クローン人間がすでに誕生している、と主張した古い本を紹介します。

私が大学院生のころ、新聞でクローン人間が誕生したという本が刊行されたと、大々的に報道されて、大騒ぎになったことがあります。In His Image―The Cloning of a Manという本で、著名な科学ジャーナリストのDavid M. Rorvikの書いた本です。本のカバーによると、
”1973年の9月、科学ジャーナリストのDavid M. Rorvikのところに電話がかかってきました。クローン人間をつくるのでその記録をとってほしいというような内容の億万長者からの電話だったそうです。”
この本は。その顛末を記録した本というふれこみで出版されました。この本によるとクローン人間をつくるという試みは成功し、その子は元気に育っているとあります。Internet Archiveでさがしてみるとこの本が貸出で読めることがわかりました。

https://archive.org/details/inhisimageclonin0000rorv_z1v4
借りて文献をご覧になるとわかりますが、著者はGurdonさんのクローニングの成功や、Mintzのクローニングの業績などもよく調べていて、その当時の知識からするとこの本で述べている方法で、ヒトのクローニングができるのではないかと思わせる内容でした。当時この本を読んで、クローン人間が本当にできている可能性が高いと話していた発生生物学の先生もおられました。クローン人間は本当に誕生したのでしょうか?
可能性について考えてみたいと思います。今日は、ブログサイトの復元がまだ終わらないのでここまでで記事を終えます。