年末は福岡市で分子生物学会、生化学会が開催され私達の研究室メンバーの発表がつづきました。分子生物学会はiPad貸し出しなんかもあって、iPadで要旨やポスター発表のチェックなどができたほか、発表に「いいね」がつけられるなど画期的な改革で開催されました。生化学会もiPadで要旨がみられるようなアプリができていて面白かったです。村田大輔君の博士論文を中心としたGPI anchor型タンパク質についての研究発表を生化学会でしたのですが、質問に立たれた先生に思いがけず私達の研究を大変ほめて頂きました。古細菌からヒトにいたるまでGPI anchor型タンパク質は存在しており、質問者の先生は古細菌にもGPI anchor型タンパク質があることを示したのだが、なんで生物みんながGPI anchor型タンパク質をもっているのかはわからなかった。先生達の研究でそれがはじめてわかったのでとてもよかったといっていただきました。
質問というよりコメントをいただいたこの先生は私達がGPI anchor型タンパク質を研究するときに勉強していた論文や総説の著者の先生で、日本のGPI anchor型タンパク質の研究の開拓者、私達の研究で利用しているphosphatidyl inositol 特異的phospholipase CというGPI anchor型タンパク質からGPI anchor部分を切断する酵素の発見者、池澤宏郎先生でした。大先生からとてもありがたいお言葉をちょうだいして、よい新年がすごせました。ありがとうございました。
生化学ということで、今回は糖鎖生物学の基礎を簡明に説明した、カリフォルニア大学バークレー分校のBertozzi先生の講演のムービーを紹介しておきます。YouTubeで字幕付きでみられますので是非ご覧下さい。わかりやすいクリアな英語でききとりやすいです。糖鎖生物学がインフルエンザの治療や炎症の治療に役立つことがよくわかりますよ。糖鎖生物学に興味を持った方は、このブログの糖鎖生物学入門の固定ページもご覧ください。