「物理学者とティータイム」のライブ配信動画が面白そうです。

今日はノートパソコンが不調で修復をいろいろ試みているので YouTubeのからライブ配信動画を貼り付けておきます。
【学びなおし】夏生さんに中高数学を教える会!第2回
フランス在住のLEOさんと奥さんの夏生さんのライブ配信動画です。末尾に貼り付けた先日の記事の動画の続きです。
物理学者の方から、中高数学を学べるという珍しい企画で面白そうです。第三回もあるとのことでライブで一度みるとよいと思います。
https://www.youtube.com/live/5wysAmleD5o?si=6WOI6hoFNPLNt2L3

「物理学者とティータイム」 でライブ配信をやっています。

日本語での量子暗号の解説動画やSLIM ピンポイント着陸成功 後夜祭のライブ配信(2/14)ライブ配信があります。

今日は面白そうな動画を紹介するだけの短い記事です。
いつも紹介しているUTokyo.TVの新着動画のページをみてみましょう。
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/
【物理法則と論理が生み出す情報セキュリティ】東京大学公開講座:論理 小芦 雅斗
という動画が一番新しく公開された動画のようです。これは量子暗号の話みたいですね。
光の偏光などの話からはじまって量子暗号の解説がやさしく進む動画のようです(まだみていません)。
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/lecture_5559/
このページから内容を引用しておきます。
00:00 タイトル
00:21 講演者自己紹介と今回の講義概要
00:51 光とは?
06:47 双子の光子対の実験から
11:38 光速を超える速さと因果律の破れ
16:08 双子の光子の不思議な性質とギャンブルのお話
22:03 エンタングル状態を用いたからくりと量子力学の「非常識な」世界
25:37 量子力学の標準的な考え方と暗号通信への応用
31:19 双子の光子対を使った量子鍵配送
36:16 エラー解決と秘匿性増幅、量子回路の性質について
44:37 まとめ
45:42 エンドタイトル
この世界を支える自然法則である量子力学は、常識を覆す奇妙な性質を持ちます。 その性質を暗号技術に転用したのが、微弱光を用いる量子暗号です。何をされても破れないという究極のセキュリティの証明には、論理の力が大活躍します。

ということで面白そうですね。YouTubeのほうの動画を埋め込んでおきます。広告がでるので本家のほうで再生するほうがよいでしょう。
私はヘッドホンを使っているので広告は気になりませんが‥‥。
https://youtu.be/5lnlkSNT7Wk?si=L9UF6vB9NLNKvwWy

あと明日はSLIMの月着陸記念のライブ配信があるようです。
【#SLIM月着陸ライブ】SLIM ピンポイント着陸成功 後夜祭(宇推くりあが聞く!SLIMトークライブ#3)
https://www.youtube.com/live/89Y0kYeU3yU?si=rfmE5wWfjajfv0Xp

武道の秘伝書を読んでみましょう。

先日は能の秘伝書 風姿花伝について紹介しました。同じ秘伝書でも武道の秘伝書というのもいろいろあります。
昔の時代小説では、秘伝書を盗み見て剣術の新しい境地を知るというようなストーリーがあったように思いますが、秘伝書というのはそういうものではなさそうです。地道に稽古や工夫を重ねて体を自在に操ることを目指す、修行の道しるべになるような内容が書かれているものが秘伝書というもののようです。また盗まれて読まれることを念頭に、わざと誤った内容が書かれていることもあって、そのあたりは口伝えで訂正しながら流儀を伝えていったもののようです。これは英国のバベッジが、世界初のプログラムで動くコンピュータといえる機械「階差機関Difference Engine」の設計書に、一か所誤った内容を書いて盗まれた時に備えたというのと似た対策ですね。ロンドンにあるScience Museumにその設計書から組み立てられた実際に設計計画どおりに動く Difference Engineが展示されていますが、その組立の時にわかった事実だそうです。余談はさておき、武道の秘伝書は国立国会図書館の個人送信サービスで読めるものが多いです。(個人送信サービスは登録しないと使えませんが、登録はオンラインで簡単にできますのでまだ登録していない方は絶対登録することをお薦めします。)

武道関係の有名な著者に今村嘉雄という方がおられます。国立国会図書館のでデジタルコレクションのページの詳細検索
https://dl.ndl.go.jp/search
で、著者名に今村嘉雄といれて検索してみてください。いろんな武道関係の書籍がヒットします。
日本武道体系 第1巻から第10巻は、日本武道に関する文献をいろいろ集めた全集です。剣術、柔道、合気道、棒術、弓、馬術、忍術、手裏剣術などなどありとあらゆる武道の文献が集められています。また武道関係の随筆類もあつめた巻もあります。
日本武道大系 第1巻 剣術(1)
https://dl.ndl.go.jp/pid/12149408
には新陰流、タイ捨流、心形刀流の秘伝書など資料がまとめられています。
第2巻 剣術(2)には、宮本武蔵の二天一流の五輪書その他いろいろな流派の伝書、資料がまとめてあります。https://dl.ndl.go.jp/pid/12144629
第3巻 剣術(3)には、神道流、示現流、居合その他いろんな流派がのっています。https://dl.ndl.go.jp/pid/12141690
第9巻には武芸随筆というくくりで、猫の妙術、不動智神妙録などいろんな文書が集められていて便利です。https://dl.ndl.go.jp/pid/12144618
第10巻は武道の歴史というタイトルです。https://dl.ndl.go.jp/pid/12146662  相撲を含めた武道の歴史が書かれています。

また、今村嘉雄の本には、柳生十兵衛の書いた伝書 月之抄 の校註版もあってこれも無料で読めます。
https://dl.ndl.go.jp/pid/12146232

なんで生命科学に従事しているものが武道に興味を持ったかという点については前の記事をご覧ください。

宮本武蔵の五輪書と五輪の意味について

なぜChatGPTなどニューラルネットワークを使ったAIがこれほど優秀なのでしょうか?

タンパク質の三次元構造の予測、数学オリンピックの問題の正しい解答、画像の生成、音声の理解、動画の作成などいまやLLMは汎用人工知能にどんどん近づいている気がします。なぜニューラルネットワークに基づくAIはこれほどいろいろな問題を解くことができるのでしょうか。ChatGPTが公開された時、なぜこれほどまでに優秀なAIになっているのかは、つくっている研究者にのまだわからないという話をききました。さきほど英国Royal SocietyのYouTubeチャンネルをみていたら、フランスのコレージュ・ド・フランスのStéphane Mallat教授が その問題を議論している動画をみつけたので紹介しておきます。教授は画像圧縮JPEG-2000のもとになった理論の開拓で有名だそうで、現在はニューラルネットワークの数学理論を研究しているそうです。ものすごい性能のAIがなぜそれほど優秀なのかを明らかにする研究へのいざないの講義です。
The Royal Society Milner Award Lecture 2023 given by Professor Stéphane Mallat
From deep network mysteries to physics | The Royal Society
https://youtu.be/eqccbNiYlQk?si=_F3fuRdv6jhOyfFI

英語を使いこなしたい人に役立つ、「使える英語」習得のための最強のポータルサイトを紹介します。

京都大学の柳瀬先生のブログや講演動画をたびたび紹介しています。今日は先生のブログ
https://yanase-yosuke.blogspot.com/
の右下にあるLinksにのっている、京都大学の英語学習のためのFAQのページを紹介します。

これは素晴らしいリンク集です。これを知る前と後では、英語学習のやり方がまったく違ったものになる人も多いのではないでしょうか。

私が愛用しているLife Science Dictonaryも紹介されていますし、Language Reactorなどこのブログで紹介したツールものっています。英語学習のために読んだらよい本、役に立つ動画、英語論文の書き方など英語学習の”みちしるべ”になる内容とそれに応じたリンクがのっている素晴らしいサイトです。学生さんにもすすめますが、先生や社会人にも役立つサイトです。是非クリックしてながめてみてください。
https://www.i-arrc.k.kyoto-u.ac.jp/english/consultation_jp_FAQ

このサイトの最後のほうにある学術英語の書き方の部分も役に立ちます。生命科学の論文を書く人に最適な、

臨床医学論文執筆支援プラットフォーム

というツールのリンクと使い方も書いてあるので、活用してください。

臨床医学論文執筆支援プラットフォーム
Key Phrases of Clinical Medical Research Articles based on Move Analysis
https://home.hiroshima-u.ac.jp/tkawamo/ClinicCorpusV2-1.html

30万年のヒトの進化の歴史―昨日配信された最新の一般向け講演が面白そうです。

今日は昨年6月の以下の記事で紹介したGresham Collegeのライブ配信動画を紹介します。

英国で大学レベルの講義の無料ビデオを配信しているGresham Collegeを紹介します。

バーミンガム大学のInstitute of Microbiology and Infectionの教授でヒトの感染症研究をしているRobin May教授の一般向け講演です。教授はイギリス政府の科学顧問も務めているそうです。動画はこちらです。昨日ライブ配信されたばかりの動画で人類の歴史に興味がある方にはまたとない内容だと思います。
A 300,000-Year History of Human Evolution
https://www.youtube.com/live/0T_yxkVo-iI?si=qbXHxLwpY9uWS_Xm

ヒトの30万年にわたる進化の様子がゲノムにその痕跡をとどめているという話もあるようです。May教授はGresham Collegeの連続講演をされているようで、以前の講義やこれからの講義のアナウンスなども次のサイトにのっています。
https://www.gresham.ac.uk/speakers/professor-robin-may

家康も読んだ秘伝書 「風姿花伝」を読んでみましょう!

「風姿花伝」は、日本の芸術論を語るときに欠かすことができない古典です。日本文化について世界に発信する際には、ぜひ読んでおくべき一冊です。たしかNHKの100分de名著でも取り上げられていたように思います。https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/29_fushikaden/index.html

能は多くの武将の心をとらえたことでも有名で、信長や家康も能を舞ったそうです。風姿花伝は秘伝書として一子相伝で長らく伝えられてきた書物です。その最後の頁によると信忠が家康に読ませてほしいとねだったとありますから、家康が所持して読んでいた秘伝書だということがわかります。この本は秘伝書なので、その存在は知られていたものの、全部の内容が明らかになったのはなんと20世紀に入ってからです。華族の堀家から1908年に古書店朝倉屋に売られていた能の古書若干を、安田善次郎が買い求めて所蔵していました。当時 世阿弥の伝書を探索しておられた吉田東伍博士が、大蔵流狂言師岡田紫男からこの書物の存在について聞いて、直ちに調査してそれが世阿弥の真筆の伝書であることを確認したとのことです。安田氏の古書コレクションは関東大震災で消失したので本当に間一髪のところで風姿花伝が書籍として日の目を見たのだと思います。安田善次郎は、安田財閥の祖であり、東大の安田講堂はこの人の寄付で建ったそうです。またジョンレノンの奥さんのオノ・ヨーコの曽祖父にあたるとのことでした。この辺のところは、集英社新書の世阿弥の世界(増田正造 著)で知りました。

https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0787-f/

この本は能を知らない読者が、世界に通じている能という芸術とその起源、風姿花伝の内容などを学ぶのに絶好の本だと思います。一読をおすすめします。なお増田正造先生は2022年に92歳で亡くなったとのことです。とても良い本を残してくださいました。

風姿花伝を世にだした吉田東伍博士の本、世阿弥十六部集は国立国会図書館のデジタルコレクションでログインなしで誰でも読むことができます。ダウンロードも可能です。
吉田東伍 校注『世阿弥十六部集 : 能楽古典』,能楽会,明42.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/859394 (参照 2024-02-08)

これはしかし読みにくいのでもっと読みやすいように評釈を付けた本がでていてこちらなら理系の読者でも簡単によめます。
能勢朝次 著『世阿弥十六部集評釈』上,岩波書店,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1705509 (参照 2024-02-08)

風姿花伝の現代語訳はやはり国立国会図書館の個人送信資料でこちらがよみやすいです。
金井清光 著『花伝書新解』,明治書院,1958. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2485968 (参照 2024-02-08)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2485968

世阿弥の直系である金春家伝承の風姿花伝を含む様々な能楽関係の資料も公開されて本になっているので、個人送信資料で読むことができます。この本では、風姿花伝は、風姿華傳と書かれています。
川瀬一馬 註『頭註世阿弥二十三部集』,能楽社,1945. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1840598 (参照 2024-02-08)

カナダのアルバータ大学の、量子生物学に関する講義の動画がでています。

YouTubeに最近アップロードされた動画の中に、量子生物学の紹介の動画があるのをみつけました。

カナダのアルバータ大学のLABMP 590 – Technology and the Future of Medicineという講義コースです。the Faculties of Medicine, Science, or Artsに所属する大学院生むけの講義と学生とのセミナーの動画です。講師のJack は Fellow of the National Institute for Nanotechnology of Canadaで、Experimental Oncology in the Department of Oncology at the University of Alberta’s Cross Cancer Institute の教授、同時にthe Department of Physics,University of Albertaの教授です。癌に関係するチューブリンなどの量子生物学的な研究などをしている方のようです。
https://apps.ualberta.ca/directory/person/jackt

動画は三本あります。最初の動画では、導入のパートで、スピリチュアルな著書を書いているChopraという人とTuszynski教授(そしてあと一人の生理学の先生)の共著であるQuantum Bodyという本の内容を紹介しながら講義にはいっていっています。量子生物学というキーワードで検索するとスピリチュアルな話もよくみかけるので、そういうサイトはおすすめしませんが、この動画は微妙なバランスをたもっているように思い紹介することにしました。アルバータ大学は昔から量子力学や場の量子論、量子生物学などに興味のある日本人の先生が多い大学ですね。高橋康先生、藤永茂先生、梅沢博臣先生などが在籍しておられたはずです。

Jack Tuszynski Quantum Biology Part I January 25 2024 Technology and Future of Medicine LABMP 590
https://youtu.be/p_mFOfum4uc?si=iX7KKYSSgYo0IFXB

Jack Tuszynski Quantum Biology Part II Jan 31 2024 Technology & Future of Medicine Course LABMP 590
https://youtu.be/WaHHJP4fT5c?si=-EhndNGxxQxTlXHW

Jack Tuszynski Quantum Biology Part III Feb 1 2024 Technology and the Future of Medicine LABMP 590
https://youtu.be/ARW9as5SNgU?si=EIMR-T1KVPb4nUoX

 

光学顕微鏡の完全入門コースがMRC LMBのYouTubeチャンネルで公開されました。

MRC LMB(英国ケンブリッジにあるMRC分子生物学研究所)は、レーザー共焦点顕微鏡が発明された研究所です。私の先生のJohn White先生の発明した共焦点顕微鏡はBioRad社から発売され、BioRad製のMRC LMBの顕微鏡は私も使ったことがあります。MRC LMBではほかにもモノクローナル抗体が発明されて、チューブリンに対して作られた最初のモノクローナル抗体は線虫C. elegansの免疫染色に使われました。私もすこし分けてもらって使ったことがあります。今日はこの研究所の「2024年生物物理学的テクニック入門講習会」の動画が公開されたのでそれを貼り付けておきます。光学顕微鏡のイロハからはじまってしっかりと基礎原理を説明していて、その後、共焦点顕微鏡の原理、二光子顕微鏡の原理など詳しくわかりやすく解説してくれている動画です。もう一本は、画像処理のわかりやすい講義です。どちらもみて絶対に損がない動画です。是非ご覧になることをおすすめします。

[TALK 1] Introduction to Light Microscopy – Nick Barry
https://youtu.be/hd_MZJbsmE4?si=R2ick2qg7q5EXjIJ

[TALK 2] Image Processing for Light Microscopy – Jérôme Boulanger
https://youtu.be/IBSlXdkQLLM?si=2V124r4AceOYWyo0

Max Planckの光量子の発見についての解説ビデオが面白かったです。

今日も書類書きで忙しかったのでビデオの紹介をします。YouTubeのおすすめビデオで以下のものがあるのを知りました。動画の作成者は理論物理学者でデータサイエンティストの J. S. Díaz 博士です。原子爆弾の爆発・爆風の研究や火山爆発の衝撃波の研究、ニュートリノによるCPT対称性の破れの研究などいろんな研究をしている科学者のようです。論文はこちらにリストがあります。https://jsdiazpo.github.io/publications.html
ホームページの下のページのリンクものせておきます。https://jsdiazpo.github.io/projects.html

プランクの光量子仮説の発見のビデオはこちらです。The math trick that revolutionized physics
https://youtu.be/gXeAp_lyj9s?si=0fwAQd4cqRHbiRvA

どんな計算でE=hνの式がでてきたかが、式の導出をふくめて丁寧に解説されています。またかかわった科学者の写真や実験器具、プランクの家にまねかれたRubensの未発表データをきいてPlanckがどのように推論を展開して、式をたてていったかなどがよくわかります。物理を専攻していない私でも理解できるほど丁寧な式の導出でした。プランクの光量子の発見についてはネットで無料公開されている天野清の本 「量子力学史」(こちらの科学図書館のサイトからダウンロードできます。http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/science/scilib.html#amano)の脚注にも式の展開をおって解説されているので日本語で読みたい方はダウンロードして読んでみるとよいでしょう。