退官記念食事会をしてもらいました。ランチョンセミナーの内容変更点について

今日は卒業生のOB,OGの方たちに退官記念食事会をしてもらいました。忙しい時期なので福岡在住の方が主ですが、懐かしい顔ぶれがそろってとても楽しいひと時を過ごさせてもらいました。みなさんありがとうございました。みな元気で学生時代とほとんどかわっていないのは、社会人になってそれぞれ自分が活かせる職場にいるからだろうと思います。学生さんたちのおかげで充実した大学生活をおくらせてもらいました。ほんとうにみなさんありがとうございました。また今後の活躍をお祈りします。

昨年末のConBio2017のランチョンセミナーは、200名を越える方々にきいていただけたようで、ありがとうございました。Springer-Natureによるとあの講演の中で紹介していたSpringer Exemplarが廃止になったそうです。それでスライドの該当部分を削除したものをアップロードしてありますのでご利用ください。講演のビデオも近日中にYouTubeにアップロードされます。公開されしだいこのページで連絡します。

 

 

無料の英語の辞書とweb pageの保存用アドオンの紹介

科学を学ぶ人のためにはホームページ閲覧ソフトであるウエッブ・ブラウザにFirefoxを利用するのがなにかと便利です。アドオンといわれるいろいろな拡張機能を各人の用途に合わせてインストールして使えます。今みているweb pageをそのまま保存出来るアドオンであるScrapBookは特に便利で手放せません。(2018年4月1日追記:ここで書いているscrapbookというアドオンはFirefox ESRでしか使えません。最新のFirefoxについては対応するバージョンアップ版は不完全です)

また英語のページを読んでいるとき、わからない単語にカーソルをあわせると訳語がポップアップするLSDという最近発表されたアドオンも必須のアイテムでしょう。

LSDのページにFirefoxでアクセスし、「インストールはこちらから」というのをクリックしてインストールして下さい。インストール出来ないときはブラウザの上の方にセキュリティの警告がでているのではないでしょうか。インストールを許可するように設定を直してやるとインストール出来ると思います。(2018年4月1日追記:その他のポップアップ辞書もありますので2018.3.15の記事を参照してください。)

これはライフサイエンス辞書プロジェクトが文部科学省の科学研究費の支援を得て作成した辞書で、アドオンには93000語もの生命科学用の辞書がはじめから無料でついています。マウスカーソルを英語の単語の上にあわせるだけで、図のように訳や類義語、用例などがポップアップします。図は私達の以前の論文を文献データベースのPubMedで表示してintercellularという単語の上にマウスカーソルをおいた時の様子です。またマウスをドラッグして単語の原型を選択しても辞書がひけますが、こうすると専門用語でない単語の訳がでてくることも多いので普通の英和辞書としても使えます。類義語や用例も表示されるので英語で論文を書くのには不可欠の道具でしょう。セミナーの準備や論文を読むときにも活用すると能率があがります。

こうした機能を誰でも使えるようにしてくださっている方々に皆で感謝し、訳語のミスや収録されていない単語などに気づいたら報告するなどして協力しましょう。

英語で話すコツ(2):

前回はNIHの英語の話し方の講習会を紹介しました。NIH videocastingでは2008年9月にもGiving a GREAT scientific talkと題して講習会を放映しています。これは学会などで口頭発表するときの心得です。video podcastもありますので見ると参考になります。 講演内容の一部を紹介しておきましょう。

1) 聴衆が自分の話を理解するための予備知識をどれだけもっているかをあらかじめ予測して講演内容を準備しなくてはなりません。.knowing your audienceです。エキスパートの前で基礎知識を長々と講義してはいけませんし、逆に、知的好奇心旺盛な非専門家の聴衆に基礎知識の紹介なしで専門語満載の講演をしてもいけません。どちらの場合でもすくなくとも一つ、この講演をきいてよかったという内容がつたわるようにしたいものです。

2) 下調べは大事です。学会にでかけていくとき先方のコンピュータがマックかウインドウズか、自分のパソコンで講演できるのかUSBでデータをわたすのか、あらかじめ調べておきましょう。先方からパソコンの種類などの問い合わせが普通ありますのでそれをちゃんと読んでおくことも大事です。会場であわてないように会場への行きかた、パソコン周りのことをよく調べて準備しておくことです。会場の大きさ、マイクなども講演前に必ずみて準備しましょう。

3) tell a story これはよくききますね。論文でも同じだといわれています。
・どういう点でこの仕事は重要なのか。
・この問題の解決への自分の独自の貢献とは何か。
・この仕事は今後どうなっていくのか。
この三つの質問の答えができるようにして講演内容をねりあげていきましょう。

4) スライドでの発表ですが、話しはじめて最初の90秒から2分までが第一の勝負です。ここで聴衆をつかめるかつかめないかが勝負どころです。

5) 10分とか12分の短い口頭発表では最初に結論の一部をちらっと紹介して繰り返し論点を強調したりするのがよいでしょう。

その他スライドの作り方(どれくらいの大きさの字を使うのがよいかなど)なども教えてくれます。今忙しくて時間がないのでまた後日ふれることにします。

英語で話すコツ(1):

リンク集にあるNIH videocastingで英語の講演を聴くと英語で発表をするためのよい勉強になります。一流の科学者の一流の研究所での公開講演がいながらにして聴けるのは英語で研究成果の発表をしようという私達には見逃せない機会です。このNIHのビデオ放映では生命科学の最新の研究成果の発表(セミナー)だけではなく、以前紹介したように科学論文の書き方や論文の投稿の仕方、データベースの使い方など科学研究のプロフェッショナルを目指す人の助けになるような講習会も放映されています。

今年の6月5日にはImproving Spoken Englishと題してScott Morganさんが講習会を行いました。英語を母国語としない科学者のためにどのように英語を話したらよいかを楽しく解説してくれているので是非ご覧ください。[追記(2010.04.15) 現在このビデオはNIH ONLYのカテゴリーのビデオに変更されているためwebページではビデオが再生されません。ビデオのダウンロードと音声のダウンロードリンクは利用可能なようですのでおためし下さい。] 講師のMorganさんは科学のプレゼンテーションの専門家で俳優としてもテレビで活躍している方です。Speaking about Science: A manual for creating clear presentations(Cambridge University Press)という本も書いておられます。アメリカ人に理解してもらえるように話すにはどのような点に注意すればよいのかについて、7つのコツを教えてくれます (7 Secrets to Improving Spoken English)。

ビデオはVideo Podcastsのリンクからダウンロードしてゆっくり好きなときにみることもできます。一時停止させたりしながら、ゆっくり見ることもできますのでお試しください。最後のほうでスライドを何枚かとばしていますが、一時停止してみればそれらも読めて参考になります。

いろいろ参考になる話がありますが、たとえばアメリカ人には母音はどうでもよいという話がありました。eitherはイーザーでもアイザーでもよい。 tomatoはトメイトウでもトマートーでもどっちに発音しても気にしないのだそうです。ligandという単語の発音をリガンドといったり、ライガンドといったりしてもどちらでもよい。演者が講演の最中にライガンドといったすぐあとにリガンドといっても誰も何とも思わないのだそうです。それよりも子音が大事、声が大きいことが大事、聴衆をみて話すことが大事、文の最後を聞こえないように話す(飲み込む)のはいけない、単語の音節syllableを一つ一つ丁寧に省略せずに発音することが大事なのだそうです。neovascularization(血管新生)とかallele(対立遺伝子)とか、生命科学向けの単語を実際に発音して解説してくれています。最後に勉強のアドバイスとしては、ビデオをみるのもよいのですが、ビデオで英語になれたらラジオ (National Public Radioがおすすめ)を聞くようにすると話す力が上がるのだそうです。

トップジャーナルに投稿しよう!:

科学の研究では研究成果は論文にして発表します。論文を投稿するとき、その成果がとても優れたものならハイクラスの雑誌(ジャーナル)、英語ではtop-tier journalと呼ばれる雑誌に投稿したいものです。Top-tier journalの一つである雑誌Scienceの編集者を長年つとめたKatrina L. Kelnerさんによると、
Science, Nature, Cell などのtop tier journal へ投稿するかどうかの判断基準は以下のようなものだそうです。

よいストーリーと説得的なデータを用意して投稿しましょう!

 ・今までの自分の研究で最高のものか?
・大きなインパクトのある研究か?
・他分野の科学者の興味をひくようなものか?
・既存の知識・常識をひっくり返すようなものか?
・長い間未解決だった問題の
(予想できなかったようなものであることも多い)解決や、
広範囲に影響を及ぼすような成果へつながる大きな一歩か?

いかがでしょうか。こういう成果にめぐりあえたら是非、top-tier journalにチャレンジしたいものですね。彼女の英語での講演はPublishing in Journalsと題して2009年3月16日に行われました。論文の書き方についての貴重な講演ですので是非ご覧下さい。(後半は別の方による講演です。論文を投稿するときに添える編集者への手紙であるcover letterの書き方その他についての懇切丁寧な解説があります。) 講演を聴くには上の青字の部分をクリックするとNIH VideoCastingのページにつながります。

Google検索 (6):

研究や勉強にはGoogle検索の活用がかかせません。Google検索のコツをゆっくり解説していきます。今日は英文を作成するときの英文校閲のヒントを引き続き紹介いたします。

前回A resulted BかA resulted in B.かどちらが正しいかをGoogle検索で調べてみました。resultの後にくる単語を*で表して検索してみたのです。実はある単語の前後にどのような単語がくるか(共起表現)はあちこちでデータベースになっています。Googleでもそうしたコンコーダンスに関するデータを販売しているはずです。そういったデータを買ってもいいですが、生命科学についてならすばらしい無料のサービスがあるので紹介します。

リンク集にものせてある
online life science dictionaryの共起表現(コーパス)のページにいって調べたい単語(たとえばresult)を検索窓に入れると共起 表現が 容易に検索できます。単語の1語前、1語後、2語前、2語後での結果のソートもできますのでお試し下さい。

試しにresultsをいれて検索してみると、上のように表示されます。共起表現をクリックするとその例文が掲載されている英語の論文の要旨(abstract)にとぶという便利さです。自分が使う単語のあとにくる前置詞に不安があるとき、あるいはこんな単語のならびかたが許されるのかと疑問に思うときなどには、この共起表現検索やGoogleのphrase検索(引用符検索)は強い味方になってくれます。文法的な間違いというのがほとんどない英語が、これで書けるようになったという方が続出しています。是非、これらのサイトと検索法を活用して誤りの少ない英文作成に役立てて下さい。

Google検索 (5):

研究や勉強にはGoogle検索の活用がかかせません。Google検索のコツをゆっくり解説していきます。今日は英文を作成するときの英文校閲のヒントを紹介したいと思います。

「AによってBのような結果になった」と英語で書きたいとき、”A resulted B.”
で良いでしょうか?そうではなくて”A resulted in B.”だったでしょうか。これをGoogleを使って調べてみることにします。英語の論文での使い方をみたほうがよいので、検索するサイトを科学雑誌Scienceのサイトに絞って検索してみましょう。もちろんsite:jbc.orgとかsite:nature.comとかもよいので試して下さい。

サイトの後にコロンをつけて
site:sciencemag.orgとして検索語(複数個も可)を入力することでScienceのサイトに絞った検索が出来ます。
site:www.sciencemag.orgでもよいです。ただし後者の場合の検索ヒット数は前者より減ります。それはsite:sceincemag.orgとするとstke.sciencemag.org
のようにsciencemag.orgの前がwwwでないものも検索するからです。)

前回紹介した引用符で囲んだ検索と、任意の一語を表すアスタリスク表示を組み合わせて使います。“resulted *” のようにresultedの後にアスタリスクを入れて引用符で囲み、resultedの後にくる任意の一語をアスタリスクで代表して検索するのです。実際やってみると、resulted fromだとかresulted inとかいう用例がヒットします。その例をよんでいくとA resulted in B.というのが適切な用例であることがわかります。

site検索で自分の投稿する論文のサイトを指定して調べると安心です。有名論文サイトの論文はたいてい英文校閲してあるはずだからです。site検索をしない場合には、英語を母国語としない人の書いた誤った用例も検索してしまいますので、その用例をどこの国の人が書いているか、そのような用例がいったい何例ヒットしているかに注意を払うとよいでしょう。少ないヒット数や非英語圏のサイトが中心の用例は要注意でさらに確認が必要となります。