今年のノーベル化学賞と物理学賞について

私のノーベル賞受賞者の予測は半分外れました。AlphaFoldの二人はあたりましたが、もう一人は相分離生物学の人ではなくてRosettaの開発者でそれを使って任意の立体構造をとる蛋白質を新規に設計する研究をしている人でした。相分離生物学のノーベル賞はおあずけですが、相分離生物学についていろいろ本をかいておられる 白木賢太郎 先生がAlphaFoldとBaker先生の仕事について解説しておられる「現代化学」掲載の記事が早速無料公開されているのでご覧ください。


JumperとBakerの講演などはこのブログの過去記事にもリンクがあるのでご覧ください。

MRC LMBで開催されたシンポジュウムの動画にAlphaFoldやDe Novo Protein Design開発者による講演があります!

今年のノーベル賞は、まさにAIずくしですね。
あと、昨日のノーベル物理学賞の受賞者、Hopfield先生ですが、どこかで聞いた名前だと思っていましたが今朝 思い出しました。量子生物学の研究で有名なHopfieldという人と同一人物だったんですね。こちらの量子力学の歴史についての解説論文
McFadden J, Al-Khalili J. The origins of quantum biology. Proc Math Phys Eng Sci. 2018 Dec;474(2220):20180674. doi: 10.1098/rspa.2018.0674. Epub 2018 Dec 12. PMID: 30602940; PMCID: PMC6304024.

の図にHopfieldの名前がのっているので以下のリンクからご覧ください。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6304024/

Hopfieldの論文はこちらです。
Hopfield JJ. 1974. Electron transfer between biological molecules by thermally activated tunneling. Proc. Natl Acad. Sci. USA 71, 3640–3644. ( 10.1073/pnas.71.9.3640)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC433831/

Hopfieldさんは、現代のダビンチという感じですね。すごい物理学者、生物物理学者、コンピュータ科学者‥‥です。