微小管をエネルギーが66オングストロームも移動することがわかったという論文がでています。
Electronic Energy Migration in Microtubules
というタイトルの論文です。プリンストン大学のGregory D. Scholesのグループによる論文で、今年の1月12日にオンライン公開されました。印刷版はまだですがこの論文の筆頭著者の図が表紙を飾るそうです。米国化学会の雑誌ACS Central Scienceにアクセプトされた論文です。筆頭著者のプリンストン大学のポスドクのAarat Kalraさんのサイト
https://www.aaratkalra.org/publicationsからも読めますし、表紙の図もみられます。また著者の関連論文も興味深いものがいいろいろあるのがわかります。
タンパク質を作っているアミノ酸であるトリプトファンは、紫外線を吸収することが知られています。微小管microtubulesでトリプトファンに吸収された光エネルギーがどれくらいの距離を移動するかを実験で測定したところ、なんと66Åも移動していることがわかったのだそうです。従来の理論conventional Förster theory ではせいぜい15Åしか移動しないはずなのに、だそうです。微小管に対するイメージが変わりますね。トリプトファンやチロシンと言ったアミノ酸の間でのエネルギー移動についていろいろ調べてある論文です。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscentsci.2c01114
pdfをダウンロードして是非読んでみてください。