熱力学の第二法則が誕生してから今年で200年。カルノー・サイクルについて学びましょう。

熱力学の第二法則が、フランスのサヂ・カルノー(Sadi Carnot)の業績をもとに導かれたのは有名です。今年2024年はカルノーの画期的な論文、「火の動力についての考察」が発表されてちょうど200年にあたります。母国フランスでは熱力学の第二法則誕生200年祭が開催されるようです。
https://carnot-legacy.sciencesconf.org/
https://carnotlille2024.sciencesconf.org/
カルノー・サイクルについては皆さんも習ったことがあるのではないでしょうか。
YouTubeにも解説動画がいろいろあります。
【カルノーサイクル】熱と仕事
https://youtu.be/x_Zc7_3Yuq4?si=wqKgk8W5NILkAUV2

今から200年前ってどんな世界だったのでしょうか。
情報の歴史21という本で調べてみました。
1824年はベートーベンの交響曲第九がウイーンで初演され、シーボルトは日本で鳴滝塾を開きました。アーベルが5次の代数方程式の一般解が存在しないことを証明、ベッセルによってベッセル関数が提示されたのもこの年です。1823年にはファラデーが気体の液化に成功、バベッジの階差機関の試作が始まりイギリスでのラグビー発祥も1823年だそうです。1822年には間宮林蔵の蝦夷全図が完成、シューベルトの未完成交響楽もこの年に発表されています。ニエプスの写真術の発表もこの年です。シャンポリオンの象形文字の解読の年であり射影幾何学の登場した年でもあります。そしてその前年、1821年には伊能忠敬の弟子たちによって日本地図が完成しています。

200年でものすごく世界は発展したのがわかりますね。
カルノーの著作の翻訳は、カルノー・熱機関の研究(広重徹訳、解説:みすず書房)として現在も入手することができます。
英語版ではInternetArchiveからダウンロード可能です。
Reflections on the motive power of heat [microform] : and on machines fitted to develop that power
by Carnot, Sadi, 1796-1832
https://archive.org/details/reflectionsonmot00carnrich/page/n17/mode/2up