化学英語の13章という本を紹介します

国立国会図書館デジタルコレクションで、Albert Szent-Györgyi博士のIntroduction to a Submolecular Biologyの訳本(廣川書店発行)を探し当てた話を前に書きました。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2428890
その時はキーワード「廣川書店」で検索をかけて、図書で絞って発行日を新しい順にソートして、順に見ていくという方法で探しました。探しているとき偶然、化学英語の本をみつけたので紹介します。私の中学生のころにいっぱい翻訳本がでていた有名な有機化学の教科書の著者、Fieser夫妻(Harvard大学教授とResearch fellow)の著書 STYLE GUIDE for Chemistsの翻訳本です。「化学英語の13章 : 書きかた話しかたの手引き」というタイトルで翻訳されていました。ちょっと読んでみたのですが、私が昔疑問に思っていたことなどが選んで書いてあるように思える、とても良い本でした。135ページの短い本ですので皆さんも是非読んでみてください。きっと得るところがあると思います。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2429348

国会図書館の個人送信資料のあれこれ。動的平衡論という本もみつけました!

今日は少し忙しいので、国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料の面白そうな本のリンクを紹介するだけにしておきます。私が中学生や高校生のときに持っていた本の中には、「日本の詩歌(中央公論社)」シリーズの本、数冊がありました。石川啄木https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1356615とか宮澤賢治https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1356622とかをもっていて繰り返して読んだものでした。その他の日本の詩歌シリーズの本も全部読めるようです。日本文学全集(河出書房新社)全巻とか、日本現代文学全集とかもありますので、読み物に不自由はしないですね。全集という検索キーワードで検索して、左側の絞り込みで、図書を選び、NDC分類で文学を選ぶと文学全集がヒットします。哲学にするとアリストテレス全集全巻とかプラトン全集とかも読めます。ニーチェ全集とかもありましたので、検索してみてください。アリストテレス全集には動物発生論とかもあって、生物学の歴史に興味のある人にはおすすめです。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2971850
世界大思想全集というのもあって、これにはルクレチウスの宇宙論が含まれています。物理学者の岩田義一先生の名訳です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934639パスカル全集もよめて第一巻は科学論文が訳されています。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3034935真空論とか確率論とか計算機の論文などもありますので面白いです。高校生の時図書館で借りて夢中で読んでいたのを思い出します。高校生の時といえば、化学の先生が授業でゲーテの色彩論の話をしておられました。一度読んでみたいと思っていましたが、個人送信資料の中にはゲーテ全集もあって、中に物理学者の石原純先生の訳されたゲーテの色彩論がありました。自然科学論集という巻の中にあります。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1132610/3?tocOpened=1
マニアックなところでは、柴谷篤弘さんの書かれた「理論生物学 : 動的平衡論」 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1378824という本もみつけました。柴谷先生は九大生物学教室の私のボスだった山名清隆先生と日本に分子発生学を興そうとRNAの研究を日本で始められた開拓者の一人です。九大の山名研究室にもこられたのでお目にかかったことがあります。動的平衡論というのも書いておられたんですね。

岡潔関係の本と、偽書で有名な東日流三郡誌(つがるそとさんぐんし)も国会図書館でオンライン公開されています

毎日 国立国会図書館の本の紹介を続けています。今日はこのブログで何度かふれている岡潔関係の本と偽書として有名な東日流三郡誌(つがるそとさんぐんし)も読めますよという話をしておきます。写真は今日散歩コースで満開になっていたねむの木の花です。毎年この時期に満開になります。明日からは雨模様になるようで、今日見られたのはラッキーでした。
さて、国立国会図書館デジタルコレクションのページで、図書館・個人送信資料にチェックをいれて、検索キーワードを岡潔として検索してみましょう。すると、左のカラムの図書の部分に100冊ほど図書がヒットしているのがわかります。クリックすると、岡潔だけではなくて西岡潔などの名前でもヒットしているようです。岡潔に関係のある本をじっくり探していきましょう。すると、以下のような本が簡単にみつかります。

「昭和への遺書」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934708
講談社現代新書の随筆集である
「春の雲」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934437
「月影」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934709がヒットします。
また古本では5000円以上の値がついている胡蘭成の書いた「建国新書」という本も探すとでてきます。これは岡潔が推薦していた本ですが、無料で読むことができます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3446248
この本についての岡潔が書いた書評や、著者とかわした手紙などはこちらの本で読めるようです。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3451695
また、国語の教科書などに掲載されていて有名な春宵十話も、単行本のなかの10話の部分のみなら読むことができます。こちらなどにありますのでご覧ください。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2966234/65

また面白いところでは、「東日流外三郡誌」で検索すると偽書として有名なこの本のいろんな版を読むことができます。https://dl.ndl.go.jp/search/searchResult?featureCode=all&searchWord=%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%B5%81%E5%A4%96%E4%B8%89%E9%83%A1%E8%AA%8C&fulltext=1&viewRestricted=0&viewRestricted=2

Waddingtonの本やEbertさんの発生の教科書、そしてシュペーマンの伝記がオンラインで読めます!

今日は国立国会図書館の個人送信サービスで読める発生生物学関係の本を紹介します。私の大学院の指導教官だった岡田節人先生と奥様の岡田瑛さんが訳されたWaddingtonの本Principles of Development and Differentiationの訳「発生と分化の原理」が読めます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2429808/75?tocOpened=1
以前このブログで紹介したepigenetic landscapeの解説ものっています。また岡田夫妻が訳された「発生そのメカニズム」というEbertさんが書いた本も読めるようになっています。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1382429
これは古いですが、とてもわかりやすい通読可能な発生生物学の教科書でした。Ebertさんについては前にこのブログでも書きました。あと、オーガナイザーの研究でノーベル賞を授賞したシュペーマンの伝記も読むことができますので紹介しておきます。「発生生理学への道」という絶版本です。シュペーマンの学生で弟子、そして共同研究者であるオットー・マンゴルド(オーガナイザーを発見したヒルデ・マンゴルドは、この本を書いたマンゴルドの奥さんです)の書いたシュペーマンの科学的伝記です。シュペーマンの仕事を発展させた福岡大学の景浦宏先生が大学院生時代、熟読していた本です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1374616

セントジェルジ博士Albert Szent-Györgyiの著作がオンラインで読めます

このブログで何回か、Albert Szent-Györgyi博士のことをとりあげました。昨日の記事にのせた中央公論社の世界の名著66 現代の科学Ⅱには博士の短い講演が掲載されています。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2988842
今日はセントジェルジ博士の著書を何冊か、国立国会図書館の個人送信サービスの本から紹介します。

博士はビタミンCの発見でノーベル医学生理学賞を受賞した後、クレブスサイクルの発見にあと一歩のところまで迫り(セントジェルジのサイクルの発見)、第二次世界大戦中は筋肉の収縮を世界で初めて試験管内で実現して観察することに成功しています。つまりアクチン(セントジェルジ研究室メンバーの命名)とミオシンを混ぜて人工的に作った繊維にATPを加えて試験管内で繊維を収縮させることに成功し、アクチンとミオシンがともに筋肉収縮に不可欠であることを発見しました。博士の筋収縮の研究は日本の科学者にも大きな影響を与えました。江橋節郎夫妻や丸山工作先生は有名です。その後、セントジェルジ先生は量子生物学が重要だと唱えはじめて多くの著書を書いておられます。私は京都で開催された国際量子化学会議に参加しましたが、その時は懇親会でハンガリーにおられる博士の共同研究者Ladik教授や京都府立医科大学におられた品川嘉也・泰子先生ご夫妻といろいろ話ができたのは楽しい思い出になっています。

セントジェルジ博士は前に書きましたように政治的にも活発に活動した方です。第二次世界大戦中はヒットラーに対抗してレジスタンスを組織し、ソ連がハンガリーを開放してからは大統領にという声もあったそうですが、ソ連の圧政に対抗して祖国を去ってアメリカに移住されました。共産主義と関係があったということでアメリカでも政府に目をつけられたようですが、ウッズホール臨海実験所で筋肉研究所を開設して研究を続けられたようです。博士のベトナム戦争反対は有名な話です。このあたりを博士が書かれた本、「科学・倫理・政治」もオンラインで読めるようになっています。巻末には博士の簡単な自叙伝もついていますのでとても参考になると思います。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1381746
最初によむ本としてはこれがおすすめです。

また、博士の量子生物学についての初期の著書 Introduction to a Submolecular Biology の翻訳もオンラインで読めますので興味のある方はご覧ください。廣川書店から「分子生物学入門―電子レベルからみた生物学」というタイトルで出版された本です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2428890
この本はセントジェルジで検索してもヒットしませんでした。私が今も持っている本ですので、出版元の廣川書店をキーワードにして検索して探しだすことに成功しました。

国立国会図書館でセントジェルジで個人送信資料を検索すると、他にも「生命の本質」(Nature of Lifeという題の筋収縮の本です。中にはタンパク質が半導体として機能しているのではないかという仮説も述べられています)https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371660やBioenergeticsの翻訳書https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1377188がヒットします。「生命の本質」の中には、アクトミオシン線維がATP を加えた後、収縮している写真がのっています。

世界の名著シリーズ、福井謙一先生の量子化学の本、そしてシラードのイルカ放送がオンラインで読めます!

連日紹介している国立国会図書館の個人送信資料ですが、私の持っている本もいっぱい公開されていて面白いです。今日は面白そうな本のリンクをいくつか紹介しますので登録して是非お読みください。

世界の名著 現代科学Ⅱ https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2988842
これにはポアンカレの「科学と仮説」やワトソンとクリックのDNAの二重らせん構造の発見のNature論文、ノイマンの「人工頭脳と自己増殖」の論文、マッカローの「なぜ心は頭にあるか」という論文、そしてセントジェルジの「医学の将来」という論文などがのっています。
世界の名著シリーズにはメンデルの雑種植物の研究が載っている 現代科学Ⅰhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2990581や、ニュートンのプリンキピアの全訳が載っている、「ニュートン」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2982556。そしてガリレオの巻https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2934598やギリシャの科学https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2935182の巻など面白い本がいっぱいあるので、ご覧ください。

あと変わったところでは、ノーベル化学賞を日本人としてはじめて授賞された福井謙一先生の量子化学という本が公開されています。著者名で検索してもヒットしませんのでこちらのリンクからご覧ください。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2463524

最後に原子爆弾を製造するようにアインシュタインをたきつけて大統領に手紙を書かせた人物 レオ・シラードの本を紹介しておきます。「イルカ放送」というタイトルの短編集で、連鎖反応が爆弾製造につながるのを初めて思いついた彼の本は、政治と科学を考える上で是非読んでおくべき本だと思います。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1697577