DNAの二重らせん構造をあきらかにして遺伝病の研究の発展にも貢献していたWatsonがなくなったそうです。彼は私の大学院生のときに京都大学理学部生物物理学教室にもやってきて、本にサインをもらっていた人も多かったのを覚えています。よい教科書Molecular Biology of the Geneを書いて、私たちの世代は彼の本で分子生物学の入門をしたものです。日本語版と英語版を両方読んで、分子生物学の用語を覚えたのを思い出します。私がCold Spring Harbor 研究所を共同研究のために訪問した時には所長をされていました。彼はロザリンド・フランクリンの業績の剽窃疑惑や、黒人問題につての発言などでもニュースをたびたびにぎわしていた人でもあります。その辺のところは、次の英国の新聞社ガーディアンの次の記事に詳しいので読まれることをお薦めします。New York Timesの記事を最初に読もうとしたのですが、登録しろとかいう画面がポップアップしてきて読めないようになっているので引用をガーディアンに変更しました。
https://www.theguardian.com/us-news/2025/nov/07/james-watson-scientist-dna-death
下に埋め込んだ動画では、人種Raceというものについての現代の標準的見解とワトソンの見解がならんで表明されていてとても興味深いと思います。この動画が多分、上のGuardianの記事の中で触れられているドキュメンタリーだと思います。
Decoding Watson (2019) | Full Documentary | American Masters
https://youtu.be/BMfz506M-AY?