画面、動画、テキストなどデータをクリップするソフトの紹介―その2 OBS studioの使い方

デスクトップでの操作の記録や、ビデオデータの記録方法―OBS studioの使い方

(2019/2/05に追記した部分は青字で表示してあります。参考にしてください。)
勉強や研究をしているとデータベースの使い方を説明する時にマウスカーソルの動きやクリックの様子などをビデオで記録して見せたいときがよくあります。また講演会などでストリーミング放送されているものなどを記録しておきたいこともあると思います。こんな時にはいろいろ有料のスクリーンレコーダーというジャンルのソフトウエアがあるのですが、インストールするときに使用許諾がいろいろ書いてあって、このソフト、信用できるのか?裏で妙なことをしていないのか?などと不透明な部分もあって、使用に不安を覚えます。前に名前だけ紹介しましたが、OBS studio というオープンソースの無料のソフト(Windows, Mac, Linux対応版があります)を使えば無料で使えて、わりに手軽に作業ができます。OBSはOpen Broadcaster Softwareの略です。
OBS Studio – Free and open source software for live streaming and screen recordingと題して、Githubにソースコードも公開されています
ゲームの画面を録画してYouTubeなどにアップロードするために良く使われているソフトですが、十分高解像度で画面の動きなどを逐一記録できるソフトです。ゲームをやる人のための日本語の解説は多いのですが、あまりデスクトップやウインドウの録画についての日本語の解説がないみたいですので、簡単に紹介したいと思います

OBS Studioのソフトのインストール:
https://obsproject.com/ja/download
からLinux, Mac, Windows版をダウンロードしてインストールします。私はwindows10 なのでWindows版の解説となりますが、他のOSでも大差ないはずです。

ページのウインドウズ、マック、リナックスのロゴをクリックすると右下にダウンロードインストーラが表示されるのでクリックしてダウンロードします。インストールするときにゲームの記録画面の配信モードにするか、単に録画だけにするかと聞いてきますので録画だけにするのがいいと思います。また管理者モードで実行するように設定できると思うので、そのように設定します。言語には日本語を選ぶといいでしょう。メニューなどすべて日本語になります。

ウインドウを録画してみよう:
インストールして起動すると下のギャラリーの一行目、一番左の図のような画面になります。(ギャラリーは、一番上の行の左から右へと図をみて、次は下の行にうつって左から右へとみてください。)中央の黒い枠の部分に表示されている中身が録画されます。この枠内にブラウザの画面とかデスクトップとかを表示し、録画したい部分をaltキーを押しながら枠の周りの囲み線をドラッグして選択します。選択がおわったら、shiftキーを押しながらドラッグして枠内にぴったりはいるようにしたら録画準備完了です。これから以下に詳しく説明します。(追記:2019/11/12― ウインドウの表示が「合わせ鏡のようになってしまった場合」もあるかもしれません。対策としてはwindows7では個人設定のテーマをAeroのものに変えてください。classicでは合わせ鏡のような表示になってしまってうまく録画できません。windows10ではそういうことはないようです。)

ウインドウ画面の録画をやってみましょう。まずFirefoxなどのブラウザの画面からキャプチャしてみましょう。Firefoxなどを先に起動してキャプチャしたい画面を表示しておいてください。

つぎにOBS studioを起動します。ウインドウキャプチャによる録画にはシーン、ソース、ミキサー、シーントランジション、コントロールとある下のほうの画面から、ソースの部分でプラスの記号をクリックします(ギャラリーの一行目左の図)。

するとウインドウキャプチャ、ゲームキャプチャなどがならぶプルダウンメニューがでますので(ギャラリー一行目真ん中の図)、ウインドウキャプチャを選んでみてください(一行目左から真ん中そして右の図)。ウインドウキャプチャのプロパティという画面がでて(二行目左の図)、カーソルをキャプチャするかどうかなどを設定できます。OKを押してとじてください(二行目真ん中の図)。Firefoxなどが起動していると、黒い画面の中にFirefoxのウインドウが表示されると思います。

黒い背景画面にうまく録画したい場面が全部がはいっていないと思います(二行目右の図)。黒い背景画面いっぱいの部分が録画されるので、録画する画面(クリックすると四隅と上下左右の各辺の中央に赤い丸印のある部分がハイライトされますのでその画面)を黒い画面いっぱいにあわせましょう。Firefoxの表示画面を選択する方法を例に紹介します。

表示されているFirefoxの画面をクリックして、画面の四隅と、左右、上下の辺の中央にある赤い丸を押します(二行目右から三行目左の図)。この赤丸の辺で囲まれた領域が現在録画されるようになっている範囲です。これを広げて全部が入るようにします。

Altボタンをおしながら赤丸がついている画面の赤丸をドラッグすると、記録したい画面を調節することができて、録画範囲を上下左右に広くしたり、狭くしたりして変更することができます。記録したい画面が決定できたら、altキーを離し、今度はshiftキーを押しながらドラッグして、選択した録画範囲の画面を後ろの黒い画面の隅に移動します(三行目左と真ん中の図)。大きすぎて黒い画面からはみだしていたら、右隅の赤丸を選択して、shiftキーを押しながらドラッグしてやると小さくできます。右隅の赤丸をクリックして、 shiftキーを押しながらドラッグして、一番大きな黒枠のなか(この部分が録画されます)にぴったり録画したい画面があてはまるように調節します(三行目右の図)。

あとは録画条件を次に説明するように設定し、録画ボタンをおすと録画開始です。録画開始と終了をたとえばウインドウズキーぷらすF12とかにきめることも設定でできますので、ボタンをおさずにキーコンビネーションで録画することも可能です。

OBS studioの録画条件の設定
配信をしないので以下では配信の設定は行いません。必要なら設定してみてください。
では録画条件の設定法を解説します。

一番簡単な録画条件の設定法を紹介します(2019年2月5日追記)
ファイル、編集、表示などと並んでいる項目メニューから、ツールを選びます。プルダウンメニューが開き、一番上に自動校正ウイザードというのがありますのでこれを選んでください。
デフォルトでは「配信のために最適化し、録画は二次的なものにする」にチェックがはいっています。チェックを外して「録画のために最適化し、配信はしない」にチェックを入れてください。次へをクリックすると、映像設定メニューがでてきて、基本(キャンバス)解像度―現在の値を使用というプルダウンメニュー、そしてFPS―60または30のいずれか、可能なら60を優先というメニューがでます、これらは変えてもいいですが普通はこのままで、次へを押します。するとテストがはじまって、プログラムがあなたのパソコンに最適の設定を選んでくれます。録画エンコードとか、品質などが選ばれて表示されますので設定を適用のボタンを押して終了です。この自動校正ウイザードを使えば、一番録画失敗の少ない設定になるのでおすすめです。自分でいろいろ設定したい人は以下もご覧ください。録画したムービーをどこに保存するかや、録画フォーマットなどは以下を読んで設定してください。(2019年2月5日追記終了)

手動での録画条件の設定方法;
ファイル、編集、表示…などと並んでいるメニューから、
ファイル→設定→出力とすすんで、出力モードをプルダウンで「詳細」にします。
左から配信、録画、音声、リプレイバッファーというタブがありますので、録画を選びます。
種別は標準
録画ファイルのパスは、できた録画ファイルをいれるフォルダの場所を決める部分です。右の参照ボタンなどを使って、自分の好きなフォルダを選んで設定します。
録画フォーマットは プルダウンからいろいろ選べますが、私が試行錯誤した結果は、ts やmkvがおすすめです。(ほかに動画の形式としてはflv,mp4, mov,m3u8が選べます。flvがデフォルトになっています。) 動画の形式ではmp4やmkvなども試しましたが、私のパソコンでは、録画してできたファイルを再生すると うまく録画できておらず、音声は進むのに画面が止まったままの部分があちこちにできてしまうこともありました。私のパソコンで試した時は、ts形式を選ぶとCPUへの負担が少なくなるのでエラーが回避できました。mp4などでエラーがでるときは試してください。たしかOBS Studioはマルチプロセッサーを利用していないはずです。できあがったtsファイルやmkvファイル、flvファイル、mp4ファイル、movファイルなどは前に紹介した動画プレイヤーのMPC-BE x64で再生可能です。

以下は私の使っている録画の部分の設定です。


録画フォーマットはts、
エンコーダは私はQuickSync H.264を選んでいます。プルダウンメニューで表示される
(ストリームエンコーダを使用)(QuickSync H.264), x264などから素材に応じて選択します。利用できるハードウエアエンコーダがパソコンにないときはストリームエンコーダとx264しか表示されません。
出力をリスケールするにはチェックはいれていません。
カスタムマルチプレクサ―の設定もなし。

ターゲットの使用法は、qualityをプルダウンから選択。(balanced,speedも選べますのでうまく録画できないときは試してみてください。自動設定では私のパソコンではbalancedが選ばれていました―2019/2/05追記)
プロファイルはbaselineにしています。他にhigh, mainも選べます。
キーフレーム間隔は3、
非同期深度は4、
レート制御はCBR、
ビットレートは2500としています。

次は映像です。設定画面の左側、一般、配信、出力、音声、映像、ホットキー、詳細設定というアイコンの中にある、映像アイコンをクリックしてください。
基本(キャンバス)解像度は、1366×768などご自分のパソコンのモニタの解像度に設定します。この数値はカーソルをあわせてクリックした後適当な値に変更できます。
出力(スケーリング)解像度は、基本解像度と同じでもいいですが、CPUが追い付かずに録画に不具合がでるときは、小さめに設定するといいと思います。1280×720とか、ご自分のモニタの解像度の選択枝から選ぶのがいいでしょう。(910×512が自動設定ウイザードでは設定されていました―2019/2/05追記)
縮小フィルタはバイキュービック、ランチョス、バイリニアから選びます。ランチョスが解像度がよくて、バイリニアが一番悪いのでランチョスから試してみてください。

FPS共通値は毎秒のフレーム数ですので、プルダウンから選ぶか直接入力して30とか29.97とかでいいでしょう。


あとは録画のホットキーを設定しましょう。
映像アイコンの下にある、ホットキーアイコンをクリック、開く画面で、録画開始と録画終了のキーをきめます。私はWindowsキー+F12にしています。

以上で録画の設定が終わりです。他の設定はデフォルトのままにしておいていいでしょう。右上のx印をおしてウインドウを閉じる時に「保存していない変更があります。変更を保存しますか」ときいてくるので「はい」をクリックして終わりです。

Firefoxなどでムービーを再生しておき、録画したい部分を設定して、メニューの録画開始、あるいは設定したホットキーをおしたら録画が始まり、もう一回同じキーをおすと録画終了します。カーソル操作を記録したいときは、ソースのウインドウキャプチャを右クリックし、プロパティでカーソルをキャプチャにチェックをいれます。

参考:
この条件でも録画に失敗することがあります。そこで他の録画条件設定についても簡単に触れておきます:エンコーダをソフトウエアエンコーダである、x264に設定した場合(これでもだめならストリームエンコーダにするとうまくいく時もあるかもしれません)下のほうにレート制御、ビットレートなどの選択画面がでてきます。
CPU使用のプレセットは、デフォルトがveryfastですが、CPU使用率を下げるにはsuperfastやultrafastを選ぶといいようで、私は一番CPU使用率の低いultrafastを使っています。

動画のことは素人ですので、もっとうまい設定があるかもしれません。いろいろ試してみてもっとうまくいく方法があれば教えてください。