リンク集にあるNIH videocastingで英語の講演を聴くと英語で発表をするためのよい勉強になります。一流の科学者の一流の研究所での公開講演がいながらにして聴けるのは英語で研究成果の発表をしようという私達には見逃せない機会です。このNIHのビデオ放映では生命科学の最新の研究成果の発表(セミナー)だけではなく、以前紹介したように科学論文の書き方や論文の投稿の仕方、データベースの使い方など科学研究のプロフェッショナルを目指す人の助けになるような講習会も放映されています。
今年の6月5日にはImproving Spoken Englishと題してScott Morganさんが講習会を行いました。英語を母国語としない科学者のためにどのように英語を話したらよいかを楽しく解説してくれているので是非ご覧ください。[追記(2010.04.15) 現在このビデオはNIH ONLYのカテゴリーのビデオに変更されているためwebページではビデオが再生されません。ビデオのダウンロードと音声のダウンロードリンクは利用可能なようですのでおためし下さい。] 講師のMorganさんは科学のプレゼンテーションの専門家で俳優としてもテレビで活躍している方です。Speaking about Science: A manual for creating clear presentations(Cambridge University Press)という本も書いておられます。アメリカ人に理解してもらえるように話すにはどのような点に注意すればよいのかについて、7つのコツを教えてくれます (7 Secrets to Improving Spoken English)。
ビデオはVideo Podcastsのリンクからダウンロードしてゆっくり好きなときにみることもできます。一時停止させたりしながら、ゆっくり見ることもできますのでお試しください。最後のほうでスライドを何枚かとばしていますが、一時停止してみればそれらも読めて参考になります。
いろいろ参考になる話がありますが、たとえばアメリカ人には母音はどうでもよいという話がありました。eitherはイーザーでもアイザーでもよい。 tomatoはトメイトウでもトマートーでもどっちに発音しても気にしないのだそうです。ligandという単語の発音をリガンドといったり、ライガンドといったりしてもどちらでもよい。演者が講演の最中にライガンドといったすぐあとにリガンドといっても誰も何とも思わないのだそうです。それよりも子音が大事、声が大きいことが大事、聴衆をみて話すことが大事、文の最後を聞こえないように話す(飲み込む)のはいけない、単語の音節syllableを一つ一つ丁寧に省略せずに発音することが大事なのだそうです。neovascularization(血管新生)とかallele(対立遺伝子)とか、生命科学向けの単語を実際に発音して解説してくれています。最後に勉強のアドバイスとしては、ビデオをみるのもよいのですが、ビデオで英語になれたらラジオ (National Public Radioがおすすめ)を聞くようにすると話す力が上がるのだそうです。