キンランの花をみつけました。
近所を散歩していると、公園の斜面にキンラン(金蘭)が咲いていました。絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト) に指定されている植物で、黄色い小さな花をつけていました。この斜面は金蘭の自生地として立ち入り禁止になっていて、さらにその中の特定の場所は四角にロープが張ってあって保護されています。今年はその四角の中に2株が花をつけており、写真の花はもう一つの四角エリアの外に咲いていました。きれいですね。毎年4-5月に咲くとのことです。キンランは、地中の、菌根菌(菌類です。fungi)と共生するそうで、株を掘り出して家にもちかえっても長く生かすことはできないし、繁殖させることももちろん不可能だそうです。生育条件がよくわからないので、この花の種子だけを保存しても、花を再生することはできないことになります。
町がたてたキンランの自生地の看板には、天皇陛下御歌が書いてありました。
「語りつつあしたの苑(その)を歩み行けば林の中にきんらんの咲く」(平成30年1月12日「歌会始の儀」)
共生といえば、人間も腸内細菌と深くかかわりあい、相互作用しながら生きていますが、この花も地中の菌類の生命活動とともに繁殖しているわけです。生物が相互作用しながら生きていることを教えてくれる花ですね。
余談ですが、人間の腸内細菌といえば、ヨーグルトの乳酸菌もいろいろありますね。もともとは人間の腸由来の乳酸菌を使っているので、ヨーグルトを食べる人の腸細胞表面の糖鎖配列の違い、たとえば血液型の違い(ABO式血液型は糖鎖配列の違いの一例です)によって定着しやすい乳酸菌とそうでないものがあるそうです。つまりヨーグルトの乳酸菌をもっていた人の腸細胞表面の糖鎖配列と同じ糖鎖をもっている人の腸には、より乳酸菌が定着しやすいはずだというわけです。市販のヨーグルトをたべてみて、自分にあうと思う製品は、ひょっとしたらその人の血液型にあった乳酸菌を使ったヨーグルトなのかもしれません。