日本の糖鎖科学ロードマップが発行されました!

以前の記事(2018年5月9日)でお知らせしていた日本版の糖鎖科学研究のロードマップ
未来を創るグライコサイエンスー我が国のロードマップー」が完成して発行されました。6月初めに自宅に届いたのですが、入手法を問い合わせていたのでご案内が遅れました。入手法が公開されましたとの案内が今日届きましたのでお知らせしておきます。

日本糖鎖科学コンソーシアム(JCGG)のホームページ(→)から一冊1000円(送料はJCGGが負担)で購入できますので上のホームページのリンクから申し込んで是非ご覧ください。

糖鎖科学を学ぶ人、糖鎖科学の将来や応用を考える人、医学研究者や医療従事者、糖鎖に関心のある事業家など、糖鎖科学に関心のあるすべての方の必携の参考書です。英語版も以下のタイトルでSpringer-Natureから発行されます。
Glycoscience Application and Basic Science :Insights from Japan Consortium for Glycobiology and Glycotechnology

日本語で読めますのでまず日本語版を購入されることをお奨めします。

湖でボートが出火!消防が来るのには25分はかかる状況下での消火法とは?

今日は有名なビデオを紹介しておきます。ラボ内ホームページで学生さんに紹介していたビデオですが、twitterでも話題になったニュージーランドの湖での火災消火のビデオです。ビックリする方法ですよね。ボートには燃料タンクが積んであったそうで、危機一髪だったそうです。

別の角度からみた動画もここにあります。とっさの頭の使い方の例です。
この事件を報じたニュージーランドの報道はここにあります。消火にいったボートにとっても危険な救助法で、もっと大惨事になったかも、という批判もありますが、
But Riwai Grace, a shift manager at one of New Zealand’s Fire Service communications offices, said he thought the rescue was “ingenious.”だそうです。

下の写真は散歩の途中でみかけた ねむの木です。梅雨の晴れ間にきれいに花が咲いていました。

 

生命科学系論文の探し方―PubMedの定期的検索

以前、PubMedの使い方について書きました。そこでふれていなかった一定の検索キーワードを決めておいて、検索を毎日定期的に行う方法について研究室内専用のホームページに書いていたものをアップデートして掲載しておきます。皆さんも自分のキーワードを組み合わせて定期的に論文検索をしてみてください。

PubMedのデイリー検索の設定法:
PubMedの文献データベースに、同じ検索式で毎日検索をかけて新しい論文を教えてくれるサービスの設定方法を説明します。まだやっていない人は試して下さい。

1) まず各自の利用しているブラウザでRSS(サイトのアップデート情報などを提供するサービス)を受信できるように設定してください。Firefoxの最新版を使う場合は、RSS リーダーの機能拡張(アドオン)である「Brief」をいれておいてください。(Brief以外の各自のお好みの機能拡張を使っても良いです。私はFirefox ESRをまだ使っているので古いSageという機能拡張を使っています。CromeやIEなど別のブラウザでは適当にお好みのRSS readerを設定してください。)

以下は最新版のFirefox quantum での、Briefのインストールの仕方です。Firefoxの一番上にあるメニューからツールを選び、その中からアドオンを選び、「機能拡張」を選んで右上の検索画面にBriefといれて検索します。

下図のようにBriefが見つかったら、Briefのアイコンをクリック。
下図のような画面が出ますので「+Firefoxへ追加」ボタンをおして、インストールすると使えるようになります。
上手くいくと、右上にBriefのアイコン(下図の矢印で示した音波のようなマーク)が表示されます。
これでBriefの利用準備は完了です。

2) 次に検索してRSSフィードを登録しましょう。
まず文献検索データベースのPubMedにいって、自分が毎日検索したいキーワードを並べた検索式を検索窓に入れて検索を行います。
たとえば、elegans AND (glyco OR sugar OR transferase OR proteoglycan OR fatty OR fat OR division OR meiotic OR meiosis OR lipid OR sphingo) AND 2003[EDAT] : 2018[EDAT]とすると、2003年から2018年までの論文で elegansを含みかつ以下のどれかのキーワード(glyco またはsugarまたはtransferase またはproteoglycanまたはetc etc)を含むものが検索されます。各自、自分にあったキーワードに変えてみてください。検索式内のANDとORと「かっこ」をうまく使うと検索式を自分用にカスタマイズできます。
検索式を入力してSearchボタンを押して検索が終わると、結果がでてきます(下図)。

 

検索結果のページの上のほうにある検索式をいれた検索窓の下(上図で指さしマークを付けてある部分)にCreate RSSと書いてあります。ここをクリックすると、下図のようなポップアップがでてきます。
結果の表示数を選ぶ箱(Number of items displayed)があって、

Feed name:の部分に検索式が書いてあるのが見えるでしょう。表示を15以上にしたければプルダウンで数を増やしておきます。OKならCREATE RSSボタンを押すとRSS feedのポップアップができます(下図)。

 

次にこのポップアップのXMLと書いてあるボタンをクリックします。開いたページ(下図)で、真ん中よりすこし右くらいにあるBriefのマークをクリックするか、それが見あたらなければ真ん中の「」の記号を図のようにクリックしてプルダウンメニューの下の方に表示されるBriefのマーク(下図の矢印のSubscribe―購読―とある部分のマーク)をクリックします。
これでRSSフィードがBriefに追加されました。うまく追加されると、一番右にあるBrief マーク(下図の矢印)に数字が入ったら成功です。
3) では、サイトの内容をみてみましょう。まず上の図の数字付のBrief マークをクリックすると、Briefの操作パネルが表示されます(下図)。

図はヘッドライン表示となっており、PubMedの最初の15件のヒットが論文の表題で表示されています。アブストラクトなど詳しいことを知りたいときは、図の矢印で示した、長方形が二つ重なっているマークをクリックすると、アブストラクトも含めて表示されます。
これで毎日、自動でBriefが検索式をPubMedにアクセスして新しい論文があれば教えてくれます。フィードはブラウザ起動中は自動でチェックされ、チェックする間隔は分、時間単位で決めることができます(設定メニュー)。

それから、もっと別の検索式を設定して、同時に2つ以上のPubMed検索を毎日行うことも簡単です。是非、まだやっていない方はお試しください。

科学の本を無料でダウンロードして読める日本のサイト「科学図書館」の紹介です。

栗の花が散ると二日後には梅雨に入るといわれているそうです。
気象台の梅雨入り宣言の後も、晴天が続いていましたが、栗の花が散り始め、福岡も今日は梅雨の雨がふりしきっていて、アジサイがとてもきれいです。
(写真は梅雨入り宣言後の晴天続きの夕日と数日前に散り始めたクリの花です)

今日はInternet Archiveではなく、科学図書館という日本のサイトを紹介します。私のホームページのリンク集には開設当初からいれているサイトです。数学、物理学、天文学、哲学などさまざまな名著が日本語で無料で読め、ダウンロードできます。サイトとこの素晴らしいサイトを作成している方については、ここに紹介記事があるのでご覧ください。アップロードしてある著作はすべてサイト作成者のかたがLATEX 2εで組んで編集した後にpdfにしてアップロードされているそうです。このため、本文の内容を検索することも自由にできるようになっています。、例えばポアンカレの「科学の価値」(田辺元訳)のpdfをダウンロードしてきたら、本文の全文検索がpdfで可能です。これは極めて便利です。そのほか、本文内に注を入れてくださっていたり、様々な心遣いに感動しますよ。是非このサイトをご利用ください。
実は後日紹介しようと思っていますが、ポアンカレの「科学の価値」(田辺元訳)は、国立国会図書館デジタルコレクションで、ポアンカレと検索窓にいれればでてきて(リンクはここ)、画像を全コマ ダウンロードできます。pdfにしてくれるのですが、画像pdfなので検索はできません。
他にこの国立国会図書館のサイトには、ポアンカレの「科学の方法」や「科学と仮説」(「科学と臆説」というタイトル)などもありますが、これは全コマダウンロード不可で、50ページづつしか印刷pdfにできないなどきわめて不便です。

この科学図書館のサイトにある外国の名著の翻訳では、今紹介したフランスの数学者 アンリ・ポアンカレの「科学の価値」の他、
ハーヴェイの 「動物の心臓ならびに血液の運動に関する解剖学的研究」
パストゥール 「自然発生説の検討/自然発生について」
ダーウィン 「人及び動物 の表情について」
アーレニウス 「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」〔改訂版〕
オストヴァルト 「エネルギー」
ヘッケル 「宇宙の謎」【改訂版
ディーツゲン 「一労働者の観たる人間頭脳の働らきの性質」
その他、様々な講演録、伝記などがそろっています。また
日本の名著もいろいろそろっています。(以下敬称略)
寺田寅彦の「物理学序説」もありますし、
九州大学工学部に助手としておられ、その後 東京に移られて東京工業大学助教授をつとめられていた科学史家、天野清の「量子力学史」、「熱輻射論と量子論の起源」、「熱輻射史」その他の業績も無料でダウンロードして読めます。(将来を嘱望されていた天野清は残念なことに、昭和20年4月の東京大空襲で亡くなりました。)

その他、様々な先達の著作(天文学、物理学、哲学、数学史など―石原純、九大の教授だった桑木彧雄の業績、戸坂潤、村田全や小倉金之助の著作、三浦梅園の著作などいろいろ)が読めます。是非ご覧ください。

スマホのGPSは圏外でも使える!山の中で道に迷わないために登山用アプリを利用しよう!

今日は温度は少しあがりましたが湿度が低くてあまり暑くは感じませんでした。快晴で山がとてもきれいに見えて散歩していると鶯の声もきこえて、のどかな一日でした。以前紹介した花の咲いていたリンゴの木に実がなっていました!ホタルも先週から沢山舞っています。

私の住んでいるところは山登りのコースの近くなのですが、ちょっと山のほうにいくと、携帯は残念ながら圏外になって通話できません。でもGPSは圏外でも使えるんですね。これは知りませんでした。昨日、ネットニュースにでていたので早速 携帯を機内モードにして使ってみましたが、Googleマップで現在位置を表示させてすぐ機内モードにすると、地図がキャッシュされている間は、バスで移動中もちゃんと現在位置が正確に表示されていました。ネットにはつながっていないので、しばらくするとネット接続が必要なGoogle Mapは使い物にならなくなりますが、確かに機内モードでもスマホのGPSは動いていました!

登山する人は、登山用アプリの「ジオグラフィカ」をダウンロードして使うといいそうです。これは国土地理院の地図をダウンロードした上でキャッシュしてつかうので、携帯が圏外になっても自分のいる位置がGPSでちゃんと表示されます。iPhone版とAndroid版があります。(GPSのついていないiPadとかではもちろん使えません。)

詳しくはここに開発者の方が紹介しているページもありますので、アプリのページとともにご覧ください。携帯によってGPSの精度が悪いものとよいものがあるそうで本番前にチェックしておくなどの注意が必要ですが、とても便利なアプリのようです。私もこんどの山歩きには試してみようとおもいます。

物理学の本をダウンロードしてみよう―Internet Archiveの使い方5

ちくま学芸文庫にはさまざまな科学の名著が網羅されています。カタログを眺めてみると、どれをとっても読んでみたい本ですが、科学の古典もいろいろ含まれていてそれらが日本語で読めるのはとても素晴らしいことです。Internet Archiveには、この文庫でとりあげられている多くの本や、岩波書店その他から翻訳本がでている本が沢山収録されています。Internet Archiveからは、KINDLE, epubやpdf形式など電子書籍の形式を選んで、自分のタブレットやPCにダウンロードできます。後はアプリを使って辞書を自動でひきながら読めるので、英語その他の外国語の本を読むのもずいぶん楽になりました。本当にいろんな本がよめます。今日は物理の本を紹介しましょう。
たとえば 理論物理学の教科書の定番ランダウ・リフシッツの 理論物理学教程は日本語版も出版されていますが、Internet Archiveからは英語版が無料でダウンロード可能です。検索窓に
creator:”L.D. Landau”とかcreator:”L.D. Landau & E.M. Lifshitz”で検索してみてください。とりあえず「力学」へのリンク(第2版第3版)をはっておきます。
こちらのブログ(とね日記)に詳しい情報(一部リンク切れあり)もあります。第3版のありかは、このブログに教えてもらいました。
この「とね日記」にはファインマン物理学全巻が無料でオンラインで読めるというサイトの紹介などもあっておすすめです。ファインマンはアメリカの有名な物理学者で朝永振一郎やシュヴィンガーとともにノーベル物理学賞を授賞しています。彼の大学での物理学の講義は有名でとても面白い教科書です。またご冗談でしょうファインマンさんなどの本でも有名ですね。Internet Archiveには著作の朗読や動画を含めていろいろ無料でダウンロードできるものがそろっています。ここをご覧ください。
私の学生のときには、物理学者のガモフの本の翻訳をよく読んだものでした。ガモフは遺伝暗号の解読にも参加していたので生物学への影響も大きかった人です。宇宙の開闢の時にビッグバンがあったというのを提唱した人でもあります。そのガモフの本もInternet Archiveにはいろいろありました。George Gamowで検索してみてください。トムキンス氏の冒険とかもみつかります。
「物理の伝記」とか「1,2,3、無限大」それに前に紹介した「重力」とかもあります。p135あたりから以前紹介した Faradayの研究の話が書いてあります。
その他の科学の名著として、たとえば、ちょっと検索するだけで、
フォン・ノイマンの自己増殖オートマトンの理論
とか、
Theory Of Games And Economic Behavior ゲームの理論と経済行動とかもあります。
Norbert Wienerの本もいろいろありました。サイバネティクスで有名で、二次の確率過程であるWiener過程はランジュバン方程式の勉強の時におめにかかったことがあります。
サイバネティクス Cybernetics Or Communication And Control In The Animal And The Machine は有名な本ですね。他に検索してみると、彼の自伝とかもあります。

いろいろ検索してみてください。 田んぼに水が張られて田植えの準備がはじまりました。

最新の論文を探してみよう プレプリントサーバー bioRxivの利用法1

最新の論文を探すのには、PubMedやGoogle検索を使う方法が良く知られています。今回は、投稿前の論文、査読中の論文の探し方を紹介します。

論文を投稿する前に、完成した論文をプレプリントのかたちで公開サーバーにアップロードして皆に読んでもらい、プライオリティの取得もかねて意見を求めるというのは、昔から物理などで盛んな ならわしでした。現在では生命科学の論文用のプレプリントサーバーbioRxiv(バイオアーカイブと読みます)が盛んに利用されています。このサーバーを検索すれば最新の査読されていない またはここに公開と同時に査読中の論文を読むことができます。

bioRxivはCold Spring Harbor Laboratoryが維持しているプレプリントサーバーで、投稿すると内容をチェックした上で(非科学的な内容ではないか、テロに用いられるような危険な知識を提供するものではないか、剽窃した内容でないかなどのチェックです。査読してくれるわけではありません)翌日には公開されます。利用は無料です。

このサーバーはほとんどの著名な生命科学系の学術雑誌(ここに今日、ダウンロードした提携雑誌のリストがあります。投稿前に必ずこちらhttps://www.biorxiv.org/about-biorxivで確認してください。)と提携しており、bioRxivに いったん投稿しておけば、提携雑誌へ投稿する際は自動的にデータがその雑誌に移動できるようになっていて、投稿時にもう一回著者のリストを入れたりする手間はないのでおすすめのサービスです。投稿してしまえば引用可能になりますので、取り下げることはできません。利用法としては、査読のある雑誌への投稿と同時にこのサービスで投稿原稿を公開したり、bioRxivのサーバーで公開して皆にすぐ読んでもらった後で、査読のある雑誌に投稿することができます。またbioRxivに公開した後、コメントなどを参考に改訂してバージョンアップした後、投稿することも可能です。下の紹介動画をご覧ください。

私の良く知っている線虫の研究者、Josh Bembenekさんも盛んにこのサービスを利用しており、最近もこんな論文のプレプリントを公開しています。
https://www.biorxiv.org/content/early/2018/05/10/319657

線虫の細胞系譜にそって細胞質分裂の仕方が変化するという面白い内容です。

皆さんもbioRxivの検索画面で自分の好きなキーワードでいろいろ検索してプリプリントを探してみてください。最新の研究成果がいろいろ見つかると思います。

多くの雑誌ではプレプリントサーバーにアップロードして公開した論文は、投稿前のもの
prior to submissionとみなされます。中には投稿前にbioRxivでの公開を許さない雑誌もありますので、投稿前に十分調べてから投稿してください。Oxford Journal系の雑誌のように、公開プレプリントサーバーに公開しているものが投稿後にアクセプトされて掲載されるときには、すでに公開していたのだからといって、オープンアクセスの料金を払わねばならないところもありますので注意してください。各雑誌のポリシーは
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_academic_journals_by_preprint_policy
などにまとまっています。

他の分野でのプレプリントサーバーには、物理関係(経済分野も含む)のものや、は科学哲学関係のものなどもありますので、興味ある方は訪問してみてください。

ライフサイエンス辞書のコーパスを使った英語の書き方

ライフサイエンス辞書Life Science Dictionaryのサイトで、コーパス (corpus)を検索できます。先日紹介した広島大の河本健先生のページにある動画では、コーパス検索のデフォルトとしては、詳細検索を使うのがよいとのことでした。今回お伝えしたいのは、次の点です。

ひょっとしたらコーパス corpusの検索窓に、いつも一つの単語だけをいれていませんか?それはもったいないです!

コーパスの検索窓には、複数の単語の並びをいれることができます。たとえば、今論文を書いていて、 「GPIアンカー型タンパク質は、アーキアからヒトまで保存されいる」という英文が書きたいとします。アーキア(archaea)というのは古細菌ともいいます。
「アーキアからヒトまで保存されている」というのはどう書いたらいいでしょう?

まずライフサイエンス辞書のページのコーパスタブを開きます。でフルトの簡単検索画面がでますので、それにfrom archaeaといれてみましょう。

詳細検索をクリックして、表示数などを調整します。
最大1000 行表示にして、設定を記憶。冠詞や前置詞を文章内のリストに含めるなどにしています。
検索ボタンを押すと、from archaeaの部分の前後が表示されます。(表示されないときは、スペリングミスか、あるいは入力した句を含むコンコーダンスの例がみあたらないことを示します。たとえばfrom archeaとしてみてください。archeaでも正しいはずですが、用例がありません。)

上の図のコンコーダンスをみていくと、from archaea to humansという用例があるのがわかります。保存されているconservedという単語を使っている用例がないかなぁ、と詳しくみていくと(conservedという単語を画面で検索しただけですが)、ありました!
35番の文に古細菌からヒトまで保存されているという用例がでていました。

あとは、文の番号35をクリックすると、新しいタブが開いてこのように

PubMedの画面がでてきて要約Abstractの部分にある例文が容易にみつけられます(ブラウザ画面でhumansなどの単語で検索してハイライトさせてみました)。

これで目的の作文ができました。
こんな感じで、コーパスの検索窓にいろんな句を入力して用例を探すと、英文作成がずいぶんはかどりますので試してみてください。
コーパスはphrase 検索でつかわないともったいないです。

 

糖鎖生物学の最新の英語講義シリーズの紹介と、その他の面白いサイトの紹介です

このサイトですが、RSSフィードがこのブログページからしかでないというデフォルト設定でした。今日、プラグインをいれて、固定ページからもRSSフィードがでるようにしました。リンク集を今朝、すこし改訂して以下の記事のサイトもとりこみましたが(入れたばかりのリンクを赤い文字で表示してみつけやすくしました)、そうした固定ページへの変更もRSSフィードでわかるようになっているはずですので、是非、RSSフィードも使って訪問してくださるようお願いします。

さて本題です。ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins大学)医学部で2018年におこなわれている糖鎖生物学の最新の講義Introduction to Glycobiology(英語の講義です)が面白そうです。ビデオが順次アップロードされており、みるだけで糖鎖生物学の基本と医学とのかかわりが勉強できます。有名なG. Hart先生やその他の先生が講義されておりシラバスがここにあります。是非聴講してみてください。

その他、リンク集には:
科学技術振興機構JSTのバイオサイエンスデータベースセンターのポータルサイトへのリンクも載せました。中にはいろいろ役立つサイトへのリンクがありますのでクリックして探してみてください。
たとえば、新着論文を紹介している、
ライフサイエンス新着論文レビュー
最新のレビュー記事をのせている、
ライフサイエンス領域統合レビュー
など参考になるリンクがあります。自分に役立ちそうなサイトをブックマークして使ってみてください。

またバイオ系の英語の書き方については以下のブログも参考になります。
http://bioenglish.hatenablog.com/

ノーベル賞受賞者Sulston先生について

線虫C. elegansの研究でノーベル賞をとられたSulston先生が今年3月6日に75歳で亡くなりました。胃癌だったとのことですが、亡くなる一か月前までは仕事をしておられたとか。先生らしい最後だと思いました。昔、私がケンブリッジのMRC LMB (The MRC Laboratory of Molecular Biology )の John White先生のラボにいたとき、ハロウィーンのパーティーをSulston先生のご自宅でやるからということで、皆でうかがいました。夜でしたが、御庭の池のほとりには日本の提灯が灯をともしてぶらさげられていて、私もお土産に、息子の折った折鶴で口に小さな線虫を咥えているものを、何重もの箱の中にいれてお土産に先生に渡しました。先生は面白そうに箱を何回も開けて、やっとでてきた折鶴が、線虫をくわえているのをみて笑っておられました。

MRC LMBの線虫研究者John White先生の手で、世界で初めてレーザー共焦点顕微鏡が実用化された(MRC LMBの工場で組み立てたそうです)のですが、この MRCの線虫ラボには伝説の床というのがありました。Sulstonさんたちが世界ではじめて、線虫のすべての細胞の系譜Cell Linages(どの細胞がどんな細胞になるかという系譜)を明らかにしました。多細胞生物の細胞系譜の完全な記述は世界初の偉業でした。

その実験ノートが残っています。線虫の胚発生を実体顕微鏡で逐一観察し、丸椅子に腰かけて実体顕微鏡で線虫の発生する様子を逐一観察しては、ノートブックへ発生の様子を書き込み、また顕微鏡にもどって観察するという作業を繰り返していたそうです。その作業のたびに丸椅子がくるくる回るので、とうとう床に穴があいたのだそうです。それが伝説の床なのです。左の写真はその床の場所を私が撮影したものですが、さすがに床は修理されていました。

毎日4時間休みなしで観察する作業を2回くりかえし、18か月におよぶ観察で約1000個の体細胞からなる線虫のすべての細胞の発生の様子(細胞系譜:どの細胞が分裂して、どの細胞になり、どの細胞がいつ死ぬかなど)が明らかになりました(White先生が書かれたSulstonさんへの追悼の辞をごらんください)。そのノートの一例がMRC のサイトにありますのでご覧ください(写真)
A4のノートの一行目に日付が書いてあります。細胞は色鉛筆で色分けされて示してあります。観察しているSulstonさんに一番近い細胞が赤、その下が緑、次に離れているのが黒、次が青、次が紫という色分けで3次元の細胞配置をスケッチしています。、観察している時間が発生中の胚の部分の絵の左上に書き込んであります。丸で囲んであるのは、胚の発生開始後の時間です(分表示で205分、215分とか書いてありますね)。
当時は、自動で胚発生を観察して記録するシステムもなかったので、すべて直接観察で手書きでスケッチしていったのですね。ものすごい努力です。
私がMRC LMBの線虫ラボに留学していたときには、White先生がパイオニアのレーザーディスクに発生の様子を自動記録するシステムを完成させておられて、観察と記録がもうすこし楽にできるようになっていました。ちなみに、White先生はレーザー共焦点顕微鏡の開発の他、線虫の300個程度の全神経回路網(どの神経が体のどこにあって、その神経細胞がどの細胞と接触しているかというのの全貌:今でいうコネクトーム)を解明したのでも有名です。

Sulston先生はその後、線虫ゲノムの配列解析の偉業にとりくまれて、完成。多細胞生物ではじめての全ゲノム配列の決定に成功しました。このプロジェクトの経験は、続いてSulstonさんと Bob Waterston先生(当時MRC LMBのポスドクで、セントルイスのワシントン大学へ移動)がとりくんだヒトゲノム配列の決定に大きく寄与したのです。Sulstonさんや線虫の研究者は、得られた成果を囲いこむことなく広く皆で共有するという秀逸な方針をもちつづけたため、ヒトゲノム配列の決定結果を売りだしたVenterたちとは対立し、急いでヒトゲノム計画を完成させました。、他にも乳癌遺伝子の成果を特許で囲い込もうとする動きにも鋭く対立しておられたと記憶しています。近年は生命科学と倫理の問題にとりくんでおられたと聞いています。

ここに載せている実験ノートの写真もCC BY 4.0といういう自由に利用できるという宣言がなされているものです。Sulstonさんの研究データの公開、共有という方針とおなじですね。

歴史にのこる科学者Sulston先生のご冥福をお祈りするとともに、その精神を受けついていくのが大事だと思います。