これは必見の動画です。「研究者を取り巻くAIの進化とその活用法」!!

文部科学省のYouTube動画で、素晴らしいAIの研究者向け利用法に関するものが公開されました。Researcher Plus by 文部科学省のチャンネル
https://www.youtube.com/@Researcherplus の動画です。

AI and the Future of Academic Research ―研究者を取り巻くAIの進化とその活用法―
国立情報科学研究所教授の相澤彰子先生による講演です。
https://youtu.be/TgBCvms52sY?

『2025年10月22日(水)に文部科学省「世界で活躍できる研究者育成プログラム総合支援事業」が主催しました、研究者のための+αシリーズVol.37の録画配信です。』とのことです。

内容は、AIを用いてどのように研究をすすめるか、論文の検索や要約など研究に活用できるどんなAIサービスがあるのか、どのようにAIで論文を書くか、そしてAI査読の問題点、AIをもちいた研究の進め方、AIサイエンティストとはなにか、など盛りだくさんです。それぞれが的確に要約されていて内容はぎっしりつまっていて、これは皆が視聴するべき動画だと思います。是非ご覧ください。

最初のほうで、AIのハルシネーションの話がでています。なんとSpringer-Natureから今年の4月に発売された169ドルもの値段の本に、架空の引用文献、誤った引用などが満載だった例が紹介されています。私は知りませんでしたが、こちら(Retraction Watch)に詳しい話がのっています。参考になります!
https://retractionwatch.com/2025/06/30/springer-nature-book-on-machine-learning-is-full-of-made-up-citations/

またAI査読に世界中の論文著者が危機感をいだいているという話もあります。私も先日、糖鎖生物学のRoadmapに執筆した際、LLMがめちゃめちゃな批判をしてきたのを体験しています。LLMは自分が知らないことを棚に上げて、ここに書いてある内容は著者の致命的な誤解にもとづいており、この部分には致命的な誤りがあるなどと指摘してきました。専門家なら絶対知っている内容なのですが、Proモードで動いているLLMは知らなかったようで、けちょんけちょんにいわれました。もしレフリーがこういうLLMを査読に使ったらと思うとぞっとします。査読者がLLMを使う危険性というのを予想させる体験でした。皆がそういう危険性(他にもいろいろありますので相澤先生の動画をご覧ください!)を危惧しているそうです。