の真ん中の図)
自分の今いるディレクトリ(フォルダ)の名前が表示されています。これから目的のpopplerのフォルダを探すとき、たとえばCドライブの直下にpopplerのフォルダがあるなら、コマンドプロンプトでcd ..(cdとうって、ピリオドを二回うちます)というコマンド(これはディレクトリを上に登って行くコマンドです)を何回かうってディレクトリをC:¥>にします。上の図の右端の図。
dirとうつとディレクトリやファイルの一覧が表示されます。
popplerのフォルダへ移りたいのでcd poppくらいまでをタイプしてあとはタブキーを押してください。タブの自動補完機能でcd poppler-0.68.0と自動入力されます。(このタブ補完の機能はlinuxで重宝するのですがWindowsのコマンドプロンプトでも利用できますので活用してください。) enterキーを押すとC:¥poppler-0.68.0>と表示されてディレクトリを移動したのがわかります。ここでdirとうってenterを押すとディレクトリ内のファイルとフォルダが表示されます。プログラムファイルのあるbinのフォルダ(ディレクトリ)があるのを確認してください。cd binとうってenterを押すとbinのディレクトリに移動します。C:¥poppler-0.68.0\binとなっていたら成功です(上の右端の図)。再びdirとうってenterをおします。これでこのbinフォルダ内にあるすべてのファイルとフォルダが表示されます。あとはそこにコピーしてあるバッチファイルpdf2txt.batを実行する(コマンドラインにpdf2txtとうってenterを押す)と、自動的にファイル名のついたtxtファイルができあがります。

こうして一括でpdfファイルをテキストファイルに変換したら、あとはこれらのテキストファイルをAntConcに読み込んでコーパスとして論文を書くときに参照すればいいわけです。

もちろんテキストファイルですから、テキストファイルを一括検索して、検索結果にタグジャンプして参照できるgrepコマンドも使えます。適当な、grepコマンドが使えるエディタ(たとえば有料ですが秀逸なエディタでおすすめの秀丸エディタ)でpdfの内容を串刺し検索するのもよいですね。pdfgrepというソフトもあって、これを使えばpdfファイルのままでgrepができるそうです。これはまだ使っていません。windows版をダウンロードしてさきほどのbinファイルにコピーしておけば、コマンドプロンプトで使えるのですが、linux版とちがって検索語がハイライトしなかったりしてまだ使いこなせていません。興味のある方は使ってみてください。

註1:圧縮ファイルの解凍には私は7-zipを使っています。たいていの圧縮解凍はこれでできます。
註2:パスの通し方とかは説明しないでpdftotextを使う方法を説明していますので、良く知っている方はパスを通して適当な場所にpdftotextをおいて使ってください。

物理や数学、工学や生物科学の新刊本をDOABでダウンロードしてみよう:オープンアクセス本のすすめ

このところ、古典のダウンロードサイトばかり紹介していましたが、今日は最新の本がダウンロードできるサイトを紹介します、。去年の講演でも紹介したサイトですが、
DOAB (Directory of Open Access Books)というサイトにはSpring-Natureをはじめいくつかの出版社が公開しているオープンアクセス本がまとめられていて便利です。たとえば生物科学のビッグデータの解析に重宝するGO termというのがありますが、その解説本The Gene Ontology Handbook」が丸ごとダウンロードできるのがわかります。このサイトでいろんなキーワードをいれて探すと、2018年の新刊を含めて、オープンアクセスで公開されている本がいろいろあって面白いです。例えば今日、Mathematicaという数式処理ソフトでこのサイトで検索をかけてみました。九大の生物学科でも昔はMathematicaを使う演習がありましたが、数式処理ソフトとしては有名な市販ソフトです。するとこんな本が見つかりました。

Control Theory Tutorial
Basic Concepts Illustrated by Software Examples
(Steven A. Frank)

検索結果のページの下の方にある、Free Accessというボタンを押してみてください。ダウンロードリンクが開きます。この本は別途、Mathematicaのコードがダウンロードできるようにしてあり、生命科学にも応用範囲のひろい、制御理論の基礎をMathematicaを動かしながら勉強できるようです。著者は生物科学系のカリフォルニア大学の先生で、生命科学の分野の人が制御理論を学ぶのに最適の本のようにみうけられます。興味のある方はダウンロードしてみてください。他にも各人の好みのキーワードで検索するときっとぴったりの本が見つかると思います。

写真は毎日の猛暑を逃れるため、夕方 山の川にいった時にみつけたアメンボです。どこにいるかわかりますか?

科学の本を無料でダウンロードして読める日本のサイト「科学図書館」の紹介です。

栗の花が散ると二日後には梅雨に入るといわれているそうです。
気象台の梅雨入り宣言の後も、晴天が続いていましたが、栗の花が散り始め、福岡も今日は梅雨の雨がふりしきっていて、アジサイがとてもきれいです。
(写真は梅雨入り宣言後の晴天続きの夕日と数日前に散り始めたクリの花です)

今日はInternet Archiveではなく、科学図書館という日本のサイトを紹介します。私のホームページのリンク集には開設当初からいれているサイトです。数学、物理学、天文学、哲学などさまざまな名著が日本語で無料で読め、ダウンロードできます。サイトとこの素晴らしいサイトを作成している方については、ここに紹介記事があるのでご覧ください。アップロードしてある著作はすべてサイト作成者のかたがLATEX 2εで組んで編集した後にpdfにしてアップロードされているそうです。このため、本文の内容を検索することも自由にできるようになっています。、例えばポアンカレの「科学の価値」(田辺元訳)のpdfをダウンロードしてきたら、本文の全文検索がpdfで可能です。これは極めて便利です。そのほか、本文内に注を入れてくださっていたり、様々な心遣いに感動しますよ。是非このサイトをご利用ください。
実は後日紹介しようと思っていますが、ポアンカレの「科学の価値」(田辺元訳)は、国立国会図書館デジタルコレクションで、ポアンカレと検索窓にいれればでてきて(リンクはここ)、画像を全コマ ダウンロードできます。pdfにしてくれるのですが、画像pdfなので検索はできません。
他にこの国立国会図書館のサイトには、ポアンカレの「科学の方法」や「科学と仮説」(「科学と臆説」というタイトル)などもありますが、これは全コマダウンロード不可で、50ページづつしか印刷pdfにできないなどきわめて不便です。

この科学図書館のサイトにある外国の名著の翻訳では、今紹介したフランスの数学者 アンリ・ポアンカレの「科学の価値」の他、
ハーヴェイの 「動物の心臓ならびに血液の運動に関する解剖学的研究」
パストゥール 「自然発生説の検討/自然発生について」
ダーウィン 「人及び動物 の表情について」
アーレニウス 「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」〔改訂版〕
オストヴァルト 「エネルギー」
ヘッケル 「宇宙の謎」【改訂版
ディーツゲン 「一労働者の観たる人間頭脳の働らきの性質」
その他、様々な講演録、伝記などがそろっています。また
日本の名著もいろいろそろっています。(以下敬称略)
寺田寅彦の「物理学序説」もありますし、
九州大学工学部に助手としておられ、その後 東京に移られて東京工業大学助教授をつとめられていた科学史家、天野清の「量子力学史」、「熱輻射論と量子論の起源」、「熱輻射史」その他の業績も無料でダウンロードして読めます。(将来を嘱望されていた天野清は残念なことに、昭和20年4月の東京大空襲で亡くなりました。)

その他、様々な先達の著作(天文学、物理学、哲学、数学史など―石原純、九大の教授だった桑木彧雄の業績、戸坂潤、村田全や小倉金之助の著作、三浦梅園の著作などいろいろ)が読めます。是非ご覧ください。

物理学の本をダウンロードしてみよう―Internet Archiveの使い方5

ちくま学芸文庫にはさまざまな科学の名著が網羅されています。カタログを眺めてみると、どれをとっても読んでみたい本ですが、科学の古典もいろいろ含まれていてそれらが日本語で読めるのはとても素晴らしいことです。Internet Archiveには、この文庫でとりあげられている多くの本や、岩波書店その他から翻訳本がでている本が沢山収録されています。Internet Archiveからは、KINDLE, epubやpdf形式など電子書籍の形式を選んで、自分のタブレットやPCにダウンロードできます。後はアプリを使って辞書を自動でひきながら読めるので、英語その他の外国語の本を読むのもずいぶん楽になりました。本当にいろんな本がよめます。今日は物理の本を紹介しましょう。
たとえば 理論物理学の教科書の定番ランダウ・リフシッツの 理論物理学教程は日本語版も出版されていますが、Internet Archiveからは英語版が無料でダウンロード可能です。検索窓に
creator:”L.D. Landau”とかcreator:”L.D. Landau & E.M. Lifshitz”で検索してみてください。とりあえず「力学」へのリンク(第2版第3版)をはっておきます。
こちらのブログ(とね日記)に詳しい情報(一部リンク切れあり)もあります。第3版のありかは、このブログに教えてもらいました。
この「とね日記」にはファインマン物理学全巻が無料でオンラインで読めるというサイトの紹介などもあっておすすめです。ファインマンはアメリカの有名な物理学者で朝永振一郎やシュヴィンガーとともにノーベル物理学賞を授賞しています。彼の大学での物理学の講義は有名でとても面白い教科書です。またご冗談でしょうファインマンさんなどの本でも有名ですね。Internet Archiveには著作の朗読や動画を含めていろいろ無料でダウンロードできるものがそろっています。ここをご覧ください。
私の学生のときには、物理学者のガモフの本の翻訳をよく読んだものでした。ガモフは遺伝暗号の解読にも参加していたので生物学への影響も大きかった人です。宇宙の開闢の時にビッグバンがあったというのを提唱した人でもあります。そのガモフの本もInternet Archiveにはいろいろありました。George Gamowで検索してみてください。トムキンス氏の冒険とかもみつかります。
「物理の伝記」とか「1,2,3、無限大」それに前に紹介した「重力」とかもあります。p135あたりから以前紹介した Faradayの研究の話が書いてあります。
その他の科学の名著として、たとえば、ちょっと検索するだけで、
フォン・ノイマンの自己増殖オートマトンの理論
とか、
Theory Of Games And Economic Behavior ゲームの理論と経済行動とかもあります。
Norbert Wienerの本もいろいろありました。サイバネティクスで有名で、二次の確率過程であるWiener過程はランジュバン方程式の勉強の時におめにかかったことがあります。
サイバネティクス Cybernetics Or Communication And Control In The Animal And The Machine は有名な本ですね。他に検索してみると、彼の自伝とかもあります。

いろいろ検索してみてください。 田んぼに水が張られて田植えの準備がはじまりました。

NCBI Bookshelfの紹介と、糖鎖生物学の教科書、糖鎖科学のロードマップの紹介です。

ランチョンセミナーでも紹介しましたし、またこのサイトのリンク集にもあげてありますが、NCBI Bookshelfには様々な生命科学の本がアップロードされており、自由にオンラインで読めたり内容を検索して読んだりできるので、勉強や研究にとても役立つ、活用できるサイトです。ストライアーの生化学(第5版)だのMolecular Biology of the Cellの古い版(第4版)などもありますので、本のタイトルを見るだけではなく、ページの一番上にある、キーワード検索ボックスを活用していろんな本を縦断検索してみてください。レポート作成や、新しい分野の研究のための予備知識の収集、セミナーや授業の準備などに大いに役立ちます。

私達の研究している糖鎖生物学の定番の教科書Essentialsof Glycobiologyの第3版(Cold Spring Harbor Press社、2017年発行の最新版です)がこのサイトにあるので、オンラインで無料で読むことが出来ます。編集者のEskoさんのカリフォルニア大学サンディエゴ分校のサイトには、この本の図(低解像度版)と図のパワーポイントスライドをダウンロードできるようにしてありますので、興味のある方は訪れてみてそこに書いてある著作権に留意した上でご利用ください。
糖鎖生物学は、アメリカでは研究のロードマップが公開され、集中的な予算投下で研究が猛烈に進んでいる分野です。アメリカの医療研究機関では糖鎖生物学の研究者がひっぱりだこで、人材不足になっているという話です。この糖鎖科学研究のロードマップ(Transforming Glycoscience
A Roadmap for the Future, National Research Council (US) Committee on Assessing the Importance and Impact of Glycomics and Glycosciences))もBookshelfに公開されていますのでご覧ください。pdf版もここからダウンロードできます。
これは日本語訳も発行されていますが、日本でも最新の研究成果をふまえたグライコサイエンスのロードマップが完成しており、ほどなく公開される予定です(私も執筆しています。英語版も発行されます)。

 

夏目漱石や芥川龍之介、その他日本の著者の本を読んでみよう―Internet Archiveの使い方4

私の昨年12月のランチョンセミナー(ConBio2017)では、Internet Archiveの使い方に軽くふれただけでしたので、このブログでYouTubeの動画よりももっと詳しく紹介する記事を続けています。
私が英国のケンブリッジ大学に留学していた時、ケンブリッジ大学図書館の利用票をもらったので、よく大学図書館に通いました。図書館には英語の本だけではなく、中国語や日本語の本も沢山所蔵されていました。日本語の本では、夏目漱石全集だの芥川龍之介全集、坪内逍遥訳のシェークスピア全集など様々な本があったので、当時小学校に通っていた子供の勉強にも役立ちました。
Internet Archiveには、下で紹介した寺田寅彦の青空文庫だけではなく、寺田寅彦全集も収録されています。私がみた範囲では一巻だけ欠落していますが、ほぼ全巻収録されています。また夏目漱石全集、芥川龍之介全集、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)全集、夏目漱石の奥さんの「漱石の思い出」、芭蕉の俳句集、その他いろんな日本語の本が読めることがわかるでしょう。多くは外国の大学図書館の日本語書籍コレクションをネット公開しているものです。探し方はいろいろあるとおもいますが、夏目漱石の本を探す時の一例を画像を交えて紹介します。(画像はギャラリー表示しているのでクリックすると大きく表示されます。)

Internet Archiveのホームページにアクセスして、Search Metadataにnatsumeと入れる。漱石がsosekiになるのか、sohsekiか などがわからないので名字だけいれます(一番上の画像)。
そして左のMedia Typeのtextsのボックス(上から二番目の画像)にチェックを入れ本や論文など、テキストファイルだけに表示をしぼります。さらに、AvailabilityのところにあるAlways Availableにチェックを入れると無料で読めるものだけに表示がしぼられます(上から3番目の画像)。本の表紙などの画像が自動で表示されますので、あとは画像を上から順にみていくだけです。マウスをドラッグして表示の下まできたら、 マウスをさらに下にドラッグするとFetching more resultsというメッセージがでて矢印がくるくるまわり、さらに本が表示されますので、どんどん表示させてみていってください。画像をみていくとマンガとかもヒットしていますが、それはnatsumeで検索しているから漱石でないnatsumeさんがヒットしているわけです。今回はそれは無視して画像をみていくと、漱石の作品の英訳本や漱石の伝記、「漱石の思い出」などがあって、その下あたりに漱石全集の画像があると思います(一番下の画像)。クリックすると本が表示されますので読んでみてください。虫メガネのアイコンをクリックすると画像を大きくして読むこともできます。
今回はtextにチェックをいれて表示を本に絞りましたが、チェックをいれないで検索するのもやってみてください。漱石の作品の朗読なども聞けます。いろいろ試してみてください。