2022/07

2022/7/31 AlphaFold2というAIによる高精度のタンパク質の立体構造予測プログラムが公開されて一年になります。ヒトやマウス、ショウジョウバエ、線虫その他のモデル生物の予測立体構造が35000余り一斉に公開されて世界に衝撃を与えました。一昨日(7月28日付発表)さらなる衝撃のニュースがとびこんできました。 ‘New era in digital biology’: AI reveals structures of nearly all known proteins https://www.science.org/content/article/new-era-digital-biology-ai-reveals-structures-nearly-all-known-proteinsAlphaFold reveals the structure of the protein universe https://www.deepmind.com/blog/alphafold-reveals-the-structure-of-the-protein-universe  こちらにはこんなことが書いてありました。 Today’s update means that most pages on the main protein database UniProt will come with a predicted structure. All 200+ million structures will also be available for bulk download via Google Cloud Public Datasets, making AlphaFold even more accessible to scientists around the world. 既知のほぼすべてのタンパク質(バクテリアからヒト、植物などを含む)2億種類以上の立体構造予測結果がデータベース公開されたのです。たとえばこちらから検索できて、pdbファイルなどもダウンロードできます。 https://www.alphafold.ebi.ac.uk/ 構造予測の結果を、すべてダウンロードすることもできるようになっています。 https://alphafold.ebi.ac.uk/downloadタンパク質のデータベースである UniProt https://www.uniprot.org/ のほぼすべての項目にAlphafold2による立体構造予測が載せられています。立体構造がわかれば、その構造予測ファイルを利用して、Dali http://ekhidna2.biocenter.helsinki.fi/dali/や、Foldseek https://search.foldseek.com/searchといったプログラムを用いて、似た立体構造をもっている他のタンパク質を検索することができます。やりかたは明日簡単に紹介します。 AlphaFold2を用いた成果も続々と発表されていて、たとえば1000個ほどのタンパク質からなるヌクレオポア複合体(核膜孔複合体)の立体構造の決定に大きく貢献したそうです。https://unfolded.deepmind.com/ https://www.science.org/doi/10.1126/science.abm9506 
2022/7/30 塩沢先生の文庫本は今日届きました。なかなか面白そうです。昨年のAIを用いたタンパク質立体構造予測プログラムAlphafold2は革命的な成果でした。これに続いてこのブログでもOmegaFoldという新しいプログラムができたそうだというニュースを記事にしていました。OmegaFoldはAlphafold2のようにmultiple sequence alignments (MSA)を用いないので、より速く計算できるという画期的プログラムということでした。最近その論文も公開されました。 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.07.21.500999v1 同じタイミングでESMFoldというプログラムも公開されてこちらも優秀らしいです。 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.07.20.500902v1 中国からさらに最近、 HelixFold-Single: MSA-free Protein Structure Prediction by Using Protein Language Model as an Alternativeという論文も公開されました。 https://arxiv.org/abs/2207.13921 タンパク質立体構造をアミノ酸配列だけを入力すると正確に予測できる時代がきているのを実感します。TwitterでOmegaFoldなどの検索語で検索するといろいろ最新情報がでてきます。nitterをつかうとストレスがたまらないのでおすすめです。田口善弘先生の市民講演会もみるとよいと思います。

https://youtu.be/3Rm9x7j-ClA

2022/7/29 ちくま学芸文庫から「増補 複雑系経済学入門」塩沢 由典 著が出版されました。初版から20年の進歩を書き加えた補章がついた増補版だそうです。https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480099785/ さっそく注文しました。 こちらに書評などがあつめられています。 http://www.shiozawa.net/chosho/index.html これは塩沢先生のホームページ http://www.shiozawa.net/にある著書紹介のページです。 先生の公式ホームページのトップページに次のような文を見つけました。 「2022.6.21 ちょうど20年前に『数学セミナー』の姉妹誌ともいえる『数学のたのしみ』に「数学とオカルトのあいだ」という文章を書いていた。今回の”To be, or nto to be”とある意味、好対照なものだ。関心のある方は、ぜひ一読いただきたい。」 早速リンク http://www.shiozawa.net/ronbun/sugakunotanoshimi.htmlから「数学とオカルトのあいだ」という記事を読みました。 経済学と数学について書かれていますが、私が昨日、生命科学と数学についてかいたのと同じ考えを述べておられると思います。 塩沢先生からは高校の時、数学を習いました。高校に講師でこられていたのですが先生に習った時だけ成績がよかったです。ちょうどベトナム戦争の最中だったので、講義に「ベトナムに平和を」のバッジをつけてこられていたのを覚えています。試験の監督中、黒板に数式を書いて考えておられたのも印象的でした。今も大活躍されているご様子で、私もがんばらねばと思います Microfoundations of Evolutionary Economics という最近の本は先生のお仕事の集大成の共著だそうでドラフト版の一部は先生のホームページに公開されています。http://www.shiozawa.net/chosho/index.html
2022/7/28 昨日はLシステムの本の紹介をしました。植物の形態をうまく説明できるモデルとして有名なモデルです。MathematicaやPython, Javaなどで動かして試してみることができるのでネット検索してみてください。Mathematicaな以下のリンクなどをご覧ください。 https://resources.wolframcloud.com/FunctionRepository/resources/LSystem/生命科学のモデル、確かに面白いのですが注意しなくてはならないことがあると思います。ある生命現象をうまく記述できる場合には二通りがあると思うのです。一つはその生命現象を支配している分子メカニズム、あるいは物理メカニズムを的確にとらえているので現象の時間的発展(時間スケールをふくめて)を記述できるのみならず、それに対する外部からの搖動にシステムがどう応答するかも予測できるという理論です。これは真に有効な理論です。もう一つは、生命現象をパラメータの調節でうまく記述できるのですが、予測力がないものです。これはたとえて言うと、生命現象を数学の言葉で描写しているだけというものです。生命現象をフランス語で記述しているのがAさんのモデルで、Bさんは英語で記述しているというようなものです。微分方程式を使ってモデルを作っている人の中には、生命現象を微分方程式のパラメータ合わせで記述している(持ち合わせている自分の言葉で生命現象を記述している)だけという人がいるのではないでしょうか。そういうモデルは現象を数学の言葉で描写しているだけですから、類似の現象はうまく記述できますが、予測力はない。そしてそのモデルは、その生命現象を支配している分子メカニズム、物理メカニズムを明らかにするには無力だというものです。生命科学のモデルを作る人は、そういうわなにかからないように注意しなくてはいけないと思っています。
2022/7/27 植物の形態形成を中心に形態形成の数理モデルを研究しているグループを紹介します。こちらはカナダのカルガリー大学のPrzemyslaw Prusinkiewicz教授のグループのホームページです。 http://algorithmicbotany.org/virtual_laboratory/ 教授の主要著書の2冊(どちらもSpringerから出版されています)が無料でダウンロードできます。詳しくはホームをご覧ください。 The Algorithmic Beauty of Plants http://algorithmicbotany.org/papers/#abop 高解像度版をダウンロードしてお読みください。私は原書をもっています。また、上の本の中で使われているL-systemやフラクタルについての本もあります。 Lindenmayer Systems, Fractals, and Plantsという本で無料でダウンロードできます。 http://algorithmicbotany.org/papers/#lsfp Fractals: Introduction, basics, and applicationsという講義のノートがもとになってできた本だそうです。また、ホームページには学位論文(修士や博士の学位論文)もダウンロードできるようになっています。 http://algorithmicbotany.org/papers/#theses 海外の学位論文は、日本の学位論文にくらべてきわめて詳細で、わかりやすく、基礎知識も丁寧に記述されています。私も糖鎖関係の海外の大学の博士の学位論文をときどき読みますが、大変役立ちますので皆さんも是非関連分野の海外のPhD Thesisを入手して読んでみてください。 こちらの研究室のものでは修士の学位論文のこれはいかがでしょう。 Modelling Natural Phenomenon with Reaction-Diffusion http://algorithmicbotany.org/papers/ringham.th2020.html Turingの反応拡散方程式について詳しく書かれていて面白そうです。テントウムシやヘビの模様、花の花弁の模様や自己免疫疾患の乾癬(かんせん)のモデルなどが載っています。 
2022/7/26 これは全く知らなかったのですが、円周率はすでに100兆桁まで計算されているのですね。この仕事はGoogle Cloudの開発者で、Google Cloudで2019年に円周率 31 兆 4000 億桁という当時の世界記録を樹立した岩尾エマハルカさん(この2019年の仕事で女性として史上3人目の円周率計算の世界記録保持者になったそうです)の主導で行われた業績です。岩尾さんについては、去年のNHKの記事にある対談をご覧ください。 https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/senpai/senpai75/100兆桁の計算については、岩尾さんが書かれた2本の記事(いずれも日本語)がわかりやすいです。 https://japan.googleblog.com/2022/06/new-digit-pi-2022.htmlhttps://cloud.google.com/blog/ja/products/compute/calculating-100-trillion-digits-of-pi-on-google-cloud 詳しくはホームの記事をご覧ください。全桁の結果は、こちらのデモサイトでみられるそうです。計算結果を全部ダウンロードできるほか、円周率の音楽なども聞くことができますのでご覧ください。 https://pi.delivery/また岩尾さんの2019年の円周率計算結果をもとに、 偉大なコンピュータ科学者Don Knuth スタンフォード大学名誉教授が講演した Stanford Lecture: Don Knuth – “Pi and The Art of Computer Programming” (2019) もご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=3DKo219ZHMw&t=356s 超越数である円周率Piの配列の中に、宇宙の創造者のメッセージがはいっているというカール・セーガンのSF 「コンタクト」の最終章をまた読みたくなってきました。この本のなかでセーガンがワームホールで宇宙旅行するというアイデアをキップソーン(Kip Stephen Thorne)から教えてもらったというのは有名な話です。ソーンは映画インターステラ―の監修もつとめていてSFに強い物理学者だと思っていましたが、2017年のノーベル賞物理学賞を授賞しましたね。 https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2017/thorne/biographical/

2022/7/25 ときどきSFを紹介しています。Kindle unlimitedでカタログをみているとき、小松左京の「日本沈没」が入っているのをみつけました。いままでテレビドラマや映画はみたことがあるのですが、原作は一回も読んだことがなかったのです。たしか原作では、日本が沈没するメカニズムにトンネル効果のようなものを想定していると聞いたことがありました。このKindle本は検索できるものだったので、さっそく「トンネル」で検索してみました。山をくりぬいたトンネルもいくつもヒットしましたが、たしかにトンネル効果という言葉もヒットしました。日本沈没のメカニズムが書かれている部分があるんですね。面白そうなので読んでみようと思います。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/1692042600000000000QあとKindle unlimitedには山本弘さんの「プロジェクトぴあの」も入っています。これもおすすめの作品です。私は紙の本を昔買ってもっています。アイドルをやっている女の子が世界的な大発明をする話です。これって朝ドラに最適の話だと思いますが、どうでしょう。未読のかたは読んでみてください。山本弘さんの多くのSFの中で、最高傑作であると思います。https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-82026-2 文庫化もされています。
2022/7/24 電子ブックをよく読むようになりました。紙の本は割引販売がないですが、電子書籍はセールがあると割引価格で買えるのがいいですね。下に載せたサイトはKindleにかぎらず電子書籍の割引セールの最新情報が頻繁に更新されて集められているのでおすすめします。パソコンソフトを調べるのに昔からお世話になっている、窓の杜のサイトです。 https://forest.watch.impress.co.jp/category/book/index.html いまなら198円で講談社からでている 「Google英文ライティング 英語がどんどん書けるようになる本 Kindle版 遠田和子 (著) 」が買えたりします。こちらはKindle unlimitedでは無料で読めます。そのほか、園芸の本もいろいろ198円で売っています。この本のリンクを調べていたら他にもこんなKindleセールのサイトを見つけました。これもよさそうです。 https://premium.gamepedia.jp/kindle/
2022/7/23 科学の動画サイトはいろいろありますが、このブログでは時々 Royal Institution(英国王立研究所)のYouTube チャンネルの紹介をしています。これは面白いチャンネルです。是非定期的に視聴されることをおすすめします。聞き取りにくい時はChromeやBraveブラウザの機能拡張 Language Reactorをオンにして視聴するとよいでしょう(詳しくは固定ページの記事を末尾にペーストしておきますのでご覧ください)。https://www.youtube.com/c/TheRoyalInstitution/video 今日は、この動画リストから面白そうな動画を二本紹介します。ウイルスは生きているか? Carl Zimmerはアメリカのサイエンスライターでhttps://carlzimmer.com/ A Planet of Viruses: Third Edition(2021年発行) や進化についての本(「進化 生命のたどる道」岩波書店)などは有名です。動画はこちらです。 https://www.youtube.com/watch?v=Tryg5UCp6fI

初心者のためのブラックホール入門 A Beginner’s Guide to Black Holes with Amélie Saintonge Amélie SaintongeさんはUniversity College London (UCL)のProfessor of Astrophysics in the Department of Physics & Astronomy の天文学の教授です。映画インターステラ―のブラックホールのスライドを見せながら、ブラックホールについてわかりやすく説明してくれます。動画はこちらです。 https://www.youtube.com/watch?v=dOGjpkv-fWw

Language Reactorについての記事再録はホームの本日の記事をご覧ください。

2022/7/22 学生のとき本屋でみかけた物理学の問題集(解答付)が個人送信資料にありました。 みすず書房で検索しているときにみつけたのでリンクを紹介しておきます。 これは英国ケンブリッジ大学の二年生の期末に行われる自然科学優等試験 Triposの第一部で出題された問題を元にして作成された、物理学を学ぶ人のための問題集です。 キャベンディッシュ研究所のスタッフが集めた問題からなっています。 東京都立大学と名古屋大学の先生が訳して解答をつけてくださった本で演習に役立つ本だと思います。 以下が国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料のリンクです。 キャベンディッシュ物理学 : トライポスの問題と解法 第1 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2422278 キャベンディッシュ物理学 : トライポスの問題と解法. 第2 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2422304 の二冊です。
2022/7/21 国立国会図書館のデジタルコレクションの個人送信資料からインフェルトという物理学者の本を紹介します。本登録するとこんな本も自由に読めるので是非登録してみてください。ホームに詳しく書いてありますのでご覧ください。以下はリンクのみおいておきます。インフェルトが書いた数学者エバリスト・ガロアの伝記「神々の愛でし人」も有名で、抄訳は以下にあります。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2938862 次の二冊はインフェルトの自叙伝で、アインシュタインとの共同研究についても詳しく書かれています。 真実の探究 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2995715 他にフエルミの伝記や湯川秀樹の自叙伝「旅人」も収録した多分抄訳版です。 完全版はこちらにあります。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1161777上の本の続きともいえる本がこちらです。 真実を求めて  https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1381568「物理学の革命」という本もあります。この原著は「アルバートアインシュタイン:その業績と世界へ及ぼした影響」というようなタイトルの本です。アインシュタインの思い出という付録つきです。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1376344 
2022/7/20 ホームのほうにエボデボとよくいわれる進化発生生物学の本の紹介と、良い講義とはなにかというようなことを書いていますのでご覧ください。紹介した本は以下の二冊です。倉谷滋先生の「新版動物進化形態学」http://www.utp.or.jp/book/b307379.html 同じく倉谷先生の講談社現代新書の「進化する形―進化発生学入門」https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000313636 この本は倉谷先生の本の中では一番読みやすい本だと思いますのでおすすめします。私は良い講義というのは、それを聴いた後、その講義で取り上げているテーマを自分で調べて理解できるようになるような講義だと思っています。この現代新書はそういう良い講義に相当する本だと思います。大学で岡田節人先生の講義を聴きましたが、先生の講義は良い講義でした。終わった後、その講義の要点はこれと、これだったと短く要約できる講義で、講義内容は忘れませんでしたし、自分で他の本を読むのにも役立ちました。これと正反対だったのは特別講義にこられた光合成の先生です。出版されたばかりのご自分の光合成の本の内容を、2日ほどで最初から最後までプリントを配りまくって講義されました。量が多すぎて結局、頭にはなにも残りませんでした。先生の本を買って持っていましたが、講義を聴いたあと、その本を読む気も失せました。倉谷先生の現代新書は岡田先生の講義のほうに近いので、是非手に取ってみてください。おすすめします。 Kindle版もあります。
2022/7/19 プログラミング言語Rのよい教材が公開されています。 https://comicalcommet.github.io/r-training-2022/ 名古屋大学理学研究科の石川 由希先生が公開してくださっている 「Rを用いたデータ解析の基礎と応用2022」というスライド形式のR入門教材です。ざっと拝見しましたが、これは初学者にとって最高の教材だと思います。まずRとRStudioのインストールの解説から始まり、なぜ再現可能な「研究実施手順の記録」が必要か、それにはどうするかという問題意識をもたせて、研究の再現可能性をどう実現していくかもわかるように構成してある優れた教材です。実習から生まれた教材だそうで、参加者からのフィートバックが反映されているので、ものすごくわかりやすい教材になっています。グラフの書き方や生データの整形、統計解析も詳しく解説されています。これ一つでデータ解析の入門としては必要十分だと思います。おすすめの教材です! 下のリンクにある、「進化学実習2022牧野研」の資料も参考になりますのでご覧ください。これは東北大学 生命科学研究科進化ゲノミクス分野 牧野研究室の 岩嵜 航先生による教材です。 https://heavywatal.github.io/slides/tohoku2022r/
2022/7/18 Decision Making Under Uncertainty についての教科書(Algorithms for Decision Making)が無料公開されています。詳しくはホームの記事をご覧ください。ここではリンクのみ下にあげておきます。 サイト https://algorithmsbook.com/のDownloadをクリックして開くページで、最初の文”The full book is available as a PDF.”のPDFの部分にリンクがありますので右クリックでsave asをするか、クリックしてブラウザでpdfを開いて表示してこの教科書を保存することができます。興味のある方はご覧ください。スタンフォード大学ではこの本を教科書にした講義も公開するようですのでチェックしてみてください。https://web.stanford.edu/class/aa228/cgi-bin/wp/
2022/7/17 リンドバーグ第二次大戦日記(上、下)の(上)がKindle unlimitedに入っていたので読みました。去年会員だった時には(下)のほうが読めて(上)は読めませんでした。この(下)ですがリンドバーグが第二次大戦中、太平洋戦線を回っていた時の日記があって去年読んで衝撃を受けました。アメリカ軍が、ナチスのユダヤ人に対して行った戦争犯罪と同じ戦争犯罪を、日本人に対しておこなっているという意味の言葉に驚きました。詳しくはホームの記事をご覧ください。Internet Archiveで検索するとBooks to Borrowの中に原書がありました。 https://archive.org/details/wartimejournalso0000lind The wartime journals of Charles A. Lindberghというタイトルです。 さっそくInternet Archiveで貸出手続きをして本を表示し、japという日本人の蔑称で検索してみました。するといろいろ日本兵についての記事がでてきて、翻訳どおりの記述もみつかりました。戦争とはいえ、従軍して投降したのに殺された日本兵が多数いたということで、ご家族の皆さんの無念を思います。一方、先日紹介していた松本亨先生が書かれた自伝 「続英語と私」には、 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2489884 硫黄島の激戦で負傷した兵隊に対して、松本先生が米国でなさった講演の後、「日本兵は白旗をかかげて来ながら、救いに行ったら俺に向かって銃を放ったのはどうゆう訳か」と松本先生に聞いてきた(続・英語と私、147ページ)という話ものっていました。こういう相互の憎しみを生み出す出来事が、どうしたら二度とおきないようにできるのでしょうか。ただ嘆いたり、こんなことが二度と起きないようにすべきだと思います、などと言うだけではだめなことは歴史が証明しています。プラカードをもって反戦平和を唱えても戦争は今も起こっています。具体的にどういう方策を実施するのが有効なのかを、真剣に議論すべきだと思います。
2022/7/16 エッセイで「わが師・わが友」という本があります。第一と第二が発行されていてどちらも有名な科学者の随筆です。 詳しい内容目次はホームをご覧ください。 わが師わが友 1 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2421413 わが師・わが友 2 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371042
2022/7/15 今朝は博多祇園山笠2022のフィナーレ、追い山笠(追い山)が雨の中 3年ぶりに開催されました。コロナで二回実施できなかったので久しぶりの追い山笠です。地デジの中継で見ました。下のビデオはRKB放送の期間限定配信動画です。

https://youtu.be/b9Q7Nj6RdZY

https://youtu.be/b9Q7Nj6RdZY 動画をみてもらえば、こんな感じのお祭りということがわかると思います。 博多祇園山笠はユネスコ無形文化遺産です。https://www.hakatayamakasa.com/ この動画の最期の方にでてくる千代流(ちよながれ)は、 https://www.hakata-yamakasa.net/yamakasamap/category/chiyo-nagare/ 私のいた九州大学医学部キャンパスに近いところの町内がかつぐので、いつも応援しています。今年は7番目に櫛田神社入りしたのですが、5キロほどの行程の完走タイムは3年前のコロナ以前のタイムを大幅に更新し、さらに今回はトップと19秒差の堂々2位だったので大喜びです。千代流の舁き山笠(ひきやまがさ)は期間中に私の子供たちの通っていた高校の運動場にもはいってくれるのです。また身をきよめる真砂をとりにいって沈む夕日に柏手を打って安全を祈願する7月9日 の「全流お汐井とり」(ぜんながれ おしおいとり)の時には、午後6時から7時過ぎにかけて九大医学部の塀の外を「おいさおいさ」のかけごえをかけながら筥崎宮(はこざきぐう)の浜辺(箱崎浜)まで子供たちを含めて、提灯を先頭に行進するのを毎年みかけたものでした。 https://www.hakata-yamakasa.net/word/oshioitori/ マスクのいらない山笠が来年は実施されることでしょうね。

2022/7/14 さきほどネット検索をしている途中で偶然見つけた、とても役立つサイトを紹介します。 国立国会図書館デジタルライブラリにはいろんな本がありますが、古い本は旧仮名遣いなどで読み難いです。こちらのサイトでは、そんな本を現代仮名遣いに直してアップロードされています。ていねいな著作権処理の説明もありますのでおすすめです。 https://linesegment.web.fc2.com/ 有名な高木 貞治の著作、「数の概念」、「初等整数論講義」、「増訂解析概論」、「代数的整数論」、「代数学講義改訂新版」などがあるほか、物理学の本などもあります。 またネットで読める数学の書籍 https://linesegment.web.fc2.com/books/onlinefree/Mathematics_books.html や物理学の書籍 https://linesegment.web.fc2.com/books/onlinefree/Physics_books.html IT情報学の書籍 https://linesegment.web.fc2.com/books/onlinefree/Infomatics_books.html などのリンク集もあります。これらは最新版の現代の書籍です。このブログで紹介した田崎先生の物理数学の教科書へのリンクなどものっています。https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/mathbook/ その他の興味深いリンクも満載ですのでご覧になることをお勧めします。
2022/7/13 皆さん今晩は。昨日紹介したJames Webb Space Telescopeのライブ配信の録画がこちらにあります。

https://youtu.be/nmMRMIE3MGw 昨日公開された新しい写真はこちらでみることができます。 https://webbtelescope.org/news/first-images/gallery 高画質で写真をダウンロードすることもできるので壁紙などにして楽しめますね。私は早速iPhoneの壁紙にしました。昨日紹介した地球から46億光年ほど離れている銀河団の写真をダウンロードしてトリミングした写真をのせておきます。46億光年離れた銀河の光というのは、地球ができたころに発せられた光ということになりますね。 渦巻き銀河とか、ジェットがでているように見える銀河も写っているようです。重力レンズで歪んだ銀河の映像も見事ですね。高解像度の画像で結構長時間遊べます。Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI

2022/7/12 さっき息子からJames Webb Space  Telescopeの凄い写真が公開されているのを教えてもらいました。James Webb 宇宙望遠鏡はラグランジュ点に設置されている宇宙望遠鏡ですが、調整がおわって最初の公開画像が発表されたそうです。この宇宙望遠鏡の主力カメラであるNear Infrared Camera (NIRCam) は近赤外光(0.6から5 μmの間の波長)で観測するカメラです。最初の一枚になったのはSMACS 0723という銀河団を観測した画像(赤外線で6種類の波長で12.5時間かけて撮影された画像を重ねて疑似カラーをつけたものだそうです)です。

https://www.nasa.gov/image-feature/goddard/2022/nasa-s-webb-delivers-deepest-infrared-image-of-universe-yet これは46億光年以上の距離にある銀河団の写真で、何千もの銀河が写っています。歪んでいる銀河も写っていますが、これはこの銀河団の物凄い質量による重力レンズ効果による歪みです。

こちらにはHubble望遠鏡で撮った写真と、今回の望遠鏡で同じ場所を撮った写真を比べていますのでご覧ください。 https://sorae.info/astronomy/20220712-jwst-smacs0723-73.html 今夜11時半からさらに新しい写真が公開されるそうです。公開された写真はこちらにアップロードされるそうです。楽しみです。 https://webbtelescope.org/news/first-images Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI NASA – NASA’s Webb Delivers Deepest Infrared Image of Universe Yet ESA – Webb Delivers Deepest Infrared Image of Universe Yet In Special Briefing STScI – NASA’s Webb Produces the Most Detailed Image of the Early Universe to Date  

2022/7/11 ガモフはビッグバンの名残である宇宙背景放射の存在を予想をした物理学者で、α崩壊の原因がトンネル効果によることを明らかにした研究で有名です。生物学にも興味をもっていて遺伝暗号の解読 (コドンの概念の提唱にかかわる先駆的研究)にも携わっていた人です。ガモフ全集はガモフの著作を集めたもので私も「不思議の国のトムキンス」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371299とか、「1,2,3、無限大」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371304、「物理の伝記」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371658などを持っています。これらの本を読んで物理学を専攻したという人も多いようです。ガモフ全集は、国立国会図書館の個人送信資料に全巻入っているので無料で読むことができます。前に紹介した「重力の話」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9583303や、「現代の物理学 : 量子論物語」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2429599という本も無料で読めます。「トムキンス氏最後の冒険」https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1383323には、筋肉の浜という章があって、セントジェルジをモデルにした聖者がトムキンス氏に筋肉のアクチン・ミオシンによる収縮の解説をするシーンがあります。ガモフはセントジェルジとも知り合いだったようですね。個人送信資料の検索ページで「ガモフ」で検索して「図書」を選ぶと一覧表示されるのでいろいろ眺めて好きな本を読むといいと思います。
2022/7/10 時々、機械学習や深層学習の本を紹介しています。 今日は機械学習に必要な数学を学べる英語の本が無料公開されていたので紹介します。Mathematics for Machine LearningというCambridge University Pressから出た本(2020年4月刊)のpdf版です。ケンブリッジ大学出版会のページはこちらです。 https://www.cambridge.org/jp/academic/subjects/computer-science/pattern-recognition-and-machine-learning/mathematics-machine-learning?format=PB 下のほうに書評もでていて、しっかり機械学習の数学を学ぶにはよさそうです。著者の序文によると高校数学と物理がわかっていれば読めるということです。こちらに著者のホームページがあり、https://mml-book.com Table of Contentsの下のほうにあるDownloadsのところにPDF of the bookというリンクがあります。これが最新版へのリンクです。クリックしてダウンロードしてみてください。紙の本も売っているのですが高いです。無料版のpdfを読みながら、上に紹介したホームページにある練習問題やJupyter notebookを利用しながら学べます。興味のある方は序文や目次をのぞいてみてください。
2022/7/9 昨日、安倍元首相が暗殺されました。私の子供のころ、ケネディ大統領が暗殺されたのを思い出します。大統領が暗殺された日、日本のテレビで初の宇宙中継があるというので早起きして家族みんなでテレビの前に集まって開始を待っていました。宇宙中継というのは人工衛星経由の生中継のことで、その日が日本で最初の宇宙中継だったのです。ケネディ大統領の演説が生できけるということで皆楽しみにしていました。するとケネディ大統領が暗殺されたという驚きの放送が始まり、皆でびっくりしたのを覚えています。ケネディ大統領は、キューバ危機による核戦争を防いだ大統領というので日本でも世界でも人気の大統領でした。キューバ危機の時は、学校から帰ってくると大人たちが家の前で集まって、新聞をみんなで読んでいたのを思い出します。核戦争になるかもしれないとみんな心配していました。それを防いだ人気の大統領が暗殺され、その後、弟さんのロバート・ケネディも暗殺されました。キング牧師の暗殺とかもあって、当時のアメリカは恐ろしい国だと思いました。そういう暗殺事件が昨日 日本でおこったのは本当になさけないことです。ご家族、関係者の皆さんにお悔やみ申し上げます。昨日は大学院レベルの本の紹介でしたが、今日は高校生、中学生レベルから読める本を一冊紹介します。これは翻訳が国立国会図書館のデジタルライブラリ―にあって、個人送信資料で読むことができます。「自然の驚異 : 星の進化から生命の発生まで」(藤岡由夫訳河出書房)という本で、オーストリア出身でアメリカにわたった物理学者ワイスコップ教授が書いたやさしい啓蒙書です。エジソン賞という本の賞を授賞したと帯にありました。これは太陽系や星までの距離をどうやって測るかという話からはじめて、銀河系におよび、原子や量子の話から化学や生命、進化いたるという本です。とてもわかりやすく書かれており、是非復刊してみんなに読んで欲しい (私は持っています)と思っていた本です。表紙と口絵の一枚を、個人送信資料のページからスクショして貼り付けておきます。口絵には水素原子の電子雲の写真がのっていて、私はこの本ではじめて電子雲を知ってわくわくしました。ワイスコップ教授はハイゼンベルグやニールス ボーアのところで学んだ物理学者で、アメリカでは原子爆弾開発で重要な役割をはたしていたそうです。個人送信資料にはこの本の初版の翻訳があるのですが、https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1382016 この本は改訂版がでています。日本語訳はありませんが、Internet Archiveでは英語で書かれたが貸出できます。https://archive.org/details/knowledgewonder0000unse 原書のタイトルは Knowledge and wonder; the natural world as man knows itで、 Victor Frederick Weisskopfが著者です。あと日本語版のあとがきに訳者の藤岡先生が書かれていますが、藤岡先生が翻訳されたニールスボーアの伝記(ニールス・ボーア : 世界を変えた科学者 ルース・ムーア 著)があって、ハイゼンベルグの日本語版への序文つきで出版されています。これも個人送信資料で読めますのでご覧くださ。藤岡先生もハイゼンベルグやボーアと親交のあった先生です。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2983497 
2022/7/8 今日はInternet Archiveから本を一冊を紹介します。 Internet Archiveにアカウントをもっている人は簡単に一時間貸出で読むことができます(アカウントは無料で取得できます)。ただ貸出は普通の図書館と同じで、一冊の本を複数の人が同時に借りることはできません。ですから、貸出できないこともあると思います。そういう時は時間をおいてから貸出するとよいでしょう。 以下は私の貸し出しの例を紹介します。手元に有名な物理学者だった渡辺慧先生の「知識と推測―科学的認識論―(村上陽一郎、丹治信春 訳で全4巻)」の第一巻があります。残りの本を買おうか買うまいかと迷っているうちに、もう古書でしか入手できなくなっていました。私の持っている本は、四分冊で一冊1500円でしたが、古書は上下二巻の新装版で一冊11000円、合計22000円の値段がついています。渡辺先生はハワイ大学教授だったのでこの翻訳本の原書は 英語で出版されています。Knowing and guessing; a quantitative study of inference and informationという本です。Internet Archiveで検索してみるとBooks to Borrowになっていて、ネットで借りることができるのがわかりました。 https://archive.org/details/knowingguessingq0000wata/page/n9/mode/2up上は貸出して本を開いたところです。全画面表示でみています。これなら無料で読めるので、内容を知らずにやみくもに日本語訳の古本を注文する前に一度読んでみることができます。さっそく借りて残りの部分をみてみましたが、結構難しい本だとわかりました。目次はこんな感じです。この本は情報理論と推測、量子論理などをあつかっています。翻訳本は大学図書館などにあるかもしれませんので、英語の本をみて読みたいかたは、借りてみるとよいでしょう。明日はもう少しやさしい本を紹介します。
2022/7/7 今日は七夕ですね。ホームのほうに、岡田節人先生の思い出を書きました。ほんとうに先生らしい先生の思い出です。
2022/7/6 今日も個人送信資料の紹介です。 検索キーワードをいろいろ変えて探すと面白い本がみつかります。たとえばアガサ クリスティで検索するとABC殺人事件とか、スタイルズ荘の怪事件などポアロものの推理小説がみつかります。コナンドイルで検索するとシャーロックホームズの本が読めます。エラリークイーンとか、H.G. ウエルズとかいろいろ探してみてください。あるいは、著作集で検索すると、カント著作集、バートランドラッセル著作集、ヒルティ著作集(幸福論とかも読めます)がみつかります。全集で検索すると、寺田寅彦全集とかが見つかります。また漱石全集で検索すると1937年版の漱石全集が読めます。科学史関係で珍しいところではカントの星雲説の著作も読めることをみつけました。 「カント・宇宙論 : 天界の一般自然史と理論」という本です。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1371098 カントがニュートン力学を元に太陽系と惑星の起源を論じたもので、カント・ラプラスの星雲説という名前で有名な説を世界ではじめて提唱した本です。多分 カント31歳の時の出版だったと思います。カントが物理学を駆使できるほどの実力を備えていたのが驚きですね。この本の解説はこのあたりをご覧ください。https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/1971/21/1971_21_172/_pdf/-char/jaあと、化学の歴史の本でおすすめはこちらです。化学史伝という本です。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1382626
2022/7/5 国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信資料で読める本を紹介しています。 結構 少年少女向けの科学の本が含まれています。私の子供が小さかった頃、図書館に少年少女科学名著全集というのがあったので借りてきては読ませていたことがありました。その一巻に「宇宙をつくるものアトム」 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1655694という本があって、それにはルクレチウスの本が子供むけに翻訳されておさめられていました。もう一度読みたいとおもって借りに行ったのですがなんと除籍されていてもう図書館にありませんでした。それが個人送信資料ではよめるのを見つけてうれしかったです。この少年少女科学名著全集の編者は仮説実験授業で有名な板倉聖宣先生たちです。翻訳(抄訳の編集)は綴り方運動で有名な国分一太郎先生です。ルクレチウスの本は詩ですので詩を書ける人にお願いして訳してもらったということです。あとがきには、全訳は岩田義一先生による翻訳を推薦すると書いてありました。岩田義一先生は以前の記事で紹介しましたが、仁科記念賞を1964年に受賞している優秀な物理学者です。ノーベル賞を授賞した南部陽一郎の先生でもあるそうです。ルクレチウスを原語でよむためにラテン語を学ばれたそうです。岩田先生の翻訳書には、岩田先生が訳してギリシャ・ローマの古典が専門の田中美知太郎先生が校訂したと書いてあるそうです。https://clsoc.jp/agora/newbooks/2020/200909.html この少年少女科学名著全集にはほかにもいろいろ面白い本が訳されています。ロウソクの化学とか、ガリレオの星界の報告、ファーブル昆虫記とかもあります。こちらから探してみてください。
2022/7/4 タンパク質の立体構造を原子レベルで明らかにするcryo-EMの動画があります。英国ケンブリッジのMRC LMBのグループリーダーの一人Dr Sjors Scheresが英国王立協会のレーウェンフック講演賞 Leeuwenhoek Lecture award (微生物学の顕著な業績に送られる賞)をもらって、受賞講演をした動画がRoyal SocietyのYouTubeチャンネルに公開されています。この方はcryo-EMという電子顕微鏡の手法でタンパク質の立体構造を原子レベルであきらかにする手法やソフトウエア(RELION)を開発して、多くの重要なタンパク質の三次元構造を決定している研究者です。とてもわかりやすくタンパク質の立体構造を電子顕微鏡と画像解析で明らかにする方法を説明しているので、是非時間があるときにご覧ください。以前紹介したChromeの機能拡張Language Reactorでご覧になるのも良いと思います。

https://youtu.be/e-jLTGFkp-o こちらも参考になります。MRC LMBの技術支援室の講習会動画です。

https://youtu.be/_EtqexCTOcs

2022/7/3 2022/1/24の記事の追加です。今日は初めてヒグラシが鳴いているのを聞きました。夏まっさかりです。 以前九大図書館でオーケストラの指揮者をめざす女子高生に「論理力」がもたらした奇跡(永野裕之 著、実務教育出版)を読みました。聖書に次ぐベストセラーとして有名なユークリッドの原論へのよい入門書だと思いました。「なぜ、世界のエリートは 古代ギリシャの数学書『ユークリッド原論』を読んでいるのか?」という宣伝文句が目立つ本です。Kindle版もあって安いので、論理に興味がある方におすすめです。あと10日ほどはKindle版は880円のセール(通常の半額)になっています(2022/7/13まで)。ユークリッドの原論 (Euclid’s Elements)を英文で読んでみたい人には、物理学者であるRichard Fitzpatrick教授によるこちらの無料本がおすすめです。ギリシャ語と英文の対訳になっています。教授は流体力学や量子力学、天体物理学などの多くの本を書いておられるようですが、同じく無料本でプトレマイオスのアルマゲストを現代的に書き直した本A Modern Almagestも無料でダウンロード可能です。国立国会図書館に本登録がすんでいて個人送信資料が読める人はアルマゲストの日本語訳も読むことができます。こちらにリンクをペーストしておきますのでご覧ください。  アルマゲスト上巻(薮内清訳)恒星社厚生閣  アルマゲスト下巻(薮内清訳)恒星社厚生閣
2022/7/2 Windows11でlinuxのGUIアプリを動かせるようになったようです! これは朗報ですね。今まではWindows10などのwindows subsystem for linux (WSLと略します)でコマンドラインのubuntuなどいろんなLinuxを使えたのですが、とうとうGU I(グラフィカルユーザーインターフェイス)が簡単に使えるようになったようです。Microsoft社による解説は以下にあります。https://github.com/MicrosoftDocs/wsl/blob/main/WSL/tutorials/gui-apps.md検索キーワード  ”windows11 linux gui”」でGoogle検索すると以下のページがヒットします。「Linux 用 Windows サブシステムで Linux GUI アプリを実行する https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/tutorials/gui-apps これは日本語の記事ですが、あきらかに英文を機械翻訳しています。いつもながら、マイクロソフトの機械翻訳による意味不明な日本語を読むのはイライラします。元記事がどこにあるのかも日本語記事からはすぐにはわからないのもどうしようもない仕様です。英語の元の記事を読む方がいいと思います。英語の元記事は下の画像の右上にあるシャープ#をまるで囲んだマーク(地球のつもりだと思います)をクリックすると開きます。
2022/7/1 以下はホームの記事からリンクを中心に抜き出したものです。詳しくはホームの記事をご覧ください。今日はKindle本のなかから美術関係の小説でおすすめの一冊を紹介します。原田マハさんがゴッホについて書かれた小説 「たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫) 」Kindle版 です。今月の13日までは割引セールの対象品になっていて、393円で購入できます。文庫本は825円ですから半額以下で買えますのでAmazonのサイトでKindle版をチェックしてみてください。またAmazon prime videoをみていると、ゴッホについてのイギリスBBCのドキュメンタリー「ゴッホ真実の手紙」(2010年)という作品をみつけました。これも面白そうですので紹介しておきます。