大学の講義をYouTubeなどで公開するのを妨げている原因の一つは著作権処理です。生物学の講義では、最新の論文の図や写真、欧米の教科書の付属スライドなどもまじえて話すことが多いです。しかしこれをインターネットで「不特定多数」に送信すると著作権法に反することになります。それで自分で作った図や著作権フリーの素材だけしかスライドに使えないので、実際に大学でやっている生命科学系の講義をそのまま公開するのは困難なことが多いのです。物理や化学、数学の講義の場合は生物ほど著作権のある素材を使う必要がないので、大学の講義をそのままネット送信している日本の大学も多いので、羨ましい限りです。
さて今日、YouTubeのおすすめにでてきた次の講義は、鹿児島大学の冨山清升教授による進化生物学の大学初年級むけの講義です。この動画は著作権処理をうまい方法ですませた講義動画です。著作権処理のやりかたがYouTubeの動画のページに説明してありました。要するに大学がまとめて著作権処理をしてくれた素材を使った授業を公開するという方法です。この方法なら公衆送信しても著作権処理済みなので問題ないわけです。
動物進化学入門の講義全15回やその他の講義動画が公開されています。中には間違った内容の講義もあるそうでそれは逐一動画のページに記載されているのもすばらしいです。私は進化生物学については素人ですのでこうした講義を公開してくださっているのはありがたいです。
第一回の動画のページに全15回の内容と、誤りについての注意がかかれているのでご覧ください。
遺伝学やDNAの初歩から解説してある講義で、生物と進化に興味のある物理の人にもよさそうな講義です。