線虫 C. elegansのデータベースWormbaseが一新されました。 前のWormbase(今はlegacy siteにあります)とはデザインが全く違うので、慣れないとめちゃめちゃ使いにくいです。そこでごく簡単な使い方入門のpdfをこしらえました。ここにありますので、ダウンロードしてお使い下さい。
卒業式が終わり、あっという間に新学期がはじまりました。GPIアンカー合成の意義を明らかにした博士論文で学位を取得した村田大輔君は、大阪大学医学部の金井好克先生の研究室に就職しました。ミネソタ大学の中藤先生のところでポスドクをしていた出嶋克史君は、今年から米国のカリフォルニア大学サンディエゴ分校で学術振興会のJSPS postdoctoral fellowとして活躍を始めました。線虫の研究をしているChisholmさんの研究室ですが、近くには糖鎖生物学の大家のJeff Eskoさんもおられるようです。私達も新しい卒論生を迎えて新年度早々から実験に励んでいます。
桜の花は散りましたが私達のいるコラボステーションIIがある馬出地区のキャンパスでは八重桜や写真のような緑の桜の花がきれいに咲いています。大学病院にこられる患者さんや家族の方々も見物しておられます。新学期ですので、新入生や進級した学生のみなさんに参考になるような話をまとめておこうと思います。
英語を使う能力は今後、在学中、卒業後を通じて絶対役立ちますから、時間をみて向上させておいてください。今はYouTubeなどで英語のプレゼンを聞くのも簡単ですし、無料の英語講座などもYouTubeなどにありますからいろいろ視聴してみると、リスニングも上手になると思います。
大学院入試でTOEICが英語の試験の代わりになっているところが激増しています。就職活動のとき企業にだすエントリーシートにもTOEICの得点を書き込む欄があるところが増えているようです。TOEICテストは練習しだいで結構点数が上がるようですから、皆さんの大学などで提供されているTOEIC練習用の無料プログラム(以下はリンク切れです。2018年4月追記:九州大学ならここにあります技術英語や医学英語の勉強コースも同じ所にあります。試してみて下さい。)や授業をせいぜい利用して、一年生から勉強をはじめて卒業前には750点以上はとれるようにするとよいようです。
コンピュータは今や必須の勉学アイテムですから、絶対自分のパソコンをもって勉強に役立ててください。
九大ではこのアドレスからたどれるソフトウエアのライセンスプログラムもありますので、Microsoft Officeなどは学生個人のコンピュータに無料でインストール可能です(制限など詳細は大学のホームページをご覧なさい)。九大のようなライセンスプログラムをもっていない大学も多いので、九大はとても恵まれていると思います。)Windowsも下位バージョン(Home editonとかです)がインストールしてあるコンピュータさえあれば、九大のライセンスで無料でバージョンアップして最上位バージョンにグレードアップすることができます。
Windows7 EnterpriseエディションではVirtual PCがはじめからついてきますし、XPモードもあります。Virtual PCやVirtualboxというソフトを使えばWindowsのパソコンでLinux(下を参照)を動かすのも簡単です。
プログラムをやってみようかなと思っている人もいると思います。私の時はFortranとかBasicの時代でしたが、今はいろいろプログラム言語があります。私は統計解析によく使われるRから勉強しておくとすぐ役立つのでおすすめだと思います。全く無料ですし、以前紹介したように大量の無料の解説サイト、ビデオ、わかりやすい書籍などがあふれています。統計解析を使ってなれながら、理論面を授業で学ぶとよいと思います。PerlとかRubyとかいうプログラム言語も生物科学ではよく使われています。Rの次におすすめです。
また無料のOS(オペレーティングシステム)であるLinux(りなっくす)をコンピュータにインストールして使うのもやってみると良いと思います。最近ではubuntuなどインストールしやすいLinuxがありますので、、インストールして使ってみるとよいでしょう。(Virtualboxをインストールして仮想マシーンを作成し、仮想マシーンにubuntuのisoイメージをつかってubuntuをインストールするのが簡単でしょう。詳しくはいつか時間があるときに書きます) LinuxはUNIXをモデルに開発されたオペレーティングシステムですので、コマンドも昔からずっと同じで一回学んだコマンドが何十年も使えるというメリットも大きいと思います。バージョンアップも無料ですし、世界中で使われていて、バイオインフォマティクスなど生物学の分野でもLinuxでしか動かない有用なプログラムが多いため、Linuxでプログラムを動かせる能力が研究に不可欠になりつつあるのが現状です。
また物理や数学の好きな人、逆に数式の苦手な人は、数式処理言語のMathematicaの学生版を買って(大学のライセンスを使える人は大学のライセンスを利用して無料で)大学の数学や物理の授業に並行して遊んでみると良いでしょう。Rとならんでこのソフトも将来の仕事で大いに役立つものですので、おすすめです。
今は就職活動の真っ最中の時期ですね。エントリーシートを書いて、何回も面接にいって内定がでた人もいるかもしれませんが、まだまだ活動は続く人がほとんどでしょう。今年卒業して公務員になった私達のところの四年生も内定は秋にずれこんでいました。卒業生には獣医さんをめざしてセンター試験を突破して再入学した人もいます。各卒論生の成果はおいおいデータベースや論文として公開していく予定です。第一弾として遺伝子相互作用の解析システムVisantの使い方をマスターして使い方の手引きもつくった21世紀プログラムの卒業生の「Visant使用のてびき」を近々このサイトにアップロードする予定です。
皆さん、健康に留意してがんばって能力を向上させていってください。