The Royal Institution(英国)の動画で面白いものがでました。
The scientist vs the art forger – with Jehane Ragai
https://youtu.be/ZvR8CapeVo0?si=6zVufy_-K1f09-a4
演者のJehane Ragaiは、カイロにあるThe American Universityの化学科の名誉教授です。
Scientist And The Forger, The: Insights Into The Scientific Detection Of Forgery In Paintingsという本を2015年に出している人です。https://geni.us/ls864g
科学になじみのない人も、どうやって贋作をみわけるのかは興味深々だと思います。この動画では、様々な科学的手法で贋作をみわけるやり方が具体的にかわかりやすく解説されています。ゴッホの真作が見つかった話も面白かったです。なぜ贋作をつくるのかという贋作者の心理についても触れている動画です。
また最近でた “Technical Art History” という教科書は、2021年の the “Most Promising New Textbook Award ” というthe Textbook and Academic Authors Association in the USの賞を獲得したそうです。この本は贋作の見極め方をケーススタディで教えてくれるもののようで、大変面白そうです。ある実験では、美術鑑賞のときにこれは真作ですといったあとで贋作を見せて脳のスキャンをすると、快楽中枢が活発になって真作をみているという感動がわきおこっているのがわかるそうです。真作だと聞かせることが大事で、本当の作品の真贋には全く関係がないそうで、美術品の真贋とはなにかを考えさせられる話です。
贋作をどんどん制作してお金をとるのではなく、全米各所の美術館に寄付していた人の話をNHKの番組でみました。米国は建国したてのころは今よりずっと貧しかったので、ヨーロッパから真作の美術品を買うことのできる人は限られていました。そこで一般人はもっぱら模写した作品を鑑賞していたとその番組で知りました。美術品というのは感動があればよいので、模写でもよいような気がしますね。