論文のレフリーのやり方―おすすめの査読の手引き書がでています

論文をだすようになると、査読依頼がくることが増えてきます。昔は査読の仕方は先輩や先生に教えてもらっていたのですが、最近とてもよい本が出たので紹介します。水島昇さんの本です。
「科学を育む 査読の技法+リアルな例文765」(羊土社)という本です。
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758121132/22.html
水島さんはノーベル賞を授賞された大隅先生の協同研究者でもあり、同時受賞を推す方も多かったと聞いています。私がJSTのさきがけの研究費をもらっていた時の仲間です。日本生化学会の会長もされていたことがあり、最前線で活躍されている科学者です。
この本は例文ものっていて、私が前に紹介していたように、オンラインで公開されているレフリーのコメント(たとえばここここにあります。前のEMBO journalのサイトでは論文を開いて、Peer Reviewというタブをクリックするとみられますし、後のeLifeのサイトでは論文を開いて、横のReferecesの下にあるDecision Letter―これは論文を掲載するかしないかなどについて編集部から著者へ送られてくるメールのことです―のところをクリックするとみられます)から学ぶ方法と組み合わせると、査読の要領がよくわかる絶対おすすめの本です。是非購入してお手元におかれることをすすめます。

なお九州大学の方はMaruzen eBook Libraryで無料で読めます。オンラインで読むのもいいですし、ダウンロードして読むのもおすすめです(ただし1日60ページの制限があります)。他大学の方もそれぞれの図書館がMaruzen eBook Libraryを契約しているならそちらで読むことが出来ると思います。
今日の写真は、秋の青空にかかる月(9月29日撮影)を背景に、落ち葉の季節の桜の木にかかったクモとクモの巣が写っています。拡大してよくみると一番下の枝の尖端あたりに蜘蛛がいるのがわかるのですが‥‥
昨日は散歩の途中、家の近くの路上でタヌキがたたずんでこっちを見ていました。ちょっと離れていたので、写真を撮ったのですがうまくとれませんでした。長いしっぽでよその家の庭にはいっていきました。間近にタヌキをみたのははじめてです。ハクビシンも住宅街をうろついています‥‥。

機械学習とかディープラーニングの学習のてびき

タンパク質の立体構造を予測するAIが生んだプログラムAlphaFold2は、AIの有効性を実感させてくれました。がぜんAIに対する興味がでてきたのですが、ディープラーニングとか機械学習とかの勉強にはこんな本はいかがでしょうか。
「高校数学からはじめるディープラーニング―初歩からわかる人工知能が働くしくみ」(講談社ブルーバックス。金丸隆志著)
私はAmazon Kindle版をポイント半額付加セールのときに買いました。Kindleは安売りがあるので紙の本よりいい時がありますね。内容はとてもわかりやすくておすすめの本だと思います。Excelのマクロもダウンロードできるようになっていて理解が深まるいい本です。

また統計やデータサイエンスの勉強には総務省統計局のサイト(先生向け)が面白そうです。小学校から中学、高校向けの教材、補助教材などがそろっていて、統計ではRの紹介もされています。高校向けの機械学習の補助教材の部分にある教科書とそれに付随するPythonコードは、Google Colaboratoryのジュピター・ノートブックの環境で実行することにより動作しますと書かれていて、結構本格的な教材のようです。内容には。線形回帰、サポートベクターマシン、決定木・ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズ法、K近傍法、因子分析、主成分分析、クラスター分析、アソシエーション分析が含まれており、教材、データなどが自由にダウンロードして使えます。

左の写真はお盆のころに山際に咲いていた百合の花です。今は右の写真のように種ができています。

Mathematicaの紹介です!

ヒマワリもアサガオもそろそろ花の数が減ってきて秋を感じさせる毎日です。さて今日はMathematicaの紹介です。MathematicaはStephen Wolframという人が開発した有料ソフトで数値計算と数式処理ができますし、最近では画像や音声、信号処理、機械学習、統計解析、バイオインフォマティクスなど広範囲で利用されています。Pythonなどのプログラミング言語に比べてプログラムが格段に簡単で、自然言語での入力も可能になるなど科学の研究、学習には必須といってよいソフトでしょう。先日、微分方程式の解き方の講演があったのでオンライン参加してみました。講師の丸山 耕司先生は理論物理(御専門は量子情報、量子制御理論など)出身の方で、Wolfram社のブログなどの他、雑誌「数理科学」に寄稿されたり、「動かして学ぶ量子コンピュータプログラミング」(O’Reilly Japan)という本の監修、そして量子力学の定番教科書サクライの現代の量子力学 第2版(最近原書の第3版がでています)の問題解説(演習 現代の量子力学 第2版 J.J.サクライの問題解説)(吉岡書店)の著者の方でした。微分方程式の解き方の基本のキから学べる講義でしたので、以下のリンクから無料登録して講演をご覧になるのをお勧めします(2021/10/31までの期間限定での公開ですので注意してください)https://www.bigmarker.com/series/solving-differentialequations-ja/series_details?utm_bmcr_source=twitterまたWolfram Japanのtwitterにこの講義の他、Mathematicaによる微分積分学入門など関連したいろいろな情報がでているので参考にしてください。リンクはこちらです。
https://twitter.com/WolframJapan

MathematicaはWolfram言語というプログラミング言語で動くソフトです。Wolfram言語は、日常言語とかわらない命令もうけつけるように設計されていて、プログラミング初心者にもきわめてやさしい、そして短いコードで、高度なプログラムが書けるすぐれたソフトウエアです。Wolfram言語の入門書としては開発者のWolframの書いたAn Elementary Introduction to the Wolfram Language 第2版がおすすめです。この開発者自身が書いたWolfram 言語(Mathematicaで使われているプログラム言語)の解説本は以下のリンクで無料で読める他、オンラインでWolfram 言語を使って学習できるので興味のある方は下のリンクにアクセスしてみてください。
https://www.wolfram.com/language/elementary-introduction/2nd-ed/

ハワイの国立天文台すばる望遠鏡からのライブ中継

楽しかったオリンピックも終わってしまいましたね。夏空を眺めるには絶好の季節ですが、もうすぐペルセウス座流星群がみられます(もう始まっていて、極大は8月13日4時頃だそうです)。(末尾に2021/08/14の追記があります)

夜空を見上げるのも楽しい季節ですが、ネットでは国立天文台すばる望遠鏡(ハワイにあります)からみた夜空のライブ中継が今見られます。朝日新聞と国立天文台のYouTubeでのコラボのようです。きれいなペルセウス流星群の流星がみられるかもしれませんね。ライブ中継ですので終わって見られなかった人はこのリンクから当日のライブ中継を探してください。朝日新聞宇宙部のチャンネルです。

竹内薫さんによると、宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」の舞台、銀河の祭り(ケンタウル祭り)の夜は、ペルセウス座流星群の舞う8月12日深夜から8月13日未明にあたるだろうとのことです。

銀河鉄道の夜は青空文庫などで読めます。いろんな版がありますが、ここにはもっとも古い版の「銀河鉄道の夜」へのリンクをはっておきます。

(以下は2021/08/14追記しました。)
昔、宮澤賢治の作品が読めて、「銀河鉄道の夜」の初稿から最終版までの変遷などもわかりやすくまとめていただいているサイト、「森羅情報サービス」(和歌山在住の宮澤賢治の研究家 渡辺宏さんの作成されたホームページhttp://why.kenji.ne.jp/)を推薦していたのですが、ご病気で更新がなくなりサイトもなくなってしまいました。ただInternet ArchiveのWayback Machineにはこのサイトのほとんどのページが残っていますので興味のある方は是非ご覧ください。貴重な素晴らしいサイトです。

例えば童話は
https://web.archive.org/web/201604170716さん54/http://why.kenji.ne.jp/douwa/douwa_f.html

ホームページトップは以下に保存されています。
https://web.archive.org/web/20160410021135/http://why.kenji.ne.jp/index.html

データサイエンス向けにおすすめの統計学の教科書の紹介です

インターネットをみていると、初心者向きの統計学の教科書を見つけました。「データ分析のための統計学入門 原著第4版 “OpenIntro Statistics Fourth Edition”」という本で、日本統計協会から翻訳本が市販されています。この本は訳者のお一人である国友直人先生のweb pageにpdfがおいてあるので無料でダウンロードして読むことができます。
原本のOpenIntro Statisticsという本は無料公開されており、上の訳本の中でも関連サイトが詳しく紹介されています。この訳本では問題の解答は省略されていますが、英語の原本pdfには練習問題の一部の解答が載っているので原本をダウンロードして合わせて使うとよいでしょう(上にあるリンクの本の購入ページでYou Pay 15$とある部分のスライダを左に動かして0ドルにしてcartにいれ、購入手続きでemailアドレスをいれるとダウンロードできます。0ドルの領収書がメールで送られてきます)。英語のサイトには解説ビデオ(下のほうにvideoのリンクがあります。クリックするとYouTubeビデオが開くので字幕オンにしてみるとよいです)やRプログラミング言語での勉強用リンクもあります(各章の表題の下の部分にある Software LinesというリンクをクリックするとRやRStudio、Pythonその他でのコードのページが開きます。たとえばChapter  5. Foundations for Inferenceの下にあるIntro to Inferenceの部分をクリックして開いたページでLab: R (Base)とある部分をクリックするとこんなページが開きます。Pythonコードのページとかもありますので適宜利用してください。)また訳者によるRの簡単なイントロも訳本のページ(R・エクセル・基礎数学と題したpdf)にあるのでご覧ください。データそのものはzipファイルでダウンロードできますし、こちらにはR用のデータやデータのcsvファイルなどもそろっています。またRのパッケージとしてもデータが公開されているのでR でパッケージを読み込んで使うこともできます。
医学生物学向きには同様な無料本(Harvard大学の先生が書いたものです)
Introductory Statistics for the Life and Biomedical Sciencesがあります。こちらは英語版ですが、上の本と同様にRのコードへのアクセスリンクもスライドもありますので、よかったらダウンロードして読んでみてください。

4月11日の日曜日は快晴で青空がとても綺麗な一日でした。我が家のリンゴの木にも沢山花が咲きました。

当日は県知事選挙の日。病気で九大病院に入院された小川知事の辞職にともなって実施される福岡県知事選挙の投票に歩いてでかけました。丁度お昼どきだったので会場には投票する人が、私達二人をふくめて3人しかいません。会場のコロナ対策は万全でした。換気万全の投票所ですが、まず入り口にアルコール消毒液が備えられていて手指を消毒、その後非接触型体温計で体温を測り入場します。投票券をマスクの職員の方に手渡すと、手袋した手で受け取り、アクリル遮蔽板を介してやり取りします。あとは投票用の消毒済み鉛筆と投票用紙を手渡されて記入台で候補者名を書いて投票です。鉛筆はそこで回収されます。コロナ蔓延下での選挙も何度も行われているので対策も洗練されてきた感じがします。選挙結果は予想通り、8時の開票と同時に当選確実がでるというものでした。COVID-19下での選挙制度の洗練度を確認できてよかったです。

福岡では桜が満開です―iPadのTipsの本と動画の紹介

(注:このブログでは、12ポイント太字の部分はリンクです。クリックすると該当ページが開きます。)
今年は福岡の桜の開花が早く、もはや満開を迎えてはらはらと散り始めているところもあります。卒業式も終業式も終わって、今は春休み。一昨日、昨日、今日と近所でお花見をしましたが、春休みの小学校の前では、この4月に新一年生になるお子さんが、満開の桜のもとでランドセルを背負って記念撮影してもらっていました。春爛漫です。

図書館でiPadについての新刊を借りてきました。iPadクリエイティブという本です。紙の本と電子ブック両方があります。これはおすすめです。たとえばiPadで読んでいる電子ブックの必要ページをpdfにする方法とか、アップルペンシルの賢い使い方などいろんなtipsが満載で、買って損がない本です。著者のamity_senseiの本の紹介動画とtipsの動画の一例を、下に貼り付けておきます。

こちらは、
「みんなが知らない、純正アプリのiPad読書術。【Kindle × Apple Books】」という動画で、Apple BooksやKindleといった電子ブックの紹介、およびpdf化のやりかたの紹介です。


是非チャンネルをご覧ください。
あと、YouTubeですが、Braveというブラウザでみると広告が抑制されているようです。広告スキップがうっとおしいと思われる方は試してみると良いと思います。広告ブロック機能が強力なブラウザですし、FirefoxやChromeなどからのブックマークの移行も自動で行われて便利です。プライバシーに配慮したブラウザで、なんとプライベートブラウジングモードはTorを使っています。

Pythonや物理数学の無料本―春のおすすめ本

(注:このブログでは、12ポイント太字の部分はリンクです。クリックすると該当ページが開きます。)
暖かくて春めいた日が続きます。4月上旬の暖かさとか。九州大学でも前期日程の合格発表が昨日(3/08)あったそうで、ニュースで合格した学生さん達の喜びの声を報道していました。
写真は散歩の途中でみつけたスミレと つくしです。近所では1週間以上前にうぐいすの初鳴きを聞きました。

最近、Pythonの教科書を京大が公開しているのを知りました。プログラミング演習Python2019という講義の教材です。初歩からはじめてグラフィックインターフェイスでのプログラムまでやさしく指導してくれる本で本篇とコラムを集めた本の二冊があります。以前紹介した本の後に読むのに最適だと思います。Anacondaのインストールをした後、この本からPythonの勉強をはじめることも可能だと思います。

また以前紹介していた学習院大学の田崎先生の「数学:物理を学び楽しむために」という本もバージョンアップされていますので紹介しておきます。これは序文によると「物理学(とそれに関連する分野)を学ぶ方を対象にした、大学レベルの数学の入門的な教科書である。高校数学の知識を前提にして、大学生が学ぶべき数学をじっくりと解説する。」という本です。著者の田崎先生のtwitterでは「大学入試が終わって入学までの時間をもてあましている理数系のみなさんに特におすすめします。1章に目を通した後はお好きなところをどうぞ。」と紹介されています。またtwitterには物理や数学よりデータ科学や AI に興味があるという人は 7 章から始める(必要なら前の章を読む)のも一興かも。高校数学から消えた最強武器である行列がガチで学べて、主成分分析、マルコフ連鎖、Google Page Rank への応用まで!」とあります。面白そうでしょう!

Pythonの勉強用におすすめの本(12/09動画について追記しました)

PythonはRとならんでおすすめのプログラミング言語です。医学部で教えている野村研の卒業生もPythonの講義をしているそうです。物理科学系だけではなく生命科学分野でもPythonを使えると断然有利になります。まったく初心者の方への入門書としては、いちばんやさしいPythonの教本 第2版 人気講師が教える基礎からサーバサイド開発までなどはどうでしょうか。第2版はみていないのでわかりませんが、プログラミングに使うエディターはAtomよりはVSCode(Visual Studio Code)のほうが良いと思います。まず初心者用の入門書で概要がわかったら、次は「すっきりわかるPython入門」をおすすめします。この本はAnacondaをつかってPythonをインストールしていくという、最近主流の入門スタイルで書かれています。大変よくわかるとうちの奥さんのおすすめ本です。出版社のサイトのリンクを下に書いておきます。この本のサイトの「掲載ツール導入・利用ガイド」の項目には、AnacondaやJupyterLabのインストールのやりかたが書いてあるので参考にしてみてください。電子書籍版もあります。
https://sukkiri.jp/books/sukkiri_python
なお九州大学の方(九大図書館にログインして、データベースにあるMaruzen eBook Libraryにアクセスしてみてください)やこのサービスを契約している組織の方は、ここで紹介した本を(一日60ページの制限がありますが)パソコンにダウンロードして読むことができます。すこし読んでみてよかったら購入するのがいいと思います。(残念ながら九大では「いちばんやさしいPythonの教本」は初版しかダウンロードできません)私はどちらもpdfで読んでみて、結局紙の本を購入しました。このライブラリには他のpythonの入門書もいろいろありますので、試し読みしてみて自分に向いている本を選ぶとよいかもしれません。入門用の動画ですがNGSハンズオン2015の動画の中にPython入門の動画がありますので、
https://togotv.dbcls.jp/20151110.html
入門前にこれを見てみるのもおすすめです(私はこれをみてPythonをはじめました)。

あと、最近はやりのJuliaというプログラミング言語の入門書も上のMaruzen eBook Libraryにあって読むことができます。「1から始めるJulia プログラミング」(コロナ社)という本です。Juliaを学びたい方にはおすすめです。Juliaはpythonのように書けてCにまさるとも劣らないスピードで実行できる画期的なプログラミング言語だそうです。
(写真は一週間ほどまえにみかけた皇帝ダリアです。)

夏のおすすめ本2020―その2 夏目漱石の「明暗」の完結編など

今日は肩のこらない小説などを紹介したいと思います。夏目漱石の本は青空文庫で簡単にダウンロードして読めるのでおすすめですが、未完に終わった最後の小説「明暗」を完結させた小説があります。「続明暗」というタイトルで、私は去年、漱石の「明暗」に続いて読みましたが、とてもうまく完結させてあってうまいハッピーエンドになっていました。

漱石が胃潰瘍で亡くならなかったら、このような完結の仕方になったかもしれないという終わり方でした。この「続明暗」は有名な小説家水村美苗さんの作品で、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞しています。去年NHKでやっていた夏目漱石をあつかった100分de名著の番組の中にも、この本が飾ってありました。とても面白い本ですので、是非読まれるのをおすすめします。

水村さんは、小説家でその他にも多くの賞を授賞されています(野間文芸新人賞や読売文学賞)。12才の時から米国で過ごされた方でイエール大学卒業。プリンストン大学で日本文学を教えておられたこともあり、「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」という精緻な論説も書かれています。この本は大変評判になり小林秀雄賞を受賞した他、
The Fall of Language in the Age of Englishという題でコロンビア大学出版会から英訳が刊行されています。今は文庫化されているのでこちらも是非お読みください。英語で論文を書くことについて深く考えさせられる本でもあります。松岡正剛さんの千夜千冊にも紹介されています。

以前このブログで紹介したABC予想を解決された望月新一先生のブログでも、日本語と外国語という観点の記事で、水村さんについて触れられておりました。この望月先生のブログの記事は、米軍基地問題や北朝鮮問題、数学の意義についての考察のほか、論文の書き方や英語についての考察が詰まっていて、とても示唆に富む内容ですのでご覧ください。望月先生は古代ギリシャ語、ラテン語、サンスクリットなどを学ばれたそうですが、私達の苦手な定冠詞(英語のthe)や不定冠詞(英語のaとan)についていえば、古代ギリシャ語には不定冠詞はなく、ラテン語や現代ロシア語には定冠詞も不定冠詞もないのだそうです。

夏のおすすめ本2020―その1 Rに関するおすすめ本2冊

毎日猛暑がつづきますが皆さんお元気の事と思います。今日から数回にわたって、面白そうな本、役に立つ本などを紹介していきたいと思います。第一回目はR(アール)の本です。今や統計解析にソフトの定番のプログラミング言語Rは無料で使える素晴らしいソフトですが、統計解析だけではなくゲノム解析にも活躍しているソフトです。昔はグラフィカルインターフェースがなかったのですが、今ではRのパッケージのR commanderや日本の神田善伸先生(自治医科大学)が開発されたEZR(イージーアールと読みます。これも大評判になってRのパッケージになりました)がありますので、グラフィカルインターフェースでRを使うことができて、初心者にもやさしいソフトとなりました R commanderはRをインストールしたあと、パッケージとして追加インストールして使います。EZRはR commanderの追加プラグインになっています。インストールするとどちらも日本語で使えます。EZRを中心に使いたい場合は開発者の神田先生のサイトからダウンロードして使うのもおすすめです)。また、RStudioというRの統合開発環境ソフトを使えば、Rをもっと便利にスムーズに利用することができるようになったので、Rはますます便利で使いやすくなっています。インストール法については以前の記事二つがありますので、ここここを参照してください。

今日紹介するのは、EZRの使い方を、その開発者の神田先生が解説した本です。先生のホームページにも簡単な使い方などが載っていますのでそちらも参照してみてください。

EZRでやさしく学ぶ統計学 改訂3版〜EBMの実践から臨床研究まで〜神田善伸 著(2020年10月発行)

これ一冊あれば、生物系医学系の普通の統計解析はすべて日本語のプルダウンメニューを使ってできます。私も論文のデータ解析にはこの本を主に参照しています。大変役立つ本ですので、是非一冊購入して統計解析の勉強や研究に活用してください。私は第一版を購入して使っていますが、すでに第3版がでているほどに売れている本のようです。これがちょっと難しそうという方むけに、神田先生はもうすこしやさしい初心者向けマニュアルも書かれています。全く初心者の方にはこれがおすすめです。 マンガの部分もあったりしますが、統計解析の基本をひととおり学べますし、EZRの開発秘話とかものっています(立ち読みで読めます)。

サラっとできる! フリー統計ソフトEZR(Easy R)でカンタン統計解析
という本です。立ち読みしてみて、まずこちらを買うのもありかもしれません。医療や生命科学関係の事柄を急いで学びたいという人には同じ著者の

初心者でもすぐにできるフリー統計ソフトEZR(Easy R)で誰でも簡単統計解析

がいいかもしれません。まず神田先生の簡単な入門書で学び、実験データの解析には最初の本(第3版)を使うというので、Rを使った生命科学の統計データ解析には十分だと思います。他にいろいろ本を買う必要はないでしょう。(以上2020/11/19追記)

Rはバイオインフォマティクスや次世代シークエンサーのデータ解析、ゲノム解析にも大活躍しているソフトです。最近英語の本ですが、こんな本が公開されています。
Computational Genomics with Rという本です。
紙の本や電子ブックはこの秋にでるようですが、Rをつかって出力されたhtml版が上のリンクから無料で読めます。バイオインフォマティクスの専門家による本ですので、役立ちそうです。
著者は日本にもいたことがある人で、Rのバイオインフォマティクス解析用のBioconductorの多くのパッケージを開発している方たちです。著者紹介によると、この本のほとんどを書いた方は、Dr. Altuna Akalin wrote most of the book and edited the rest. Altuna is a bioinformatics scientist and the head of Bioinformatics and Omics Data Science Platform at the Berlin Institute of Medical Systems Biology, Max Delbrück Center in Berlin.(以下略)ということで、ドイツのベルリンにあるバイオインフォマティクスとオミックスデータセンターのヘッドだそうです。まだ私も読んでいないのですが、勉強してみたい本ですので紹介しておきます。

写真は、散歩の途中で撮影した山百合と葛の花です。山百合の間によくみると葛の花が咲いているのがわかります。