今日は何の日?の科学史版を紹介します。Today in Science Historyというサイトです。

今日は何の日?の科学史版を紹介します。Today in Science Historyというサイトです。
https://www.todayinsci.com/

このサイトにアクセスすると、今日7月18日にどんな科学者が生まれたか、どんな科学者が亡くなったか、どんな科学的発見が今日起こったか、どんな科学イベントが今日あるかなどがわかります。
https://www.todayinsci.com/7/7_18.htm

もちろん任意の日付を選んで、その日付に生まれた科学者や亡くなった科学者などなどを調べることも簡単です。

今日が誕生日の人を数人サイトから選んでみましょう。
Hartmut MichelBorn 18 Jul 1948)
光合成システムの構成タンパク質の立体構造を決定したノーベル賞受賞者
Roald Hoffmann (Born 18 Jul 1937)
福井謙一先生とともにノーベル化学賞を受賞したウッドワード・ホフマン則で有名な科学者。絵本を書いておられます。去年紹介した記事を末尾にペーストしておきます。

Thomas S. Kuhn (Born 18 Jul 1922; died 17 Jun 1996 at age 73)
トマス・クーンは有名ですね。「科学革命の構造」という本を書いた人ですが、もともとは 物理学専攻だったようです。藤永茂先生が批判しておられるサイトがあります。https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigerutk
John Glenn Jr. (Born 18 Jul 1921; died 8 Dec 2016 at age 95)
アメリカの宇宙飛行士、アメリカではじめて地球周回軌道にのって地球を回った宇宙飛行士です。
映画The Right Stuffで印象的に描かれていました、

なんと日本の佐藤信淵という江戸時代の経済学者ものっています。
Nobuhiro SatoBorn 18 Jul 1769; died 17 Feb 1850 at age 80)
私は知らない人でした。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%BF%A1%E6%B7%B5

このサイトでは、他に、科学者の残した言葉Science quotesを探したり、
https://todayinsci.com/Quotations/QuotationsIndex.htm
任意の年のカレンダーをプリントすることもできたりします。
https://todayinsci.com/WallCalendar/PrintCalendar.php
クイズのコーナーもありますよ。
https://todayinsci.com/Quiz/Quiz1/Quiz1.htm


ホフマンさんについての記事の再録です。絵本や有機化学の本を紹介しています。

2022/3/4
今日は絵本を紹介します。「ざっそう」というタイトルの絵本です。これはウッドワード・ホフマン則で福井謙一先生とノーベル化学賞を共同授賞されたホフマン先生の原案による絵本です。久留米附設でのホフマンさんの学生への講義に端を発しで日本で出来上がった絵本で、出来上がった経緯はこちらのサイトに詳しく書かれています。https://www.kurume-u.ac.jp/site/fusetsu/20181025.htmlホフマン先生は当時のポーランド領の Zolochiv(今はウクライナ)でユダヤ系ポーランド人として生まれ、ホローコストを生き延びて(お父さんは収容所で殺され、お母さんやホフマンさん、おばさんなどは看守に賄賂をつかって脱出して隠れていたそうです)、ウッドワード先生とともにウッドワード・ホフマン則を提唱されました。私の学生時代に有機化学で勉強したことがある有名な業績です。この法則をも含むフロンティア分子軌道法を提唱された福井謙一先生(京都大工学部教授)とともに二人でノーベル化学賞を受賞されました。(ウッドワード先生は死去されていたので、三人での受賞はありませんでした。もっとも有機合成の大家であったウッドワード先生はビタミンB12の合成などの業績ですでにノーベル賞をもらっておられました!)福井先生のフロンティア分子軌道法は現在でもこれを採用して書かれる有機化学の教科書が増えている強力な理論です。有機化学で習う電子が矢印でとんでいく有機電子論では説明できない反応機構を説明できるのでこれを中心に据えた教科書も出版されています。
フロンティア軌道論で理解する有機化学 [2018] 化学同人(九大の人はMaruzen eBook Libraryで契約しているのでこの本は無料で読めますし、ダウンロード可能です)
有機電子論でせっかく反応を予測したのに、それは実際にはそうはならないんだよと先生に言われて有機化学が嫌いになった人も多いようです。そのような人にはフロンティア軌道論は最適だと思います。量子化学がパソコンで自分で計算できる時代になったので、若い人は有機電子論を手っ取り早く学んで、不足分を量子化学で補うという勉強法が主流になると思われます。量子力学ネイティブな若者の時代がもうきているのですから。