オープンアクセスの電子ブックをダウンロードしてみよう―Pythonや制御理論や統計学の教科書、力学の教科書やFelix Kleinについての本などなど

以前の記事に書きましたが、分子生物学会のランチョンセミナーでオープンアクセスの電子ブック(無料で読める電子ブック)を探せるサイトDOAB(Directory of Open Access Book)を紹介しました。リンク集にもリンクをのせてあります。今日、ちょっとのぞいてみるといろいろオープンアクセスの本が新しく公開されていました。検索窓にPythonと入れて検索してみると、Pythonに関連した本がずらずらとでてきます。本のLicenseの下にある
Abstract | Keywords | Free access | Buy the book |の部分のFree accessのリンクをクリックすると本がダウンロードできます。いろいろな本がありますがPythonを学ぶにはIntroduction to Scientific Programming with Python
Authors: Dr. Joakim Sundnes in Simula SpringerBriefs on Computing。Springer Nature (2020) とか
Programming for Computations – Python
Authors: Linge, Svein — Langtangen, Hans Petter
Book Series: Texts in Computational Science and Engineering, Springer Nature (2020) などは面白そうです。
また神経科学へのPythonの応用を紹介している本で
Python in Neuroscience
Authors: Eilif Muller — James A. Bednar — Markus Diesmann — Marc-Oliver Gewaltig
Book Series: Frontiers Research (2015)Publisher: Frontiers Media SA
も神経科学に興味がある人には面白いのではないでしょうか。

検索窓にソフトウエアのMathematicaをいれて検索すると、こんどは制御理論の教科書がでてきました。Mathematicaを使って制御理論を学ぶ教科書のようです。
Control Theory Tutorial: Basic Concepts Illustrated by Software Examples
Author: Steven A. Frank Book Series: SpringerBriefs in Applied Sciences and Technology, Springer Nature (2018)

ほかにもいろいろ面白そうなオープンアクセスの本があります。Browseボタンを押して色んな本をタイトル、分野、そして出版社別にながめることもできます。Publisherで検索すると、各出版社から何冊くらいオープンアクセス本がでているかがわかります。とても多くのオープンアクセス本をだしているSpringer Nature社の面白そうなタイトル(2019-2020年発行)を以下にならべておきますので、検索してみてください(直リンクははってないので、上のサイトでタイトルで検索するなどしてみてください)。科学だけではなくて哲学、社会学の本とかもあります。たとえば王陽明の紹介本とかもありました。

Make Life Visible
Prof. Yoshiaki Toyama, Ph.D. Atsushi Miyawaki… (2020) 生物科学の可視化の技術の本のようです。

Statistical Population Genomics
Julien Y. Dutheil in Methods in Molecular Biology (2020)

Gene Drives at Tipping Points
Precautionary Technology Assessment and Governance of New Approaches to Genetically Modify Animal and Plant Populations
Prof. Dr. Arnim von Gleich… (2020) ジーンドライブについての本

Data Journeys in the Sciences
Dr. Sabina Leonelli, Dr. Niccolo Tempini (2020)

The Amazing Journey of Reason
from DNA to Artificial Intelligence
Mario Alemi in SpringerBriefs in Computer Science (2020)

Introduction to Scientific Programming with Python
Dr. Joakim Sundnes in Simula SpringerBriefs on Computing (2020) これは最初に紹介した本です。

The Pangenome
Diversity, Dynamics and Evolution of Genomes
Dr. Herve Tettelin, Duccio Medini (2020)

Bioimage Data Analysis Workflows
Dr. Kota Miura, Dr. Nata?a Sladoje in Learning Materials in Biosciences (2020)

Good Research Practice in Non-Clinical Pharmacology and Biomedicine
Editors :Anton BespalovMartin C. MichelThomas Steckler 薬学や医学での研究の再現性、正しいサンプリング、実験デザインなどを教えてくれる本です。

The Everyday Life of an Algorithm
Authors: Daniel Neyland アルゴリズムのやさしい紹介の本。

Principles of Mechanics
Fundamental University Physics
Salma Alrasheed in Advances in Science, Technology & Innovation (2019) 物理の力学の本

The Ethics of Vaccination
Dr. Alberto Giubilini in Palgrave Studies in Ethics and Public Policy (2019) ワクチン接種の必要性を議論している本

Understanding Statistics and Experimental Design
How to Not Lie with Statistics
Prof. Dr. Michael H. Herzog… in Learning Materials in Biosciences (2019) 統計学と実験計画法の教科書

The Legacy of Felix Klein 数学者フェリックス・クラインについての本
Prof. Dr. Hans-Georg Weigand… in ICME-13 Monographs (2019)

The Brownian Motion
A Rigorous but Gentle Introduction for Economists
Authors;Andreas Loffler, Lutz Kruschwitz 経済学者のためのブラウン運動の理論の教科書。

写真は5月ごろに撮影したバラの花をホテルにしているアマガエルです。昼間はこのバラの花の部屋の中でじっと休憩していますが、夜になると外にでかけて大きな声で鳴きます。今も外はカエルの声がにぎやかです。

Newtonのリンゴ―疫病を逃れての大発見

ニュートンのリンゴの話です。ケンブリッジ大学がペストの流行で閉鎖されたためニュートンは実家にもどっていました。重力について深く考え続けていた彼がリンゴの木の木陰で思索を続けていた時、リンゴの実が目の前を垂直に落ちていくのを見ました。その時、重力の本質についてひらめいたのだといいます。

この話は、ニュートンと直接話をした人William Stukeley(  1687-1765)が書き留めている手書きの本Memoirs of Sir Isaac Newton’s Life (1752年発行)にのっているそうで原本はここに公開されています。この本の15ページ目にニュートンの言葉がのっています。下のWikimedia Commonsからダウンロードした写真のように手書きの文字で読みにくいのですが、こちらには活字体で書いた原文が掲載されていますので写真の下に引用しておきます。

コロナウイルスで世界中の人が自宅に待機しているのですが、ニュートンのように偉大な発見が今 この瞬間に生まれているのかもしれませんね!

after dinner, the weather being warm, we went into the garden, & drank thea under the shade of some appletrees, only he, & myself. amidst other discourse, he told me, he was just in the same situation, as when formerly, the notion of gravitation came into his mind. “why should that apple always descend perpendicularly to the ground,” thought he to him self: occasion’d by the fall of an apple, as he sat in a comtemplative mood: “why should it not go sideways, or upwards? but constantly to the earths centre? assuredly, the reason is, that the earth draws it. there must be a drawing power in matter. & the sum of the drawing power in the matter of the earth must be in the earths center, not in any side of the earth. therefore dos this apple fall perpendicularly, or toward the center. if matter thus draws matter; it must be in proportion of its quantity. therefore the apple draws the earth, as well as the earth draws the apple.” That there is a power like that we here call gravity wh extends its self thro’ the universe < text from f 15r resumes > & thus by degrees, he began to apply this property of gravitation to the motion of the earth, & of the heavenly bodys: to consider thir distances, their magnitudes, thir periodical revolutions: to find out, that this property, conjointly  (下線を引いた部分は上の本の見開き右がわ―15ぺーじの写真には写っておらず、見開きの左ページに書き込まれています。)

上の写真はニュートンのPrincipia (1687年ラテン語の本として刊行されました)発刊300年を記念してイギリスで発行された記念切手の一枚です。
トップの写真は今年の4月中旬に福岡で撮影した、満開の八重桜をバックに咲くリンゴの花です。

 

コロナ感染拡大にともない公開されている無料で使えるサービスのいろいろ(4/18追記あり)

今日はコロナで外出できなくなっている人のために公開されている、面白そうな無料サービスをいくつか紹介します。

Ohmshaからマンガでわかる免疫学という本その他が無料公開されています。4月19日まで無料公開ということなので急いでご覧ください。(無料公開は終了しています)自然免疫とは何かとか、コロナウイルス感染の報道を理解する上での基礎知識です。(九大の人はMaruzen eBook Libraryにログインしたら読めますし、50ページづつのダウンロードも可能です。)同じサイトに公開されている本には、算数の本とかコスプレ入門とかもあって面白そうです。

英語で書かれた線形代数の教科書Linear Algebra Done Right (Sheldon Axler著、Springer)が演習問題解答やスライドなども含めて無料でダウンロードできます。本はSpringerのコロナ感染拡大にともなう無料公開措置で7月末までここからダウンロードできるそうです。https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-319-11080-6 また、スライドやビデオは、ここにあります数学のお好きな方はこの本はおすすめです。物理や化学の人にはこんなのはどうでしょうか。Linear Algebra and Analytic Geometry for Physical Sciences (Giovanni LandiとAlessandro Zampiniの共著。)これもSpringerが公開してくれている本です。もっといろいろな本がコロナ流行にともないSpringerから公開されています。リストは下のほうに載せてある九大の公開しているリンク集からダウンロードできます ( 九大図書館のリンクは今日ー4/18ーみたところ消えていたので下のほうにあるリンクあるいは、こちらをご覧ください。日本語でのアナウンスはここです。リンク集のExcelファイル中に本の名前とダウンロード用urlなどがのっています)。

私は一昨日、下のリンク集にあるサービスで大図書館にログインして使えるサービスAcademic Video Online(授業や自学自習に役立つ質の良いビデオコンテンツを61,000件以上収録している、ストリーミングビデオのデータベースです。2020年6月30日まで特別トライアル)というのを試してみました。いろんな教育関係のビデオがあるのですが、BBCの番組が多いのに気づき、では昔BBCのHorizonという番組でやっていたというドラマLife Storyがないかなと探してみました。ありました!これはDNAの二重らせん構造を解明した科学者たちの競争と研究の様子をかなり忠実にたどった感動のドラマです。昔、数万円でビデオが売られていたのですが高くで買えませんでした。無料トライアルの今ならその番組が英語字幕付きでみられます。契約している大学も多いと思いますので、アクセスできる方は是非ごらんください。舞台はLondonとCambridgeですが、私がいたCambridge大学の研究室は昔Watson, Crickが研究していた旧キャベンディッシュ研究所の隣にありました。ワトソンが音連れたことがあるプレハブもあって、のぞいていたのを覚えています。この番組は Crickによるとかなり忠実に史実をなぞっているとのことで、Watsonの二重らせんという本を読むより、最初このドラマをみるほうが感動が深いのではないかと思いました。ブラッグとロザリンド・フランクリンが、完成した二重らせんモデルを身にやってきて二人で語り合う最後の場面は感動です。(写真はケンブリッジのMRC分子生物学研究所のノーベル賞関係展示にかざってあったWatsonとCrickが作ったDNAの模型です。ドラマにもこの模型が登場します)
この番組はロザリンド・フランクリンの協同研究者で彼女を良く知るAaron Klug(MRC LMBの所長だった方で、ノーベル賞受賞者)も作成に協力しており、実際こんな会話がかわされたのかもしれないと思われます。Klugさんはロザリンドフランクリンは本当に偉大な科学者だったと語っていたそうです。MRC LMBには彼女とKlugさんが研究していたタバコモザイクウイルスの模型が飾ってありました。(下の動画ですがAcademic Video Onlineの動画リンクなので、認証失敗とかの表示がでて絵がでないときは無視してください。ログインできる人はログインして鑑賞してください。同じ動画はDailymotionにもだれかがアップロードされていますが、字幕抜きなので聞き取りにくいかもしれません。Part 1とPart 2にわかれているようです)

Life Story

ブラッグ:模型を前にしてフランクリンにIt looks as if they have got it right.
フランクリン:Yes.
ブラッグ:I’ve given my life to crystallography.I never thought I’d live to see this.
フランクリン: It’s your work too.
ブラッグ:And yours.
フランクリン:And mine.
ブラッグ:I know how you must feel. I’m sorry.
フランクリン:I might have seen it, but I didn’t. I see it now.
ブラッグ:This race, this winning and loosing, it’s not the way I was taught to do science.
フランクリン:It doesn’t matter. モデルをあおぎみて、This is what matters.
Life is the shape it is for a purpose. When you see how things really are, all the hurt and the waste falls away. What’s left is the beauty.

様々な大学の図書館のホームページには、自宅から使える様々な便利なサイトが載っていると思いますが、コロナ感染拡大にともなってさらに新しいサービスが無料で使えるようになっているので是非大学の図書館のホームページを見てください。たとえば九州大学の図書館のニュースページをみると、先日紹介したCambridge University Pressの無料で教科書で読めるサービスへのリンクがでていますし、様々なサービスが無料で使えるようになっているのがわかると思います。九大図書館が新設した「新型コロナウイルス感染症対応 特設ページ」には上のリンク集以外にいろいろ参考になるリンク(ログインしなくても使えるサービスも含む)がありますので学外の方もふめてご参照ください。ログインなしで無料で使えるサービスリストも同じところにでていますので九大以外のかたも是非ニュースページをご覧ください。たとえばこんなのがのっていました(九大図書館のニュースから引用。詳しくは上のリンクを参照してください。)


期間限定の無料アクセスなど(認証不要)

※新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、各社のご厚意により提供して頂いております。

Project MUSE
50以上の出版社の電子ジャーナルと電子ブックを無料で提供しています。
出版社及びアクセス可能範囲・期限の一覧
おおむね2020年6月30日まで無料アクセス。

Annual Reviews
全ての電子ジャーナルを無料で提供しています。
2020年4月30日まで無料アクセス。

Royal Society
全ての電子ジャーナルを無料で提供しています。
当面の間、無料アクセス。

雑誌記事索引データベース ざっさくプラス
2020年5月31日まで無償公開。

Springer
教科書などを無料で提供しています。
タイトルリスト
2020年7月31日まで無料アクセス。

ACM Digital Library
2020年6月30日まで無料アクセス。

桜が満開です―ABC予想の解決のニュースがとびこんできました!

コロナウイルス対策のための自粛で、オンライン講義の用意や自宅での勉強、テレワークなどがあちこちで続いていますが皆さんお元気でしょうか。

今日は明るいニュースとして、京都大学数理解析研究所の望月新一教授のABC予想の解決の論文が、査読を終わってアクセプトされたという記事が目をひきました。望月先生のブログによると、だいぶ前に査読が終わって肯定的な査読結果を知らされたにもかかわらず、アクセプトもリジェクトもされずにずっとほったらかしの状態がつづいていたそうですが、ほったらかしにされていた雑誌をやめて別の雑誌にアクセプトされたようです。今回証明されたのは弱いABC予想と呼ばれるもので、これが証明されたことにより、実効版モーデル予想、シュピロ予想、フライ予想、そして双曲的代数曲線に関するヴォイタ予想が自動的に正しいと証明されるそうです。また今回は証明されていませんが強いABC予想というものが正しければ簡単にフェルマの最終定理の証明ができるそうです(下に書いている加藤先生の本150ページあたりより)(下線部は4月3日10時すぎに追記)。この弱いABC予想を証明するために構築されたIUT理論はとても独創的な画期的なもので、地動説や量子力学と同じほどのインパクトを与える理論のようです。この未来からきた論文と言われた論文を理解して理論に習熟している人は現在、世界で10人程度だそうです。この理論についての解説は「宇宙と宇宙をつなぐ数学IUT理論の衝撃」(加藤文元著・角川書店)にあります。私も去年の春、購入して読みました。興味のあるかたは是非ご覧ください。YouTubeに加藤先生の解説動画(日本語)もでていますよ。

それから望月先生のブログですが、全部に目をとおされることをおすすめします。紅白歌合戦や逃げ恥などテレビ番組のことが先生の理論や学問観に絡めて議論されています。またここ(ブログ記事へのリンク)には、英語で論文を書くことについて定冠詞、不定冠詞のことなどもふくめて面白い記事がのっています。先生はラテン語、ギリシャ語、サンスクリット語なども学ばれたようで、冠詞のない言語もあること、語順がSOVという言葉もあることなどいろいろ面白いことが学べます。そしてなにより、学問をするうえで英語ができることより大切なことについての議論、水村美苗さんやカズオ・イシグロの小説についての議論などにとても感銘を受けました。

下は今日撮影した公園に咲く桜の写真です(クリックして拡大可能です)。福岡も土日は外出自粛要請がでているので今日は桜を見に近くの公園にでかけました。田舎ですので人はまばらです。

桜が咲きました。春がきています!コロナウイルスに負けずに物理数学の本を勉強しましょう!

コロナウイルスで大騒ぎですが、皆さんのご健康をお祈りいたします。中国から私のラボにきていた卒業生の皆さんやそのご家族の皆さんのご無事を祈っています。私のほうは、論文の作成や論文レフリーを依頼されていたので査読作業も忙しくてブログの更新が遅れていました。昨日査読レポートのアップロードを終えたので久しぶりに外に散歩に出かけてみました。写真は道端に咲いていたきれいな水仙の花です。

今日は福岡は暖かく、なんと五月中旬並みの気温(23度ちょっと)もあったそうです。
桜はというと、気象台の開花予想はもう少し後のようですが、なんと近所の桜は咲いていました!蕾のかたいソメイヨシノが並んでいる中に一本だけ、きれいな花を数輪つけているものをみつけました。レンゲも田んぼに咲きはじめ、タンポポの花を奥さんがみつけました。写真は庭のサクランボの木の花です。一週間前にとった写真ですが、満開の花に蝶々が蜜を吸いに来ているのが写っています(クリックして拡大してご覧ください)。たくさんのかわいいメジロも蜜を吸いにてきていて、私が数メートル離れて立っていても無視して、一心にサクランボの花の中にくちばしを入れておりました。右の写真はあぜ道に咲いているアザミです。花いっぱいの春がやってきています。皆さんも花を植えたり、散歩にでかけたりすると気が晴れると思います。

卒業式がなくなった大学も多いのですが、自宅にこもることが多い今の時期にはいろいろな勉強ができると思います。ときどき紹介しているようにネットでいろんな勉強ができますので、しっかり時間をとって勉強するチャンスかもしれません。以前紹介した学習院大学の田崎晴明先生の物理数学の優れた教科書ですが、数日前には主成分分析なども加筆された改訂版を公開されました。絶対おすすめの本ですので勉強してみてはどうでしょうか。また英語ですがCambridge University Pressではコロナの感染拡大にともなっていろいろなサービスの無料公開を始めています。ここをご覧ください。教科書のhtml版の無料公開(5月末まで)を始めていたので紹介しようと思ったのですが、アクセス数がものすごくて今は公開を停めたようです。再開すると書いてありますのでちょくちょくみてもらうと良いと思います。(結局、一般公開はとりやめになって、大学などでCambridge University Pressのサービス―Cambridge Coreなど―を購読している場合のみ大学経由でアクセスできるようになったようです。4月3日追記)

windows7のサポート終了:windowsをやめてlinuxへうつるチャンスです(1)

福岡では2月17日に、ちらちらと初雪を観測しました。今まで一番遅い初雪の記録2月6日を111年ぶりに更新したそうです。

さて今日はこのところいろいろトライしているウインドウズ7のサポート停止に対する対策を書いておきます。そろそろlinuxを中心にパソコン生活を始めようというわけです。
上の写真はLinux  Mintを起動した時のデスクトップです。windowsとよく似ていますね。linuxといえばターミナルでのコマンド操作というのがよく話題になりますが、windowsとそっくりのデスクトップでマウスで操作するだけで使えますので、まずはこうしたwindowsなみのグラフィカルインターフェイスで使うのがおすすめです。

私はwindows7で動くパソコンをもっているのですが、windows7のサポートが今年の1月14日で終了した(windows defenderの更新はつづいているようです)ので、それに対する対策を講じなくてはなりませんでした。九大図書館などに自宅からwindows7を使っているパソコンでアクセスするとき文献をダウンロードしようとすると、画面一杯に警告画面が表示され、windows10への切り替えを促され、文献のダウンロードはできなくなっています。セキュリティを考慮した措置ですが、まだまだ問題なく使えるwindows7なのにうっとうしいサポート切れ対策を余儀なくされるのにはほとほと、うんざりさせられます。以前windowsXPのサポート切れにともなって、XPからwindows7にアップグレードするときも研究室の多数のXPパソコンをいちいちアップグレードするのは大変でした。今回は大学で使っているwindows7のenterpriseエディションからwindows10へのソフトやデータを残したままでのバージョンアップは結構簡単にできるのですが、それも結構時間と手間がかかるわけです。また使っているパソコンによってはスペックが不足してwindows7のように快適には使えないことがわかりました。windows7でインストールしたソフトもあるし、それがwindows10で動くのかも不明です。パソコン自体はwindows7で問題なく動いているので、無駄な追加投資をしたくないと思い、windows7はネットワークから切り離して利用することとし、ネット接続するときはlinuxを使うことにしました。参考になったのは日経からでているムックの「Windows 7パソコンをLinuxで復活させる本」です。日経Linuxの最近の記事をまとめたものですが、丁度windows7のサポート停止でウインドウズを止めようと思っている方には最適の本だと思います。

要は、windows7のパソコンはネット接続をせずに利用し続け、ネット接続には外付けハードディスク(あるいはSSD, USBでもだいじょうぶです)にインストールしたlinuxを使うという方針です。近頃はほとんどの作業はブラウザでやるので、linuxでブラウザを使う、メールをやりとりするなどができればネットでの作業はことたり、ネット接続していないwindows7を起動すれば、今まで使っていたwindows7で動いていたソフトもそのまま利用できます。(linuxにはwineというソフトがあって、幸運ならwindows7で使っていたソフトもlinuxのwineで動くかもしれません。)

ubuntu などの、日本語入力システム付のlinuxのインストールディスクを使って、USBや外付けのSSDや外付けHDDにlinuxをインストールします。こうしておけば、linuxをインストールした外付けのSSD(HDDでもUSBでもいいです)をwindows7で動くパソコンにとりつけてUSB接続したSSD(HDDあるいはUSBメモリ)から起動すればLinuxが使えますし、USB接続を外して(つまりUSBケーブルを外して)起動すればあいかわらず今まで使っていたwindows7が使えます。(他のwindowsとの共存のやり方としてはデュアルブートといって、起動したらlinuxかwindows7かどちらを使うかを選んでから起動すると言う便利な方法もありますが、これはどちらか一方が壊れたときとかにトラブルがおこることが多いそうですのでやめました。またlinuxの中でwindows7の仮想マシーンを起動して利用するというのもありますが、パソコンのスペックがいるし、windows7の仮想ディスクをつくるのにproduct IDがいるとかいろいろめんどうくさいのでやめました。)というわけで以下は外付けSDDにlinuxをインストールする手順です。

いろいろあるlinuxの配布版(ディストリビューション、ディストロ)のどれを使うか?distributionにはいろいろあってどれを使うか迷うのですが以下のようなdistributionは有名です。

Ubuntu Desktop 日本語 Remix
Linux Mint これには3種類あってCinnamonというのがおすすめです。32bit版と64bit版があります。
・puppy linux日本語版
・Pop!_OS(プライバシーを重んじているlinuxでファイルは自動で全部暗号化され、この配布版を作成している会社にデータを送ることもないそうです。日本語の利用設定も簡単)
・Zorin OS(これはwindowsからの乗換え用をうたっているものです。商用版あり)

これらはwindowsからの乗換えの記事でよくとりあげられています。私は最初 puppy linuxをUSBメモリに入れて使ってみました。linux mintは世界で一番多く利用されているlinuxだそうで、壁紙もきれいなのでこれもおすすめです。私はネットで情報が多い、Ubuntu Desktop 日本語 Remixを採用しました。これも他のdistributionと同じではじめから日本語入力システムMozcがセットでついていて便利ですし、windowsでつかっていたIMEの辞書も簡単に移行できるのでおすすめです。(下はLinux Mintの画面で、windowsのスタートボタンにあたるところをマウスでクリックした様子です)
長くなりましたので、今日はこの程度にして次回からは具体的なインストールの手順を書いていこうと思います。(次回のリンクはここです。

他のやり方としてはVirtualboxというソフトをウインドウズのパソコンにインストールして、仮想マシーンとしてlinuxを動かすこともできます。これは私が大学の授業でlinuxの導入実習で使っていた方法です。以前のブログの記事にはこのやり方とlinuxの入門書があげてありますのでご覧ください。

岡潔に大きな影響をあたえた数学の本―ポアンカレの「科学の価値」など

今日はこの写真(註1)を紹介します。

これは日本の有名な数学者 岡潔があちこちで語り、いろんなところで書き遺しているフランスの数学者エルミートの中年の肖像写真です。エルミートというのは物理学ではエルミート演算子というのでおなじみです。以下は岡潔の曙(講談社現代新書 絶版)という本からの引用ですが、同じ話は現在容易に入手できる「一葉舟」などにものっていますのでご覧ください。私がはじめてこの話を聞いたのは高校生のとき、NHKのラジオFMでやっていた岡潔さんと秋月康夫さんお二人の対談の中でした。テープレコーダーに録音して何度も聞いていたのを思い出します。

フランスの数学者アンリ ポアンカレは、微分方程式論やトポロジー、三体問題、ポアンカレ予想、カオス発見のさきがけ、など様々な偉大な業績を残し、さらにポアンカレ変換が相対性理論ででてくることからわかるように、アインシュタインがいなくても特殊相対性理論は彼が発見したであろうといわれる偉大な科学者です。多くの随筆を書いていて、岡潔はそのなかの「科学の価値」(註2)という本を読みその中の以下の言葉が深く印象に残ったと書いています。
「エルミットの語るや、如何なる抽象的概念もなお生けるが如くであった」
エルミートは、ポアンカレの先生です。「科学の価値」という本のなかで、ポアンカレはこんなことを書いています。
「其反対にフェリックス・クライン(Felix Klein) を考えると、彼は函数論の最も抽象的な問題の一つを研究した。即ち一の与えられたリーマン面に、与えられた特異性を有する所の函数が常に存在するかという問題である。さて此有名なドイツの幾何学者は如何にしたであろうか。彼はリーマン面に置換えるに電導率が一定の法則に従って変化するごと如き金属面を以てし、其二つの極を連結するに電池の両極を以てした。かくして彼は電流が之に通じなければならぬ事、其電流の面に分配され方が問題に要求せられた特異性をまさに持つ所の函数を定義する事を述べたのである。もちろん勿論クラインは之を以て彼がただ概観の見取を為したに過ぎないことをよく知って居た。其にもかかわらず彼は之を発表するに躊躇せず、又厳密なる証明でないにせよ、之によって彼は一種感情上確実と思わしめるものを発見したと信じたごと如く思われる。しかるにもし此が論理家であったならば、かような考は嫌悪排斥したであろう、否むしろ排斥するどころか かような考を起すことが無かったであろう。」(田辺元訳 「科学の価値」より引用)この後、ポアンカレはベルトランとエルミートを比較して論じているのですが、この文章に刺激をうけて岡潔や秋月康夫はクライン全集を丸善にいって買って帰ってきてその論文を読んだそうです。以下は岡潔の上記の本からの引用です。
====================================
「エルミットの語るや、如何なる抽象的概念もなお生けるが如くであった」

この言葉も深く私の印象に残った。

これは後の話であるが、私が大学二年(京大数学科)のとき、秋月(康夫、群馬大学学長)は(同じ 科の)一年だった。そのとき丸善へクライン全集が来た。私達は三卷とも買って帰って、ポア ンカレがいった論文だけ読んだ。三十ページほどのごく短いものである。

暫く経つと丸善へエルミット全集が来た。前のはドィツ語だったからまだしもよかったが、 今度はフランス語だから私達は全く読めない。然し各卷の初めにエルミットの肖像がある。それで私達はまた三巻とも買って帰った。その第二巻の巻頭のものは中年のエルミットの読書姿態である。それを見ていると、なんだかポアンカレの言葉がわかって来るような気がする。

秋月はそれを切り抜いて、額に入れて机の上に立てた。それを見て化学二年の、哲学の西田先生の息子の外彦君まで、一人で丸善へ行ってエルミット全集三巻を買って帰って、その肖像 を切り抜いて、机の上に立てた。

頭頂葉に理想を掲げるとは、こうすることである。
======================================最初に載せた写真は、秋月さんが買って帰って切り抜いて額にいれて机の上にたてた、そのエルミート全集第2巻の写真です。岡潔の著作のあちこちで紹介されているエピソードですが、写真をご覧になった方は少ないかと思い、ブログにのせておくことにしました。

下はエルミート全集第1巻の肖像です。「若いころの目はまさしく詩人の目をしている」(一葉舟)と岡潔が書いている写真です。写真はどちらも九州大学図書館からダウンロードしました(注1参照)

註1:この最初の写真は九州大学図書館の貴重図書のページでHermiteといれて検索すると、Hermite全集(Oeuvres de Charles Hermite)がでてくる(フランス語です)、その第二巻がpdfで掲載されているのですが、その最初のpdfにのっています。あるいは画像そのものを見ることもできて、その画像をダウンロードしてもいいです。ブログに載せたのは私が解像度を落としたものですが、オリジナルの高画質版もダウンロードできますので必要な方はダウンロードしてみてください。下の写真の左下のダウンロードボタンを押すと、高解像度、低解像度を選んでダウンロードできます。
註2:ポアンカレの「科学の価値」は、田辺元訳が科学図書館にありますのでダウンロードしてお読みください。

高校生に知ってほしい強力ツール:ベンゼンの異性体を描いてみよう!

高校生に知ってほしい強力ツール ベンゼンの異性体を描いてみよう!:化学式から異性体の構造(環や二重結合、三重結合の存在可能性)を推定する方法

今年も残すところあと一日となりました。今年の福岡はことのほか紅葉がきれいで長く続きました。写真は11月に大宰府近くにある竈門神社(かまどじんじゃ)に行った時に境内で撮影した紅葉です。青空に映えてとてもきれいでした。

さて、今日は一足早いお年玉ということで、有機化学を学び始めた高校生や受験生、一般の方々に是非覚えておいてほしい強力なツールを紹介します。試験問題を解くのにも大活躍しますので、活用してみてください。

先日のブログで、三炭糖のdihydroxylacetoneが隕石の中から発見されているというお話をしました。C3H6O3という分子式で示される物質がどのような構造をしているかを推定する簡単な方法を紹介します。これは有機化合物の構造を質量スペクトルやNMRなどで推定する際に常用される方法です。(たとえば「有機化合物のスペクトルによる同定法 (第8版)」(東京化学同人)をご覧ください)

分子式はその物質がどのような元素からなり、それぞれの元素が何個あるかという情報の他に、分子内にある環や不飽和結合(二重結合や三重結合)の数についても教えてくれるのです。不飽和結合の存在や環の存在によって結合している水素の数が、環や不飽和結合がない場合にくらべてどれくらい減っているかを示すhydrogen deficiency indexという数を分子式から計算することができます。このインデックス(数)を計算すると、分子式内の二重結合の数、三重結合の数の二倍の数、および環状構造の個数の合計がわかります。計算の仕方は以下のとおりです。

hydrogen deficiency index=(炭素数+1)ー水素数/2ーハロゲン数/2+三価の窒素数/2です。

たとえばC3H6O3(つまり炭水化物C3(H2O)3の場合)なら、上の式で炭素数3、水素数6、酸素数3なので、(3+1)-6/2ということで1がインデックスとなります。つまりこの分子式で表される分子には二重結合が1個あるか、または環が一個あるだろうと予測できるわけです。ケトースもアルドースもありうることがわかりますね。

C7H7NOの場合だと、炭素原子数が7、水素が7、窒素が一個で酸素が1個ですので、インデックスは(7+1)-7/2+1/2となり、5となります。この分子はたとえばベンズアミドでありうるわけです。ベンゼン環には二重結合3つ、環が一個ありますからそれだけで4となりあとはアミド結合の酸素と炭素の間の二重結合が1となり合計5になります。この分子式でインデックスが5になるような異性体を練習に書いてみてください。

簡単な練習としてはC6H6が面白いです。良く知られているのはベンゼンです。しかしこの化学式で示される分子はもっといろんなものがあり得ます。

C6H6という分子のインデックスは炭素6個に水素6個ですから、(6+1)-6/2で4です。ベンゼンなら環が1個で二重結合3個ですのでたしかに4となってあっています。しかし環が1個で三重結合が1個(1x 2=2)、二重結合が1個でも4ですよね。大学生のときこのインデクスを使ってものすごい数の構造異性体を書いて遊んでいたのを思い出します。うちの奥さんが地味な遊びや、といっている声が聞こえますが‥‥。
解答例をはりつけておきます。もっといろいろ(合計30種類以上)書けますので試してみてください。(図は、ChemSpider(無料の化学構造のデータベースで、テキスト検索や構造検索ができます)という便利な化学のサイトで分子式C6H6の異性体を検索した結果から、一部を抜き出して、図を改変したものです。もとのページを見たい方はこちらです。)

もっと一般化したインデックスの計算式は以下のようになります。
hydrogen deficiency index =(Ⅳ)+1-(/2)+(Ⅲ/2)
ここでⅣというのは4価の元素(炭素Cとかケイ素Siの原子の数)
Ⅰは一価の元素の数、つまり水素Hやハロゲン(ClとかFとか)の原子数の合計
Ⅲは三価の元素の原子の数、つまり窒素Nとかリン原子Pなどの数です。

下の写真は竈門神社本殿そばの池に浮かんでいた もみじの落ち葉です。ゆっくりと風にふかれて水面をただよっていました。

生命科学志向の有機化学の教科書が無料で読めます!量子化学の教科書とかもあります

台風や洪水で被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。

さて今回は、生化学や糖鎖生物学、あるいは生命科学を学ぶ人に適当な有機化学の教科書として以下の本をみつけたので紹介しておきます。また無料で科学や歴史、英語などを学べるサイトも紹介します。
Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume I
Organic Chemistry with a Biological Emphasis Volume II
この二冊は、わかりやすい英語で書かれた教科書で、ミネソタ大学モリス校のサイトにおいてあって、無料で利用できるオープンソースのライセンスの教科書です。下の画像をクリックすると、化学以外を含めた様々な分野のオープンライセンスの教科書がみつかります。(画像をクリック後に開いたページの左側にあるBiological/Physical Sciencesをクリックすると生物、物質科学関係の本のリストがみられます。)

Find Open Textbooks

著者のTim Soderbergさんはもとは英語専攻で、日本で英語教師を5年ほどやっておられたそうです。その後、大学に入りなおして科学を専攻し、大学院入学資格を得た後、ユタ大学の大学院に入ってJournal of Organic ChemistryのEditor-in-Chiefを長年つとめたDale Poulter先生の指導のもとで、アーキア(古細菌)の酵素であるprenyltransferaseの研究(それぞれtRNAと膜脂質の修飾に働く2種の酵素の研究)で生化学で博士号を取得。2000年から2016年までミネソタ大学の准教授として有機化学を教えておられた方です。生化学の研究をしていた、有機化学に詳しい先生の書いた本なので生体分子をとりあげて有機化学を学ぶという方針で書かれています。これは生命科学を学ぶ人のための有機化学の教科書としておすすめできると思います。章内問題の解答や章末問題の一部の解答もダウンロードできますので勉強しやすそうです。

あと、Open Educational Resources (OER)というのをご存知ですか。無料の教科書やビデオを駆使して教育していこうという趣旨の運動のようで、無料で数学、物理、化学、生物学その他を学べるという運動です。有機化学については、以下のOERのサイトもご覧ください。
https://oerdegrees.org/courses/chemistry/
https://oerdegrees.org/courses/organic-chemistry/

いろんな無料で利用できる教材へのリンクが集まっているポータルサイトです。その中にはKahn Academyというのがあって、ビデオで有機化学を学べます(トップページ左上のCoursesをクリックすると、数学、物理、化学、生物学、歴史、ミクロ経済学、マクロ経済学、英語の文法、プログラミング(JavaScriptとか)なども学べます。たとえば前に紹介したenantiomer(鏡像異性体、エナンチオマー)について紹介しているビデオとかもあります。字幕がでるビデオですので英語の勉強にもなりますよ。

またサイエンスについては以下を参照してください。
http://oerdegrees.org/programs/science/

こんなのもあります。Libretextsというサイトで、無料で生化学、有機化学、量子化学や量子力学、統計力学、物理化学、政治学などほとんどなんでも学べます。化学へのリンクをあげておきます。
https://chem.libretexts.org/
またこちらにはSolderbergさんの教科書が1冊本のカラー版でおいてあります。章の順序立てがかわっていますが、一冊まるごとダウンロードできますのでご覧ください。

「ロウソクの科学」を読んでみよう!秋の読書のすすめです

  • 昨日は即位礼正殿の儀ということで、お雛様のような美しいいでたちの皇族の方々をテレビで拝見しておりました。さて、この秋、ノーベル化学賞が吉野彰さんに授与されましたが、吉野さんは化学の道へ、マイケル・ファラデーの「ロウソクの科学」を読むことでいざなわれたのだそうです。前にノーベル賞を授賞された大隅先生もそのようにおっしゃっていたと思います。というわけで、今「ロウソクの科学」が飛ぶように売れているそうです。英語でよければここにあります(前に紹介したファラデー著作集のサイトです)ので、pdfやepubなどお好きな形式でダウンロードして、タブレットなどで辞書をひきながら読めば簡単に読めると思います。またこちらの本には、「ロウソクの科学」と「力と物質」が収録されています。また女性が英語で朗読しているので良ければ「ロウソクの科学」のオーディオブックがここにあります。 mp3やM4B形式(M4B形式はAppleのiTuneで再生できる形式です)でダウンロードできます。私が普段使っているメディアプレーヤーのMPC-BEでもM4B形式は再生できます。
    また、この「
    ロウソクの科学」のオーディオブックは、YouTubeにもあります。

ロウソクの科学」は理化学研究所の企画 科学道100冊にも選ばれています。科学道ジュニアというジュニア向けの科学の推薦図書一覧もあって、そちらにも選ばれて入っています。科学道に選ばれている本にはこのブログで紹介したものもあって、どれも面白そうですのでこれからの読書計画の参考に是非ご覧ください。
最後にFaradayの有名な言葉を紹介しておきます。下の写真は英国ロンドンにある
ファラデー博物館(The Faraday Museum)で昔私が撮影した
彼の実験ノートの一部の拡大写真です。
“All this is a dream. Still, examine it by a few experiments.
Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the
laws of nature and in such things as these, experiment is the
best test of such consistency.”と書いてあります。Faraday 博物館の写真の説明文は以下のようでした。
This note was made by Faraday on 19th March 1849, when set out
in search of a connection between gravity and electricity and magnetism
–the final link in the unity of natural forces in which he so firmly believed.

ファラデーは、現代の物理学で使われている場の概念を初めて導入した現代物理学の創始者です(以前紹介した物理学を変えた二人の男―ファラデー,マクスウェル,場の発見(岩波書店)がとても面白い本ですので是非お読みください)。人類の歴史の中で最高の実験家といえるでしょう。彼の直観した場の概念を、数学の言葉で実体化したマックスウエルとともに、現代の場の理論がこの二人のおかげで誕生したのです。彼は前にも書いたのですが、当時知られていた重力、電気力、磁力の三つの力を統一しようと実験を行っていました。統一場の理論の先駆者ですね。