今日はちょっと忙しかったので本の紹介です。生気論というのをご存知ですか。発生学の教科書にでてくる有名な発生学者のハンス・ドリーシュ(Hans Driesch) は「生気論の歴史と理論」という本を書いています。彼の提唱したエンテレキーという概念を中心とした生気論は、この本を訳した米本昌平さんによると、科学界のみならず哲学界からも非科学的な妄説の提唱者として非難され続けたそうです。
米本氏によると、このドリーシュの本は20世紀が最も憎悪した書だそうです。この説について詳しくは米本昌平さんが訳された「生気論の歴史と理論」およびこの訳書中の米本氏による解説論文をご覧ください。https://honto.jp/netstore/pd-book_27211662.html
英語で書かれた生気論についての本でオープンアクセスでお勧めなのは2023年発行の次の本です。
Vitalism and Its Legacy in Twentieth Century Life Sciences and Philosophy (Springer, 2023)
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-12604-8
ベルグソンやドリーシュの生気論、それ以降の発展について書かれています。リンクからpdf版やEPUB版の本がまるごと一冊ダウンロードできるほか、目次をみて読みたい章のみダウンロードすることもできるのでご覧ください。