Windows11のPCをシャットダウンしてもCPUファンが止まらない問題の解決法

PCをシャットダウンしてもCPUファンが止まらないときの対処法を備忘録としてまとめておきます(ASUS PRIME H570-PLUS / Windows 11の自宅PCでの実体験)。
同様の問題に出会った方への参考になれば幸いです。


体験談】:PC内蔵のCMOS電池が消耗してBIOS設定がおかしくなっているようだったので、ボタン電池を交換しました。交換後、BIOS再設定して起動したらWindows 11が無事立ち上がったのですがシャットダウン後、なんとCPUファンが回りっぱなしということに気づきました。ネット検索したりPC製造元のサポートに電話して改善策を聞いたのですがどれも効果がありません。シャットダウン後に電源ボタンを長押しするとファンが止まるというネット記事を見たので試すと、たしかに電源ボタンの長押ししてファンが止まります。仕方ないので一月ほど、この方法でシャットダウン後ファンを止めて使っていました。

ところが昨日、このPC (Windows11 ProのSSD利用)の起動が前と比べてずいぶん遅くなっているのに気づきました。起動時間を短くする方法をネット検索すると、Windows11の互換性チェックをするという項目があったので実行するとなんとこのPCにはTPMがありません、Windows11非互換ですというような表示がでたのでびっくりしました。PCのマザーボードはTPM2.0対応で、Windows10から11へのアップグレードは問題なくできて互換性チェックもとおっていたので、これは電池交換後のBIOS設定がおかしいようだと思い、BIOS設定をいじってTPM2.0が認識されるように変更すると 見事 起動時間は短縮し、互換性チェックもとおり、さらにCPUファンが止まらない問題も解消したので、その経緯を備忘録としてまとめておきます。ChatGPT5による説明も後半につけておきます。

症状
• Windows 11 Pro をSSDから起動しているデスクトップPC。
• シャットダウン後もCPUファンが回り続ける。普通に電源を押すだけでは再起動できない。電源ボタンを長押しすれば止まる。
• ファンが止まったら、その後は電源ボタンを押すと起動できる。、
• また、Windows起動時間が遅くなり、「TPMがない」と互換性チェックで出るようになった。
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【ファンが止まらない問題の切り分けの流れ】
1. Windows側の設定を確認
• 「高速スタートアップ」を無効化 → 効果なし。
• BIOSの「Fast Boot」をオフ → 効果なし。
2. Linux(Ubuntu)のLive DVDで確認
• Ubuntuでもシャットダウン後にファンが回り続ける。
• つまり OS依存ではなくハードやBIOSの問題。
3. BIOS設定の確認
• 「ErP Ready」の設定を探す → Advanced → APM Configuration 内に隠れていた。
• 変更しても改善せず。
【TPMの確認の流れ】
• Windows 11 の互換性チェックで「TPMなし」と表示される。
• BIOSを見ると Firmware TPM(Intel PTT) は有効になっていた。
• 試しにプルダウンメニューにあった「別のTPM」設定に変更して保存 → 再起動してもTPMなしのままだった。
• 効果がなかったので、もとの「Firmware TPM」に戻した。戻す時にbitlocker関連の警告などがでたがOKにして戻した。
👉 この操作で TPM 2.0が正しく認識されるようになり、
• 起動時間が短縮
• シャットダウン後にファンも止まるようになった!
ということで、不具合が完全に解消した!
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【なぜこうなったのか?】
• 原因は CMOS電池切れによるBIOS設定の不整合。
• 電池を交換したとき、一部の設定(TPMや電源管理)が「見た目は有効」でも内部的に無効化されていた。
• 設定を一度切り替えて保存し直すことで、内部フラグが正常化したと考えられる。
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【再発防止のポイント】
1. CMOS電池は3〜5年で交換推奨(CR2032)。
2. 設定が飛んだときは、
・日付と時刻
・ Boot Priority
・Firmware TPM (Intel PTT)
・ErP Ready (S4+S5)
を確認・保存。
3. TPMが認識されないときは「一度Disabledにして→再度Enabledに戻す」で復旧できることがある。
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【まとめ】
• ファンが止まらない → WindowsではなくBIOS設定/TPM不整合が原因だった。
• CMOS電池交換後は設定の再確認が必須。
• TPMが認識されないと電源管理にも影響が出ることがある。
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【CMOS電池とBIOS設定の関係(ChatGPT5によるまとめ)】

• マザーボード上の CMOS RAM は、BIOSの各種設定(起動順序、日付時刻、TPM有効化フラグなど)を保持しています。
• このCMOS RAMは スタンバイ電力(CR2032電池+PSUの5VSB) で保持されます。
• 電池電圧が低下すると:
1. 設定保持ができずに初期化(工場出荷設定に戻る)
2. 設定の一部だけが飛ぶ/壊れる(不整合状態になる)
3. 見た目は「Enabled」でも内部フラグが不正 → 今回のTPMが無効扱いになるような現象
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実際によくある現象
• 日付・時刻が毎回リセットされる
• 起動ドライブの順序が変わる
• ファン制御や電源管理(ACPI関連)が不安定になる
• TPM/Intel PTT の設定が効いていない(今回のように「有効」と表示されているのにOSからは「TPMなし」と判定される)
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なぜ「異常」な状態になるのか?
• CMOS RAMは一括で消えるわけではなく、低電圧でじわじわ壊れるため
• 「完全リセット」ではなく「部分的に壊れた設定が残っている」状態になる
• そのため、BIOS画面では「Enabled」と表示されても、OS側には反映されないといった矛盾が起きます
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今回のケース
• 長期間、低電圧状態で稼働 → TPM関連のフラグが不整合に
• 結果として
  WindowsからTPMが見えない
 シャットダウンのACPI処理が正しく終了せず、ファンが止まらない
• 電池交換+「設定を切り替えて再保存」することで、正しい値がCMOSに書き込まれ復旧
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まとめ
• 電池の起電力が低下した状態で使い続けると、BIOSやTPMの設定が壊れることはあります。
• これは「設定が初期化される」のとは違い、部分的に壊れた不整合状態になるので厄介です。
• 予防のためには、電池が3年以上経過したら早めに交換するのが安全です。
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「CMOS電池の電圧低下時に起こりやすい典型的な症状リスト」**を表形式でまとめます。

分類 典型的な症状 詳細・影響
時刻・日付 起動するたびに時計がリセットされる BIOSが保持できず、1970年や2000年などに戻ることがある
ブート関連 起動ドライブの順序が変わる 「Boot Priority」が初期化され、起動できなくなる/別ドライブから起動しようとする
TPM / セキュリティ TPMが無効扱いになる/OSから「TPMがない」と表示される 実際は有効表示でも内部フラグが壊れている場合がある(今回のケース)
電源管理(ACPI) シャットダウン後にファンが止まらない/スリープ復帰が異常 電源制御のフラグが壊れて、S5(完全シャットダウン)に入れない
CPU/メモリ設定 オーバークロック設定やXMPがリセットされる メモリが標準クロックに戻る/電圧設定が初期値に戻る
周辺機能 LANやUSBの省電力/Wake機能が効かない ErP ReadyやWake-on-LANなどの設定が飛ぶ
ファン制御 ファンの回転数設定が初期化 ファンが常時フル回転する/静音モードが無効になる
表示上の矛盾 BIOSでは「Enabled」と表示されているが実際には機能していない 内部レジスタと表示が不一致 → TPMや電源管理でよく起きる