2017.01.01 元旦

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
左の 写真は氷川。本年の元旦はこの有名な船の写真にしました。昔、たくさんの研究者がこの船にのって外国留学しました。私が学生だったころ、発生生物学会が横浜で開催された時(第25回大会)は、懇親会がこの船で開催されました。先生がたが
「この船でいきましたなぁ」と、感慨深げに語っておられたのを覚えています。今は、多くの留学生を迎える我が国です…。
お休みに読める無料本がありますので紹介しておきます。The Gene Ontology Handbookです。
Open Accessの本ですのでどなたでも無料でダウンロードできます。
GO termをよくつかう私達ですがとても勉強になる本だと思いますので是非ご覧ください。
もう一つ、統計解析に私たちがよく使っているRについてのニュースです。
Multi-threaded math libraries を含んでいて計算がスピードアップされている他、信頼性をあげ、かつ互換性をたもっているというMicrosoft R Openというものがでています。
Microsoft R Openというもので、RStudio も使えるそうです。一度お試しください。

では本年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様にとって今年が素晴らしい一年でありますように。


伊都へ移転してから一年がすぎました(2016.11.17 木曜日)

11月13日の日曜日は福岡市民マラソンで、折り返し点の九大伊都キャンパスが地デジ中継で映っていました。
私達の研究室が馬出のコラボステーションⅡからこの伊都キャンパスへ移転して10月1日で一年になりました。院生や四年生の皆さんの頑張りのおかげで無事移転を完了できて
本当に感謝しています。移転の中で行われた卒論も見事に完成させ、線虫糖鎖遺伝子データベースCGGDBの大改良や、今まで硫酸化されていないとされていた線虫のコンドロイチンに硫酸化されているものがある(ヘパラン硫酸くらいの量がある)という私達のCRESTでの成果の完成と論文発表も終えることができました。
今年の9月19日、Journal of Biological Chemsitryにonline版が掲載され最近印刷版も発表しました。
投稿して2週間かからずに採択されましたので、プレスリリースを薦められたのですが記者会見は見送りました。

ラボの移転一周年を記念して福岡市海づり公園(写真)に皆ででかけました。九大の近くで海づりができるんです!九大伊都キャパスから車でほんの10-15分程度のところにあるのが有名な福岡市海づり公園です。釣り道具は公園で貸してくれる(有料)ので、大きなアイスボックスだけもって出かけました。大きすぎるボックスでは?と思いましたが、すぐにタイがつれました。
タイの他に、スズメダイ、アジがどっさり、イワシ、メジナ、カワハギ、50 cmをこえるボラもつれて鮮魚店でさばいてもらってお刺身にしていただきました。ボラは新鮮なものはとてもおいしいと鮮魚店のご主人。たしかにおいしかったです。九大にお越しの際、時間があれば是非、海釣りも楽しんでみて下さい。

  大隅先生のノーベル賞受賞おめでとうございます(2016.10.04 火曜日)

大隅先生のノーベル賞受賞おめでとうございます(2016.10.04 火曜日)
昨日はノーベル賞の発表第一日めでした。私も18時30分からのノーベル賞カウントダウン実況ページをみておりました。
時間になってキャッシュをクリアしても受賞者が表示されず、だれが受賞したのかわからなかったのですが、ページ内のtwitterに大隅良典先生の名前がまずでてきたので、興奮しました。大隅先生は福岡市出身で地元の福岡高校(福高)の卒業生だとのことで、受賞発表にあ わせて毎年集っておられた大隅先生の福高時代の同級生の方たちが発表と同時に大喜びされる様子がニュースで報じられていました。今朝、福高ではあの福高応援団を先頭に朝礼が行われて高校生のみなさんも大いに盛り上がった様子です。
オートファジーの研究はその重要性がますます注目されており、大隅先生の共同研究者で、世界のオートファジー研究をリードされている水島昇さんに本年の糖質学会でも招待講演をしていただき、そのわかりやすく最先端の成果も含めたお話に皆で感動したものでした。水島さんが書かれた「細胞が自分を食べる オートファジーの謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)」はおすすめの新書ですので是非この機会にご覧ください。

夏真っ盛りです。Pompe病の治療薬開発のドラマ 「小さな命が叫ぶとき」の紹介など

福岡では毎日猛暑日がつづいており、空は雲がない毎日です。
大学院入試やオープンキャンパスも終わり、11日から16日まで一斉休止実施期間も終わりましたが、夏真っ盛りで本日も熱中症警報がでています。
8月6日土曜日のオープンキャンパスでは多数の生徒さんや先生がたに来学いただき、にぎやかな一日を過ごせました。 暑い中、九州大学を訪れてくださってどうもありがとうございました。 研究室を訪問してくれた高校生のみなさんには、糖鎖生物学の話をきいてもらいました。その中で紹介した糖鎖生物学と病気について考えさせてくれる映画 「小さな命が叫ぶとき」(原題:Extraordinary Measures)はレンタルビデオ屋さんなどでよく見かけます。夏休みにおすすめの映画ですので、ぜひご覧ください。

グリコーゲンがうまく分解されないためにおこるPompe(ポンぺ)病という病気の治療についてのDuke大学での実話に基づく映画です。ハリソン・フォードが治療薬を開発する研究者を演じており、病を抱える子供たちを救おうと製薬会社をたちあげる父を ブレンダン・フレイザーが演じています。

リソソームで 糖鎖がうまく分解されないことで起こる病気はリソソーム病(ライソソーム病、ライソゾーム病ともいいます)の一種ですが、不具合のある分解酵素によって様々なものが知られています。日本でも様々な研究室で治療法の開発がつづいています。

今年は冬がとても寒く、夏がとても暑いからでしょうか、自宅の庭には例年になく たくさんユリが花開きました(写真は朝とったユリの影です)。 まだ大学院入試や就職活動が続いている学生さんも多いと思います。夏バテしないように、気をつけて頑張ってください。

2016.07.30(土)アサガオが咲きました― メンデルの雑種植物の研究について(2016.07.30 土曜日)

今朝、庭をみると一輪の朝顔が咲いていました。
今年の一番朝顔です。
子供が小学校のとき自分の植えた朝顔だけ、葉っぱばかり茂って、一学期が終わったのに花がつかないと泣いていました。
ところが7月下旬から咲きはじめ、11月まで咲き続ける遅咲き朝顔で、結局クラスで一番たくさんの花がつく朝顔だったので、大喜びでした。

毎年毎年、こぼれ種で年をこして、 今頃から咲きはじめ、咲き続けてきました。

遺伝学では交配した一代目をF1といいますが、もう22年たっていてF22の朝顔です!
遅咲きの形質(表現型)はずっと保存されています。

九州大学の生物学教室の仁田坂 英二先生は朝顔で形態形成とその原因となるトランスポゾンの研究をしておられて、
ナショナルバイオリソースプロジェクト「アサガオ」のリーダーとしても活躍されています。
先生が作成しておられるホームページには朝顔についての様々な情報が集まっていますのでご覧ください。

先生は、変化朝顔図鑑(化学同人, 2014)というきれいな本もだしておられます。
朝顔の学術研究が始まって今年で100周年、栽培ブームが始まって200周年だそうです。
アサガオを使ったメンデル遺伝学の実験の情報も先生のホームページにありますが、
このような植物の交配実験からメンデル遺伝学が誕生したのでした。

細胞生物学の講義でも話しましたが、学生の時、メンデルの論文を読んだ私の第一印象は、「これは生物物理学の論文」である というものでした。その論文、「雑種植物の研究」には、優勢の遺伝子を大文字のA、劣性の遺伝子を小文字のaで示すという現代の表記法のもとになる表現が用いられており、下の 図のような数式が掲載されています。

当時実体がわかっていなかった遺伝因子についてちゃんと数値データをとって議論しており、表現型をしめすマメの数を数えて議論しているのが見事です。メンデル以前にメンデルとにた考えを思いついた学者もいたようですが、数値的に扱わなかったのが彼との違いだったようです。日本語訳は岩波文庫などで読めますが、無料のものはみつかりませんでした。英語やドイツ語なら無料のものがいろいろあります。
ドイツ語のもとの論文はInternet Archiveという無料の電子ブックやビデオなどを集めてあるサイト からダウンロードできます。pdfファイルの106ページからMendelの論文がはじまります。英語版が見たい人は下にリンクがありますのでそちらからダウンロードしてください。また英語、ドイツ語版の論文が両方読めるMendel webというサイトがあって、
読みやすい翻訳があります。
近藤滋さんのメンデルについての紹介 もおすすめです。
Internet Arhiveからは英語への翻訳本も、ダウンロードできました。
Mendelなどのキーワードで検索して探し出せます。 1925年発行の本で図はその本のページをスクリーンキャプチャしたものです。pdfだけでなく、iPadやKindle型式の本もダウンロードできますので試してみてください。Mendelはドップラー効果で知られる有名な物理学者ドップラーのもとで物理学を学んだそうで、物理の素養も深かったそうです。
下のような簡単な数式だらけの論文ができるのもうなずけます。  

2016.07.13(水)実験ノートの書き方―タイムスタンプの重要性―

再び実験ノートについてです。 あまり知られていいないのですが、実験ノートにタイムスタンプ(タイムスタンプサービスを提供している会社の一例です)を押しておくのが必須になりつつあります。

最近では知的財産権の主張のためにも実験ノートが大事だとされています。しかし日本とアメリカの知財の扱いの違いによって、先取権の主張のためには実験記録にタイムスタンプが押してないとアメリカでの裁判には勝てないことが話題になっています。

つまり実験がいつ行われたか、ある発見や発明がいつ行われたかを証言するためにタイムスタンプ入りの資料の作成が必須になるケースが増えているということです。新発明や新発見をして知的財産権を主張したいときには、発明・発見の日付が入ったデジタル資料にタイムスタンプを押して保存しておかなくてはなりません。タイムスタンプというのは、デジタル資料に改ざん不可能な時刻を組み込むサービスで、タイムスタンプを付加した資料は、内容と作成日作成時間が不可分となっており内容と作成日時の改ざんが不可能になっています。通常、タイムスタンプサービスをしている会社にコンピュータのファイル(暗号化ファイルも可能)をアップロードしてタイムスタンプを押してもらうという形をとります。

紙の実験ノートに日付入りの記録をとりその内容を上司などが確認したという署名入りの、よくある実験ノートでは外国での裁判には不十分だと心得ておいてください。紙のノートはあとから簡単に追記ができますので不十分だということは想像できると思います(昔、FBIが実験ノートに貼ってあるプリンタのインクの経時変化を調べた事件がありました)。

米国の裁判で発明の先取権を争った経験のある、知り合いの社長さんによると、米国の裁判所は改ざんが容易な紙のノートはもちろんとりあってくれませんが、国際規格にそった基準でつくられた、日本の会社が提供しているタイムスタンプを押したデジタル資料も取り合ってくれなかったそうです。米国のタイムスタンプ基準は国際標準の規格プラスαの条件がいっぱいあり、それをみたしていないと米国での裁判には勝てないのだそうです。幸いその方は日本のタイムスタンプと米国のタイムスタンプ(一例はここ)
の両方を押したデジタル資料を保存していたので後者を提出して、発明の先取性を主張したところ、めでたく裁判には勝てたそうです。郷に入れば郷に従えということで、こうしたタイムスタンプの利用の実体を知らないばかりに競争に敗れている日本の研究者があとをたたないとのことです。

科学を学んでいる皆さんもぜひ一度タイムスタンプというのを学んでおいてください。

2016.07.11(月)実験ノートの重要性1 

今日は実験ノートについてです。

以前、英国ケンブリッジにあるMRC 分子生物学研究所に保存されているBrenner先生(Nobel賞受賞者)の実験ノートの写真を載せたり
Pauling先生(Nobel賞を2度受賞)の実験ノートも紹介したことがありますが、
実験ノートと実験の生データの保存は極めて重要な習慣です。最近では研究者が研究倫理についての講習をうけることが各所で義務化されていますが、有名な本「背信の科学者たち」(ブルーバックス)などにのっている不正の例が、講習教材でもとりあげられていました。この本にはメンデルやニュートンをはじめ、いろんな有名人が登場しますが、不正ではないといいう意見があるのにざっくり不正と断定しているものも含まれるので注意が必要です。

たとえばミリカンというアメリカの物理学者もやり玉に挙がっています。彼は有名な油滴の実験とよばれる実験で、油滴が帯びている電荷が一単位、二単位というようにとびとびの整数値をとることを鮮やかに示し、電子の電荷の値を正確に測定することに成功して、電子の解明に大きく貢献した学者です。この業績でノーベル賞を受賞しています。「背信の科学者たち」(ブルーバックス)によると、彼の実験に不正があり、自分に都合のよい結果だけを選んで論文にしたとあります。しかしこれには異論があり、彼の実験ノートを詳細に調査した結果、すてたデータは電荷の算出に必要なストークスの法則にあてはまらないものだけだったなどの点があきらかになっています。ミリカンの実験データの扱いは正しかったという真逆の結論です彼のノートには、実験日の気圧、装置を減圧して測定してストークスの法則があてはまるとき正しい値がでるとを確かめた際の気圧もちゃんと記載されているそうです。これも実験ノートが残っていればこそできる調査ですね。

研究ではデータやサンプル(試料)の保存も大事で、たとえば生命の起源にせまろうとしたミラーの実験。放電実験でできたサンプルでミラーがなぜか調べなかったサンプルが見つかり、それを現代の最新機器で調べてみると、ミラーができたといっていた以外に、なんとペプチドもできていたのがわかった、というエピソードもあります。
私たちの伊都キャンパスにおられる森田先生が発見された113番元素はニホニウムという名前になるはこびですが、これはニッポニウムと呼ばれ一時は周期表にっものっていた、日本人が発見して命名した新元素へのオマージュでもあるそうです、この幻のニッポニウムも、原子番号の同定に誤りがあったのですが、残された資料の解析から実際に当時未知だった新元素を発見していたことがわかっています。ニッポニウムは、当時未発見だった新元素レニウムだったのです(日本化学遺産に登録されています)。

実験ノートと研究資料の保存は大事ですね。

2016.07.07 (木) 次世代シークエンサーの威力

2016.07.07 (木) 次世代シークエンサーの威力―DNase-Seq(ディーエヌエース シークと読みます)とATAC-seq (seqをセックと読む人もいますが英語ではシークと読むのが多いです): 七夕です。福岡は快晴 (7月分ブログ初日です) 。
最近活用されている次世代シークエンサーの威力を基幹教育の細胞生物学の講義で紹介しました。染色体の中で活発に機能しているDNAの部分はDNase I というDNAを切断する酵素で切れやすくなっていることがわかっています。そこで核をとりだして軽くDNase I 消化を行って活発に機能しているゲノム部分を消化した後、次世代シークエンサーで切れた部分の配列を同定すれば、その細胞で活発に働いているゲノムの部分の塩基配列がわかります。これをDNase-Seq解析と呼びます。たとえば幹細胞から分化する前と後でこの解析を行うと、幹細胞で発現していたタンパク質遺伝子や遺伝子制御にかかわる制御遺伝子のおよそ半分は、分化した細胞でも活発に機能して発現しており、新たに半分くらいの分化した細胞に特徴的な遺伝子が発現しているようです。このDNase-Seq解析は、
有名な20世紀の発生学者Waddingtonのepigenetic landscapeの実体を明らかにしつつあると考えられ、わくわくします。詳しくは オープンアクセスの論文Developmental Fate and Cellular Maturity Encoded in Human Regulatory DNA Landscapesをご覧ください。写真は九大図書館にあるWaddingtonの著書The Strategy of the Genes (1957)からスキャンしたものです。
ヒトではタンパク質をコードする遺伝子は21,000個ほどあり、そのほかに4,0000個ほどのnon-coding RNAをコードする遺伝子( プロモーターをもちexonがあり、スプライシングをうけるといった普通の遺伝子の特徴を備えているもの)があるほか、100万個をこえるfocal smaller/less structured non-coding RNAsが同定されているようです(ビデオ)。
DNase-seqのほかにも、感度を大幅に上げた方法(1細胞でも解析可能らしい)として、Tn5 のtransposaseという酵素を利用するATAC(Assay of transposase Accessible Chromatin)-Seqという方法(ビデオ)も知られています。これはトランスポゾンが、開いている染色体部分に飛び込むメカニズムを利用する方法です。トランスポゾンは自身をゲノムに組み込むときに、宿主側のゲノムDNAに自身のDNA配列を結合させる(ライゲーションさせる)活性をもつ酵素transposaseをもっています。高い活性のtransposaseを遺伝子改変によって作成し、この発現させたtransposaseといっしょにPCR増幅用のプライマーを入れることで、開いているクロマチン部分にtransposaseによってPCR用のプライマー配列を結合させることができます(transposaseのligation活性を利用)。こうして開いているクロマチン部分だけに増幅用プライマーを導入した後、挿入したプライマーを利用してPCRで増幅すれば、開いていたクロマチン部分が増幅されて、あとは次世代シークエンサーで増幅された配列を読み取り、どんな配列の部分が開いていたかが網羅的にきまるという仕組みです。 (2019.08.21追記:またRNA-Seqも有用な技術として広く活用されており、一細胞のレベルでのRNA発現パターンの解析も今や可能になっています。こちらの記事を参照してください。

このような新しい手法の開発で、発生のステップごとにどのように遺伝子の発現調節が変化するかや、病気の発症段階をおっての遺伝子発現調節の変化が解明され、遺伝子制御ネットワークの全貌(レギュロームという名前も提唱されています)が解明されています。まさに生物学の革命を私たちは目にしているのです。

福岡は雪です。―リンク集の改訂と英語の辞書と教科書の紹介:大学図書館を活用しよう その3です― (2016.1.25)

今年のお正月は3月下旬から4月上旬なみの温かい日もありましたが、一昨日からは最高気温が氷点下という40年ぶりとかの寒波に見舞われています。私たちのいる九大伊都キャンパスへはバスが走っているのですが、降雪で運休とのことで大学の授業は休講、予定されていた会議は休会となりました。そこで本日はこのサイトのリンク集を見直して、リンク切れなどを修正し、廃止されたサービスは代替のサイトに変更しましたのでお知らせします。変更したリンクには、無料で使えるFirefoxの機能拡張であるWeblioの辞書を自動でひいてくれるもの(webliopane)など目新しいものもありますので、ご覧ください。
今日は英語の勉強に役立つ辞書と論文発表やプレゼンについての本をいくつか紹介したいと思います。: 私はiPadも使っていますが、iPadで一番役にたっている英和・和英辞書はウイズダム英和・和英辞典2というアプリです。英語を書くときに語法をチェックするのに便利です。また英英辞典アプリはいろいろ試しましたが、論文を書いたり本を読んだりするのに最も便利(ほかの学習用辞典などではのっていない、知りたい意味がたいてい書いてあるという)な英英辞書アプリはMerriam-Webster Dictionary HDです。広告のでる無料版もあるはずですので一度試してみてください。九大の人は図書館のJapanKnowledge Libというサービスにアクセスすると、百科事典のほか、ランダムハウス英和辞典、コビルド英英和などのほか、日本大百科全書なども検索、利用できますので参考にしてください。 また研究社のオンライン辞書(リーダーズ+プラス、ルミナス、新英和、新編英和活用大辞典、その他いろいろ)も九大の人は利用できます。
さらに、Oxford English Dictionaryという権威ある英英辞典も九大の人は使えますので、試してみてください。
最後に英語での情報発信の本ですが九大の契約しているSpringerの電子ブックからは以下のような本がダウンロードして読めますので利用してみてください。Adrian Wallworkの本です。

English for Academic Research: Grammar Exercises
English for Academic Research: Vocabulary Exercises
English for Academic Research: Writing Exercises
English for Research: Usage, Style, and Grammar
Presentations, Demos, and Training Sessions
Meetings, Negotiations, and Socializing
Email and Commercial Correspondence
Telephone and Helpdesk Skills
CVs, Resumes, and LinkedIn
User Guides, Manuals, and Technical Writing

新しいPowers of Ten :ものの大きさの旅 プランク長から宇宙の果てまで 大学図書館を活用しよう―その2です(2015.06.12)

まず7月6日(月曜日)、7月7日(火曜日)に開講される三谷昌平先生の特別講義開講のお知らせです:学部3年生も聴いて得るところが多い講義ですので多数の学生の聴講をすすめます。

東京女子医科大学の三谷昌平先生をお迎えしての特別講義が7月6日,7日の2日間箱崎で開講されます。「線虫のゲノム機能解析と医学・生命科学への展開」というタイトルで,線虫C. elegansを全く使ったことのない学生にも、本格的に研究している研究者にも役立つ講義をしていただきます。学部生から大学院生に最適の講義ですので、是非聴講におこしください。

線虫の飼育と保存,形態や細胞系譜,遺伝様式にはじまりトランスジェニック解析・RNAi・遺伝子破壊から線虫の表現型など線虫を医学・生命科学にこれから使ってみようかなと思っている医師医学研究者・学生に大いに役立つ講義です。

The Scale of the Universeというweb pageをみつけました。これは昔、本ででていたPowers of Ten の最新版のようなものです。

Firefoxではみられないので、ブラウザをIEにかえてここにアクセスすると、Adobe Flash Playerの使用を許可しますかという画面がでるので許可してから、利用してみてください。AppleのiOS版もある(120円)そうですので、そちらをみるほうがいいかもしれません(2018年4月3日追記)
身近なものの大きさからウイルス、核酸、αヘリックスや水分子、原子、原子核など小さなもの。そして家やエッフェル塔、地球や土星、オールトの雲、マゼラン星雲から宇宙のはてまで、interactiveに大きさのスケールを体感させてくれるホームページです。3 メートルもあるミミズとか,顕微鏡でみることができる巨大なウイルスMimivirusとかも載っています。
細胞の大きさといえば、細胞生物学の授業でも先日紹介した本:GoodsellさんのThe Machinery of Life (second edition)という本が面白いと思います。細胞の構造を実際のサイズで描いたカラーの図が満載の本で,細胞内部がけっこう混み合っているというのがよく分かります。翻訳本は「生命のメカニズム―美しいイメージで学ぶ構造生命科学入門」というタイトルで今年発行されました。英語の本でよければ九大関係の人は学内からあるいはSSO-KIDとパスワードで自宅などからアクセスして一冊まるごとダウンロードできます(2016.1.29注:去年は可能でしたが契約変更のためもうダウンロードできなくなりました!残念です)。 前に紹介したようにSpringer社の多くの書籍はhttp://link.springer.comから,無料でダウンロードできます。

下は上のリンクからGoodsellさんの本をダウンロードできるページにいったときの写真です。

大学図書館はいろんなサービスを提供しています。

今日は大学の中央図書館で読める日本語の本の紹介です。丸善eBook Libraryをクリックするといろんな本がオンラインで読めます。TOEIC対策本や就職活動に役立つ本、数学や生命科学の本からピケティの21世紀の資本だど文科系の本まで、多くの本が大学図書館経由でオンラインで読めます。すこしづつダウンロードすることもできます(一回に最大60ページまで)ので九大関係の方は是非試して下さい。たとえば以下の本はどうでしょう。そのほか、分子生物学講義中継など羊土社の本などもありますので、ブラウズしてみてください。英語の冠詞の本だの就職関係の本、iPadの本などなどいっぱいありますよ。以下は読める本のタイトルの例です。

遺伝統計学の基礎 ―Rによる遺伝因子解析・遺伝子機能解析―

おもしろ遺伝子の氏名と使命

いかにして問題をとくか・実践活用編

Microsoft Excel 2013対策テキスト&問題集 WordやPowerPointの本もあります

エントリーシート完全突破塾 [2016年度版]

就職活動がまるごと分かる本

3か月でやり直し!英語モジュール学習法

分子生物学講義中継 セット

バイオ実験超基本Q&A ―意外に知らない、いまさら聞けない―改訂版

やるべきことが見えてくる研究者の仕事術 ―プロフェッショナル根性論―

ライフサイエンス英語表現使い分け辞典

ライフサイエンス文例で身につける英単語・熟語

医師のためのモバイル仕事術 ―iPad/iPhoneを使い倒す!―新版

Rによる統計解析

Rによるやさしい統計学

医薬研究者のための統計記述の英文表現 改訂3版

国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた

21世紀の資本 ピケティ