ファインマンより前に量子コンピュータについて議論したソ連の著名な数学者の話です。

ノーベル賞を受賞したファインマンが量子コンピュータについてカリフォルニア工科大学で講義したのが1982年、しかしなんと1980年にでた本で、全く違う角度から量子コンピュータを提唱していた数学者がいたそうです。ソビエト連邦の世界的に有名な数学者Yuri Maninがその人で、量子生物学の新しい流れを創始した数理物理学者でもあるそうです。Steven Strogatz先生がリツイートしていた以下のツイートをご覧ください。ツイートの「さらに表示」をクリックしてツイートの全文を読むと、量子生物学の新しい流れがこの人から始まったというのがよくわかります。


この本はロシア語ででていて、ダウンロード可能です。
Wayback machineのリンクは以下です。クリックするとzipファイルのダウンロードがいきなり始まるので注意してください。ダウンロードしたzipファイルを解凍するとロシア語のdjvu型式の本があらわれます。LLMで読んでもらうことができそうです。
https://web.archive.org/web/20130510173823/http://publ.lib.ru/ARCHIVES/M/MANIN_Yuriy_Ivanovich/Manin_Yu.I._Vychislimoe_i_nevychislimoe.%281980%29.%5Bdjv%5D.zip
しかし、著者本人によるこの本についての入門用解説が含まれている本がでているのでそちらをまず読むとよいです。幸い翻訳が2024年にでているので、日本語で読めるのはありがたいですね。

『マニン 数学・物理論集 隠喩としての数学 (朝倉書店)』
https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=11162
このブログでも紹介したことがあるスタンフォード大学の時枝先生の推薦の言葉を、朝倉書店のサイトから引用しておきます。この本にはなんとフリーマン・ダイソンの序文がついています。
【推薦のことば】
現代にもいた「自然哲学者」—その意表を突くアイデア多彩な随筆集
時枝 正(スタンフォード大学教授)
「ユーリ・イヴァノヴィチ・マニンは20世紀後半数学の運命をゆさぶった一人—古めかしい言い回しを使えば現代の最も豊穣な「自然哲学者」であった.業績は純粋数学の数論や代数幾何から物理の場の量子論にわたり,量子コンピューターの構想は彼を嚆矢とする.著書10余,論文200超,諸国の科学アカデミー会員(オランダ,バチカン,ドイツ,フランス,…).独創的な評論,随筆も多く,本集の読者はその代表作を享受できる訳だ.」(本書所収 時枝正「跋」より)