地球最古の微生物―20億年前から生きている生きた化石―が回収されたというニュースの論文が公開されています。

7月18日のNHKニュースに「“20億年前”地球最古の微生物? 生命の起源に迫る重要な発見か」というのがありました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240718/k10014514831000.html

東京大学の鈴木庸平先生たちのグループによる発見です。南アフリカの Bushveldというところにある古い岩石層(ブッシュフェルト複合岩体)をドリルして20億年の地層の岩石を採取したところ、なんとその中に生きた微生物が存在したというニュースです。サンプリングの際の生物の混入がないように慎重にデザインされた方法で採取されているのでコンタミネーションはないと考えられ、コンタミがおこったらら検出できるような実験方法でサンプリングされています。その上で、岩石内部に微生物が存在することをOptical-photothermal infrared (O-PTIR) spectroscopyという非破壊的手法で確認したあと、切片をつくってDNAを SYBR Green I という蛍光色素で染めて顕微鏡で観察したり、電子顕微鏡で観察したりしています。生きた化石というのはいままでいろいろ知られていましたが、なんと20億年前から岩石の中で生きている微生物がいたというのはすごい発見です。ゲノム配列の解析をしているとのことで、どんなDNAの塩基配列が含まれているか本当に楽しみですね。

論文がプレプリントとしてすでに公開されています。

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.07.08.602455v1.full.pdf

鈴木先生の研究室のツイートはこちらからみることができます。
https://nitter.poast.org/YoheysuzukiL

鈴木先生のこの発見の解説記事はこちらにあります。
https://yoheysuzuki.jimdofree.com/%E5%A4%A7%E6%B7%B1%E5%BA%A6%E6%8E%98%E5%89%8A%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B20%E5%84%84%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%A7%8B%E7%94%9F%E5%91%BD%E6%8E%A2%E6%9F%BB/