- 昨日は即位礼正殿の儀ということで、お雛様のような美しいいでたちの皇族の方々をテレビで拝見しておりました。さて、この秋、ノーベル化学賞が吉野彰さんに授与されましたが、吉野さんは化学の道へ、マイケル・ファラデーの「ロウソクの科学」を読むことでいざなわれたのだそうです。前にノーベル賞を授賞された大隅先生もそのようにおっしゃっていたと思います。というわけで、今「ロウソクの科学」が飛ぶように売れているそうです。英語でよければここにあります(前に紹介したファラデー著作集のサイトです)ので、pdfやepubなどお好きな形式でダウンロードして、タブレットなどで辞書をひきながら読めば簡単に読めると思います。またこちらの本には、「ロウソクの科学」と「力と物質」が収録されています。また女性が英語で朗読しているので良ければ「ロウソクの科学」のオーディオブックがここにあります。 mp3やM4B形式(M4B形式はAppleのiTuneで再生できる形式です)でダウンロードできます。私が普段使っているメディアプレーヤーのMPC-BEでもM4B形式は再生できます。
また、この「ロウソクの科学」のオーディオブックは、YouTubeにもあります。
「ロウソクの科学」は理化学研究所の企画 科学道100冊にも選ばれています。科学道ジュニアというジュニア向けの科学の推薦図書一覧もあって、そちらにも選ばれて入っています。科学道に選ばれている本にはこのブログで紹介したものもあって、どれも面白そうですのでこれからの読書計画の参考に是非ご覧ください。
最後にFaradayの有名な言葉を紹介しておきます。下の写真は英国ロンドンにあるファラデー博物館(The Faraday Museum)で昔私が撮影した彼の実験ノートの一部の拡大写真です。
“All this is a dream. Still, examine it by a few experiments.
Nothing is too wonderful to be true, if it be consistent with the
laws of nature and in such things as these, experiment is the
best test of such consistency.”と書いてあります。Faraday 博物館の写真の説明文は以下のようでした。
This note was made by Faraday on 19th March 1849, when set out
in search of a connection between gravity and electricity and magnetism
–the final link in the unity of natural forces in which he so firmly believed.
ファラデーは、現代の物理学で使われている場の概念を初めて導入した現代物理学の創始者です(以前紹介した「物理学を変えた二人の男―ファラデー,マクスウェル,場の発見(岩波書店)」がとても面白い本ですので是非お読みください)。人類の歴史の中で最高の実験家といえるでしょう。彼の直観した場の概念を、数学の言葉で実体化したマックスウエルとともに、現代の場の理論がこの二人のおかげで誕生したのです。彼は前にも書いたのですが、当時知られていた重力、電気力、磁力の三つの力を統一しようと実験を行っていました。統一場の理論の先駆者ですね。