台風被害はありませんでした―ドボラック法?

今朝の台風は福岡直撃でした。幸い私の近所では被害はなかったようです。風も昨夜鹿児島に上陸した頃から夜半までが最も強かったみたいです。福岡県を通過中は風速30 m/s程度の風だったようで、夜もぐっすり眠れました。

去年もそうでしたが、「今まで経験したことのない台風」だの、風速75 m/sの予報だの、いつもながらの気象庁の予告ホームランにはうんざりします。この頃は、昔のように台風の中心に飛行機がとびこんでいって観測したり、ラジオゾンデをばんばん飛ばして観測したりはしないようです。その代わりに衛星からみた雲の形や状態、レーダーでの観測などのデータをつかって理論モデルで台風の中心気圧とかも推定しているそうです(ドボラック法)。
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/help/dvorak.html.ja
このところ大きい台風が毎年くるようになったのではなくて、得られたデータと、それから推定したデータから台風の状態を予測するアルゴリズムがおかしいのではないかとさえ思うような、外れ続発です。毎回毎回打席に立っごとにバッターが予告ホームランを宣言しては、だれも信用しなくなります。数十年に一度の水害とかいう表現も、毎年毎年、数十年に一度の災害が迫ってくるようで、聴いていて不快になるばかりです。毎回毎回念のためにと、当らない警報を出し続けることを止めて、なんとか予測精度の向上に努めてもらいたいものです。すくなくとも今年や去年のような空振りの警報(台風にかぎらず水害でも続発しています)がなぜ出されたのか、その再発防止策はどうするのかなどはちゃんとNHKなどで発表、公表してもらいたいものです。そうすれば予算が不足しているのがわかるかもしれません。

写真は、昨日の台風接近前に、朝から我が家の波板に避難していたカマキリです。今朝とった写真ですが、昨日から今朝までずっと同じところにいて、御昼過ぎにはいなくなっていました。虫もちゃんと避難しているのですね。

セミナーで聞いた恐ろしい話―肝臓は再生しますから‥‥。

私が学生だったころ、研究者を目指していた私は大学の構内に張られているセミナーのお知らせの張り紙をみて、何回か面白そうな研究室主催の公開セミナーに出席していました。たとえば井川洋二先生(2012年に惜しくもなくなられました。私の口演に対して何度も有益なコメントを頂いたのを覚えています)のセミナーに参加して、細胞成分を「アイワントウェンティファイブ」で標識してという先生の言葉と、その後 先生が何度も繰り返された「アイワントウェンティファイブ」という いいまわしが、初学者の私に妙に印象に残ったのを思い出します。これは放性同位元素のヨウ素125のことで、私も後日、細胞膜表面をI125でラベルしました。今日お話しするのは、このような研究室の公開セミナーの一つに参加した時のことです。その日のセミナーの講師は、私でも知っている当時とても有名な先生だった(お名前は残念ながら思い出せません)ので楽しみに参加しました。そのセミナーの中で、先生は、ヒトの肝臓の酵素活性の測定の話をされていました。そこで耳にした先生の言葉に唖然としたのを覚えています。現在のように手軽にスマホで録音とかができるわけではないので、うろ覚えですが次のような内容の発言をさらっとされたと記憶しています。「(スライドのグラフを示しながら)こちらのコントロールの酵素活性は、病院で開腹手術のときに患者さんの肝臓をちょっと いただいて測定したものです。肝臓は再生しますから‥‥」こんなことが昔は行われていたわけです。たしかにヒトの肝臓は再生するのです。科学者の倫理教育がいきとどいている今日では考えられない行為ですね。ヒトの材料を扱う時の倫理委員会による審査や研究者への倫理教育、インフォームドコンセントの徹底は、こうした行為が二度とおこらないように実施されているわけです。

植物の血液型についての論文をみつけました

私が糖鎖生物学の研究をはじめたのは、両生類であるアフリカツメガエルの卵母細胞や受精卵、初期卵割胚の細胞表面にB型血液型物質が存在しており、B型血液型物質が初期胚の細胞接着に働いていることを発見したのがきっかけです。それでABO 式血液型物質には特に興味をもっています。今日は植物にもABO式血液型物質が存在するのかというお話です。以前、糖鎖生物学の入門書籍で植物にもABO式血液型があるという話を読んだことがあります。たしかカエデは紅葉する前後で血液型物質の種類が変わると言う話だったと思います。多くの糖鎖生物学の入門書は、退職の時に学生さんにあげたり図書館に寄贈したりしたので、どの本で読んだのか思い出せません。血液型物質の研究で有名な山川民夫先生に、懇親会で植物がABO型の血液型物質をもっているって本当ですかと質問したことがあるのですが、そんな話はきいたことがないというお答えでした。Google検索では、「植物の血液型」で検索するといくつもweb pageがヒットして植物にも血液型があると書いてありますが、文献があげてないので真偽不明です。さっきおもいついて、国立国会図書館のデジタルコレクションの全文検索で、「植物の血液型」というキーワードで検索すると論文がヒットしました。もちろん植物が血液をもっているわけではないので、ABO(ABH)式血液型物質(の糖鎖構造)が存在するかを血液凝集活性阻止実験や吸収実験で確認している論文です。

「植物の血液型学的研究-4-抗H,抗A,抗B凝集素を阻止する高等植物の種子と果実について / 山本茂 ; 森岡ハツ 」科学警察研究所報告. 30(2)(118号) 86-93
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1781133/8
「植物の血液型学的研究-5-ABO式血液型様活性を有する野菜,果物,香辛料の血清学的性状 / 山本//茂」 科学警察研究所報告. 34(4)(136号) 191-196
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3390226/3

カエデなどにH型物質(これがO型物質のことです。)やA型物質、B型物質が存在すると書かれています。いろんな植物、種、果物、野菜などでの検索も行われています。
論文が見つかって安心しました。ABH式血液型物質については、これからいろいろ解説していく予定です。

今日は美しい中秋の名月(満月)が見られました!

今日は中秋の名月です。ここ数年 福岡では、中秋の名月は雲に隠れてちらっとしかみえなかったり、雨だったりしたのですが、今日は快晴で丸い美しい満月を堪能できました。(15夜の月は必ずしも毎年満月とはかぎらないのです)
東の山から高く上った月の左下には、木星がでていました。

今日は数学関係の本を二冊紹介して寝ることにします。
一冊目は、今日AmazonのKindle unlimitedで偶然見つけた本です。「世にも美しき数学者たちの日常」(二宮敦人著、幻冬舎2019年)という本で、日本の数学者の方々(黒川信重、加藤文元、千葉逸人、高瀬正仁など著名な数学者や数学教室講師、芸人などへのインタビューが集められている本です。
https://www.gentosha.co.jp/book/b13642.html
最初に九州大学におられた高瀬正仁先生(九大名誉教授)のインタビューを読みました。先生とは残念ながらお話したことがないのですが、岡潔やガウス、リーマンなど数学史に名を刻んでいる数学者の原著の解説本や数学史の本、岡潔の伝記など様々な興味深い本を書かれている先生です。現代数学は間違った方向にいってしまっていて、しょうむない問題を設定してそれを高度な数学を構築して解いているというような現代数学批判の発言が収録されています。鶴亀算の解き方を例にとって、亀がぱっと二本足で立ったとしたらというアイデアで問題を解くのが岡潔やオイラー、リーマンの情緒の数学、鶴亀算から連立方程式を考案して、一般化して様々な問題が解けるようにするのがカルタンなどが創始した現代数学だという話をされています。高瀬先生がなぜ数学史や偉大な数学者の原典解説本を著されているかがよくわかりました。他の先生がたへのインタビューもとても面白そうでこれから読んでみようと思います。

もう一冊は、「ガロアの夢―群論と微分方程式」(久賀道郎 著 日本評論社)という本です。東京大学教養学部のゼミナールで行われた講義の記録という本で、名著という評判の高い本です。これは購入しなくても国立国会図書館の個人送信資料で読めます。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1383206
こちらでパラパラ眺めてみて読めそうだったら読んでみてください。私は昔 紙の本を購入して読み出しましたが、挫折中です。

ブリコラージュの話

今日はThe 24th Collegium for Comparative Glycomics(毎年開催されている比較グライコーム研究会の国際的な新しい名称です)にオンラインで参加しました。興味深い講演ばかりでしたが、長崎国際大学の藤井 佑樹先生のお話のなかにブリコラージュ bricolageという言葉が紹介されたので、皆さんにも紹介しておこうと思います。これはノーベル賞を授賞したFrançois Jacob( フランソワ ジャコブ)が進化の機構として紹介した概念です。藤井先生によると、Jacobの本  The possible and the actualにのっているとのことで、さっそくInternet archiveで探してみました。貸出可能な本でこちらから借りられます。https://archive.org/details/possibleactual00fran
本の中身を検索するとbricolageではヒットしませんがbricoJageでヒットして以下の記述がでてきました。(OCRしたテキストを検索しているのがわかりますね!)
Page 34
In contrast to the engineer, evolution does not produce innovations from scratch. It works on what already exists, either transforming a system to give it a new function or combining several systems to produce a more complex one. Natural selection has no analogy with any aspect of human behavior. If one wanted to use a comparison, however, one would have to say that this process resembles not engineering but tinkering, bricolage we say in French. While the engineer’s work relies on his having the raw materials and the tools that exactly fit his project, the tinkerer manages with odds and ends. Often without even knowing what he is going to produce, he uses whatever he finds around him, old cardboards, pieces of string, fragments of wood or metal, to make some kind of workable object. As pointed out by Claude Levi-Strauss, none of the materials at the tinkerer’s disposal has a precise and definite function. Each can be used in different ways. What the tinkerer ultimately produces is often related to no special project. It merely results from a series of contingent events, from all the opportunities he has had to enrich his stock with leftovers. In contrast with the engineer’s tools, those of the tinkerer cannot be defined by a project. What can be said about any of these objects is just that “it could be of some use.” For what? That depends on the circumstances.

生物の進化におけるイノベーションは、技術者が一から設計するようなイノベーションではなくて、生物が既にもっているもの=既存のシステムに新しい役割をわりふったり、あるいは既存のシステムをいくつか併せて新しい複雑なシステムに仕上げたりすることで実現するというのです。これはちょっとした手直しをして道具を改良したり修理したりする作業(tinkering)=鋳掛屋仕事といえるものであり、これをフランス語でbricolageというのだというようなことが書いてあります。

Jacobのインタビューでbricolageに触れているYouTube番組はこちらです。英語字幕付きです。https://youtu.be/P5TNjLzy6QI ホメオティック遺伝子とブリコラージュというフランス語のインタビューです。

このサイトWeb of Stories – Life Stories of Remarkable Peopleには有名な科学者のインタビューがいろいろあります。
https://www.youtube.com/c/webofstories/playlists
Brennerさんとか、物理学者のフリーマンダイソン、コンピューター科学者のKnuthとかいろんな方の話が聴けますので一度みてみるとよいでしょう。

研究倫理についてのeLearningを受講した話です

9月になりました。8月の末に、一年に一回受講することが大学できめられているeLearningの受講をすませました。日本学術振興会の「研究倫理eラーニングコース」というオンライン研修です。登録すればどなたでも受講できるそうです。
https://elcore.jsps.go.jp/top.aspx
その内容は別途発行されている
「日本学術振興会『科学の健全な発展のために』編集委員会編『科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-』
丸善出版株式会社、2015(平成27)年」にもとづいているそうです。ですから登録が面倒な一般の方はこちらから
https://www.jsps.go.jp/j-kousei/data/rinri.pdf
pdfをダウンロードして読まれるとよいと思います。大学や研究所に所属しているかたはすでに受講を済ませておられるか、あるいはそのうちに受講指示がきて受講することになるので、個人で登録して受講する必要はないと思います。私は九大時代から結構な回数受講しています。昔と比べると、内容は徐々に改良されているのがわかります。以前こうしたeLearningの中にしばしば無批判に含まれていた、物理学者ミリカンのcherry picking疑惑とかメンデルのデータ操作疑惑の話(いずれもしっかりとした反論がなされていて、研究不正の例にするには問題がある話でした)などはこのeLearningの内容には含まれていませんでした。学生や研究者、事務の方などは受講が義務付けられていることが多いと思いますが、一度は受講しておくとよい内容の研修です。科学に興味がある一般の方もいちどはpdf版に目をとおしておかれることをお勧めします。

研究不正といえばこんなYouTube番組がありました。音声読み上げソフトをつかった動画で聞き取りにくいので、私は音を消して字だけを読むようにして視聴しようと思います。
https://youtu.be/OtXTv9KF1eY

この動画シリーズにもとづく本で、Kindle unlimitedに含まれている「奇書の世界史」という本にも収録されていますので、「ゆっくり」と俗称される音声読み上げソフトの声が嫌いなかたは、この本を読まれても良いと思います。とても面白い本なので一読をおすすめします。

ランサムウエアの犯人からのメールの実例です!

2022/2/13に以下の記事を書きました。医学書院の医学界新聞のサイトはいろいろ生命科学研究者や学生に参考になる記事があるので是非、ちょくちょく見てください。

今日は医学界新聞(医学書院発行)を紹介します。医学に興味のある理系の研究者におすすめのサイトです。いろんな連載や記事があって参考になります。連載では、「臨床研究・疫学研究のための因果推論レクチャー」や「今日から使える医療統計講座」、その他学会発表のやり方や英語論文の書き方などいろいろありますので探してみてください。連載中のものはこちら。連載終了のものはこちらにリンクがあります。

さっき教えてもらったのですが、この医学界新聞に昨年、サイバー攻撃についての記事が昨年出ていました。ランサムウエアをパソコンに入れるために犯人が送りつけてきたメールの実例と、その攻撃に対する対策が書かれている記事です。届いたのは受け取った先生が最近公表して評判になった論文についてのメールで、医学部の学生である私の先生の書かれた論文に対する意見を、個人情報が入っている内容なのでzipファイルで暗号化して添付ファイルにつけています。添付ファイルを開いてみていただいて先生の御意見をいただけたらありがたいですというような慇懃丁寧なメールです。これは私も添付ファイルを開いてしまいそうな文面です。標的型攻撃メールというのだそうです。宛先の業務内容や人物を詳しく研究してそれにあわせた内容をつくりあげて、標的型攻撃メールを作成して送ってくるというのは、ランサムウエアの犯人たちが常用する手段だそうです。どんなものかは以下のリンク先の記事で皆さんご確認ください。対策も書かれているので勉強になります。

https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3411_02

京都の史跡案内本を紹介します。

私は京都出身なので京都の話をしてみます。私が中学生だった時、朝の礼拝の時間に礼拝堂に入ると、前のほうに大きな円筒埴輪がおいてありました。なんだろうと思って見ていると、校長先生からの説明が始まりました。この埴輪は、私達のクラスメートが古墳から掘り出してきたものだそうです。校長先生は歴史の先生だったので、先生にみてもらっていろいろ教えてもらおうと、学校に掘り出した埴輪を持ってきたのだそうです。先生はびっくりしてどこから発掘したのかを確かめ、遺跡を発掘するのには京都市の許可がいるということ、勝手に発掘してはいけないということを伝えて、京都市に連絡して埋め戻すことになっているとのことでした。こんな立派な発掘品がみつけられたのはとても素晴らしいことでその探究精神は素晴らしいことだと先生は褒めてくださいました。しかし発掘にはルールがあるのだということを皆にも知ってほしいということで、朝の礼拝の時間に埴輪をもってきて説明したのだということでした。発掘したクラスメート達は英雄だと思いました。さぞかし発見の喜びを堪能したことだろうと羨ましかったです。自分も掘ってみたいなと思いました。小学校の時、学校の北に坂上田村麻呂の墓がありました。本によると、この墓には甲冑に身をつつんで完全武装した坂上田村麻呂の遺体が埋葬されており、国に大事がおこる前には必ずこの墓が鳴動したと伝えられているそうです。京都の本屋の駸々堂という出版社が昭和京都名所図会という本をだしていたのですが、その本の洛南の巻にこの墓のことが書かれていました。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9576300
このシリーズは京都の有名な史跡や神社、寺などを網羅しており、この本を読んで京都の史跡に興味を持ちました。近所にある円墳とかをこの本で探して友達と一緒に登ってみたこともあります。笹深い小さな円墳でしたが感動はひとしおでした。このシリーズは全7巻で、国立国会図書館の個人送信資料で全巻読めることがわかりました。京都観光の前に予習で読んでみると、お寺や神社、その他史跡の知識が満載されていますので、観光が一段と楽しくなると思います。キーワード「昭和京都名所図会」で個人送信資料を検索してみてください。あと「京都の自然」(ナカニシヤ出版)という本もおすすめです。昔の本ですので山登りの情報は事前に再調査する必要があると思いますが、地質や植生などについての記述は参考になると思います。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9575661
京大の正門前にあった本屋さんの本です。
下の動画は九州国立博物館の円筒埴輪についての動画です。参考までに。

 

今日は日拝塚古墳 (前方後円墳)に行きました。

去年の年末には近所にある前方後円墳 光正寺古墳に登りました。今朝は天気がとてもよかったので、急遽 春日市にある日拝塚古墳(ひはいづかこふん)に連れていってもらいました。下のギャラリーの写真をクリックすると大きな写真がみられます。一枚目は駐車場に面した入口、国史跡に指定されています。写真の左手の道を通って古墳の反対側からとった写真が二枚目です。三枚目に古墳の説明が書いてある案内板を載せておきます。四枚目は玄室に向かう奥さんの写真、最後の写真は玄室の入り口です。この前方後円墳は6世紀前半の築だそうです。春日市に連絡しておくと、玄室(普段は鍵がかかって入れません)の中も見学できるようです。近所の光正寺古墳は上まで登れますが、残念ながらこの古墳の上には登れません。登ってはいけませんという看板があちこちに建っています(ギャラリーの写真一枚目など)。この古墳は長い間 地元の信仰の対象として大切にされてきましたが、1929年に盗掘されたそうです。盗掘を知った地元の人達が激怒して盗人をすぐに捕まえたので副葬品はほとんどが回収されたとのことです。なんと2000点を越える副葬品を盗んだらしいです。その副葬品はほとんどが東京国立博物館に収められており、盗掘のときに出土したと伝えられる金製垂飾付耳飾(きんせいすいしょくつきみみかざり)ただ一点だけが春日市の博物館 (奴国の丘歴史資料館)に展示されているそうです。三枚目の写真の案内板にある写真を拡大するとどんなものかがわかります。東京国立博物館にはこの耳飾りの対の耳飾りが所蔵されているそうです。

文化遺産オンラインにはこの古墳のことも掲載されています。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/202886

春日市は魏志倭人伝の伝える奴国があったところとされています。いろんな遺跡がありますのでこちらに来られた時は訪れてみてください。春日市の遺跡については以下のpdfがわかりやすいです。

https://www.city.kasuga.fukuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/250/naruhodokasuga.pdf
以下のブログの記事も大変参考になります。
https://koikoi2011.blog.fc2.com/blog-entry-499.html
https://koikoi2011.blog.fc2.com/blog-entry-857.html

宮本武蔵の五輪書と五輪の意味について

2022/4/10の固定ページの記事に書いたように、私が武道に興味をもったのは、昔九大生物学科におられた清水博先生の本を読んだからです。生命知としての場の論理」(中公新書1333)という本です。この本は最初はとっつきにくく読めなかったのですが、この本でとりあげられている柳生新陰流についての本を読んだりした後、やっと読めるようになりました。清水先生の本「生命を捉えなおす 生きている状態とは何か」がベストセラーになったのでお読みになった方もいるかもしれません。清水先生の本のおかげで、生命科学の研究の役に立つかもと思って、いろんな武道の伝書を読むようになりました。清水先生の「生命を捉えなおす」と言う本はビジネスパーソンに感動を与えて、先生はいろんな企業や政府の会にも呼ばれてお話をされていたようです。企業戦士に影響を与えたといえば、宮本武蔵も世界的ですね。宮本武蔵についてはその著書 五輪書(ごりんのしょ)が、Book of Five Ringsというタイトルで英訳されて世界中のビジネスパーソンに読まれているそうです。日本語で五輪書の原文と現代語訳が読めるのは国立国会図書館の近代デジタルライブラリーにある、この本(宮本武蔵五輪書詳解 1943年刊)が手軽です。また最近使えるようになった国立国会図書館の個人送信資料の中にも五輪書が入っています。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1265872
また、同じ個人送信資料にある日本武道全集の第一巻にも五輪書がよみやすい形で含まれています。これには柳生新陰流、タイ捨流、心形刀流、二天一流などの解説と伝書がいろいろはいっていますので時代劇ファンの方にも興味がもてる本だと思います。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2466845
また
NHKの100分de名シリーズでも五輪書をとりあげていました。

福岡県には巌流島もありますし、2022/2/26の固定ページの記事でも書きましたように、アニメの「鬼滅の刃の聖地として人気の観光スポットである竈門神社もあります。かまど神社には本殿のとなりに夢想権之助神社でという神社もあります。夢想権之助は、宮本武蔵に挑んで敗れたのですが、この神社近くの宝満山(福岡市民が手軽に登山するのに大人気の山です)にこもって修行し開眼。杖術を創始してそれで宮本武蔵と再度試合して勝ちを収めたとも伝えられています。杖術は福岡藩に伝えられ受け継がれて、現在の警察でも採用されているそうです。言い伝えによると、夢想権之助は宮本武蔵が晩年熊本に居を構えて五輪の書を書いているときにもしばしば訪れて交流していたそうです。海外に紹介された五輪書は、ビジネスパーソンに人気でベストセラーになっていますが、この英訳本のおかげで五輪というのが世界に紹介されたとも言われています。五輪書は、地の巻、水の巻、火の巻、風の巻、空の巻からなっています。地水火風空は五大元素の名前、すなわち物質の5つの構成要素をしめす言葉です。五輪書の各巻の名前はこの5大元素の名前から取られています。五重塔もこの5つの要素をかたどっているはずです。さっき気づいたのですが、この5つの要素というのは近代科学に対応するものを予見しているような名前ですね。私たちが習う物質の4つの状態とは、固体、液体、気体、プラズマです。これは地、水、風、火とよく対応していますね。火はエネルギーに対応しているのかもしれません。また空の巻は、五輪書の英訳ではThe Ether Scrollと訳しているものがあります。空はエーテルを意味しているのかもしれません。前に書きましたように、般若心経の空もエーテルを意味していると考えると、難解な空の解釈がすっきりすると思いました。