『中国思想の基礎知識』(湯浅邦弘 著)はとても良い本なのでおすすめします。

面白い本を見つけたので紹介します。
『中国思想の基礎知識』 (角川選書)
著者 湯浅 邦弘
定価: 2,310円 (本体2,100円+税)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322406000191/

中国の古代の思想家たちは、戦争にあけくれる国の中で、どのような思想を育み社会や世界をどのようにみたのでしょうか。
世界のあちこちに戦争がまきちらされている今この時に、自然よりも政治を思想の中心においた中国の思想が、これからの世界に役立つかもしれません。この本は、大阪大学の教授を長年つとておられた 湯浅 邦弘先生が、中国思想を何も知らない一般の人が理解できるように明解にまとめられた本です。随所に、先生の平和への願いがこめられている本だと感じました。
先生の大学での講義もきっとこの本のようにわかりやすいのだろうと想像します。先生はNHKの100分de名著でいろんな中国の古典(孫子や菜根譚、老子、孟子など)を解説されていたのでそのわかりやすいお話を観た方も多いと思います。この本では中国の古典に関する最新の考古学的発見の知見も取り入れられていています。老子、孔子や孟子、荘子、朱子学や陽明学などはもちろんのこと、私たちが中学高校で習ったことがないような思想家についても知ることができます。また現代日本で使われている多くの言葉や漢字についての解説がちりばめられているのも読んでいて楽しいです。最後の方では、こうした中国の思想が日本でどのように受け入れられ日本史に影響を及ぼしたかも解説されています。また現代中国がしかけている認知戦についてもふれられていて参考になります。この本には現代の中国の思想については書かれていないので、現代中国がどのような思想に影響をうけて国をつくっているのかについては知ることができません。ただおそらくは、現代中国にもこの本で書かれている中国思想が受け継がれているのだろうと、読んでいて思いました。486ページの本ですが、すらすらと読めてしまう本でした。座右においてときどき読み返そうとおもうよい本でしたので、一読をおすすめします。