国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第12回)

国立国会図書館で無料で読める本の紹介、第12回です。番号は第一回からの通し番号です。もう120冊を越える本のリンクを紹介したことになります。
120)I.ニーベン 著 ほか『選択の数学 : 組合せ解析入門』,河出書房新社,1970. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12623031 (参照 2024-06-03)
これは順列・組合せの最高の入門書です。中高生から読めると思います。SMSG新数学双書の一冊。このシリーズの本は10冊が個人送信サービスでよめます。詳細検索でタイトルのところに、SMSG新数学双書と入れて検索してみてください。気に入る本がみつかるかもしれません。

121)山本幸一 著『順列・組合せと確率』,岩波書店,1983.3. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12623790 (参照 2024-06-03) これは岩波書店からでていた数学入門シリーズの一冊。高校生向けの入門書です。順列、組合せから確率までわかりやすく解説されています。

122)細井勉 著『イプシロン・デルタを理解するために : 数学のまわりの論理と日本語』,日本評論社,1982.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12622401 (参照 2024-06-03) 数セミ・ブックスの一冊です。詳細検索でタイトルに数セミ・ブックスといれて検索すると全部で9冊の本が読めることがわかります。いろいろ面白い題の本が並んでいますのでご覧ください。

123)『新修宮沢賢治全集』第12巻 (童話 5),筑摩書房,1980.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12538515 (参照 2024-06-03)
宮沢賢治の作品は昔はネットで読める素晴らしいサイトがあったのですが、作成者の方がなくなってWayBack Machineや青空文庫で読むしかなくなっていました。しかし個人送信資料には賢治の全集が入ったので今では自由に作品を読むことができるようになってありがたいことです。この第12巻には「ポラーノの広場、銀河鉄道の夜、風の又三郎、ひのきとひなげし、セロ弾きのゴーシュ」、そして「銀河鉄道の夜」と「ひのきとひなげし」の初期稿がおさめられています。

124)『新修宮沢賢治全集』第2巻 (詩 1),筑摩書房,1979.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12538505 (参照 2024-06-03) この巻には、賢治の春と修羅もおさめられています。個人送信資料ではこの全集の第一巻から16巻、および別冊の合計17冊が読めるようになっています。
125)小出昭一郎, 安孫子誠也 著『エントロピーとは何だろうか』,岩波書店,1985.6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592448 (参照 2024-06-03)

126)戸田盛和 著『エントロピーのめがね』,岩波書店,1987.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592459 (参照 2024-06-03)

127)戸田盛和 著『コマの科学』,岩波書店,1980.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592837 (参照 2024-06-03)
コマの力学をわかりやすく解説した名著です。
128)戸田盛和 [等]著『液体の構造と性質』,岩波書店,1976. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12593535 (参照 2024-06-03) これは戸田先生と九大の数理生物におられた松田博嗣先生他による共著です。専門的ですが参考になる人がいるかもしれません。

129)戸田盛和 著『おもちゃセミナー : 叙情性と科学性への招待』,日本評論社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12424523 (参照 2024-06-03) おもちゃの物理学ともいえるわかりやすい解説です。続編もあります。

130)戸田盛和 著『おもちゃセミナー : 叙情性と科学性への招待』続,日本評論社,1979.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12424524 (参照 2024-06-03)

131)V.D.バージャー, M.G.オルソン 共著 ほか『力学 : 新しい視点にたって』,培風館,1975. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12592809 (参照 2024-06-03) 戸田先生たちの翻訳による、入門レベルの力学を終えた人むけの力学の教科書。ChatGPTやWolfram alphaがある今日なら、力学入門書としても使えるかもしれません。

NIH videocastで視聴できる医学向け統計学講座はわかりやすそうです。

いつも紹介しているNIH videocastの動画は、自由に高解像度のものを含めて自由にダウンロードでき、字幕ファイルもダウンロードできるので、医科学分野の英語講演になれるのには最適です。今回は最近アップロードされていた統計関連の講義を紹介します。

Linear Regression Analysis 線形回帰分析入門の動画です。Rで解析する方法がよくわかります。
https://videocast.nih.gov/watch=54732
We will discuss what linear regression analysis is, for what scenarios we need it, and how to interpret and report the results of a regression analysis. Confounding and assumptions will also be covered.

Statistical Power Analysis 検定力分析(パワーアナリシス)とサンプルサイズの決め方についての入門レベルの解説と実例紹介です。
https://videocast.nih.gov/watch=54730
In this lecture, I will introduce the concepts of statistical power and three study designs. The topics will include the estimation of sample size, a discussion of the factors affecting the power, and two examples.

次は6月7日にメタアナリシスの入門解説があるそうです。
https://videocast.nih.gov/watch=54739
Meta-analysis a subset of systematic reviews; is a method for systematically combining pertinent qualitative and quantitative study data from several selected studies to develop a single conclusion that has greater statistical power. The objective of our presentation is to provide a brief overview of meta-analysis methodology. At the end of the brief presentation the participants will have a general understanding of the four basic steps required for a good meta-analysis.

量子論の発展史の英語動画と、日本語の高校物理のおすすめの解説サイトを紹介します。

量子力学への物理学の発展史をあつかっているYouTubeチャンネルはたびたび紹介しています。
https://www.youtube.com/@jkzero
このチャンネルの新しい動画、コンプトン効果の回が公開されました。
This effect confirmed light particles
https://youtu.be/Ap9os356CZA?si=GY-halKy7iGaTlER

残念なことに途中で突然内容がメンタルヘルスのコンサルタントをする会社の宣伝になって、しばらくそれが続きます(動画自体に初めから広告を入れてあるので、YouTubeがいれてくる広告とは別です)。それが終わると物理学の発展史の内容にもどるので、適当にとばして視聴するのをおすすめします。
またYouTubeの広告も入ってきました。このところYouTubeの広告挿入は目に余るほどひどくなっていると思います。いくら広告をいれて、有料プランへ誘導しようとしても、お金がないものは決してそんなプランへは加入しないのでやめてほしいものです。私は前に書いたようにヘッドセットで音を聞いているので広告が始まるとヘッドセットのボタンで音がでないようにしてスキップしています。Braveブラウザを使うともうすこし快適に視聴できると思います。

脱線しましたが、この動画は広告を除けば、得るところが多い動画です。物理学の発展、ひいては科学の発展の様子を歴史にそって(論文にそって)丁寧に追ってくれている動画です。コンプトン効果自体はコンプトンが科学者としてデビューする以前に観測されていたこと、コンプトン効果の説明が最初はまちがっていた(ドップラー効果で説明しようとした)ことなどは知りませんでした。数式も簡単ですがしっかり入っている動画ですので、これを見たあとはチャンネルにのっている論文を読めるようになると思います。視聴後の満足感が得られるよい動画だと思いますので是非ご覧ください。

この動画を見る前に高校レベルのコンプトン効果の解説動画をみておくとなおわかりやすいと思います。おすすめは、【物理のしっぽ[高校物理解説]】というサイトの動画です。
このチャンネルは、高校物理の内容をわかりやすく解説してくれている日本語サイトです。https://www.youtube.com/@phystail
内容についてはチャンネルの紹介から引用しておきます。
チャンネルについて
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物理のしっぽをご覧いただきありがとうございます。
このチャンネルでは、初学者が高校物理の内容を網羅的に学べるように動画を公開しています。
高校物理で学ぶ古典物理の範囲は、現象のイメージを掴みながら数式を理解することが重要です。アニメーションやDesmosのシミュレーションを活用して、視覚から理解を促進できるように教材を作成していますので、物理が苦手な方、苦手な分野がある方は是非ご活用ください。

動画には解説のプリントもついていてダウンロードできます。大変よいチャンネルですので興味のある動画から視聴してみてください。
コンプトン効果の回はこちらです。
[高校物理]原子01④Cコンプトン効果
https://youtu.be/8IN0gm33fuw?si=VSk-awtl5fK9FHj4

ホタルについての素晴らしい本と動画を紹介します。

ホタルの季節がやってきますね。
ツイートでみつけた本ですが、とてもよさそうです。長年ホタルの研究と、保護活動をつづけているホタル学者、Sara Lewisさんの本です。


写真に写っている日本語版はこちらです。「ホタルの不思議な世界」
https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767825038/

こちらのXのアカウントが著者のアカウントです。ツイッターが変わってしまったのでこのXのアカウントは
もう更新されていなくて、こちらに移ったとのことです。https://linktr.ee/silent_sparks
スレッドはこちらから読めます。ThreadsというMetaのサービスだと思います。
https://www.threads.net/@silentsparks

10年前のTED talkがわかりやすいと思います。字幕を日本語にしてごらんになるとよいです。

2022の動画はこちら。What Matters to Me and Why: Sara Lewis on The Wondrous World of Fireflies
https://youtu.be/J4hNKU9xF6o?si=NDKntvzlWIuTvLJg
ホタルの保護についても熱く語っておられます。

国立国会図書館デジタルコレクションで読める本の紹介(第11回)

今日も無料で読める個人送信サービスの本を紹介します。

111) 藤永茂 著『おいぼれ犬と新しい芸 : 在外研究者の生活と意見』,岩波書店,1984.1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589597 (参照 2024-05-30) 藤永先生のこの本はおすすめです。

112) 内山竜雄 著『物理学はどこまで進んだか : 相対論からゲージ論へ』,岩波書店,1983.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12621944 (参照 2024-05-30) ゲージ理論の開拓者の一人による解説書。

113) R.J.デュボス 著 ほか『生命科学への道 : エイブリー教授とDNA』,岩波書店,1979.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12604942 (参照 2024-05-30) DNA研究の開拓者について書かれた本です。

114) N.ウェイド 著 ほか『ノーベル賞の決闘』,岩波書店,1984.2. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12273893 (参照 2024-05-30) 激しい科学者の競争の生々しい描写が印象的な本です。

115) 白上謙一 著『ほんの話 : 青春に贈る挑発的読書論』,社会思想社,1980.4. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12274653 参照 2024-05-30) 若くして亡くなった白上先生の本。Woodgerのお家を訪問された記録が巻末に載っています。

116) マーチン・ガードナー [著] ほか『奇妙な論理 : だまされやすさの研究』,社会思想社,1980.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12589876 (参照 2024-05-30) 偽科学にだまされないための必読書とされる本です。

117) 長田順行 著『暗号と推理小説』,社会思想社,1986.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12443257 (参照 2024-05-30) 日本軍の暗号についての論文もある暗号研究家による読みやすい本です。

118) ジョン・チンダル 著『発見者ファラデー』,社会思想社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12221760 (参照 2024-05-30) チンダル現象のチンダルによるファラデーの伝記です。

119) アンナ・リワノワ 著 ほか『ランダウの素顔 : 現代物理学の万能選手』,東京図書,1986.5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12221991 (参照 2024-05-30) 有名な物理学者ランダウのよみやすい伝記です。

機械学習の入門的解説と英語学習とAIに関するツイート、そして相対性理論入門の動画を紹介します。

田口先生の生成AIについての講演スライドはいつもながらわかりやすいですね。

柳瀬陽介先生の日本語論文が公開されたそうです。英語学習や英語を使いこなすためのAIについて参考になる論考が読めます。

最後は、物理学者とティータイムのライブです。もう三回目になっています。

相対論 超入門!【教えて物理学】 #003
https://www.youtube.com/live/t8PKwaw8AHI?si=JZVhuAr7Sr0RGlwU

科学における発見はいかになされるか?についての証言本。

こんなツイートをみつけました。科学の発見はどのように行われるかについての著名な科学者による貴重な証言本です。本の内容をマインドマップ風にまとめたツイートです。


紹介されている本は、コーネル大学のサイトで無料でダウンロードできます。
The Incomplete Guide to the Art of Discovery by Prof. Jack Oliver
Permanent Link   https://hdl.handle.net/1813/83
Abstract: Cornell emeritus professor Jack Oliver draws on his nearly 50 years as a scientist to explore the strategies, tactics, and personal traits and attitudes necessary for fruitful scientific discovery.

著者は地震学者で現代地震学の祖とされており、大陸移動の起るメカニズムを地震学で解明、地球の内部構造を地震波で調べてプレートテクトニクス理論の完成に多大の貢献をした科学者だそうです。
以下のNatureの追悼記事へのリンクをご覧ください。追悼記事のpdfが無料でダウンロードでるリンク付きです。
https://www.nature.com/articles/470176a#author-information

もともとは、有名な数学者のStrogatzさんの次のツイートで紹介されていました。

スレッドにはもう一冊、有名なコンピュータ科学者Richard W. Hammingの本も紹介されていました。


Hammingさんはコンピュータ科学の創始者の一人です。こちらのYouTubeの動画(再生リストのリンクをあげておきます)で本の内容がうかがえます。Kindle版なら1000円ちょっとで買える本です。
https://youtube.com/playlist?list=PLUeG2W-NLloyr1H2J1wO4MKnvz__B4-u6&si=hcR-9j9juuj5KvfK

細胞の中でおきていること―わかりやすい動画を二本紹介します。

今日は細胞の中で起きている反応をアニメーションでわかりやすく見せてくれる動画を紹介します。

Ubiquitin and Parkinson’s Disease (2021) by Etsuko Uno wehi.tv
https://youtu.be/dYhGCf3HEog?si=DEXmZN-ZBwoKVjtd

The Proteasome (2024) by Etsuko Uno wehi.tv
https://youtu.be/ECXbJah2m6Q?si=r7Va4t5_foazB5tq

この動画を見て、ユビキチンとプロテアソームってなに?と思った人は是非、ネットで検索してみてください。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A0

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%A6%E3%83%93%E3%82%AD%E3%83%81%E3%83%B3

Pythonのインストール法、入門講座などがあるおすすめのサイトを紹介します。

Pythonの環境構築法(インストール法)がまとめてあるサイトなどを紹介します。

Python Japanのサイトがおすすめです。
https://www.python.jp/index.html

このサイトには、Python環境構築ガイド、Pythonの紹介、入門講座などがまとめられています。
Python環境構築ガイドには
https://www.python.jp/install/install.html
Pythonのインストール方針、Python とAnacondaなどの記事、Windows, MacOS,Ubuntu, CentOSへのPythonのインストール法とインストールする際の注意点などが詳しくわかりやすくまとめられています。もっと早く知っておけばよかったと思うサイトです。是非参考にしてください。

また、こちらのサイトもおすすめです。
金子邦彦研究室へようこそ(トップページ)
https://www.kkaneko.jp/index.html
topページからたどれるプログラミング関係のページその他どれも役立つ情報満載です。
https://www.kkaneko.jp/pro/index.html

英語の線形代数のInteractiveな教科書が面白いです。講義動画も一つ紹介します。

線形代数学のオンラインの教科書が面白いので紹介します。

GIGAZINEのこちらの記事で知りました。
https://gigazine.net/news/20240519-immersive-math/

2020年ころの英語版の教科書で Immersive Math という短いオンライン版教科書ですが、オンラインでいろいろ試しながらinteractiveに学ぶことができるので面白いと思います。
たとえば第6章の行列の説明では、写真を行列で変換するInteractive Illustrationが載せてあるので、行列の成分をいろいろ変えて、写真がどのように変換されるかを試してみることができます。

英語の線形代数学の講義動画もあります。
Linear Algebra Crash Course – Mathematics for Machine Learning and Generative AI [Full 7h]
https://youtu.be/n9jZmymHX6o?si=kpF38FMQ5AyMtpjv

7時間弱で一通りの内容が学べるようでやさしい解説のようです。