電子ブックの問題点を鋭く指摘した動画を紹介します。オープンアクセス本の検索サイトも末尾に紹介しています。

今日はYouTubeのおすすめにでてきたTED talkの紹介です。電子ブックの問題点について皆が知るべきことをわかりやすく解説している動画です。日本でも全く同じ状況なので是非ご覧ください。この記事の後半には、無料でアクセスできる教科書や記事を検索できるペンシルベニア州立大学図書館のサイトも紹介しているのでご覧ください。

トークのタイトルは
Why is knowledge getting so expensive? | Jeffrey Edmunds | TEDxPSU です。
https://youtu.be/PygUK16aQgk?

EdmundsさんはPenn State University(ペンシルベニア州立大学)の図書館員で、大学図書の多くが電子書籍になっていることの問題点から話を始めています。

電子ブックは、紙の本とちがって所有権が認められておらず、内容にアクセスする権利をお金を払った人や組織が認められるだけだというのが、大きな問題であることが指摘されています。提供しているサービスが終了したらお金を払っていたにも関わらず、本や雑誌が二度と読めなくなるというリスクはたびたび現実化している(最近も日本のサービスが終了して問題になりました)のはご存知でしょう。世界的には5つの主要な出版社がほとんどの電子ブック、電子ジャーナルを支配しており、図書館がある本やある雑誌だけを購読しようとしてもみとめられず、必ず抱き合わせ販売で不要な電子ジャーナルや電子ブックを合わせて高額の料金を払わなくてはならないという不条理がまかり通っています。これは日本でも同様ですが、あまり知られていないではないでしょうか。

この電子ブック、電子ジャーナルに書かれている知識は、実は出版社が作り出したものではなく、大学や研究所などに資金援助している納税者を中心とする社会全体の援助で得られたものです。論文などを書いてレフリーがコメントを書いて、それに応じて著者が内容を改訂してチェックしたうえで完成した知識を、第三者である出版社に与えて高額な掲載料を払い、それを社会が知るためにはまた高額の購読料を出版社に支払う、この不条理な制度について的確に指摘されていて見ごたえがあるトークです。ある雑誌の購読料が不当に高いということで編集者全員が辞任して、彼らで無料のオープンアクセスの雑誌を作ったという話も紹介されています。教科書も最近は昔の値段の10倍以上に値上がりしてしまい、学生が困っているそうです。その対策としての無料教科書などについても紹介されています。

日本でも、全く同じ状況ですので何とかしていかなくてはなりませんね。

Penn State University Librariesのサイトからは無料でオンラインで読める資料がいろいろ見つけられます。
TOPページはこちら。
https://catalog.libraries.psu.edu/

FormatからBookを選ぶとこんなページがでてきます。
https://catalog.libraries.psu.edu/?f%5Bformat%5D%5B%5D=Book

無料でオンラインで読める本を、quantum chemistryという検索キーワードで探したのがこんな結果になります。
onlineとFree to Readにチェックを入れて検索してください。
https://catalog.libraries.psu.edu/?f%5Baccess_facet%5D%5B%5D=Online&f%5Baccess_facet%5D%5B%5D=Free+to+Read&f%5Bformat%5D%5B%5D=Book&q=Quantum+chemistry&search_field=all_fields

線型代数 linear algebraでも検索してみました。

https://catalog.libraries.psu.edu/?f%5Baccess_facet%5D%5B%5D=Free+to+Read&f%5Bformat%5D%5B%5D=Book&search_field=all_fields&q=linear+algebra
良いサイトです。皆さんも検索して無料で読める教科書や資料を見つけてください。