このブログでは、実験ノートの話題を時々書いています。今回は画家のヴィンセント・ヴァン・ゴッホもクラウドにあげる実験ノートのようなものを使っていたという話です。
画家のゴッホは、大量の書簡を弟のテオや妹、友人などに送っています。書簡には彼が書いている絵の簡単なスケッチや、絵を描いたときの状況などが克明に描かれており、書簡を科学者が作る実験ノートの代わりにしていたと考えることができます。信頼できる人にあてた書簡の形で制作過程や作品の説明を送って保存しておくというのは、クラウドに実験ノートを保存しておくという現在の流れとまったく同じ方法だと思います。次の絵 (Wikimediaより引用)についても彼の実験ノートである書簡に詳しい制作過程やイーゼルを置いてスケッチした場所、時間などが書かれているので、どこでいつこの作品ができたかが克明にわかるのは、すばらしいことです。![]()
彼の書簡はこちらのリンクから全部読めます。https://vangoghletters.org/vg/letters.html
このサイトには書簡を英語に翻訳したものも対訳の形で載っています。上の絵について書かれている弟のテオへの手紙はこちらです。https://vangoghletters.org/vg/letters/let691/letter.html
開いたページの下の方のスケッチcと書いてある部分をクリックすると上の絵のスケッチの画像が開きます。
ゴッホの手紙からこの作品がいつ、どこで描かれたかを解きほぐした記事へのリンクを載せておきます。
https://raymoonphoto.com/en/starry-night-over-the-rhone-van-gogh/
以前紹介した本をご覧になるとほぼ同じことが書かれているのがわかります。
ゴッホが夜、イーゼルをおいて描いた場所 43° 40’ 56” N,4° 37’ 48” E
も同定されていて、その夜の星の配置も天体ソフトで再現できて絵と較べることができます。
2012年の描いた場所からの眺めは以下のようにGoogle Mapからみることができます。
https://maps.app.goo.gl/bMgrD1msaA6VKKJd8
くらべてみると確かにこの辺りから描かれた絵だということがわかりますね。